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■神様のお陰・愛育て(18)

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「まあ、そういうものかもね」
「じゃ、命(めい)やりなよ」
「うん」と言って命(めい)が左手で運玉を持つ。
「あれ? 左手で投げるの?」
「だって、僕男の子だし」
「おかしいなあ。命(めい)は女の子だと思ってたのに」
「男の子だよ」
と言って、命(めい)は左手で1個目を投げる。
 
「あぁ、届かない」
「ね、なかなか届かないよね」
2個目、3個目を投げるがかなり惜しいものの、やはり微妙に届かない。
「私みたいに走って投げる?」
「あれ、危ないよ。落ちたらどうするのさ?」
そう言いながら命(めい)は4個目を投げるが届かない。
「ねぇ、無理せず右で投げたら? 女の子なんだし」
「そうだなあ。じゃ1個だけ右で投げよう」
そう言って命(めい)は最後の1個を右手で投げる。
「当たった」
「すごーい。やっぱり、命(めい)は女の子だということなのよ」
「うむむ」
 
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「命(めい)は何を願ったの?」
「うちの村が繁栄しますように」
「おっ。個人的な祈りじゃないんだ!」
 

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坂道を昇って鳥居の所まで戻る。また交替でトイレに行ってからふたりは道を戻った。疲れているので40分くらい掛けてバス停まで戻る。荷物を預かってくれていた商店で御礼を言って荷物を受け取り、おやつを少し買った。
 
「ありがとうございました!」
「あ、お客さん、これを」
と言って店の人が、小さなお菓子の包みを渡してくれる。
 
「これは?」
「この辺の名物のウイロウです。お客さんたち、神様のお使いでしょ?お勤めご苦労様です。これは御接待です」
「わあ、ありがとうございます!」
「いえいえ、御接待することで、こちらも御利益(ごりえき)がありますから」
とお店のお婆ちゃんはニコニコ顔で言った。
 
「このウイロウ、生ものですから、今日中か明日のお昼くらいまでに食べてくださいね」
「分かりました」
 
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お店を出て、バス停で少し待つとバスが来たので乗り込む。40分弱で、ふたりが泊まるホテルの前に到着する。バスの中ではふたりともひたすら寝ていた。
 
ホテルにチェックインする。予約が「西沢」で入っていたので、命(めい)は宿泊カードに「西沢円・斎藤理彩」と記入し、まどかのクレカで決済した。「西沢様宛に郵便物が届いております」というので受け取る。まどかが出したものであろう。しかし今日届くということは2〜3日前に投函したことになる。何を送ってきたのか知らないが、用意周到というか準備万端というかだな、と命(めい)は思った。
 
フロントで、明日霧島神宮に行きたいのだが、どうやって行くのが良いかと訊いてみる。
 
「JRで南宮崎経由で霧島神宮駅まで行くことはできるのですが、その後のバスの便があまり良くないのですよ。もし免許をお持ちでしたら、宮崎空港か宮崎駅までJRかバスで行かれた後、レンタカーを借りて行かれるのが良いですが。宮崎駅からでも空港からでも高速経由で2時間くらいで行きます」
「あ、私、日産レンタカーの会員証持ってる」と理彩。
「それでしたら、宮崎空港にも宮崎駅にも店舗がありますね」
 
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理彩はホテルの部屋に入ると命(めい)のパソコンを使ってルートを確認した上でレンタカーの予約を入れた。宮崎空港店で借りて、宮崎駅前店で乗り捨てることにし、6時間借りることにした。
 
「あ、そうだ。まどかちゃんからの郵便物を見なきゃ」
と言って開封してみると、ETCカードだ!
 
「親切だね〜」
「全部計算されているのね」
 
ホテルはビーチが見える素敵な部屋だった。かなり広めのツインである。ふたりは部屋に入ると、まずベッドをくっつけた。ベッドの端に座り、夕方の光の加減が刻々と変わっていく日南海岸の美しい景色を見る。お茶を飲み、頂いたウイロウを頂く。
 
「うー、カロリー、カロリー」と理彩。
「さすがにお腹が空いたね」
「でもこれ美味しい」
「名古屋とか山口のともまた食感が違うね」
 
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「でも、なぜ私たちが神様のお使いしてるって分かったの?」と理彩。
「少し見える人には分かると思うよ」
「へー」
 
「あのお婆さんには、命(めい)は男の子に見えたんだろうか?女の子に見えたんだろうか?」
「ああいう人は中身が見えちゃうから、女の子に見えたろうね。もし僕が男装していたとしても」
「ふーん。命(めい)の中身って女の子なんだ?」
「そうだよ。知らなかった?」
「命(めい)、今日は身体は男の子なの?女の子なの?」
「今夜確かめるといいよ」
「よし」
 
一息付いてからシャワーを浴びる。サッパリしたところで地下のレストラン街に食事に行く。中華の店と和食の店で少し迷った末に和食の店に入る。まずは宮崎ワインで乾杯してから、お刺身と天麩羅の盛り合わせを食べる。
 
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「結局今日はお昼食べられなかったから2食分食べなきゃ」と理彩。
「うん。でもやはり海の近くに来たらお魚が美味しいね」と命(めい)。
「だけど神様たちの間でもいろいろお付き合いがあるのね。それとも今はお中元か何かのシーズンなのかしら?」
「まあ、色々あるんでしょ。気にしない、気にしない」
 
「だけど、さっきネットで見てたら、青島と鵜戸と霧島、親子孫3代なのね」
「そうだね。霧島がいちばん上で、青島はその子供、鵜戸は青島の子供。神話上の関係はね」
「いろいろ親戚関係があるんだね〜」
 
「でも今日は宿泊カードに斎藤理彩と書いちゃったけど、もし奥田理彩と書いてたら、ちょっと凄いことになってたね」
「ん?」
「『西沢円・奥田理彩』だと、彩の字の前までを読むと『西沢円・奥田理』になって、まるで神様2人で宿泊したみたいな感じ」
 
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「先代神様の名前って、奥田理なの?」
「あ、知らなかった?」
「聞いてない。でも奥田って、まさかうちの親戚?」
「そうだよ。理彩の奥田のお祖父さんのお祖父さんが、理さんを産んだ人のお兄さんだよ」
「えー、なんと!」
 
「理さんには人間の妹がいて、その人が宮司さんちにお嫁に行って。今の宮司さんは、その人の曾孫(ひまご)」
「理さんも男の子から生まれたと言ってたね」
「そうそう。その人が理さんを産んだ直後に女の人と結婚して、そのふたりの間に、女の子が生まれてる」
「その女の子が宮司さんちにお嫁に行ったのね?」
「そういうこと」
 
「へー。奥田から宮司の辛島さんちにお嫁に行った人が居たというのは聞いてたけど、それが120年前の神婚に関わってたのか。でも子供を産んだ後、女の人に子供を産ませたってことは男性能力は回復したのね」
「まあ、そういうことだね。でも、その人はおっぱいは出なくて、もらい乳して理さんを育てたらしいよ」
「へー」
「男の身体で子供産むこと自体が無理なことで、おっぱいまでは出るもんじゃないらしい」
「じゃお乳が出る命(めい)はやっぱり、元々女の身体なんだよ、きっと」
「ああ、そうなのかもね」
 
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「生理もあるんでしょ?命(めい)」
「そんなのあるわけない」
「じゃ、何のためにずっとナプキン持ってるの?」
「それが自分でも何故かよく分からないんだよね」
「はあ?」
 
食事が終わった後、1階に足つぼマッサージのコーナーがあったので交替でしてもらったら、今日鵜戸で歩いた分の疲れが取れていく感じだった。
 

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「新婚旅行初夜だね〜」と言って理彩は命(めい)にキスした。
「もう何度目の初夜か分からなくなった」と命(めい)。
「初心忘れるべからずだよ」
「いいこと言うね」
 
「さあ、お嬢ちゃん、裸になってもらおうか」と理彩。
「ふふ、いいよ。マイダーリン」と命(めい)。
 
命(めい)のおちんちんが立たないので、基本的にふたりはレスビアンモードでセックスするのだが、そこに立たないおちんちんが付いていると、どうにも邪魔になる。そこで最近命(めい)はタックして疑似女性股間にしておくのが常態化していた。
 
最初は松葉でたっぷりとお互いの性感帯を刺激する。そのあと、理彩が上になった正常位とバック、それから1度ディルドーで理彩のヴァギナを責めた後、最後は命(めい)が後ろになった背面座位で締めた。理彩は何度も絶頂に達して大きな声をあげていた。
 
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「私、やっぱり命(めい)と結婚して良かったよぉ。他の男の子とでは絶対こんな快感、得られないもん」
「そう。じゃ、**君と別れない?」
「グッ。バレてたかぁ!」
「理彩、全然隠すつもりないでしょ?」
 
「分かった。別れる。でもまだ彼とはセックスしてないよ」
「他の男の子とはセックスして欲しくないね。デートまでは許してあげる」
「うーん。でも、私もしばらく命(めい)1本で行くよ。でも不思議だ。本物のおちんちんより、どうして命(めい)が手で動かす作り物おちんちんの方が気持ちいいんだろ?」
「僕と理彩の相性がいいからだよ」
 
「そうだよなぁ。それ以外に説明がつかん。でも命(めい)はおちんちん使えなくても、ちゃんと気持ち良くなれてるの?」
「女の子はおちんちん無くても気持ち良くなれるでしょ」
「そうか。やはり、命(めい)は女の子なのか!」
「何を今更」
 
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翌朝、ホテル前を8時のバスに乗り、宮崎空港前まで行く。レンタカー屋さんに電話をすると、予約していた日産ノートを持ってきてくれた。出発店に宮崎空港店を選んだのは、ホテルからそちらの方が近いことと、こちらが8時から営業なのに対して宮崎駅前店は9時からの営業で、出発が遅くなってしまうからである。
 
理彩の会員証を提示して書類を書き、まどかのクレカで決済する。
 
「念のため、西沢様の身分証明書か何かありますでしょうか?」
「あ、はいはい。学生証でいいですか?」
 
と言って命(めい)は学生証をバッグから取り出して提示する。
「はい、確認しました。ありがとうございます」
 
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