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■娘たちの誕生日(1)

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(C) Eriki Kawaguchi 2019-09-28
 
アクアの誕生日は8月20日(獅子座)である。
 
アクアは2015年1月に実質デビューしたのだが、2015年のバレンタインの贈り物は大型トラック17台分にも及んだのに対して、誕生日のプレゼントはトラック8台分に留まった。これは誕生日のプレゼントを贈ってくれる人は少なくともアクアの誕生日を知っている必要があるからと思われる。バレンタインは知らなくても贈ることができる。ちなみにホワイトデーはトラック5台分、クリスマスプレゼントは10台分であった。
 
2016年のバレンタインは「できたらお菓子の実物よりギフト券などで」と呼びかけたこともあり、数的には倍になったものの、容量としてはトラック12台分で済んだ。ホワイトデーもトラック3台分くらいだった。そして今年の誕生日プレゼントは8月初め頃から送られて来始めた。
 
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2016年8月10日(水)。
 
この日は前日までの『時のどこかで』のアフレコ作業が終わり、アクアは1日寮で寝ていた。夕方、警備員さんから「面会人ですよ」という連絡があり、降りていくと、母と彩佳である。
 
「お肉買ってきたから、寮の人みんなで、焼いて食べない?」
と母が言うと
「わあ、それはありがとうございます。頂きます」
と言ったのはアコ(米本愛心)だった!
 

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その時、研修所内にいたメンバーが全員紅川会長宅の居間に集まる。寮内には“食堂”のようなものを作らず、会長の自宅で家族の一員として御飯を食べるというのが、ここのポリシーである。
 
寮生の中で高崎ひろかは仕事で出かけていたので、少し取っておいてあげることにする。ちょうど音楽理論の夏季講座をしていた所だったので、寮生以外で今井葉月・門脇真悠・仲原恵海・溝口ルカ・木下宏紀が来ていて、講師をしていた秋風メロディー、それに紅川さんの奥さんも入って、合計22人でホットプレート5台を囲んで焼肉をした。
 
(寮生13人・通学生5人・紅川妻・龍虎母・彩佳・メロディー)
 
「ネオン君は里帰り中なのよね〜」
「居ない人はしょうがないね」
「でもお肉、大量にありますね」
「神戸牛10kg買ってきました」
「すごーい!」
「お野菜もありますよ」
「取り敢えず肉食わなきゃ」
 
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「そちらは・・・龍ちゃんのお姉さん?」
と質問がある。彩佳は
「許嫁(いいなづけ)でーす」
と言っちゃう。
 
「え〜〜〜〜!?」
 
「でもデビュー前に一応関係は解消したんだよね」
と彩佳。
「まあそういう見解でもいいよ」
と龍虎。
 

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「実態は“女の子の友だち同士”だね」
と龍虎の母は言う。
 
「ああ、何となく分かった」
 
「まあ同じ部屋で寝たことは何度もあるけど、Hなことをされたことがない」
と彩佳は言う。
 
「ああ、私も同じ部屋で寝たことある」
とハナちゃん。
「私も」
「私も」
と数人の寮生から声が上がる。
 
「龍ったら、そんなに色々な女の子と一緒に寝てるんだ?」
と彩佳。
 
「人が聞いたら誤解するようなこと言わないで」
「実際は龍ちゃんは人と話していても、すぐ寝ちゃう」
「慢性的な疲労の蓄積があるしね」
「ああそういうことか」
と少し不安そうな顔をしていた新入りの蕾美が言う。
 
「それにそもそも龍ちゃんは実質女の子と同じだし」
「去年までは寮のお風呂は共同だったから、その時偶然遭遇して見ちゃったけど、少なくともちんちんは無かった」
 
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などと言っているが“偶然”じゃなくて“わざと”としか思えんと龍虎は思う。
 
「重大な秘密を聞いてしまった気がする」
と新入りの吉田和紗が言っている。
 
「やはり、アクアさんって実は女の子なんですか?」
「それでアクアさんだけ、男子なのに寮に部屋があるんですかね?」
と新入りの子たちから質問があるが
 
「むしろ、龍ちゃんの部屋が設定された時代は、男子タレントが想定外だったから、紅川会長も、なーんにも考えずに龍の部屋を設定したんだと思う」
と愛心は言う。
 
「そういうことか!」
 
「それで実際問題として、龍ちゃんが居ても何も支障がないからね。だからそのままになっているんだと思うよ」
 
「ネオン君とかが寮に居たらやはり問題があるよね」
「そうそう。廊下を裸で歩いている時に、ネオン君と遭遇したらやばい」
「なんで裸で廊下を歩くんです!?」
 
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「実際には小さい頃、病気でちんちん取っちゃったんだったっけ?」
 
「取ってないよぉ」
 
「それで義茎を着けているけど、お風呂に入る時とかは外すんだと聞いた」
 
「ぎけい??」
「足なら義足、手なら義手、頭なら義頭、乳なら義乳、陰茎なら義茎」
「待て。さすがに義頭はあり得ない」
「アンパンマンは義頭かも」
「あれ、少なくとも脳は頭ではない所にあるんだろうね」
 
「頭に脳はあるけど、アンパンマン号内にある脳のホストとネットワークでつながっているという説も」
「その説は初めて聞いた!」
 
「アクアちゃんの場合、ちんちんはあるけど、睾丸を病気で取ったから凄く小さくて無いのに等しいという説もある」
「ああ、睾丸は無いよね」
「ちんちんがもしあったとしても、さすがに睾丸は存在しない」
 
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「睾丸もあるよぉ」
 
「それ、本物を病気で取っちゃったから代わりに入れているシリコンボールなんでしょ?」
 
「シリコンじゃなくて、ギンナンだったりして」
「ぎんなん??」
「おでんに入って居るやつ?」
「触ったことあるけど、そのくらい小さかった」
と彩佳が大胆なことを言う。
 
「おお、さすが元許嫁(いいなづけ)」
 
「まあ銀杏(ぎんなん)サイズの睾丸なら、ちんちんを立たせることはできないかもね」
 
「ふつうの男の娘はちんちんが邪魔だから取りたいと思うんだけど、龍ちゃんの場合は、小さくて邪魔にならないから、取ろうとも思わずまだ残ってるのかもね」
などとアコが言っている。
 
「ほほお」
 
「だから大きくなってきたら取りたいと思うようになるのかも知れないけど、実際には睾丸が無いから大きくならないので、小さいちんちんが付いたままなのかも」
 
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「それは面白い見解だ」
と彩佳が笑いながら言っていた。
 

「半陰陽説というのも、随分あったね」
 
「ああ、実際アクアは半陰陽だと思っているファン、結構いると思うよ」
 
「半陰陽だから、見た目は女の子で、ヴァギナもあるけど、男の子の機能を使う時は、クリちゃんのように見えていた小さいちんちんが大きくなって、Hなこともできるようになるという説もあった」
 
「収納式のちんちんだな」
「あ、それ便利そう。私も欲しい」
「ついでにおっぱいも収納式なら、男湯にも女湯にも入れるね」
「おっぱいは反転式でもいいかも」
「なんか、そんなロボットアニメがあったかも」
 
「まあ龍ちゃんは男湯には入れないよね」
と愛心が言うと
「実は小学校の修学旅行では、龍は女湯に入った」
と彩佳が言う。
 
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「やはりそうなんだ?」
「真っ黒なサングラス掛けさせられたから、何も見えなかった」
「ああ、龍のこと知らない人なら、女の子としか思わないけど、男の子と思っている人は、龍に裸を見られたくないかもね」
 
「本当は龍はほぼ女の子だから、龍に裸を見られても全然平気だけどね」
 
「中学の修学旅行は?」
「不参加。忙しすぎた」
「ああ、そうかもね」
 

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「でもアクアには生理があるという説もあるよね」
「さすがに生理は無い」
「でも生理用品持っている」
「うん。ナプキン入れがバッグに入っているのを見た」
 
「あ、それを持たせたのは私」
と彩佳が言っている。
 
「君が犯人か!?」
「でも実際ずっと持っているようだし」
「持ち歩いているナプキンは友だちに貸したりするのにしか使ってない」
とアクア。
 
「実は私借りたことある」
「あ、私も。それで龍ちゃんは本当は女の子なんだろうと思った」
 
「龍ちゃん、自分でナプキン着けてみたことないの?」
「何度かあるけど、ごわごわして気持ち良くないと思った」
「おお、その感覚が分かったのは良い体験だ」
 
などという会話が交わされているので、実は今ナプキンを装着している葉月がドキドキしていた。
 
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「ほんと生理の時は色々不快だよね」
「女辞めて男に性転換する?」
「そこまでの勇気は無い」
 

「で、結局、龍ちゃんって本当はちんちんあるんだっけ?」
 
「存在はするけど、病気の治療の副作用で凄く縮んでいて、肌の中に埋もれているから無いように見える、というのが公式見解だね」
と彩佳は言っている。
 
「ふむふむ。公式見解か。で真実は?」
 
「やはり無いんだと思うよ。だってちんちんが縮むほど強い薬を使っていたのって、小学3年生の時までだもん。5年も経てば、おちんちんが存在するなら、もう5-6cmくらいには成長していていいと思うもん」
と彩佳。
 
「やはり無いのか」
 
「あるいはちんちんが更に縮むように女性ホルモン飲んでいるかだよね」
などと言いながら彩佳は龍虎を見ているが、龍虎は笑っているだけである。
 
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「女性ホルモンはふつうに飲んでいるよね?」
「飲んでません」
 
「おっぱいも少し膨らんでいるのが、女性ホルモン飲んでいる証(あかし)」
「実際、龍ちゃんはBカップのブラジャー着けてるもんね」
「ああ、龍ちゃんの洗濯物を見たら分かるよね」
 
この寮では洗濯は共同の洗濯室を使用している。大型のドラム式洗濯機がコインランドリーのように何台も並んでおり、布団の丸洗いもできる。洗濯中は自分の名前の札を洗濯機に掛けておき、終わっているものがあったら籠(かご)に出して、名札を籠に付けておいていいというルールである。
 
但し“ハナちゃんの高度の政治的判断”により、アクアは他の人の洗濯物が止まっているのを見ても取り出さなくてよいということにしている。洗濯機を使いたいのに全部塞がっている場合はハナちゃんかアコに報せる。
 
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ただし龍虎の洗濯物は他の子が取り出してもよい!
 

「結局、中学卒業とともに、アクアは女の子になりました、と発表するコースかな」
「それ発表したら人気沸騰するかもよ」
などとみんな勝手なことを言っている。
 
「まあ、こっそりちんちん取っちゃったのか、あるいは女性ホルモンを飲んで縮むようにしたかは別として、ふだんはやはりダミーのちんちんで誤魔化しているのだと思う」
と彩佳。
 
「元許嫁さんの意見はかなり信頼性があるな」
 
「テレビでやってた龍ちゃんの性別検査は、ニセモノで誤魔化したんだろうね」
「あるいは替え玉の男の子に受診させたかだよね」
 
などとみんな言っている。
 
「よし、龍ちゃんにちんちんがあるかどうか、みんなの投票で決めよう」
とハナちゃん。
「ああ、それはいいかも」
 
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「ちょっと待って。投票って?」
と龍虎は言うが
 
「龍ちゃんにちんちんはあると思う人?」
と言うと、手をあげたのは龍虎のみである。
 
「龍ちゃんにはちんちんは無いと思う人?」
龍虎と母・紅川会長の奥さん以外は全員手をあげる。
 
「お母さんはどちらも手をあげませんでしたが?」
「私も確信が持てないのよねぇ」
「お母さんも分からないということは、やはり龍ちゃんにちんちんは無いというのが確定だな」
 
「なんでそうなる訳?」
と龍虎は抗議した。
 

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「でも実際、ボクはこの寮があって助かっているよ。夜遅くまで仕事した翌日とか、さすがにひとりで起ききれないもん。都心にアパートとかあって、何とか起きられても、きっと朝御飯食べずに仕事に飛び出していたと思う」
とアクアは言う。
 
「まあそれが寮のいい所だろうね」
「ネオン君は朝御飯抜きになってしまうこと多いと言ってた」
「男の子のひとり暮らしはたいへんだろうね」
 
「だけど寮生も結構増えたね」
「2年前の夏、ハナちゃんが入寮するまでは私と明智ヒバリちゃんの2人だけだったんだよ」
とアコが言っている。
 
「私が入ってすぐヒバリさん入院しちゃったしね」
「じゃアコちゃんの方が古いのか」
「ハナちゃん、20年くらい住んでいるような顔してる」
「うん。だから私はハナちゃんに“§§プロ研修所の主(ぬし)”の称号を授与した」
とアコ。
 
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「そんな称号があるのか!」
 

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娘たちの誕生日(1)

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