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■娘たちの1人歩き(20)

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ロックギャルコンテストが行われたのと同じ8月7日、三つ葉の3人がテレビスタジオで『恋のハーモニー』(ステラジオ作詞作曲)を歌う所が収録された。これは8月11日に放送されることになる。
 
その後、三つ葉の3人は、とある病院に連れて行かれた。実はこの病院で女性から男性への性転換手術が行われているのである。
 
「あんたたちが3万枚CD売れなかったら、この病院で手術を受けて男の子に変身してもらうから」
とデンチューの殿山が言う。
 
3人は顔を見合わせながら診察室に通される。
 
医師から、女性から男性への性転換手術の概要が説明される。
 
・乳房を除去する。
・卵巣と子宮を摘出する。
・膣口を縫い合わせて閉じる。
・上腕部の皮膚を採取して、それを丸めてペニスを作る。
・尿道を延長して、ペニスの先端から尿を出せるようにする。
・シリコンボールの疑似睾丸を入れて陰嚢を作る。
・男性ホルモンの投与により、声変わりが起きて男性的な体格が作られる。
 
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「何か下腹部の皮膚をアーチ状に加工してから安定した所で片方の端を切ってそれをペニスの先端にするという話を聞いたことがあるのですが」
とデンチューの昼村が言った。
 
「それは昔の術式ですね。その方法では充分な性的機能と快感が得られないので、最近は上腕部の皮膚を使うようになりました。但し手術の難易度は昔の方法に比べて格段に難しくなりました。顕微鏡で確認しながら組織を繋いでいきますから」
と医師は説明した。
 
手術の過程を最初図解で示すが、男の子になりたいなどと言っていた八島も「うっそー!?」という感じの顔で見ている。優羽はある程度知っていたようで頷きながら聞いている。波歌はあからさまに「嫌だ」という感じの表情である。
 
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実際の手術の写真(上腕部から皮膚を採取した後の傷跡の写真を含む)も、カメラでは映さないように、3人にだけ見せるが、波歌は「ごめんなさい」と言って目を瞑っていた。八島は「きゃー」などと声をあげていたし、優羽もさすがにしかめ面をしていたものの、この2人はしっかり写真を見た。
 
「何でしたら、今から手術をしてあげましょうか?」
と医師が言うが
 
「取り敢えず私は遠慮します」
と優羽が代表して答えた。
 
「ヤマトちゃん今日手術してもらったら?」
と殿山が言うが
「私、頑張って3万枚売れるように、友だちとかにもメールします」
などと八島は言っていた。
 

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なお、手売りの日程は次のように発表された。
 
8月13日(土)金沢
8月14日(日)福岡
8月20日(土)札幌
8月21日(日)大阪
8月27日(土)名古屋
8月28-31日(日-水)東京
 
販売は3万枚に到達した所で終了する。
 
「8月31日まで掛けても3万枚に到達しなかった場合は、9月1-3日の3日間で1日1人ずつ性転換手術を受けてもらうので、順番を決めるように」
と殿山が言うと
 
「じゃ私が1番」
と優羽が速攻で言った。
 
八島と波歌が一瞬顔を見合わせて
「私が2番で行きます」
と八島がおそるおそる言い、それに続いて、優羽が!
「リーダーは最後の〆ね」
と言った。
 
それで先生は“手術予定表”に3人の名前をその順番で書いた。
 
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「手術の前日は21時以降絶食ね」
などと言っている。
 

「君たちが男の子になった時の名前も決めたから」
と言って昼村は
 
花山波歌→波太
月嶋優羽→優助
雪丘八島→八蔵
 
と書かれたパネルを見せた。波歌は相変わらず嫌そうな顔をしているが、優羽は笑っていて、八島は喜んでいた!
 
「私、本当に八蔵に改名しちゃおうかな」
などと言っていたが、優羽から
「性転換手術が終わってからにしなさい」
と言われていた。
 

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8月11日(木)の午後、アクアは映画の挿入歌『エメラルドの太陽』のCD発売の記者会見に臨んだ。
 
9日までひたすら映画に関する作業をしていたので10日は1日お休みをもらって、丸一日足立区の寮で寝ていた。夕方、母と彩佳が寮を訪れ、牛肉10kg!を「焼肉にしてください」と持ち込み、それで寮生たち全員で焼肉パーティーをしたら、少しは元気が出た。それでも10日の夜もずっと寝ていて、起きたのは11日の11時頃。そのまま青山に出かけてCD発売記者会見に臨んだのである。
 
記者会見に出席したのは、アクアとコスモス、三田原部長、作詞者(マリ)の代理ということでケイである。アクアがエレメントガード+レイア・アコちゃんという構成の伴奏者をバックに歌唱してから、記者会見になるが、最初はやはり『エメラルドの太陽』のぶっ飛んだ歌詞について質問がある。ケイはその歌詞の異様さから、★★レコードのスタッフによりマリが薬物を使用していないか尿と髪を採取されて調べられたものの、現在にも過去にも薬物を摂取した兆候は無いという判定結果になったことを述べた。
 
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「この程度はマリにとってはごく普通の感覚みたいですね」
とケイが言うと、結構な率の記者が頷いていた。マリの突飛な言動は今に始まったことではない。
 
後半は映画に関する質問が多く、そのほとんどをコスモスが回答していた。実はマルチ同時進行撮影などということをしたので、主演のアクア本人にも物語の筋がよく分かっていない!のである。
 

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8月12日『時のどこかで』が公開される。アクアは都内のいくつかの映画館を回り、舞台挨拶をしたが、アクアが来る予定の映画館はどこも物凄い人だかりで、テレビ局が手配した警備員がいなければ映画館に入ることも出ることもできない感じだった。
 
この映画の初日動員は51万人(興行成績7.2億円)という物凄い数値であった。
 
映画が無事公開され、好調な動員成績で滑り出したのを受けて、秋風コスモス社長、紅川会長、そしてアクアの芸能界における後見人である上島雷太の3人はΛΛテレビを訪れ、社長と会談して、今回のような無茶なスケジュールは今後、絶対に組まないで欲しいと強く申し入れた。
 
社長も大変申し訳無かったと謝罪し、今後はアクアの体力に配慮した撮影を行わせるということを約束した。
 
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三つ葉のCD手売りであるが、実際には8月13日の金沢で2.5万枚が売れ(八島が春まで在籍していた中学校の生徒・先生が総出で来てくれて、その分だけでも400枚くらい売れた)、14日の福岡で残りの5千枚が売れ、3人のメジャーデビュー決定と、性転換しない!ことが確定した。
 
「おっぱい無くさなくて済んでよかったな」
と殿山が言うと、波歌が本当にホッとしたような顔をしていた。
 
「ヤマトはちんちん欲しかったんじゃないの?」
と昼村が言うと
「ちんちんあると便利そうだけど、取り敢えずうまい棒でいいです」
とヤマトは答えた。
 
おかげで、この放送の後、大量のうまい棒がテレビ局宛に送られてきた!
 
福岡に集結していた推定4万人ほどのファンの大半は結果的にCDを入手できなかったので、お詫びにと言って3人はマイナスワン音源を使用して生歌唱し、大きな声援を受けていた。
 
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なお波歌のお父さんは「札幌に2000枚買いに行く」と言っていたが、札幌では発売会は行われず、お父さんの熱意は空振りに終わった。
 
福岡でのイベントが終わった後、3人はお昼に福岡名物の水炊きを食べてから、飛行機で東京に戻る。そして「大先生との対面」シーンを撮ることになる。ここは台本無しの撮影である。
 

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それで3人は“使い走り”の毛利、プロデューサーの名古尾、アシスタントの金墨、ΘΘプロのターモン舞鶴取締役、および撮影クルーとで、“大先生”の御自宅に向かう。
 
3人の中で家を見ただけで“大先生”の正体が分かったのは優羽だけである。
 
優羽は“大先生”の顔を見た時にそれが誰か、八島には分からないのではという気がした。それでカメラを停めてもらい、名古尾の許可をもらって波歌と八島にそのことを告げた。波歌はとんでもない大物の名前に驚いていたが、八島は馬佳祥の名前を知らなかった。それで名古尾は1980年代に多数のヒット曲を生みだした作詞家であることを説明し、いくつか代表曲をあげる。八島もその曲名は知っていて「ああ、***を書いた人ですか!」と驚いていた。ついでに「まだ生きてたんですね」と言っちゃって、「今の発言、カメラが停まっている時でよかったね」と優羽から言われた。
 
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カメラを再度回し始めて、カメラは御自宅の全容、そして立派な門と玄関を映した。そして中にあげてもらう。“大先生”の顔が映され、これで視聴者にその正体が分かるという仕組みである。
 
「わぁ、馬佳祥先生だ!」
と八島が嬉しそうに言ったので、先生はとても気を良くしたようである。(八島にもこの程度の演技はできる)
 

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お茶とケーキなども頂き、一息付いた所で馬佳祥は
 
「ところでここで重大発表があるんだけど」
と言った。
 
放送ではここまでが8月18日に放送され、その続きは翌週25日に放送されることになる。
 
馬佳祥先生は
「実を言うと、僕はただの影武者なんだよ」
 
と告白する。そして三つ葉の3人が「え〜〜!?」と言って驚く(演技)。
 
ここでカメラは名古尾プロデューサーにズームし、名古尾は番組の内情を説明して視聴者に謝罪した。
 
・この番組を当初企画した人たちが、あるいは退職し、あるいは入院して、誰もいなくなってしまったこと。
 
・番組ではオーディションの選考をある信頼できるミュージシャンに依頼し、それで3人で1人分くらいということになってこの3人がユニットを組むことになったこと。
 
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・辻褄を合わせるため、3人のプロデュースができる人を探し、複数の人の推薦で毛利さんにお願いすることになったが、毛利さんでは“大先生”にならないので、大先生と呼ばれるにふさわしい人として、馬佳祥先生にお願いしたこと。
 
・今後は馬佳祥さんは抜けて、毛利さんが名実ともにメインプロデューサーとして、三つ葉をプロデュースしていくこと。
 
「じゃ、毛利さんは使い走りから大先生に昇格ですか?」
と円香が尋ねると、毛利は
 
「僕はまだ大先生ではないから小先生くらいで」
と答えた。
 
『スター発掘し隊』はこの場面で実質終了し、9月は三つ葉の3人がメジャーデビューに向けて練習するところがずっと放送されていた。10月からは、三つ葉の3人も出演する新番組が放送されることが、“隠し撮り”により公開された。
 
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8月1日、千里たち日本代表の一行はサンパウロからリオデジャネイロに移動した。いよいよ8月6日からオリンピックが始まる。
 

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アクアは8月12日の映画公開を終えると、8月13日(土)はお休みをもらい、温泉にでも入ってくるといいよと言われた。それで同様にこの1ヶ月ハードワークだったボディダブルの今井葉月、ハナちゃん・花咲ロンド・秋田利美、それにマネージャーの鱒渕水帆の6人で、伊豆半島のひなびた温泉に行って来た。
 
しかしアクアはその日の朝、温泉に着くとすぐ眠ってしまい、葉月たちが近くの遊歩道などを散策している間、お昼も食べずにひたすら寝ていた。起きたのは(部屋に持って来てもらった)夕食を食べた時だけである。
 
ここで部屋は、ハナちゃん・花咲ロンド・秋田利美と鱒渕が“女部屋”で1つ、アクアと葉月が“男部屋”(ハナちゃんによれば“男の娘部屋”)で1つである。夕食はアクアたちの部屋に女性4人が来て6人で一緒に食べた。
 
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食事後、女性4人も葉月もお風呂に行くが、アクアは「まだ寝てる」と言って寝ていた。女性4人は当然女湯に入る。葉月はハナちゃんから一緒に女湯に入ろうよと唆されたものの、脱衣場で裸の女性がいるのを見て“敵前逃亡”して男湯に入った。葉月が入った時、男湯には誰もいなかったが、あがってから服を着ている時に男性客が入って来て、びっくりして外に飛び出した!葉月は急いで服を着て「御免なさい」と、廊下で“男”と書かれた暖簾を見て戸惑っている男性客に言ってから部屋に逃げ帰った!
 

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アクアは夜中の3時頃目が覚めて、お風呂行ってこようかなと思った。葉月は熟睡している。アクアはお風呂セットを持って温泉棟に行き、男女両方の暖簾を見てから「はぁ」とため息を付いて、男湯の暖簾をくぐった。そして服を脱ぎ、身体と髪を洗ってから、浴槽につかり、ボーっとしていた。うっかり眠ってしまいそうになって慌てて起きた時、ドアがガラッと開いた。
 
裸の女性(?)が2人入ってくる。
 
ここは男湯なのに!(多分)
 
「あ、アクアちゃん、いたいた」
「なんでこっちに入ってんのさ?」
 
「丸山アイさんに、ハイライト・セブンスターズのヒロシさん!?ヒロシさんって女の子だったんですか?」
 
丸山アイも女体を曝しているが彼(彼女?)の身体は、もう今更である。
 
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「まさか。これはフェイクだよ」
とヒロシ。
「びっくりしたー!」
 
「アクアちゃん、男湯とかに入っちゃダメだよ。ちゃんと女の子は女湯に入らなきゃ」
とヒロシが言う。
 
「ちょっと待って下さい」
 
「さあ行くよ」
と言われて、アクアはヒロシとアイに連行されて、女の子の裸にしか見えない姿のまま男湯を出たのであった。
 
 
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