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(C)Eriko Kawaguchi 2018-06-22
3つのRという言葉がいわれる。
Reduceとは、ゴミを減量するように工夫することである。例えば物を大事に長く使う、そもそもゴミが大量に出るような商品を買わないなどの取り組みを言う。Reuseというのはまだ使えるものは再利用することである。使い捨て容器ではなく何度も使える容器を使う、自分は不要になったがまだ使えそうなものはフリマやネットオークションなどに出すなどの取り組みを言う。そしてRecycleというのは資源として利用して別の物を生み出すことである。きちんと分別してゴミに出す、食品トレイなどを回収コーナーに出す、また再生紙のトイレットペーパーを買うなどもRecycleに貢献することである。
8月25-26日(土日).
札幌で時計台カップというオープン大会が開かれ、これにローキューツはBチームで参加した。遠征メンバーは下記である。
選手(16名) ★主将
9.松元宮花(PG) 11.水嶋ソフィア(SG) 15.東石聡美(SF) 17.杉山蘭(PF) 18.岡田瀬奈(SG/SF) 19.沢口葉子(SF) 20.島田司紗(GF) 22.五十嵐岬(PF) 25.長居茜(PF) 26.弓原玉緒(SF) 27.深山三葉(SF) 30.後藤真知(SF)
31.真田雪枝(SF) 35.長門桃子(C)★ 36.鴨川絵美(PF) 37.宮中春江(PF)
桃子もすっかり主将慣れしてきた感じで、よくみんなのお世話をしてくれる。
ベンチスタッフ(4名)
ヘッドコーチ 愛沢国香 アシスタントコーチ 原口揚羽 スコアラー 風谷翠花マネージャー 岸原元代
合計20名
遠征不参加 西原敏秀・谷地博伸・森田雪子・森下誠美・歌子薫・馬飼凪子
薫・凪子・誠美の3人は国体代表チームの練習があり、また雪子はユニバーシアード代表の合宿があったので不参加である。
元々、スタッフは北海道出身者を中心にと考えたので、関東出身の誠美・薫・元代はお休みということにしていた(後で国体チーム練習の話が入って来た)。ところが元代が
「北海道旅行行きたい!」
と言うのでマネージャーをしてもらうことにし、翠花はマネージャーの予定がスコア付け専任とした。するとその話を聞き
「元代ちゃんがマネージャーになってよかった」
と言った子が複数居た。それを偶然耳にして
「え〜?私じゃ信用無い?」
と翠花が訊いたら
「違う、違う。翠花さんでは雑用頼むのが申し訳無い」
という声で、翠花は悩んでいた。
西原監督と谷地コーチはスケジュールを聞いて
「I'm not so tough!」
と言って不参加である。今回の日程は朝1番の飛行機(羽田6:10-7:40新千歳)で北海道に飛び、帰りは夜行急行《はまなす》で帰ってくるという強行軍である。月曜日の午前中は会社を休まざるを得ないし、そもそも夜行急行と新幹線の梯子は若い人でもかなり体力を消耗する。しかも2日間に詰め込んだスケジュールの大会が終わった後である!
北海道なので、札幌のクラブチーム、クロックタワー、札幌味噌ウィーメン、札幌スノーフェアリーズが参加しているし、北海道の大学チーム多数、いくつかの高校チームも参加している。今年のインターハイ代表だった札幌P高校・旭川L女子高や、今年はインターハイ出場を逃した旭川N高校などもBチームで出てきていた。他に“内地”からも、ローキューツや金沢の女形ズなど5つのクラブチームが参戦していた。
そういう訳で女子の参加チームが40チームもあった。大会の方式は女子は5チームずつ8グループに分け、1日目はリーグ戦を行って各グループの1位が翌日の決勝トーナメントに進出する方式である。2位以下のチームは翌日は交流戦が行われる。ただしリーグ戦は5分クォーターでタイム無しのルールである。
ローキューツはE組に入れられたが、この組のメンツはこのようであった。
帯広C学園高校・旭川A大学・ローキューツ・札幌N女子大・旭川ヤマガールズ
まず初戦の帯広C学園高校に15点差で圧勝。2戦目の旭川A大学(北海道女子学生リーグ2部)は旭川N高校出身の北本志緒がいるチームだが、これにも快勝する。揚羽・蘭・司紗は志緒と同学年なので試合終了後ハグしあって「またやろうね」と言い合った。
3戦目の旭川ヤマガールズは旭川N高校出身の坂口葦帆と、旭川L女子高出身・元旭川ホルスタインズの鳥嶋明里が共同設立したクラブチームである。鳥嶋明里は高校卒業後、旭川市内の企業に就職して休日を中心にホルスタインズの活動に参加していたのだが、昨年の夏頃以降、ホルスタインズが事実上の休止状態になってしまった。この6月にふたりが偶然遭遇して、意気投合し、一緒にクラブチームを立ち上げることにしたのである。
スポンサーはふたりの奔走で旭川付近を拠点にしたお寿司屋さんのチェーンと、スポーツ用品店が協力してくれることになり、その2つの企業名がユニフォームの前面と背面に入っている。また練習場所については旭川L女子高が協力してくれており、同校の“解体予定だった”旧武道場(2007年に放火された建物)を当面自由に使っていいことになり、自分たちで頑張ってビニールテープでラインを引いたらしい。今年は登録期限がすぎているのでできないが、来年春には正式にクラブ連盟に登録しようと言っている。現在メンバーは7名だが、何だか知った顔ばかりである。
5.坂口葦帆(GF 163 N高校) 9.町田久美子(SF 164 N高校) 10.横田倫代(C 178 N高校) 4.鳥嶋明里(C 179 L女子高/Holsteins) 8.緑川菜々(PF 180 L女子高)
6.串本沙苗(PG 159 M高校/Holsteins) 7.大柿和奈(PF 168 R高校/Holsteins)
緑川菜々はローキューツの風谷翠花の親友である。元々は緑川菜々が高く評価されていて、翠花はそのチームメイトだったので、半ばおまけ扱いでL女子高に入ったのだが、高校に入ってから翠花が物凄く成長して追い抜いてしまった。しかしふたりの間にはわだかまりはなく、ずっと仲良しであった。
このチームと相対した時、ローキューツ側からは
「何この天井チームは!?」
という声があがった。178-180というとんでもない長身の選手が3人もいるのである。
「ほんとにあれ女子チームだよね?」
「まあ1人、元は男の子だった子もいるけど」
「8番の人?」
「ぶっぶー。10番」
「嘘。凄く女らしい雰囲気なのに」
「まあだから男は辞めて女になったんだと思う」
「そういうことか」
「ちんちん付いてんの?」
「去年の1月だったかに取っちゃったよ」
「わりと簡単に言うなぁ」
「まあちんちん付いてたら女子の試合には出られない」
試合前から司紗と葦帆、菜々と翠花がハグしあって友好的なムードで試合は始まる。
しかし試合としては全く勝負にならなかった。20点差でローキューツが勝つ。それでもローキューツのメンバーからは
「良かったぁ。勝てて」
という声があがっていた。
この日最後に対戦したのは北海道女子学生リーグ1部に所属する札幌N女子大である。ここまで両者3勝しており、この試合に勝った方が翌日の決勝トーナメントに行くことができる。ここも知っている顔が多数あった。
さすが1部の大学だけあってなかなか強い所であったがソフィアや桃子などを中心に松元宮花がうまいゲームメイクをして3点差で勝利を収めた。これでローキューツはBEST8に残り、明日の決勝トーナメント進出が決まった。
なおこのリーグ戦の順位は1.ローキューツ、2.札幌N女子大、3.旭川ヤマガールズ、4.旭川A大学、5.帯広C学園高校、であった。帯広C学園も充分な強豪なのだが、この組は全体的にレベルが高すぎた。
翌8月26日。
BEST8に残っているのは下記のチームである。
札幌C大学、札幌F大学、札幌U大学、H教育大旭川校、クロックタワー、ローキューツ、フェアレイルズ、札幌P高校、
フェアレイルズは岐阜県のクラブチームで美濃鉄道をスポンサーにしている。元々は実業団チームだったのだが、会社で丸抱えするのが困難になり、現在はクラブチームとして運営されている。2010年3月の全日本クラブ選手権の3位決定戦でローキューツと当たり、その時はローキューツが勝った。今回の参加チームの中で最も遠くから参加したチームだが、わざわざ北海道まで来た甲斐があって、旭川L女子高との熾烈な戦いを制して決勝トーナメントに進出してきた。なお旭川N高校はクロックタワーに敗れて予選リーグ2位に終わり、今日は交流戦である。他に女形ズは札幌C大学に敗れている。
組み合わせの抽選が行われ、このようなトーナメントが確定した。
札幌C大学┓
札幌P高校┻┓
札幌U大学┓┣┓
ローキュー┻┛┃
札幌F大学┓ ┣
フェアレイ┻┓┃
H教大旭川┓┣┛
クロックタ┻┛
ローキューツの準々決勝の相手は札幌U大学で、ここには旭川N高校出身の瀬戸睦子や山下紅鹿がいる。軽く手を振り合ってから試合を始めたが相手は強い強い。最初向こうが猛攻を見せて10-2となるが、ここから松元宮花の天才的なゲームメイクが動き出す。
長身でスリーもあって、いかにも怖そうなソフィアを敢えておとりに使い、聡美や岬、あるいは交替で入れる瀬奈や真知などをうまく利用して点数を取っていく。桃子はリバウンドだけ取ればいいことにした。
この結果じわじわと盛り返し、前半終了間際に同点に追いついてしまった。そこからはシーソーゲームとなるも、最後は何とか4点差で逃げ切ることができた。
試合終了後はハグ大会となった。
準々決勝の結果は下記である。
札幌C大学┓
札幌P高校┻札幌C┓
札幌U大学┓ ┣┓
ローキュー┻ローキ┛┃
札幌F大学┓ ┣
フェアレイ┻札幌F┓┃
H教大旭川┓ ┣┛
クロックタ┻クロッ┛
渡辺純子を擁する札幌C大学がインターハイ上位常連校の札幌P高校を下した。湧見絵津子を擁する札幌F大学も強豪のフェアレイルズを下した。花輪留実子や若生暢子を擁するH教育大旭川は北海道No.1クラブチームのクロックタワーの前に敗れた。
しかし、とてもオープン大会とは思えないハイレベルな試合ばかりである。
そして午後1番に行われた準決勝ではローキューツは北海道女子学生リーグの女王・札幌C大学に15点差で敗れることになる。さすがにBチームではこの相手は手に負えなかった。もうひとつの準決勝では札幌F大学が激戦の末、クロックタワーを倒した。
そして決勝戦では絵津子のF大学が純子のC大学を1点差で下して優勝した。また3位決定戦ではローキューツはクロックタワーに敗れ、この大会の成績は4位に終わった。
「ああ、表彰台ならず」
「まあでもBチームでこれだけやったのは大健闘だと思うよ」
「次はAチームの人が全国優勝すればよいね」
大会終了後は、札幌市内で打ち上げにジンギスカンを食べ、22:00の《はまなす》に乗って帰還した。実は大会終了後すぐに新千歳に行けば羽田行き最終に間に合ったのだが「打ち上げにジンギスカン」という声が強かったのでそのためにわざわざ《はまなす》利用にしたのである。
札幌 8/26 22:00(はまなす)8/27 5:40青森5:44-5:49新青森6:10(はやぶさ)9:24東京9:40(しおさい)10:08千葉
なお昨日の夕食は「前祝い」と称して、北海道の海の幸をたっぷり使った海鮮丼(お代わり自由)を食べているが、1人で3〜4杯おかわりする子が多く、ソフィアは6杯、桃子は7杯食べて
「食べ過ぎでお腹壊して動けなかったら罰金」
などと玉緒から言われていた。
雨宮先生と千里のチーム《花火星》は25日夕方にも2度目のレッキを行い、2回のレッキ(試走)の内容に基づいて雨宮先生は千里と話し合いながら詳細なペースノートを作成した。
8月26日(日).
ふたりはラリー本番に臨む。今回の参加チームは52チームで、それが1分間隔でスタートしていく。千里は雨宮先生が作ったペースノートに基づいた指示に従って走って行く。
今回はまずはラリーに慣れるというのが目的なので、無理せず安全優先で走ろうと言われているので、千里も気楽に走ることができた。それでも何度か前の車両を追い越したりしたし、途中事故を起こして停止している車両(救援不要を示すOKサインを出していた)の横を通過したのも1度あった。
「これってスペシャルステージとリエゾンの頭の切り替えが必要ですね」
「そそ。スペシャルステージの気分でリエゾン走ったら、失格になる前に白バイに切符切られるかもね」
「ああ、それは怖い」
安全運転で行ったお陰で車両トラブルなども全く起きなかった。
「まあイルザの代理で走る時も、事故ると困るから安全優先で走ってもらうから」
「それは助かります。怪我したくないし」
「まあ事故ったら事故った時で、その映像も面白いんだけどね」
「そういうのはCGででも」
なお順位は52台中11位であった。