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■神様のお陰・愛育て(2)

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帰りは4人の父が全員勤め人である関係で、どうしても19時すぎになる。学校を使えるのが18時までなので、4人は最後に帰る先生の車で中学校から1kmほど離れた村役場まで送ってもらい、役場のロビーで迎えにきてくれるのを待っていた。待っている間も4人は
「因数分解. x2-x-2 」
「足して -1 掛けて-2 になる数の組合せがあればいいから・・・ 1と-2。答えは (x+1)(x-2)」
 
「I leave Tokyo today. She」
「She leaves Tokyo today. Yesterday」
「She left Tokyo yesterday. Tomorrow, Question」
「Will she leave Tokyo tomorrow?」
 
などという感じで、計算問題を暗算でやったり、英語の文の変形練習を口頭でしたりしていた。このロビーは照明があまり明るくないので、目をあまり使わずにできる問題をというのでやっていたのだが、これがまた結構ハードで脳みそを鍛えられていた。
 
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5日目の送り当番は命(めい)の父だった。役場から近い順に、香川君を降ろし、春代を降ろして理彩と命(めい)の集落に向かおうとしていた時、理彩が「あ、このポーチ、春代のだ」と忘れ物に気付いた。
「僕が走って渡してくるよ。お父ちゃん、さっきの登り口に戻って」
「OK」
 
ということで春代を降ろした所まで戻り、命(めい)が忘れ物のポーチを持って細い坂道を駆け上がる。ここは細くて車が入れないのである。
 
2分ほど走った時、懐中電灯の光が人影を2つ捉えた。「?」 春代が地面に倒れるように座りこんでいて、春代の懐中電灯が数m先に転がっている。そしてそのそばに男の姿がある。男は命(めい)の懐中電灯の光をまぶしそうに腕で遮った。「春代!」と命(めい)がわざと男声で呼びかける。男は慌てたように水田の中を走って逃げた。
 
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「春代、大丈夫?」といつもの女声に戻して声を掛ける。
「うん。大丈夫。まだ何もされていない」
命(めい)が手を貸すと、何とか春代は立ち上がった。
 
「あいつ・・・・多分この所出没してる痴漢だよ。こないだユウちゃんも襲われそうになって、たまたまお兄さんがそろそろ帰る頃だろうと家から出てきてくれたんで助かったんだ。その前にサッちゃんは穿いてたパンツ取られたらしいし、カズちゃんはブラを取られたって」
 
「放っとくと下着だけじゃ済まないね」
「うん」
 

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翌日。夜20時頃。乗用車からひとりの女の子が降りて懐中電灯を付け細い道を歩き始めた。軽ならひょっとしたらギリギリ通れるかもという細い道だが、この300mほど先に5軒ほどの家があるのである。
 
その女の子の姿を見て、脇道の陰に隠れるように駐まっていたなにわナンバーの赤い高級車から男がひとり降りて、女の子の後を歩き始めた。1分ほど歩いた所で男は少し歩みを速め、先行する女の子に接近して行った。
 
すると女の子はぴたりと立ち止まる。一瞬男も立ち止まったが、気を取り直したように女の子に近づいて行き、肩に手を掛けようとした。
 
その瞬間、女の子は振り返ったが、その顔はライオンの顔であった。大きく口を開け「ガオー」と吼える。「ぎゃー」と男は叫び失神した。
 
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「あああ。失禁してる」と近くの石に腰掛けていた命(めい)が立ち上がり、男に懐中電灯を当てて確認する。
 
「ふん。こんな奴の小便でも少しは畑の栄養になるかね?」とまどかが言う。
「少しはね」
「さて、地獄谷にでも放り込んでおくかな」
「あんな所に放り込んだら死んじゃうよ」
「大丈夫だよ。あそこに放り込んだら死体は上がらないから」
やれやれと思う。きっとこれまでも何人か放り込んでるんだろうな・・・・
 
「殺すまでないよ。こいつもうこんなことしないから、都会の道ばたにでも放り出してやって」
「女を襲うような奴は死刑でいいんだよ」
「じゃ、タマを潰して放置ってのでどう?」
「優しいんだね。まあ、いいや。それでも。じゃタマを潰して」
と、まどかが言った時、一瞬男が「うっ」という声をあげたが、ふたたぴ気を失う。
 
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「わざと痛いつぶし方をしたね」
「当然。じゃ、大阪のドヤ街に転送〜♪」
とまどかが言うと、男の姿は消えた。
「ついでに車も近くに転送しておいてあげよう」
「親切だね」
「あそこにあると邪魔なだけ。ちなみにロックは外しておく」
ロックされてない高級車がドヤ街に路駐していたらどうなるかは想像に難くない。
 
「ふふふ。でも、ありがとう。これで女の子が安心して帰れるよ」
「ほんとは女の子は明るい内に帰った方がいいんだけどね」
「現代ではなかなかそうも行かないんだよ」
「まあ、うちの母ちゃんなんて毎日夕方から出勤してたしなあ」
「でも68歳で死ぬまで、あの世界で現役だったってのは、ある意味凄い」
「そうかも知れないね。金はいつも無かったみたいだけど」
「まあ、お金のないのはしょうがないよ」
 
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「じゃ、命(めい)も家まで転送してあげるね」
「ありがとう。じゃ」
といって命(めい)が手を振ると、次の瞬間、自宅前にいた。
命(めい)は再度左上前方に向けて笑顔で手を振ると、玄関のドアを開けて中に入り「ただいま」と言った。
 

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8月1日から12日まで、命(めい)と理彩は大阪の予備校に行き、夏期講習を受けた。同じ時期、春代と香川君は奈良市内の学習塾の講座を受けに行った。
 
7月31日朝から大阪に出て行き、12日の晩まで大阪市内のホテルに宿泊し13日に帰ってくるコースである。ホテルの部屋はツインである。どうもふたりの親は理彩と命(めい)が「できちゃって」欲しいような雰囲気。実際命(めい)は出かける時に母から「コンドームあげるから」と言われたものの「勉強しに行くんだから、そんなことしないよ」と言って断って出てきたが、荷物の中に『初めてのSEX』という文庫本がブックカバーを付けて入れられていた。理彩に見せたら喜んでいた。理彩は電車の中でそれを読んではキャッキャ言っていた。
 
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ふたりは初日こそつい暴走して裸で抱き合って寝たものの、その後はちゃんとホテルの浴衣を着て、各々のベッドで別々に寝た。おやすみのキスとおはようのキスはしたものの(命(めい)的には)特にHなことはしていなかった。
 
そして12日間の講習が終わった。その日は受講中に仲良くなった女の子8人でサイゼリヤに行き、夏期講習前半の打ち上げをした。それが終わった後理彩、命(めい)、千草の3人でお茶を飲み、10時頃別れてホテルに戻った。ホテルの近くのコンビニで、おやつなどを買ってきた。
 
「密度の濃い2週間だったね」
「凄かった。親にお金は使わせちゃったけど、かなり実力付いた」
「奈良市でやってた春代たちも、かなり充実してたみたい。神戸行くぞ!って叫んでたから」
「頑張ってるね。あの2人が頑張ってるなら僕たちも頑張らなきゃ」
 
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しばらくおやつを食べながらおしゃべりしていて、そろそろシャワー浴びて寝ようかという話になる。
 
「じゃ、理彩シャワーしておいでよ」
「あ、私ちょっとメールしたいから、先にシャワーしてくれる?」
「うん。じゃ、お先に」
 
命(めい)は下着の替えを持ってバスルームに入り、ゆっくりと全身にシャワーを当てて、凝っている所を揉みほぐす。足の毛を剃り、髪と身体をボディソープで洗い、身体をしっかり拭いてから、洗濯済みのブラとショーツを着けた。
 
鏡に映してみる。我ながら「可愛い女の子」になってると思う。こういう格好、けっこう自分としては好きだよなあ・・・・僕って最近、男物の下着つけてる日と女物の下着つけてる日と、どちらが多いんだろう?
 
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そんなことも少し考えながら、ホテルの浴衣を着てバスルームを出る。理彩とタッチして交替。理彩がバスルームに消えて、命(めい)はベッドの上で窓際に座り、夜の町を何気なく眺めていた。
 
すると唐突に窓の外に、まどかの顔が浮かんだ。
 
「・・・あのさ、あまり人間離れしたことしない方がいいよ」
「そうだね。基本的には命(めい)と理彩以外に見えないようにしているつもりだけど、霊感の強い人には見えることもあるからね」
「それと今夜は僕たちを邪魔しないで欲しいんだけど」
 
「ふふふ。そんなこと言われると邪魔したくなるんだけど」
「まどかの好物って何?」
「おお、私を買収に掛かるか。随分大人になったね」
「果物とか好き?」
 
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「そうだね・・・・今の時期ならメロンとか桃とか梨とかかな」
「じゃメロンでも持って行こうか?」
「桃がいいな。『まどか』を持って来てよ」
「しゃれだね。いいよ。奉納する」
「じゃ、今夜は邪魔せずに見学しておくか」
「のぞき?」
「こっそりのぞくんじゃなくて堂々と見るよ。あんたたちにも見えないようにしてね」
「邪魔しないんなら、別に見てもいいよ」
「命(めい)もおとなになったね」
 

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やがて理彩がバスルームから出てくる。
 
「誰かと電話してた?」
「ああ。古い友だち」
「女の子?」
「うん。女の子だよ」
「どういう関係なの?」と理彩は少しきつい顔をして命(めい)のそばに寄る。
 
「ほんとに友だちだよ。でも年齢は50代だけど」
と言った途端、窓のカーテンが外れて命(めい)の上に落ちてくる。
 
「大丈夫?」と理彩。
「あ、平気、平気。いつものことだから」
「危ないなあ・・・・やはり安ホテルだからかなあ」
「ただの偶然でしょ」
 
「でも50代でも『女の子』って言うんだ?」
「うん。あの人は『女の子』って言った方がいい。とっても精神的に若いから」
「へー。そういう年の取り方っていいなあ。私も40代になっても50代になっても『女の子』でいたい」
「理彩はきっとそうなるよ」
 
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「命(めい)も40,50になっても『女の子』かもね」
「うん、僕もそうありたいと思ってる。僕50過ぎてもミニスカ穿きたい」
「命(めい)なら穿けそう。でも今日の命(めい)って何だか素直」
「卵胞期(月経から排卵までの間)だからかな」
「ふーん。。。。」
「理彩も今、卵胞期でしょ?」
 
「そういう質問を女の子にすると、枕が飛んでくるよ」
と理彩が言った途端、本当に枕が飛んできて命(めい)の頭を直撃した。
 
「大丈夫?」と理彩。
「今の私じゃない」
「うん。分かってる。大丈夫、大丈夫」
「何で飛んできたんだろう?」
「ああ、気にすることないよ。いつものことだから」
「確かに命(めい)の周りって色々不思議なこと起きるけど」
 
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「それでね」と命(めい)は言う。
「うん」
「今日は理彩に頼みがあるんだけど」
「なんだろ?」
「セックスさせて」
 
「・・・・・・・」
「バージンもらう予約の有効期限ちょっと過ぎちゃったけど。1回だけでいい。って、僕もこれ1枚だけしか持って来てないから」
と言って、命(めい)は部屋の棚の所にここにチェックインした時『非常食』と言って置いておいたカロリーメイトの箱の中から、コンドームを1個取り出した。
 
「えー!? そんな所に隠してたのか!」
「だって、ポーチとかに入れてたら、理彩に見つかる」
 
「財布、ポーチ、そしてなぜか持ってる生理用品入れの中にも入ってなかった」
「ふふ。理彩が探してみるだろうってのは予測してたから」
「ほんとに持って来てないのかと思った」
「僕はいつも持ってるよ。最低1枚は」
「へー」
「もし、理彩が男の子になって僕が女の子になってたりしたら、理彩が付けてね」
「そういう面白いことになったら、付けるよ」
「ふふ」
 
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「で、今日は命(めい)は男の子なの? 女の子なの?」
「僕はいつでも男の子だよ」
「ほんとかなぁ・・・・けっこう女の子になってることあると思うけど」
「取り敢えず今僕は今男の子」
と言って命(めい)は浴衣を脱ぎ、ブラとショーツを外した。
 
平らな胸、そしてお股にはアレがぶらさがっている。理彩は「へー」と思いながら自分も服を脱ぎ始めた。こういうシチュエーションでここにこれがぶらさがってるの見たのって久しぶり。。。。。いや、ひょっとして初めて??だって・・・命(めい)って、いつもお股に何も無いんだもん!
 
「理彩は今女の子? 男の子?」
「ふふふ・・・女の子だよ」
「じゃ、僕の男の子の器官を、理彩の女の子の器官に入れてセックスしたい」
「いいよ」
 
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