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■娘たちの1人歩き(5)

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(C) Eriki Kawaguchi 2019-09-16
 
千里は先日青葉から巨大な収入がある場合の節税対策について尋ねられ、まずは個人会社を設立すればよいと指南しておいた。それで青葉は自分の会社グリーン・リーフを設立することになったのだが、例によってアクアの11月に出したCDの印税が入るのは(4月末が休日なため)5月頭なので、それまで資本金にする現金を貸してと4月12日に言われ700万円貸しておいた。
 
4月15日。
 
その日千里はNTCで日本代表チームの練習をしていたのだが、青葉がどうも危ない事件に関わっているなと思い、交替で監視をさせておいた眷属から緊急連絡が入る。
 
『青葉を停めて!死ぬ!』
というメッセージに千里は大きな声で
「タイム!」
 
と言って、紅白戦を停めるとコートサイドに飛び出しつつ床を滑りながらブラジャーの中!から自分の携帯を取り出し、青葉に電話した。青葉が危険な歌を再生しようとした所から、青葉が千里からの電話に気付くまで僅か2秒である。これはスポーツ選手の反射神経+電話に実際に着信する前に電話が掛かってくることに気付く青葉の霊感のおかげだ。
 
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「おっはよー。青葉、死んでない?」
と言った所で千里の身体は壁に到達して停まる。
 
「何とか生きてるけど」
「今凄く危険な曲を再生しようとしてたでしょ?」
「よく分かるね」
 
この時、青葉はステラジオのマネージャーが3代続けて怪死した件を調べていて最後に亡くなった人の自宅にお邪魔し、そこで不思議な曲の譜面とSDカードを発見し、再生してみようとした所だった。
 
この事件の詳細↓
http://femine.net/m/read.php/aoba/aoba5_45.htm
 
概略
・ステラジオのマネージャーが3代続けて怪死した。
・K大水泳部の部長が3代続けて怪死した。
・消去しても初期化しても復活する“死の歌”と青葉の戦い。
・数十年前の呪いに、ステラジオ・ホシの薬物問題が絡む。
・幡山ジャネの意識回復とリハビリ、ジャネの正体。
・ステラジオ・ホシの心の癒やし、ラララグーン・ソウ∽の心の癒やし
 
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「警告。その曲を再生したら、今その場にいる人全員、1分以内に死ぬから」
と千里は言った。
 
青葉は驚きのあまり声も出ないようである。千里は“どこかから”降りてくることばを青葉に伝えた。
 
「その時の死因はね、各々本人が自分の健康に関していちばん不安を持っているものになると思う」
 
どうも青葉は千里のその言葉で、今回の事件の原因が分かってしまったようであった。
 
後は何とかなるなと思い、電話を切ったが、練習していた他の選手たちの視線が冷たい。
 
「すみません。今妹が劇薬の瓶を誤って開けようとしていたので」
「ふーん・・・。それで?」
 
「全員にカツドンをおごりますから」
「カツドンではダメだな。ステーキだな」
「はい、ではステーキで」
と言って、千里はみんなにペコペコ謝った。
 
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千里の合宿は4月20日でいったん終わった。20日の夜はちょうど男子代表の合宿で出てきていた貴司と一緒に東名をデートドライブして大阪まで行き、アテンザを大阪に置いたまま新幹線で東京に戻る。そして21-22日は、新たに設立した“クロスリーグ”の開幕戦にリーグ主催者の1人として出席し、またレッドインパルスの選手としても参加した。
 
4/21 40minutes- RedImpulse(Half-time show: ムーンサークル)
4/22 Joyful Gold - Rocutes (Half-time show: 西宮ネオン)
 
クロスリーグというのは、クラブチーム(40 minutes, Rocutes)、実業団(Joyful Gold)、プロチーム(Red Impulse)という、普段は直接対決の無いチームが参加しているからである。
 
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23日は銀座のエヴォンで冬子と会って、★★レコードの状況や建設することになった深川アリーナなどについて意見を交わした。
 

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4月25日から千里は第2次合宿に入る。この合宿は11日まで続くのだが、次の3つの親善試合(対オーストラリア女子代表)も含む。
 
2016.05.07(土) 長岡
2016.05.09(月) 東京
2016.05.10(火) 東京
 
合宿1日目の25日夜、青葉から電話がある。5月2日に今回関わっている事件(金沢の連続怪死事件)のホンボシと思われる幽霊と対決するが、相手がひょっとしたら物凄く強いかも知れないので、その時、こちらのパワーを貸して欲しいというのである。
 
「いいけど死なないようにね〜」
 
千里は自分の反応が間に合わない場合に備えて、戦闘力のある《びゃくちゃん》と《りくちゃん》を交替で青葉に付けておいた。
 

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《びゃくちゃん》から報せがあったのは5月2日の朝9時頃だった。千里はNTCでウォーミングアップをした後、シュート練習をしていた所だったが、お腹をおさえてサイドに行き座り込む。
 
「どうした?」
「すみません。軽い腹痛で。少し部屋で寝てていいですか」
「まあいいけど」
 
それで千里は体育館を出ると即《くうちゃん》に頼んで自分の部屋に転送してもらう。《びゃくちゃん》から連絡があってから10秒くらいだが、その間、青葉の方は戦闘になっているようだった。《びゃくちゃん》の目を通して見ると青葉・雪娘・海坊主の3人が何だかとんでもなく巨大な霊団と戦っている。
 
青葉たちは劣勢である。
 
これは竹槍で戦闘機と戦うみたいなものだと千里は思った。
 
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千里は『姫様』と言って《ゆう姫》に笑顔で声を掛けた。
 
『なんじゃ?』
『お借りします』
 
と言うと、自分の体内に封印されている瞬嶽の術を青葉の力を使って起動させ強烈な竜巻のようなものを引き起こして霊団にぶつけた。
 
瞬嶽はこの術では5〜6階建ての鉄筋のビルを破壊できると言っていた。実際霊団は一瞬にして粉砕されてしまった。続けて千里は別の術をやはり青葉の力を使って起動し、粉砕された悪霊の破片を全部地獄送りにしてしまった。
 

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青葉たちは突然敵が居なくなったので、何が起きたのか分からずキョロキョロしている。すると様子を眺めていた美鳳さんが
 
「千里サンクス。あの犯人は私が処分してやる」
と言って、青葉たちの前に出現し、この事件の主犯の木倒サトギ(≒木倒ワサオ)を連行していった。
 
《ゆう姫》が千里に文句を言った。
 
『お主、また勝手に妾のチャンネルを利用しよって』
『緊急事態でしたので』
 
術のパワーが凄まじすぎて、《びゃくちゃん》では今の操作に耐えられなかったのである。それで《ゆう姫》のルートを使わせてもらった。
 
この日は手加減せずに千里もフルパワーで青葉をサポートしたので、結局夕方までずっと自室で寝ているハメになった。玲央美がお昼に
 
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「仮病の具合はどう?」
などと言って、お昼ごはんを持ってきてくれたが、千里がマジで疲れているようなので驚いていた。
 
「トライアスロンでもやってきたような顔してる」
「今日は生理が重いから夕方まで休んでるとコーチに言っておいて」
 

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青葉もこの日はとても精神的な余裕が無かったが、5月6日に、千里から借りていたお金(通学用の車を買う資金+納税資金+会社設立資金)を入金していたアクアの印税で返却してから、千里と電話で話した。
 
青葉は助けてくれてありがとうと言ったが、千里はあれは青葉の力で瞬嶽から預かっていた秘法を起動しただけだと言った。
 
「**の法だよ。しっかり伝授したから次からは自分で起動してね。あれって鯨くらい1発で倒せると瞬嶽さん言ってたよ」
 
「起動の仕方は分かる気がする。でも物凄いエネルギーを使うよね?」
「まあ相手次第だね。猪程度ならもっとずっと小さいパワーでOK」
「猪?」
「瞬嶽さんはこれで猪を狩って御飯にしてたみたいだよ」
「師匠って霞(かすみ)を食べて生きてたのかと思った!」
「霞だけじゃお腹が空くよ」
 
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「でもこれで**の法を使えるのは、日本では3人になったね」
と千里は言った。
「あと2人って?」
「羽衣さんと虚空さんだよ」
と千里が言うと、青葉は緊張した顔をしていた。
 
「青葉以外は2人とも変態だな」
「へ!?」
 

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2016年4月27日(水)、アクアの5枚目のシングル『眠る少年/ナイスなナースになるっす』が発売され、いつものようにアクアの学校が終わった後18時から、青山ヒルズの1階大会議室で、発売記者会見が行われた。
 
いつものようにエレメントガードの伴奏でアクアが生歌唱した後でテーブルの所に座り、趣旨説明や質疑応答が行われる。
 
『眠る少年』は岡崎天音(マリ)作詞・大宮万葉(青葉)作曲の作品。震災復興支援イベントの時に出演依頼と一緒にケイが青葉に作曲を押しつけた作品である。
 
当初は『眠る少女』というタイトルでアクアは可愛いベビードールを着て王女様のようなベッドに寝ているというコンセプトだったのだが、アクアが受取り拒否したので、マリはぶつぶつ言いながら少女という所を少年に書き換え、アクアの衣装もベビードールではなく、男の子用のシルクのパジャマに変更された。
 
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PV撮影の時、アクアは実際にベッドに入って寝ているふりをしていて下さいと言われたのだが、連日のハードな仕事の疲れが出て、彼は本当に眠ってしまった。その熟睡している様子を撮影されたのだが、公開されたビデオを見て多くの人が
 
「眠っている少女にしか見えない」
と言った。
 
むろん当初は『眠る少女』だったという話は(この時点では)公開されていない。
 
『ナイスなナースになるっす』は『ときめき病院物語II』のエンディングテーマである。加糖珈琲作詞・東郷誠一作曲とクレジットされているが、実際に曲を書いたのは千里(東郷誠一H)である。この曲は歌詞が早口言葉のようになっていて、結構間違わずに歌うのが難しいと話題になった。実際音源製作の時アクアも苦労していた。
 
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PVでは『ときめき病院物語II』に出演している多数の看護師役の女性たちが踊ったり走ったりしていた。
 

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ゴールデンウィークにはまた全国ツアーをした。今回もドームツアーである。アクアとしても、またコスモスにしても、本当はホールツアーやアリーナツアーをしたいところだが、アクアのスケジュールが厳しいので、5000人のホール30ヶ所のようなツアーは困難で、どうしてもドームにならざるを得ない。
 
4.29 札幌ドーム
4.30 京阪ドーム
5.01 博多ドーム
5.03-05 関東ドーム3日間
 
今回名古屋の愛知ドームはゴールデンウィークの予約が取れず、名古屋近辺の人たちはごめんなさい、ということになった。
 
今回は初めてオリジナル曲だけでセットリストを組むことが出来た。セットリストは最終日の場合このようであった。
 
前半
『眠る少年』(ベッドで寝ている所からスタート)『夢見るコレジエンヌ』、『ナイスなナースになるっす』『冬模様』『スキーに行こうよ』『テレパシー恋争』、『ロックバンドの少女』『朝食ラーメン娘』『走って告りに行こう!』『半分少年』
 
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後半
『桃色の予感』『想い出海岸』『水辺のニュムペ』『憧れのピーチガール』、『ライオンと少女』『翼があったら』『The Young and the Freshness』、『ウォータープルーフ』『nurses run』
 
アンコール
『ぼくのコーヒーカップ』『白い情熱』
 
また今回は初めてエレメントガードが最初から最後まで伴奏した。但しサポートミュージシャンも入れて、一部の曲でギターやキーボードを他の演奏者が代行してヤコやハルを休ませたケースもあった。また追加ミュージシャンとして、ヴァイオリン、フルート、サックス、ヴィブラフォンの奏者も入り、一部の曲の演奏に参加している。
 
また信濃町ガールズが全日程に同行してバックダンサーを務めたが、前半と後半で半分ずつ出場した。Aチームは佐藤ゆか、Bチームは米本愛心がリーダーを務めた。
 
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