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■神様のお陰・愛育て(11)

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ゴールデンウィーク中は命(めい)も理彩も短期間のバイトをしていたので、どうにも都合が付かず会うことが出来なかった。まどかは連休が終わって1週間後の月曜日、5月14日にやっと命(めい)を男性体に戻してくれた。そしていつものように男性体に戻るのと同時に、自分が女性体になっていたことは忘れてしまう。そして例によって命(めい)はここ半月ほどの様々な記憶の矛盾に悩んでいた。
 
そしてその「現象」が始まったのはその週の木曜日、5月17日であった。後で考えてみると「真祭」で踊った2月17日のちょうど3ヶ月後であり、またジャスト90日後でもあった。
 
深夜、命(めい)は誰かが近づいてくる気配で目を覚ます。泥棒か?うちには盗るようなものは無いぞ、と思ったものの、その人物は命(めい)に「怖がらなくてもいい」と言って、布団の中に潜り込んでくる。そしていきなり唇にキスした。
 
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きぇー!と命(めい)は叫びたい気分になった。命(めい)は過去に男の子とデートならしたことがある。でもキスするのはさすがに初めてだ。やはり夕方女装でスーパーに行ったのがまずかった!? もしかして僕のことを女の子と思って尾行してきて、夜中になってから忍び込んできたとか?? でも、そしたらこの男、強姦魔で、僕はこれからやられちゃうんだろうか?
 
と一瞬考えたものの、途中でこちらが男だと気付くだろうから、問題無いだろうとも思う。ところがその男はこちらの服を全部脱がせてしまうと、命(めい)の股間をいじり始める。嘘−!と思うものの触られてる感じが、おちんちんをいじられているような感じではない。
 
命(めい)はその感触に記憶があったが、その日は何の感触か分からなかった。そして男は自分のペニスを命(めい)の中に入れて中で発射してから立ち去った。命(めい)は何をされたのかよく分からないまま放心状態であった。
 
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その「彼」の訪問はその後、毎晩続いた。彼が来るのが毎晩1時頃なので、寝ずに起きていたらどうなるだろうと3時頃まで起きていたら、寝てすぐにやってきた。アパートにいなかったらどうだろうと思ってファミレスで一晩過ごしてみたら、明け方うとうととしていた時に、彼はやってきて、彼としている間周囲には何も無いような感じだった。
 
20日の日などは理彩のアパートに泊まったのだが、理彩とHして疲れて寝てしまったところでやってきた。しかし理彩はその「訪問者」には気付かなかったようであった。
 
そして命(めい)は10日ほどの内に自分が彼とセックスしている最中は異空間のようなところにいること、行為の最中は女の身体になっていて、彼にはクリちゃんを揉まれて、濡れたところでヴァギナに彼のペニスを入れられているということを認識するようになる。
 
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この夜の訪問者によって命(めい)が女に変えられているのは、まどかによる女体化とは別口なので、過去に女体化していた時の記憶は戻っていなかった。そのため、命(めい)はこのセックスで妊娠する可能性があることに、まるで気付いていなかった。しかも命(めい)は元々女の子になりたいという気持ちを持っているので「彼」とのセックスが楽しくなってしまい、毎晩彼との様々なプレイを楽しむようになっていった。そしてそもそも命(めい)はこの毎晩の出来事を「夢」だと思い込んでいた。
 
5月中は結局理彩とは1度しか会えなかったのだが、命(めい)はこの夜の訪問者との生活のおかげであまり寂しくなかったし、自分も浮気しているという引け目から理彩がまた新しい恋人を作ってデートしているという「レポート」にも、とても寛容的であった。しかも今回の恋人とは、理彩は慎重に関係を進めているようで、6月上旬に久しぶりに会った時点で、まだセックスしていないということだった。
 
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「ね、ね、もしかして命(めい)、恋人できた?」
と理彩は命(めい)のと会って食事をした時に言われた。
 
「うーん。リアルじゃないんだけどね」と命(めい)が言うと
「2次元か!」と理彩が言う。
夢も二次元なんだろうか?と疑問を持つが説明しにくい。
 
「理彩の方は○○君と、実際どうなの?」
「うん。3回デートしてるからなあ。次あたりでそろそろホテルとかに誘われちゃうかも知れない」
「避妊しっかりね」
「うん。私もまだ妊娠出産はしたくないから、ちゃんと付けさせるよ」
 
「今夜は・・・どうする?」と理彩が聞くが、その日は「排卵日」というのを認識していた。自分が排卵日なら理彩もたぶん排卵日だ。
 
「理彩、今日は排卵日じゃない?」
「よく分かるね」
「じゃ、避妊具付けてもしない方がいいよ。今夜は何もせずに抱き合って寝ない?」
「それもいいね。じゃ裸で抱き合って寝よう」
「うん」
 
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そういう流れでその日はセックスせずに裸で抱き合って寝たのだが・・・・・
 
夜中に命(めい)は自分の性器がいじられている感覚で目を覚ます。
「理彩?」
「ねぇ、やっちゃおうよ。コンちゃん付けてたら大丈夫だよ〜」
「だって危ないよ」
「妊娠しちゃった時はしちゃった時よ」
「えー? じゃ、1回だけ」
「うん。1回だけね」
 
と言ったのだが、結局その日理彩は物凄く燃えていて(後で考えてみると排卵日なのだから当然といえば当然)、遅い時間から始めたにもかかわらず3回もやってしまった。
 
そして疲れ果てて寝たところで、「夜の訪問者」がやってくる。命(めい)はその日はもうマグロになって、もう勝手にして〜という感覚だった。
 
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しかし翌朝、命(めい)は排卵日にしちゃって良かったのかなあと反省しながら、理彩と避妊のことを話したことを思い起こし、ふと自分は「夜の訪問者」とのセックスで避妊しなくてもいいんだっけ? ということに初めて思い至った。しかし避妊どうすればいいんだろう・・・・彼に付けてって言うの???それとも自分がピルを飲めばいいのだろうか?????
 

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理龍神は悩んでいた。命(めい)のところへの夜の訪問を始めて1ヶ月が経過していた。神婚そのものはいにしえからのルールに従ってやっている。真祭のちょうど3ヶ月後から始めて、女性の性周期にあわせて平均で半月、最長でも1ヶ月間の訪問の内には相手を妊娠させることができる。相手が男の子である場合は性交前に女体にスイッチしてからすれば良いが、その場合、性交によって排卵することが多く、通常3〜4日以内には受精が起きると伝えられている。女性の場合でもやはり最初の性交がトリガーになって排卵が起き3〜4日以内には受精する場合も結構あるらしい。
 
今回男の子だから3〜4日で受精が起きると思ったのに(実際、理自身は父親である宝龍神と母親である奥田命理との間の3日目のセックスで受精したらしい)、女性の場合の最長日数である1ヶ月を経過してもまだ受精が起きない。一週間ほど前、確かに排卵が発生しているという感覚があった。それなのに受精しない。なぜだ??
 
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「ねえ、円、排卵中にセックスしても妊娠しないってどういうケースが考えられる?」
最近日々妙に楽しそうな顔をしている円龍神に、理は尋ねてみた。
 
「そんな話を女に訊くなんてセクハラで訴えちゃおうかなぁ」
「どこに訴えるのさ? いや、君なら何かヒントくれないかなと思って」
 
「コーちゃん、間違って違う穴に入れてるんじゃない?」
「はあ!?」
 

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命(めい)は悩んでいた。いや、毎晩の訪問者のことではない。どちらかというと彼との毎晩の行為は命(めい)にとって「浮気」であり、やはり優先するのは理彩とのことである。理彩はその日、いよいよホテルデートすると言っていた。
 
▽▽君と理彩がセックスしていた時は、自分はもう耐えきれないほどの嫉妬で頭がおかしくなりそうだった。またあんな思いをするの? 春代とかまどかにも言われたように、阻止しに行こうか。邪魔したら理彩怒るだろうし、最悪自分との関係を解消すると言われてしまうかも知れないけど、それでももうあんなことに耐えるのは嫌だという気持ちがあった。
 
そこにまどかが現れた。
 
「やっと邪魔する気になったみたいね」
「うん」
と言ってから命(めい)は自分の身体の変化に気付く。女体になってる! と同時に過去に女体であった時期の記憶が復活する。
 
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「協力してあげようか?」
「まどかさんの協力って微妙に怖いなあ」
 
「命(めい)、あんた見ず知らずの男とセックスするの平気?」
「・・・・実は最近毎晩、名前も知らない男の人とセックスしてる」
「おやおや。命(めい)も浮気かい?」
「僕を女体化させてくれてありがとう。今僕がしてるセックス、生でされてるから、妊娠の危険があることに気付いた」
「今のままなら妊娠しないよ」
 
「え?なんで?」
「セックスの時、あんた女体になってるだろ?」
「うん。でも不思議。あの時は女体になってるのに、女体時の記憶が復活しない」
「私と別口だからさ」
「そうか。まどかさんに女体化させられた時だけこの記憶は復活するのか」
「そういうこと」
 
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「あの人、まどかさんのお仲間?」
「さあね」
「声の聞こえてくる方角が、まどかさんの方角に近い。微妙に違う角度だけど」
「ふーん」
「まあいいや。でも妊娠しないってのは何故?」
「あんたの女体側のヴァギナは子宮とつながってないからさ。って本当はあちらが男性体なんだけどね」
 
「あ、そうか! 表の身体のヴァギナが裏の身体の子宮につながっていて、裏の身体のヴァギナはダミーだったんだった」
「そういうこと。ダミーの中でいくら射精しても妊娠しない」
 
「ちょっと待って。それじゃ僕が中2の時に理彩と性別逆転して、理彩に生で入れられた時って・・・・あれも妊娠の可能性無かったんじゃ?」
「そうだよ」
「緊急避妊薬・・・・」
「飲ませてみたかったから飲ませただけ」
 
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命(めい)は絶句した。あの薬すごく辛かったのに・・・・更にあのあと1ヶ月はホルモンバランスが崩れて物凄く性欲があったのに、おちんちんは女性ホルモンの影響で全く立たず、頭の中が桃色妄想でいっぱいのまま解放できず苦しんだ。
 
「でも生でセックスしちゃいけないということは身に染みて分かったでしょ」
「うん。勉強した。それなのに、僕って、この1ヶ月、ずっと生でやってた。懲りてないね」
 
「ふふふ。それで、理彩のセックスを阻止する方法だけどね」
「うん」
「こうしようか。今後理彩が命(めい)以外の男とセックスしようとした場合、その男が理彩のヴァギナに入れようとしたら、実際は命(めい)の裏ヴァギナに入る」
「わっ」
「そして、あんたのおちんちんが代わりに理彩のヴァギナに入る」
「ひゃー」
「だから、あんたは男に入れられながら、理彩に入れることになる」
 
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「サンドイッチになるんだ!」
「そうそう。浮気相手が万一生で出したりしても、そのヴァギナは子宮につながってないから、あんたが妊娠することは無い」
「なるほど。でも理彩が浮気セックスする度に、僕がその浮気相手に入れられるのはいいけど、僕、毎回おちんちんを立てないといけないの?」
「それ大変だろうから、命(めい)のおちんちん預かってあげるよ」
「・・・・・」
 
「そしてそれをクローンしたダミーを代わりに命(めい)に付けてあげる」
「そのダミーを僕が理彩のヴァギナに入れたら?」
「そのダミーは実際にはあんた自身の裏のヴァギナに入る。代わりに私が預かる命(めい)の本物のおちんちんが理彩のヴァギナに入る」
「面白い。僕は三重セックスすることになるのね」
「うん」
 
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「いいよ。僕、元々おちんちん取られちゃっても平気だし」
「クローン作るまでの間、1ヶ月ほど、おちんちん無しになるけど、いい?」
「いいよ。理彩もしばらくは○○君とセックス楽しむだろうし」
「実際には命(めい)のおちんちんとセックスするわけだけどね」
「その時、僕は入れられる感覚だけ味わうのね」
「そういうこと」
 
「じゃ、おちんちん切り取るのに、いったん男性体にするよ」
と言った瞬間、命(めい)は男性体に戻る。同時に今した会話の記憶が消える。そして次の瞬間、命(めい)の男性器が消滅した。
 
「わっ」
異変に気付いて命(めい)は慌ててズボンとパンツを脱いでみた。
 
「おちんちん無くなってる!」
 
そこには男性器が無くなり、割れ目ちゃんができていた。おそるおそる割れ目を開いて中を見てみる。尿道口と思われる穴と膣口と思われる穴がある。でもクリちゃんらしきものは見当たらない。
 
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僕、性転換手術でもしちゃったんだっけ???
 
命(めい)は記憶がつながらなかったり矛盾しているのには慣れているし、記憶の切れている時間帯に自分がへんなことをしている場合もあることにも慣れている。自分はひょっとしたらイブホワイトとイブブラックみたいな二重人格なのかもという気もしていた。女の子が自慰に使う物と思われるピンクローターなんかが買ってあったし、スーパー銭湯の女湯に入ったと思われる半券が財布に入っていたことも、この春から2度あった。僕、とうとう記憶の途切れている時間帯におちんちん取っちゃったのかな。どうしよう? 理彩と結婚出来ないよ。
 
命(めい)はまどかと今交わした会話の内容をきれいに忘れていたので「夜の訪問者」とのセックスで自分が妊娠する可能性のあることも忘れていた。
 
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その夜、命(めい)とセックスしに来た理龍神は命(めい)の身体を女体にスイッチしようとして、ギクっとした。
 
ペニスが無くなってる!?
 
この子、性転換手術でもしちゃったのだろうか?? よく女装してるみたいだし。
 
命(めい)の身体をスキャンしてみる。膣があるが、子宮・卵巣は無い。やはり人工的に作った女性器か? そういえば外性器の形も微妙に普通の女性とは違う気がする。あ、陰核が無い。やはり性転換したのか? なんて大胆な。
 
もしかして自分は今までも女体にスイッチしたつもりになって、この人工的な女性器と結合していたのでは? という気もしてきた。それじゃ妊娠しないよなあ。と思いスイッチを掛ける。外見上はさほど差は無い。でも陰核がある。身体をスキャンすると、ちゃんと子宮と卵巣もある。よかった。ちゃんとこちらと結合しなきゃ。理はそう思って、その日の行為を始めた。
 
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