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■神様のお陰・愛育て(12)

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数日後、命(めい)は生理になっていた。ナプキンを付けていたが頭の中が混乱する。性転換手術すると、月経も起きるんだっけ?? そもそも僕って前からナプキン常備してたけど、もしかして前から生理あったんだっけ???
 
その夜やってきた理龍神は命(めい)が生理用ナプキンを付けていて実際に経血が出ているようなので頭が混乱する。この子、生理があるの??? もしかして実は女の子だったとか。一応女体? にスイッチを掛けるとそちらは生理になっていないので、普通にセックス出来た。
 
しかし命(めい)の所から帰ってから、悩んでしまった。そういえば、この子、訪問し始めてすぐの頃もナプキン付けてたぞ。あの時はまだペニスがあって、その身体にナプキン付けてたから、何の遊びなんだかと思っていたが・・・・もしかして、この子、元々女の子の機能があるのでは?? それなら女体にスイッチしていたつもりが、そちらの方が実は人工的な女性器ということは?円から「違う穴に入れてない?」と言われたことを思い出す。
 
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そこで、理は命(めい)の生理が終わってからスイッチを掛けずに、表の身体のほうにあるヴァギナに直接入れてみた。入れた感触は裏の身体のヴァギナに入れた時とほとんど変わらない。そして、セックスした後、命(めい)の身体の中に何故かあった卵子(正確には卵胞)が活性化したことに気付いた。そうだ!忘れていた。この子、去年の真祭で踊った理彩から「例の儀式」で神的にいったん活性化した卵子を自分の身体に引き受けていたんだった。もしかして、その卵子が使える??
 
それから理は毎晩命(めい)の身体をスイッチさせずに、表に出ているヴァギナを使ってセックスした。すると命(めい)の体内の神的卵子がその度に刺激を受けて成熟して行っているのを感知する。これ、このまま行くと成熟しきったところで排卵が起きるぞ!
 
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また理は、不思議なことに表のヴァギナに放出した精子が裏の子宮に進入していくのも確認する。この子の身体、どうなってんの? まるで迷路だ!
 
排卵は7月4日の夕方頃に起きた。理は3日の訪問の際、卵子が充分に成熟しているのに気付いていたので、ずっとその日1日命(めい)の身体をモニターし続けていた。卵胞の殻を破った卵子が不思議なことに裏の身体の卵管に移動し、子宮を目指していた。卵官膨大部には既に昨夜射精した精子が待機している。行ける。これで妊娠が起きる! 念のため理はその夜も命(めい)の表の身体とセックスした。理は妊娠を確信して
「すまないけど、しばらく来れないと思う」
と言い、次は(子供が産まれるはずの)3月に来ると言い残して夜の訪問を終了した。
 
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命(めい)と理彩のこの時期の連動排卵日(括弧内は月経日)
2.15 (2.29) 3.14 (3.28) 4.11 (4.25) 5.9 (5.23) 6.6 (6.20) 7.4
2.28 理彩の実家で理彩と命がセックス。
5.17 夜の訪問開始。
5.20 理彩のアパートに泊まるが訪問者はやってくる。
6.06 排卵日だが妊娠前最後の理彩とのセックス。
6.18 円が命の男性器を取り外し外観が女性形態に。
6.23 理が命の表の身体と性交し始める。
7.04 神的卵子が排卵(卵巣側の排卵は抑制される)・受精。
7.15 家庭教師1回目。
7.18 妊娠4週目に入る。複製した男性器を戻され外観も男性形態に戻る。
7.22 理彩が命のアパート訪問。裸エプロン。
8.01 妊娠6週目に入る。
8.02 命が理彩のアパート訪問。翌朝○○と別れる。
8.04 星が身体に飛び込む夢を見る。
8.05 理彩に妊娠したことを打ち明ける。翌6日(月)産婦人科訪問。

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夜の訪問が終了した後、しばらく命(めい)は抜け殻のようになっていた。理彩に対して少し後ろめたい気持ちはあったものの、あの毎晩のセックスが自分の心を支えていたのも事実だ。まるで失恋でもしたかのように心の中に空洞ができていた。おちんちんも無いし、もう自分は理彩と結婚できなくなってしまったと命(めい)は思っていた。絶望的な孤独感にうちひしがれていた時、その心理的な危機を救ってくれたのは、やはり理彩だった。
 
「なんだか元気無いね。こんな時はパーっと女装しようよ」
などと言って、同級生の女の子の車に乗せてもらって、自分の服を数点と、新品の可愛いセット下着を3つ、命(めい)のアパートまで持ってきてくれた。
 
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そうだなあ。。。。おちんちん自分が取ってしまったのなら、この先女として生きるしかないのかも知れない。取り敢えず女の子になってお出かけしてみよう。命(めい)はそう思うと、シャワーを浴びてから、理彩が持って来てくれた下着を身につけ、理彩の服を着てコンビニに行き、口紅とマニキュア、それに生理用ナプキンを買ってきた。
 
ちょっとドキドキしたけど、もう自分は女なのかもという意識になると少し気分が晴れる感じだった。その夜、命(めい)は(この時の身体にはクリちゃんが無かったので)、自分のヴァギナに指を入れて遊んで少し気持ちよくなったところで寝た。
 
翌日理彩は「お昼少し時間が取れるから一緒に御飯食べよう」と電話してきたので、命(めい)はいそいそと新しい下着を着け、お気に入りのチュニックと膝上スカートを穿き、マニキュアをして口紅も塗ってお出かけする。
 
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ところが待ち合わせ場所に行くと、理彩の隣に彼氏がいる。何でも待っている最中に偶然彼氏と遭遇し、浮気を疑われたので「じゃ、どんな子が来るか見てみてよ」と言って、女装の自分が来るのを待っていたらしい。命(めい)は、そんなことなら男装で出てきて、ふたりの仲をぶち壊したかったと思ったが、表面的には笑顔で、「じゃ今日は○○君に譲ってあげるね」と言って理彩と別れた。
 
しかし命(めい)は心が収まらない。嫉妬の炎で心がいっぱいだ。それで神戸の春代を呼び出して、一緒にお昼を食べた。
 
「おお、可愛い服だ!」
「僕、もういっそのこと女の子として生きようかな、とかも思っちゃって」
「それもいいんじゃない。理彩とはレスビアン婚を目指しなよ」
「あ、そうか! レスビアンって手もあったね!」
「元々理彩と命(めい)って事実上のビアンだって、私は前から思ってたよ」
 
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「そっかー。もう、おちんちん取っちゃおうかなぁ」
などと言ったが、春代はじっと命(めい)の顔を見つめ
「既に取ってしまっているということは?」
と訊く。
 
「えーっと・・・・どうだろうね」
などと言って命(めい)は笑ったが、春代は「去勢済み」疑惑を持った感じだった。本当に付いてないから、追求されるとやばい。
 
しかし春代は深くは追求しなかったので、そのまま一緒にお昼を食べながら、おしゃべりをした。香川君との交際のことをひたすら楽しそうに語っていた。時々「こういう時、男の子って、どう考えるんだろう?」などと訊かれるので命(めい)の感覚で答える。
 
お昼が終わった後は「命(めい)が女の子になるならお化粧の練習しよう」と言って、化粧品を買いそろえに行った。夏なら崩れにくいファンデがいいと言われて、マックスファクターのファンデを買い、ヴィセのアイカラーとチーク、デジャヴュの「塗るつけまつげ」、それにDHCのアイライナーとアイブロウを買った。またキュレルの化粧水とUV乳液も買った。
 
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「順序は分かるよね?」
「うん。化粧水、乳液、ファンデ」
「それが分かってたらあとの順番は試行錯誤で。アイカラーは最初は変になるかも知れないけど、練習あるのみだよ」
「うん」
 

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理彩が男の子とデートしているのには嫉妬はするが、自分はレスビアン婚を目指せばいいのかもと思うと、少しは心の暴走が抑えられる感じだった。理彩と性交できない身体になってしまった以上、むしろ理彩には他の男性との関係を認めてあげるべきなのだろうかというのも思い悩む。それにこんな身体になってしまったってこと、いつ理彩にカムアウトしよう?
 
しかしその理彩当人は浮気しながらも命(めい)を電話で元気づけてくれる。春代も励ましてくれるし、妙香や菜摘など女子のクラスメイト、白石君や平原君など男子のクラスメイトも「元気だしてね」と言ってくれて、少しずつ命(めい)は立ち直ってきた。
 
7月12日は物凄く爽快な気分だった。この時期、命(めい)は一応大学には男装で出席していたのだが、午前中の講義にだけ出て午後からはサボることにして町に出、安い洋服屋さんで、夏らしい白いブラウスと赤いプリーツスカートを買った。店の試着室で着替える(後で考えたらこれって巫女の衣装だと思った)。駅のトイレでお化粧もして、みずほ銀行の○○支店に行った。
 
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ここで14時に宝くじを買えと「夜の訪問者」に言われていたのである。14時ジャスト、命(めい)は祈りの呪文を唱えてから宝くじを10枚・バラで買った。
 

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7月15日。命(めい)は生協から紹介された家庭教師のバイトで、依頼のあった家に初回の訪問をした。
 
きちんとした格好をしなければいけないかなと思い、ワイシャツにネクタイをし、黒いズボンを穿いて出かける。
 
ところが訪問先の家庭で
「あら、先生ったら、まるで男の人みたいな格好」
などと生徒のお母さんに言われてしまう。思わぬ言葉を掛けられて
「あ、えっと・・・・」と焦って出した声が、うっかり女声になっている。
 
命(めい)は女声で話すのが基本になっているので、意識していないと女声が出てしまうのである。
「今、娘を呼んできますね」とお母さん。
 
娘? え?生徒は男の子じゃないの??
 
家庭教師の依頼はふつう、女生徒には女性講師、男子生徒には男性講師が依頼されることが多い。でもまあ何か縁があったのだろうかと思って待っていると、やがて出てきた女生徒が
「わあ、先生、まるで宝塚の男役みたい」
などと言う。
 
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あれ〜? もしかして、僕、女の子と間違えられて依頼されちゃった?? と命(めい)は初めて「誤解」が生じているっぽいことに気付いた。
 
しかし、取り敢えずその日はまず生徒の学力を把握するのに、最近受けた模擬試験の結果などを見ながら、いろいろ生徒に質問して、基本的な事項の理解度やスキルを確認した。命(めい)は最初女声で話し始めてしまったので、結局、ずっと女声で話すことになってしまった。
 
「だいたい把握できました。では文乃さんのレベルに合いそうな問題集はこのあたりだと思うのですが」
 
と言って、各教科ごとの問題集の名前を書き、持参したパソコンでその紹介ページを開いて見せてあげた。
 
「あ、ほんとにこれなら文乃でもできそうですね」
とお母さんは感心している。
 
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「では明日これを調達してきますね」
「ええ、よろしくお願いします。あ、テキスト代、お渡しします」
と言って、お母さんは1万円札を渡してくれたので
「あ、済みません。細かいのを持ってきてなかったので、明日お釣りお渡しするのでもよろしいでしょうか?」
と言い、
「ええ、いいですよ」
と言ってもらった。
 
「でも今日は物凄く暑かったですね」
「ええ、梅雨明けして夏本番って感じですね。あ、先生、汗掻かれてません?もし良かったらシャワーでも浴びていかれませんか?」
 
「あ、いえ。家庭教師先で、食事・飲み物、その他の提供は受けてはいけないことになっていますので」
「あら、そう硬いこと言わなくても、シャワーくらい」
などと強く勧められてしまったので、命(めい)は
「そうですね。じゃ、今日だけはお言葉に甘えて」
 
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ということでシャワーを借りてから帰ることにした。
 
脱衣所で服を脱ぎふっと溜息をつく。鏡に映る自分の身体にバストは無いものの、お股の所にも何も無く、ただ縦の筋だけが見える。二重人格??の自分の意識の無い時に何かしたのだろうけど、どうせならおちんちん取っちゃう前におっぱい作れば良かったのに、などと思う。
 
浴室の方に入ろうとした時、突然脱衣所のドアが開いた。
「先生、すみません。ボディシャンプーが切れたので、これ使ってください」
とお母さん。
 
命(めい)は反射的に手に持っていたタオルで胸は隠したが、下半身はお母さんに見られた気がした。
「あ、ありがとうございます」
と笑顔で言って受け取る。お母さんも笑顔で「ごゆっくり」と言って戸を閉めたが、今おちんちんの付いてないお股を見られたよな?と思った。これで自分はここでは女子大生という扱いが確定だ! と思うと、命(めい)は少し楽しい気分になった。うん、僕ってこれから女子大生になればいいんだ!
 
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と、思っていたのに18日の晩、命(めい)が自分のアパートで夕食を食べていたら唐突に身体の感覚が変わった。
 
何だ何だ?
 
と思って、スカートをめくりショーツを下げてみる。
 
おちんちんがある!
 
さっきトイレに行った時までは女の子のようなお股だったのに、今見ると男の子のお股の形に戻っている。どうなってんだろう?? 命(めい)は頭の中が混乱したが、おちんちんが付いてるならちゃんと理彩と結婚できる!という気持ちと、せっかく女の子になれたのに残念!という気持ちが同時に発生した。
 
あ・・・でも、ここ数日ずっと女物の下着付けてたけど、身体は何だか唐突に戻っちゃったけど、下着はずっとこのままにしよう、と命(めい)は思った。
 
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結局男物の下着を着けていたのは7月7日の朝が最後である。その日の朝、理彩が女物の下着を持って来てくれて「気分転換に」と身につけた後、命(めい)はずっとブラとショーツを着けていた。そしてこのあと男物の下着をつけることは1度も無かったのである。
 
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