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■娘たちのお正月準備(3)

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午後からの決勝の相手はサクラニャンとの激戦を制して勝ち上がってきたサザン・ウェイブスである。「かなりマジ」な
 
凪子/国香/薫/麻依子/桃子
 
というメンツで出て行く。さすがにサザン・ウェイブスはこのメンバーを見ても見ただけでビビったりはしない。それでもティップオフは桃子が取って凪子がドリブルで攻め上がる。麻依子と国香のスクリーンプレイから麻依子がミドルシュートを入れてローキューツが先制する。
 
その後、サザン・ウェイブスも結構頑張った。
 
しかしトップエンデバー招集経験もある凪子のゲームメイク、同等のレベルの麻依子、国香のプレイ、そして桃子の高身長を活かしたリバウンド拾いに相手はなすすべもない。
 
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結局43-92で勝利。
 
結局千里と誠美の出る幕は無かった。
 
これでローキューツは千葉県クラブ選手権を2連覇した。
 
1−2位のローキューツとサザン・ウェイブスは来年2月5-6日に行われる関東クラブ選手権に進出する。3位以下のチームは12月に行われる千葉県クラブバスケットボール選抜大会に出場してその1−2位のチームが来年夏の関東クラブ選抜(裏関)に出場することになる。
 

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試合が終わったのが15時前で、そのあと表彰式を経て、いったん船橋に出て打ち上げをした。この時、練習場所の話題が出た。
 
「いつも練習に使っている総合体育館は、アクセスはいいんだけど、どうしても行事が多いし、特に今からの時期はバスケットやバレーの大会やってて使えないこと多いでしょう。どこかもっと空(す)いてる体育館は無いかなあ」
 
「それ私たちもこないだ話してた。なんか身体動かせないと悶々としちゃうんだよね〜」
 
「千葉市内か、あるいはその周辺でも空いてる体育館はどこかあると思う。ちょっと体育館巡りしてみるよ」
 
と、まだ就職先が決まらないのに、一向に焦っていない玉緒が言った。
 

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打ち上げが終わった後、千里は東京駅に移動すると19:10の《のぞみ》に乗った。21:43に新大阪に到着し、地下鉄で千里中央に移動する。自分でマンションの鍵を開けて中に入る。
 
「ただいまあ。浮気してなかった?マイハニー」
と言って、LDKでバスケ雑誌を読んでいた貴司に抱きつく。
 
「浮気なんかしてないよ。僕は千里一筋なんだから」
と言って貴司が千里にキスする。
 
「じゃ、取り敢えずこのクッキー捨てていい?私が今度焼いてあげるから」
と言って、貴司のスポーツバッグの中に入っていた手作りクッキーの袋を取り出して、ゴミ箱に捨ててしまう。
 
「なんでそういうの見つけるの〜?」
と貴司は呆れている。
 
「今日のおしおきは何がいいかなあ」
「お手柔らかに」
 
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取り敢えず愛の確認をしたあとは、ベッドの中で半ばまどろみながら会話を交わすが、内容は結局バスケの話題である!
 
「実業団は惜しかったね」
 
「あと少しだったから悔しかった。総合は頑張るよ」
 
その夜は朝まで一緒に過ごし、翌朝、朝御飯を作って貴司を会社に送り出した。その後、千里は《きーちゃん》の力で千葉市内のアパートに転送してもらい、身支度を調えて学校に行った。
 

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10月12日(火)。日本バスケットボール協会はフル代表の新しい監督に元女子日本代表監督で、現在はFS大学男子バスケットボール部監督の風城氏を選任したことを発表した。新しいチーム代表は強化部副部長の塚山氏が当面兼任することになった。
 
風城氏と塚山氏の2人で、11月のアジア大会に臨む日本代表12名を急ぎ選考することになる。
 

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「なんか嫌なムードだなあ」
と亜津子は夕方、千里にわざわざ電話してきて言った。
 
「代表監督の件?」
「そうそう。FS大学の男子バスケ部は今年インカレ出場を逃してたまたま風城さんが空いていたんだよね。それで白羽の矢が立ったみたいなんだけど、あの人は、もう長いこと女子バスケットからは離れていたんだよね」
 
「以前日本女子代表を率いていたんでしょ?」
「でも当時は惨憺たる成績しか出していない」
「うーん。。。。」
 
「FS大学の男子バスケ部は風城さんが監督になってからの7年間でインカレに出たのは1度だけ。いくら女子代表監督の経験があるといっても、もう少しマシな人はいなかったのかなあ」
と亜津子はかなり辛辣なことを言っていた。
 
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「女子バスケの事情を全く知らないみたいだからさ。自分が名前を知っているメンツ中心に選んじゃうかもね」
「ということはベテラン中心?」
 
「そうなりそうな気がするよ。まあアジア大会の間はWリーグもお休みだからその間にみっちり練習して今期優勝とオールジャパンに向けての英気を養おうかなと思っているけどね」
「いくら何でも、あっちゃんは選ばれるでしょ?」
「多分無理」
 

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さて、千里が通う(?)C大学では10月1日から後期の授業が始まっていた。
 
この2年生後期からは、教養的な科目が減り、専門的な科目がほとんどになる。英語・フランス語と体育以外は、全て数学の講義である。この日も1時間目が整数論、2時間目は位相幾何、3時間目は数理論理学であった。
 
結果的にこの後期からは、授業で他の科の子と一緒になる機会は少なくなり、数物科の数学系コース専攻の子ばかりになる。同じクラスでも物理系コースの専攻の子(真帆や玲奈など)とはあまり会わなくなる。教室もだいたい小さな教室を使い、参加者も10人以下のものが多く、もはや代返はできなくなる。
 
それで実はみんな桃香のことを心配していたのだが、初日桃香はやはり休んでいた!
 
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さて千里は日本代表の遠征で10月1日の時点ではまだインドにおり、帰国したのは10月5日である。しかしその後も忙しいだろうからということで8日(金)まで公休にしてもらったので、10月12日(火)になって、大学に出て行った。
 
この日千里は朝までしていたデートの余韻もあって楽しい気分だったので、レモンイエローのコットンブラウスにそれよりやや濃い色の丸首セーター、それに膝丈のピンクのプリーツスカートを穿いて出て行った。スカート姿であることについて先日は紙屋君に呼び止められたし、何かクラスメイトから言われるかなぁ?と思っていた
 
しかしこの日は特に何も言われなかった!
 
紙屋君が笑顔で手を振ってくれただけである。彼はごく普通のレディスパンツ(前開き無し)を穿いていた(トイレはどうするのだろう?)。
 
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千里はこの日堂々と女子トイレを使ったが、トイレで朱音や友紀と一緒になっても、ごく普通におしゃべりしながら列に並んでいた。もっともこの2人とは過去に何度も女子トイレで遭遇しているので、今更である。
 
結局この日千里はスカートを穿いていることについて誰からも何も言われないままアパートに帰ることになり、ちょっと拍子抜けした気分だった。
 
「まあいいや。これからはスカートで出て行こう。楽だし」
と千里は独り言を言った。
 
実はスカートでは自転車もスクーターも使いにくいので今日は車で往復したのである。
 
(朝は眠かったので、運転を《こうちゃん》に任せて大学に着くまで仮眠していた)
 

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千里は6月下旬から9月まではバスケットの合宿・遠征が連続していたので、ファミレスの方は休職していたのだが、この日10月12日の夜の勤務から復帰した。その間に店長が辞めて、副店長だった芳川さんが店長に昇格していた。また夜間店長もかなり交替しており、女性の牧野さんが金土の夜間店長に就任していた。
 
結局千里は、11日に千葉県クラブ選手権に出た(ベンチに座っただけで試合には出てない!)あと、大阪まで往復して夜間に貴司とデートし、12日(火)は学校に出てから夜間ファミレスでバイトし、また13日(水)は学校に1日出たので、千里が自由になったのは13日の3時間目終了後である。
 
さすがに疲れたから帰って寝ようと思い、3時間目の講義が終わった後、駐車場で車のキーをアンロックしていた時
 
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「千里〜、今日車で来たの?」
と言って声を掛けてきたのは、紙屋君と美緒である。
 
「うん。どこか行くなら送るよ」
「あ、助かる。でもさすがに横浜まで行ったりしないよね?」
 
千里は苦笑する。
 
「いいよ。横浜まで送るよ」
「やった!」
 

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それで2人をインプレッサの後部座席に乗せて千里は車を出した。
 
「横浜のどこまで行くの?」
「みなとみらい21まで行ってくれたら凄く嬉しい」
「OKOK」
 
それで千里は取り敢えず穴川ICを上り、宮野木JCTから東関東道に進む。この道はそのまま途中から首都高湾岸線になる。
 
「さっすがインプレッサはパワーあるなあ。僕のフィットとは大違いだ」
などと紙屋君は言っている。
 
「そのフィットにもだいぶ乗っけてもらった」
と美緒。
 
「デート・・・じゃないよね?」
「まさか」
 
「でも最近けっこうよく一緒に居るみたい」
「お互いの性欲の処理はしているけど、デートという認識は無い」
「まあそうだろうね」
 
と言ってから千里は悩む。性欲の処理というけど、2人がセックスする訳はない。それは多分“原理的に”不可能だ。
 
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「清紀って女の子にあそこ触られても平気なんだっけ?」
と千里は訊く。
「まさか。女の子に触られると萎えちゃうよ。やめろ〜!って感じ」
と清紀。
「ふむふむ」
 
「私たちはお互いのお股には接触しないよ。ただ裸になって背中合わせてお互い自分で処理する」
と美緒が言っている。
 
「不思議なデートだ」
「だからデートじゃないって」
「一緒にいることで、結構気分が高まるんだよ。お互いの振動を感じ合うことでわりと興奮する」
「面白いかも」
 
「今夜も横浜のホテルを予約してる。食事付き」
「ホテル代は僕が持って、食事代は美緒が持つ」
「へ〜。まあ楽しければいいよね」
 

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千里は結局運転は《きーちゃん》に任せて(千里の身体の中に入ってもらった)自分は意識を眠らせていた。
 
みなとみらいでは、パシフィコ横浜でプラモデルの展覧会が行われていた。これが目的だったようである。美緒はそういえばプラモデルが好きと言っていた(さすが理系女子である)ので紙屋君がそれに付き合ったものか。
 
紙屋君が高速代とガソリン代と言って3000円くれたので、ありがたく受け取っておいた。千里はせっかく横浜まで来たし、中華街にでも寄っていくかと思い、中華街のチャイナパークに駐め、どこにしようかな、と考えながら歩いていたらバッタリと桃香と遭遇した。
 
「おお!ここで知り合いに会えるとは天の助け!」
などといきなり言われる。
 
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「唯物論者の桃香が天の助けと言うのは珍しい」
「私も1年の内1秒くらいは神を信じることもある」
 
つまり《天の助け》と思ったのも1秒だけなのか!?
 
「でも桃香、今日はどうしたの?解析学の講義は**教授ぼんやりしてるから朱音が代返してあげてたけど、代数と電子計算機理論は欠席になっちゃったよ」
 
「ごめーん。実は昨夜恋人と喧嘩して、横浜に置き去りにされちゃって。彼女の車で来てたんだけど、帰る手段が無くてどうしようと思ってた。携帯もバッテリー切れになって。お腹空いたからこの通りで匂いだけでも味わっていた」
 
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