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■娘たちの1人歩き(14)

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千里たちバスケットボール女子日本代表候補は5月22日にはフランスに渡り、アンジェ(Angers)に入った。“ナントの勅令”で有名なナント(Nantes)東方80kmほどの所にある都市である。パリから特急で1時間半〜2時間ほどである。
 
NRT 5/22 11:40 (JL415 787-8) 17:10 CDG (12'30)
Paris 19:53 (TGV) 21:30 Angers
 
千里は22日は移動のみで練習が無いのをいいことに、この移動過程を《すーちゃん》に代わってもらい、千里本人は成田からグラナダに転送してもらった。
 
グラナダでのチーム解散が急だったし日本での合宿がすぐ始まったこともあり、アパートの処理をしていなかったので、この日、解約の手続きをすることにしたのである。アパート内の荷物の処理の問題もあった。
 
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今まで住んでいた物件は日本でいえばワンルームマンションという感じで駐車場付きであった。家賃は460eur (約5.7万円)である。千里はあまり遠くない時期にまたヨーロッパに来ることになる気がしたので、とりあえずもう少し狭い所に荷物を移動させて家賃を節約しようと思った。それで今のアパートを管理している不動産屋さんで相談した所、今の5倍!の床面積の一軒家でグラナダの中心部から結構離れた所にある物件が1年間限定なら家賃月350eur (約4.3万円)で借りられるということだったので、取り敢えず見に行った。
 
「うーん」
と千里は腕を組んで考えた。
 
「もっと広い家のほうがよかですか?」
と日本赴任の経験があるという40代の副店長さんは九州系っぽい日本語で言った。
 
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「広すぎる気がするんですけど」
「ああ、日本人さんの感覚からはそげんかも知れんですね」
 
「こんな広い家が家賃250eurでいいんですか?」
と千里はさりげなく値切ろうとしている。
 
「一応400eurなんですが」
と不動産屋さんはさっきお店で言ったのより高い値段を言っている。このあたりはお互い様である。
 
「レーマン損失とユーロ危機(Colapso de Lehman Brothers / Crisis del euro. 日本では“リーマンショック”“ソブリン危機”と呼ばれた。彼はスペイン語を日本語に直訳して言っている)で不動産価格は暴落しましてね。マドリードとかバルセロナみたいな大都市だと再度上昇してきているんですが、こんな地方都市ではまだまだですよ」
 
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「なるほど」
 
「いっそこの物件、お買いになりません?ここ実はアルジェ在住の所有者のお孫さんが1年ほど住んでいたものの、そのお孫さんが孫娘になっちゃって、フランス人と結婚してパリに移ったのでここは不要になったんですよ」
 
「ああ。時々聞く話ですね」
「孫娘になっちゃったお孫さんは精子は保存していたので、赤ちゃんは作れるということで現在出産準備中らしいですけどね」
「曾孫ができるなら全く問題ないですね」
 
と言いながら千里はそのフランス人って男だろうか女だろうか、産むのは一体誰なのか?卵子は誰のものなのか?と悩んでいた。
 
「それでこの家は売っちゃおうかなという話で。最初は地価が上昇するのを待っていたものの、なかなか上がらないから、しびれを切らして、安いままで売ってもいいと言っているんですよ。実は借りる場合1年限定というのも売却が視野なためで」
 
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「買うといくら?」
「51万ユーロ(6300万円)です」
「・・・永住権取得目的で外国人が買ってくれるようにという価格だ」
「そうなんですよ」
 
スペインで50万ユーロ以上の住宅を購入し7年間ビザを維持した人はスペインの永住権を取ることができる。ちなみに千里は「次のチームが決まるまで1年間限定」で、まだレオパルダ・デ・グラナダとの雇用関係があり、有効な就労ビザ(期限は2018年4月)を現在も所有している。
 
「ところでこの家までの交通機関は?」
「車ですね。鉄道もバスもありません。交通機関があったら、この広さなら500万ユーロはしますよ」
 
「200万ユーロくらいでは?」
と千里はわざとスペイン語で言った。
 
不動産屋さんは「参った」という顔をしている。こちらがちゃんと相場を把握していることを認識したようである。
 
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「でも車でここに来るためにはグラナダ市街に車を駐めておく場所が必要ですよね?」
「安い所斡旋しますよ」
 
「ところで借りる場合は200eurだったっけ?」
さっきより安い値段を言っている!
 
「お客さん、お金持ちでしょ?買いましょうよ。何なら分割払いでもよかですよ」
と不動産屋さんは言っている。どうも会話の感触から、買おうと思えば買えるが、一括で買うには微妙なのかもと判断した感じであった。
 

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さて、フランス・アンジェでの合宿は23日から28日まで続き、千里たちは地元の大学生チーム、ナントを拠点とするフランスLFBに所属するプロチームなどと練習試合をした上で、26-28日にはフランスチーム・セルビアチームと3チームでリーグ戦をおこなった。
 
その後ベラルーシ(昔の白ロシア)のミンスクに移動して、後半の合宿に入る。
 
CDG 5/29 14:25 (B2866 737-500) 18:10 MSQ (2'45)
 
ここでも地元のチームに練習相手になってもらい、体格の良い選手との対決の練習をする。6月2-4日にはトルコ、ベラルーシ、ニュージーランドのチームと4者でリーグ戦形式の試合をおこなった。
 
日本代表候補選手団は翌日ロシアのシェレメーチエヴォ国際空港経由で帰国した。
 
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MSQ 6/5 6:15 - 7:35 SVO(1:20 dif 0) 19:00 - 6/6 10:35 NRT(9:35 dif+6h)
 
そして6月6日バスケット協会に行き、オリンピックに出場する代表12名の発表に臨む。12名にはこのようなメンツが選ばれた。
 
PG 武藤博美、森田雪子
SG 花園亜津子、村山千里
SF 佐藤玲央美、広川妙子、湧見絵津子
PF 鞠原江美子、大野百合絵、高梁王子
C 森下誠美、夢原円
 
補欠 前田彰恵、平田徳香、鞠古留実子
 

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昨年のアジア選手権で優勝を逃し、五輪切符を獲得できなかった中国は、6月13-19日にフランスのナントで世界最終予選に臨んだ。予選リーグではスペインに敗れたものの2位で決勝トーナメントに進出。17日の準々決勝でベラルーシに勝ってオリンピック出場を決めた。
 
千里はシンユウに電話しておめでとうを言った。
「これでリオで戦えるね」
「うん。頑張ろう」
 
なお千里の元チームメイト・サンドラも入っているスペインは予選リーグを1位で通過。準々決勝で韓国に勝って、同じくオリンピック切符を手にした。千里はサンドラに「Felicitaciones!(おめでとう)」メールを送っておいた。
 
●リオデジャネイロ五輪出場国(12ヶ国)
 
アメリカ 2014世界選手権
セルビア 2015ユーロバスケット
カナダ 2015アメリカ選手権
オーストラリア 2015オセアニア選手権
日本 2015アジア選手権
セネガル 2015アフロバスケット
ブラジル 開催国
ベラルーシ・中国・フランス・スペイン・トルコ 世界最終予選
 
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6月上旬、ΛΛテレビ局内で激論が交わされた。
 
映画『時のどこかで』の撮影を7月頭から開始したいのだが、それまでにどう考えても『ときめき病院物語II』の撮影が終わりそうにないのである。
 
「今の所終わるのは8月上旬くらいになりそうなのですが」
「それはもう映画の公開時期ですよ」
「だいたいその映画の撮影日程が無茶すぎますよ。1ヶ月で映画作るなんて聞いたことない」
 
ベテランの逆池プロデューサーの強引な主張に対して中堅の橋元プロデューサーが1歩も引かない。
 
結局社長が仲裁案を出す。『ときめき病院物語II』の撮影をいったん7月7日(木)で中断し、7月8日(金)から31日まで『時のどこかで』の撮影。そして8月から『ときめき病院物語II』の残りの撮影をするというものである。
 
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「撮影と放送が綱渡りになる上、8月いっぱい拘束されるとなると、端役の人たちが他の仕事を入れていたのにパニックになると思います」
と橋元は不満そうに言う。
 
「その役者さんたちには充分な報酬の上積みをするとともに、スケジュールがぶつかる所には僕の名前で詫び状を書こう」
と社長。
 
「7月8日からでは撮影スケジュールが厳しすぎます」
と逆池も言う。
 
「役者さんたちに撮影現場に泊まり込んでもらうとかはできない?タイムレスで頑張ってもらおう」
「それバレたら労働基準監督署から何か言われますよ。特に未成年者労働については厳しいんです」
 

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§§ミュージックの第3回ロックギャルコンテストだが、6月18-19日に都道府県予選(東京・大阪・北海道はエリア予選)が行われた。
 
第1回の優勝者がアクア、第2回は優勝者無しで特別賞・西宮ネオン、ということで“ギャル”の名称に反して、男の子が2年続けて選出されたこともあり、今回男子の応募者が全体の2割を占めていた!
 
昨年はネオンの本名(充乃)が男とも女ともとれる名前であったことから本選の当日まで性別に気付かなかったという問題もあり、今年は書類・音源での選考を通過した人に、年齢確認の意味も含めて、住民票の提出を要求した。
 
すると名前と歌唱録音での声だけでは気付かなかった男子の書類選考通過者が全国で50人もいて(ほぼ全員が中学1年生で声変わり前)、個別に「申し訳無いが女子のオーディションなので」とお断りの電話を入れた。但し本人が「戸籍上は男だけど実態は女」と主張した人(GIDのケースと半陰陽のケースがあった)に関しては(必要なら股間を偽装して)女子水着姿になれることを条件に出場を認めた。
 
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バストに関しては天然女子でも胸が全然無い子もいる!ので、偽装しなくてもよい。
 
都道府県予選の通過者は全国で200人程度で、来月のブロック予選に進出する。この200人の中には美事な女子水着姿を披露した男の娘3名も含まれていた。
 

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6月中、三つ葉の3人は、歌やダンスのレッスンに励みながらも、この時期は中間試験のために頑張っていた。特に高校生の2人は万一赤点を取ったら活動停止を宣告されているので、ふだんあまり真面目に授業を受けていない優羽も勉強に集中していた。
 
そしてとうとう6月26日(日)に三つ葉にCDを制作する楽曲が渡された。ステラジオの作詞作曲で『恋のハーモニー』という曲である。
 
実を言うと、ラララグーンのソウ∽(そうじ)が今絶不調で全く楽曲が書けない状態にあると聞いたシアター春吉社長が、自分の所のステラジオのホシと似た状態かもと思って同情し、療養中のホシに連絡して、若いデビュー前の3人娘のユニットにあげられるようなストックが無いかと問い合わせた。
 
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するとホシもソウ∽に同情し(この時点でホシはソウ∽というのが実は毎日のように療養中の旅館内で会っている“変態じいさん”であることに全く気付いていない)、どっちみち自分たちのアルバム制作は年明けくらいだと思うからと言って、自分たち用に用意していたこの曲を10代の女の子向けに歌詞を少し調整し、パートも2パートから3パートに変更して提供してくれたのである。結果的にシレンとコトリはこの曲では純粋なコーラスではなく、結構見せ場のある歌い方になった。
 

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2016年6月23日(木).
 
★★ホールディング(★★レコードの持ち株会社)の株主総会、続いて取締役会が行われ、松前社長が会長に退き、村上専務が社長(代表取締役)に、佐田常務が副社長に、町添取締役が制作部長のまま専務取締役に、平田取締役も総務部長のまま常務取締役に選任する決議が採択された。
 
これから3年間、★★レコードは冬の時代に突入。ローズ+リリー以外のビッグアーティストが軒並み勢いを失う一方で、有望な新人が全く出て来ずに、ひたすら売上げが下降していくことになる。
 

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千里たち女子日本代表は6月16日から28日まで、チェコのプラハに遠征に行った。
 
NRT 6/16 11:25 - 16:30 (12:05 dif-7h) FRA 22:15 - 23:15 (dif 0) PRG
PRG 6/28 6:00 - 7:10 FRA 13:40 - 6/29 8:15 (11:35 dif+7h) NRT
 
フランクフルト経由でチェコのプラハに入った。地元の強豪チームに練習相手になってもらい、練習を重ねる。そして6月22-24日には、日本代表、チェコ代表、スロバキア代表、カナダ代表の4チームによるリーグ戦が行われた。
 

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6月28日は京平の1歳の誕生日である。千里は27日の練習が終わってから、21:00頃、大阪の千里中央駅に移動してもらっておいた《てんちゃん》と入れ替わった。日本時刻では6/28 4:00頃である。
 
貴司は25日から男子日本代表の合宿でフランスに行っている。阿倍子はだいたい昼近くまで起きない。それで千里はそのまま貴司のマンションに行き、自分が持っている鍵で勝手に中に入る。マンションには京平のお世話のため《いんちゃん》も詰めている。阿倍子は寝室で寝ており、京平は居間のベビーベッドに寝ている。
 
千里は寝ている京平を抱っこした。京平は目を開けて
 
『お母ちゃん、おはよう』
と思念で伝えてきた。
 
『おお、ようやく封印が解けたね』
『おとといくらいから使えそうな気がしていたけど、自信なかった』
 
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『てんちゃんや、いんちゃんに話しかけてみれば良かったのに』
『最初はお母ちゃんと話したかったんだよ』
『ごめんねー。海外に行ってたから。でも誕生日おめでとう』
『ありがとう』
『おっぱい飲む?』
『飲みたーい』
『よしよし』
 
それで胸を出して直接授乳すると、京平は嬉しそうに飲んでいた。
 
千里はそのまま京平のそばで4時間ほど添い寝しながら、たくさんおしゃべりをきいた。そして日本時間の8:00(プラハの6/28 1:00)頃、京平が眠ってしまったのを機に、いったんプラハに戻った。
 

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2016年7月2日、青葉は“妖怪足元くちゅくちゅ”の調査のため東京に出てきたのだが、冬子のマンションに寄ったら、政子から『エメラルドの太陽』というぶっとんだ内容の詩を渡され、曲を付けてくれないかと頼まれた。まるで薬でラリッた状態で書いたような詩なので、冬子から曲付けを拒否されたらしい。
 
青葉は困ったなと思いながらも取り敢えず詩を預かった。
 

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娘たちの1人歩き(14)

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