広告:Back-Street-Girls-9-ヤンマガKCスペシャル
[携帯Top] [文字サイズ]

■△・第3の女(19)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

気になったので、§§ミュージックに電話して鱒渕さんの所在を訊いてみた。すると、彼女はローズ+リリーの担当になったので、こちらでは所在やスケジュールを把握出来ないので、直接本人の携帯に掛けるか、つながらなかった場合は、サマーガールズ出版のデスクの秋乃風花さんに訊いてくれと言われ、両方の電話番号を教えてくれた。
 
そうか、鱒渕さんがローズ+リリーのマネージャーになるという話があったよなと思いつつも、秋乃さんは別にデスクではないと思うがと考えながら、まずは本人の携帯に掛けたもののつながらない。それで秋乃さんに掛けてみた。
 
「鱒渕さんは15日発売の『青い豚の伝説』に関する打合せで、今★★レコードに行っているんですよ。急ぎの用件なら呼び出しますよ」
 
↓ ↑ Bottom Top

「いえ、急ぎではないのですが、何時頃そちら終わるか分かります?」
「コスモスさんとの約束で必ず終電には乗らなければならないことになっているんです。ですからたぶん夜中の1時頃になると思います」
「うっ・・・」
 
「さすがに無茶ですよね。急用だと言って呼び出しますから。どうせ今夜中には仕事は終わらないから、少し休んで明日続きをした方がいいですよ」
「それはありますよね。まだ病み上がりだし」
 
それで秋乃さんは★★レコードにいる鱒渕さんを呼び出してくれて、彼女は21時に恵比寿のケイのマンションに戻ることになったのである。それで青葉もそちらに向かうことにした。
 

↓ ↑ Bottom Top

恵比寿のケイのマンションはこの日ケイもマリも郷愁村の方に行っていて留守だったがケイの親友の詩津紅さんの妹、妃美貴さんが居て、『青い豚の伝説』のパンフレット編集作業をしていた。
 
「ああ、青葉ちゃん、こんばんは。冬子さんは出かけているけど」
「鱒渕さんと会う約束をしたんです。待たせてもらっていいですか?」
「どうぞどうぞ。私も作業しているから、お腹空いたら適当に冷蔵庫から食材出して作って食べてね」
「ありがとうございます。そうさせてもらいます」
 
それで勝手にコーヒーを入れて、妃美貴さんにも渡し、しばらく待つ。
 
「妃美貴さんも作業に駆り出されたんですか?」
「私、サマーガールズ出版の社員」
「え?いつの間に」
「勤めていた会社が倒産してさ。クレカの支払いができないんで助けてと言ったら雇ってくれた。退職金が出るまでの当座の生活費とかも貸してくれた」
 
↓ ↑ Bottom Top

「大変でしたね!でも良かったですね!」
 

結局、鱒渕さんは22時頃マンションに戻ってきた。
 
「あれ?風花ちゃんは?」
「風花さんは自宅マンションで作業中です。でも大宮万葉先生の御用事だったんですよ」
 
「あ、大宮先生、先日はありがとうございました。おかげでいいマンションが見つかりました」
 
「結局大崎のマンションにしたんですか?」
「そうなんですよ。駅から近いし、近所にスーパーはあるし、便利で快適です」
「それはよかった」
と言って少し雑談をしてから、青葉は言った。
 
「少し内密の話をしたいのですが、どこか場所を移しますか?」
 
すると妃美貴が
「防音室を使ってください。あそこは絶対音が漏れませんから」
と言うので、そちらに2人で入った。
 
↓ ↑ Bottom Top


青葉は言った。
 
「差し出がましいことなんですが、先日の部屋選びの時に、私がどこだかの物件で『そこに住むと女性機能が停止して男性化するかも』と言ったら、鱒渕さんがピクッとしたように思えて。ひょっとしたら、生理不順か何か抱えておられますか?」
 
すると鱒渕は突然泣き出してしまった。
 
青葉は彼女をハグした。
 
「実は・・・生理が止まったまままだ回復しないんです」
「最後に生理があったのは?」
「1月なんですよ。ですから10ヶ月ほど止まったままで」
 
青葉は腕を組んで考えた。
 
彼女はほぼ瀕死の状態にあった。生理くらい止まってもおかしくない。
 
「良かったら少し診させてもらえませんか?何かお助けできるかも知れません」
「はい」
 
↓ ↑ Bottom Top

それで鱒渕に服を脱いで下着だけになって横になるよう言う。それで青葉は彼女の下腹部の付近に手をかざすようにして、様子を見た。
 
「ああ、分かりました」
と青葉は言った。
 
「治るでしょうか?」
 
「これはですね。振り子時計が停止しているのと同じ状態です。いったん起動を掛ければ簡単に回復します」
 
「本当ですか!?」
 
「少しショックが来ますけど、起動を掛けていいですか?」
「お願いします!」
 
それで青葉は鱒渕の女性器をコントロールしている回路をしっかりと把握した上で“鈴”を作動させた。
 
この“鈴”は人間の身体や心を奮い立たせるような効果がある。青葉は美鳳さんからもらったと思っているが実際には千里が《きーちゃん》に頼んで渡してあげたもので、2009年夏"Special Month"のことである。青葉の知らないことであるが、実は人間の男性器から作られているので性器の活性化には特に良く作用するのである。その男性器を取られた人(多分取られるまでは男性だった)がどうなったかは、この鈴をカマキリ大王様からもらった千里も知らない!
 
↓ ↑ Bottom Top


「あっ」
と鱒渕が声をあげる。
 
「なんか身体が温まっていく気がします」
「生殖の回路はもう治療が終わっていたのだと思います。ただそれが単純に停止していたんですよ。だから、これでまた排卵が起きて生理も来ると思いますよ」
 
「ありがとうございます。嬉しい」
 
「今夜は自宅に戻ってお風呂に入って寝るといいです。それで生殖機能が回復していくと思います。あとしばらくは無理しないように」
 
「そうします!」
 
鱒渕は御礼はどれだけすればと訊いたが、先日コスモス社長から部屋選びの見料をもらっているので、これはアフターサービスですと言い、追加の御礼は不要と言った。
 
実際には鱒渕は11月下旬に排卵期のような体温変化があり、久しぶりに性欲も感じた。そして12月には生理が再開した。鱒渕は青葉に電話を掛けて「これで女になれました」と言って、泣いて感謝の言葉を述べた。青葉は謝礼不要と言っていたのだが、彪志のアパート宛てに松阪牛の牛肉セットが贈られてきて彪志が仰天することになる。
 
↓ ↑ Bottom Top


貴司は千里(千里3)と11月19日にデートしたが、11月30日に貴司は美映とのデートをしている。この11月30日には、川島信次と千里1、阿倍子と晴安もデートしていて、その3つのデートが同時進行した結果、信次と千里の遺伝子を受け継ぐ子供が美映の体内に入るという、ややこしいことが起きる。
 
●22:00 信次×千里1
 (避妊具不使用。信次は千里が性転換者なので妊娠しないと思い込んでいるが千里1は妊娠可能)
 
●22:30 貴司×美映
 →千里の呪で美映と千里の女性器が交換され、実際には貴司×千里1になった。そして信次の精子を受け入れた千里の女性器が美映の体内に入る。交換の期限は次の生理または出産まで。
 
●23:00 千里×信次、晴安×阿倍子
 →京平の呪で晴安と千里の“男性器”が交換され、千里1×阿倍子、晴安×信次となった。交換の期限はセックス終了まで。
 
↓ ↑ Bottom Top

千里は“2回戦”では男役をしたので、自分の体に来ている美映の女性器は使用していない。この後、千里1は信次との関係ではいつも男役をするようになったし、桃香とのセックスは拒否していたので、この女性器はその後も使用されなかった。そのため、美映は結婚して出産したにも関わらず処女のままで、次の夫・日倉孝史と結婚した時に処女の出血を体験することになる。
 
この夜起きたことの全容に気付いていたのは《くうちゃん》のみである。彼はそのことを誰にも話さなかったので、千里がそのことに気付くのは、何年も先のことになる。
 
千里と貴司の次のデートは12月23日(祝)に行われ、貴司が阿倍子との離婚を示唆する発言をしたので千里(千里3)は、やはり予想通りの展開になりつつあるなと思った。
 
↓ ↑ Bottom Top

「それで離婚した後、私と結婚してくれたらいいんだけど、無理だろうな」
と千里3は呟いて、上弦近い月を眺めていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

そして貴司は翌12月24日、美映から「妊娠したみたいだ」という連絡を受け、衝撃を受ける。
 
最初は中絶するつもりだった美映が、病院に行ってから「やはり産む」と言い出し、産む以上結婚してくれと主張する。それで結局貴司は1月下旬、阿倍子に土下座して離婚して欲しいと言った。阿倍子はてっきり千里と結婚するつもりなのだろうと思ったら、千里ではない女性を妊娠させたというので、阿倍子もほとほと貴司のデタラメさに愛想が尽きてしまい、離婚に同意する。
 
ふたりは2018年1月21日に離婚し、阿倍子は23日に千里(せんり)のマンションを退去した。この時、荷物の運び手がいなかったので、貴司は最初自分が荷造りなどしていたものの、途中で阿倍子と喧嘩してしまったため、千里を東京から呼び寄せて手伝わせた。この時、呼ばれて手伝いに行ったのは千里1である。
 
↓ ↑ Bottom Top


千里2は12月31日、博多ドームで開かれたローズ+リリーのカウントダウン・ライブに参加したが、翌1月1日、冬子に自分が3つに分裂していることを打ち明けた。冬子は驚いていたが「千里でなかったら信じられない!」と言って、それを信じてくれた。
 
冬子には、7月の事故以来作曲能力を大きく落とした“醍醐春海”に代わって、アクアの楽曲その他を書いている“琴沢幸穂”が実は千里2+千里3であることも打ち明けた。冬子は絶句していた。ついでに琴沢幸穂 Kotosawa Sachiho が実は細川千里 Hosokawa Chisato のアナグラムであることもバラした。
 
1月6日、千里2は旭川に行き美輪子の家を訪問した。美輪子は“千里の婚約”に怒っていたのだが、この時、ちょうどテレビでは全日本の中継をやっていて、そこにも“千里”が映っていた。
 
↓ ↑ Bottom Top

「この放送は録画?」
「生放送ですよ」
「じゃ、あそこにいるのは?」
「千里です」
「ここにいるあんたは?」
「千里です」
 
「千里って2人いるの〜〜!?」
「私が千里2番、今全日本に出ているのが千里3番です」
「2と3というと1は?」
「川島信次と結婚しようとしているのが1番です」
「じゃ3人いる訳!??」
 
1月7日は青葉の成人式だったが、3人の千里は《きーちゃん》の誘導で、入れ替わり立ち替わり青葉の前に現れて3人各々が青葉にご祝儀を渡した。
 

↓ ↑ Bottom Top

貴司と千里のデートは、1月は全日本の後、Wリーグ再開で千里3が忙しいのでパスすることにし2月24日(土)に次のデートをしようということになっていたのだが、貴司の海外出張が入ってしまい、結局3月18日(日)にデートすることになった。3月17日(土)には秋田でWリーグの試合があるのだが、その後、千里は東京まで他のメンバーと一緒に新幹線で移動した後、新大阪まで乗り継ぐ。
 
12.24 美映が貴司に妊娠していることを報せる
12.25 中絶に行くが翻意。貴司に結婚を要求。
1.21 貴司と阿倍子が離婚
1.23 阿倍子が神戸の実家に引っ越す。千里1が手伝い。
1.24 美映が貴司と同居開始
2.03 貴司と美映の婚姻届け提出(ボイド)
2.04 千里2が貴司に電話し慰謝料肩代わりの申し出
2.16 千里1と川島信次の婚姻届提出(ボイド)
3.17 千里1と川島信次の結婚式/千里3は秋田で試合/千里2もLFBの試合
3.18 太一と亜矢芽の結婚式/千里3と貴司のデート
3.19-27 信次と千里、新婚旅行
 
↓ ↑ Bottom Top

1月中旬、貴司が阿倍子に土下座して謝って、離婚して欲しいと言ったことから、京平から千里2に「パパが他の女の人と結婚するって」と連絡があり、千里2は激怒した。千里2はすぐにも貴司の所に行き、ありったけの罵声を浴びせてやりたい気分だったが、自分が激情に駆られて行動しても、何もいいことはないので我慢し、葛西のマンションに来た青葉にひたすらグチを言った。青葉も自身激怒しながらも、千里2の話をずっと聞いてあげた。そして青葉が見聞きしたことは全て千里3に筒抜けになるので、それで千里3も知って激怒した。
 

↓ ↑ Bottom Top

最後にこのことを知ったのは千里1である。1月23日に阿倍子と離婚したので引越を手伝ってあげて欲しいと貴司から連絡を受け、せっかく貴司が離婚するのに自分が他の男性と結婚しようとしていることを大きく後悔したのだが、その直後、貴司から美映との結婚を聞き、超激怒して電話越しにありったけの非難の言葉を投げつけた。
 
この通話は千里1がやっとiPhoneが壊れていることに気付き、新たに使用し始めたGratina2 KYY10 を使ったのだが、このガラケーは千里2・千里3ともに、各々《きーちゃん》《わっちゃん》に命じてクローンを作っている。それでこの通話は千里2・3ともに傍受して、ふたりとも溜飲が下がる思いだった。
 
それで2月4日に千里2は元々自分が払うつもりだった阿倍子さんへの慰謝料の肩代わりを提案したのである。それとともに、交通費は自分が出すから、市川ラボに毎日通って、ドラゴンズのメンバーと練習をし、レベルアップするよう言った。
 
↓ ↑ Bottom Top

(市川に貴司が来てくれると、千里2は貴司とイチャイチャできる)
 

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 
△・第3の女(19)

広告:女声男子-1-ガンガンコミックスONLINE-険持-ちよ