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■女子大生・冬景色(19)

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「僕はスカートとか穿きませんからね」
 
と坂口君は言っていたが、悦美がスカートをプレゼントしたので悩んでいたふうだったらしい(絶対穿いてみてると思う)。女の子パンティもプレゼントしたようである(きっと癖になってる)。彼は元々個室しか使わないので、女の子パンティでも実用上全く問題が無い。
 
やはり坂口君が春日君のお嫁さんになる日は遠くないかも?
 
「京都のほうでは縫い子さんが3人、女の子になる手術受けたらしいよ」
「3人もですか?」
 

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雅で山科区の独身寮と大山崎町の独身寮のどちらかを閉鎖売却して片方に集約しようと言っていた問題は、山科寮の閉鎖と決まった。理由はいくつかある。
 
(1) 山崎寮のほうが入居者が多い。(根本的な問題)現在山崎21 山科12 である。
 
(2) 各戸の専有面積が山崎の方が少し広いので移動してもらう人がグレードダウンしたと感じない。
 
(3) 山崎は近くにスーパー(エレガントではなくライフだが)とローソンがある。山科には近くにお店が無い。また山崎のほうが空気が美味しい。交通の便は山科のほうがいいが、会社にはバスで送迎するから大きな問題ではない。周辺の駐車場も山崎のほうが安い。
 
(4) 山崎工房まで歩いて行けるのでそこの社員食堂を安価に利用できる。
 
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(5) 売却を考えた時、山科のほうがまだ売れる見込みがある。
 
それで山科寮の入居者には4月までに山崎寮への移動をお願いした。引越費用は会社で負担する。そしてマンションは業者によるクリーニングの後5月に売却に出され、私立高校が生徒寮とするのに買ってくれた。雅で使っていた期間が短いし入居者も全員女性だったので全く傷んでいなかった。しかし新築よりはずっと安いので買ってくれた。近くに遊ぶような所が全く無いが。高校の寮としては、その方が良い!
 

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2月9日(火)10日(水)は朝日と和彦は連休である。月曜日の夕方一緒に退勤して、木曜の朝まで一緒に過ごす。火曜日の午前中に和彦が
「郵便物取ってくるよ」
と言って1階の集合郵便受けまで行ってきてくれた。
 
「何か来てた?」
「何か一通来てるけど何かな?これ。京都家庭裁判所?」
「へ?」
「これきっと詐欺だよ。よくあるんだよ。裁判所を騙って金払えというの」
「え〜!?」
 
それで朝日が開封してみると、このような文が書かれていた。
 
申立人の性別を女に訂正する
 
「やはり金払えとかいうの?」
と言って和彦はその文書を見た。
 
「あっちゃん性別を変えたんだ?」
と和彦が言う。
 
あ!
 
1月2日に魔女っ子千里ちゃんから渡された性別変更届けだかを書いて机の上に置いといた。あれが処理されたんだ!でも区役所とかに提出されるのではなく裁判所に提出されたのか!
 
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和彦は言った。
「あっちゃん女になったんだったら僕と結婚できるよね。結婚してよ」
「元は男だった女でもよければ」
「今女であるなら全然気にしない」
 
そもそも和彦は最初に朝日をデートに誘った時、男でも構わないと言ったのである。そういう人でよかった、と朝日は思った。
 
世の中、性別を変えた人は性別を変えていることを恋人に告白したら即捨てられることが多い。
 
(逆に男の身体の時にも愛してくれていた人には性転換した途端捨てられることが多い)
 

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和彦が付き合ってくれというので、振袖を着て一緒に出掛ける。地下鉄を天神で降りて、三越の宝石売場に行った。
 
え?
 
「ルビーの指輪が欲しいんですが」
と和彦は店員さんに言った。
 
ルビーは朝日の誕生石(7月)である。
 
「この石とかいかがですか」
と勧められる。が、石の善し悪しはよく分からない!和彦が「これ可愛い」と言った石にした。スタールビーである。インド産という話だった。
 
「星祭り(七夕)生まれのあっちゃんには星の宝石がピッタリ」
と和彦は言った。
 
リングの材質は18金を選び、その場でサイズを調整してもらった。それで彼の手で左手薬指にはめてもらった。何か夢でも見てるみたい。私このまま彼の奧さんになるのかなぁ?
 
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だったら、私、女の子の身体にならなくちゃ!
 
法的にも女になっちゃったしね。
 

「私こんなのもらったら本気にするよ」
「本気にしてくれ。これはあくまでつなぎの指輪ね。夏のボーナス出たらダイヤの指輪も買おう。それで結婚してよ」
「じゃそれまで私たちが続いていたらね」
 
ワインとケーキを買って帰宅してから、藪蛇になる危険はあるとは思ったが朝日は訊いてみた。
「私が法的に女になったから指輪買ってくれたの?」
 
彼は答えた。
「その問題とは関係無く今月か来月には誕生石の指輪を買ってあげるつもりだった」
「そう?」
「法的に結婚できなくても結婚の記念写真撮るだけでもいいと思ってたし」
「男女でも婚姻届け出さずにそういうだけのカップル居るよね」
「要はお互いが伴侶だと思っていれば、それで夫婦なんだと思うよ」
「うん」
 
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その日、朝日は彼にフェラチオをしてあげた。
 

朝日は魔女っ子千里ちゃんを呼んで言った。
「私をこのままずっと女の子の身体のままにしてくれない?」
「OKOK。じゃ木曜日になっても男の娘には戻らないから」
「うん」
 

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10月に申請していた“村田万里”のフィンランド在留許可が取れたので、ローゼンはフィンランドに渡航した。この時、キツネの子を2人髪留めに変えて連れて行き、現地に着いてから関西組の山里・胡水という2人を位置交換で呼び寄せた。この2人はしばらくフィンランド駐留とする。予めフィンランド語も勉強させている。
 
スオミ組のロジャを呼んで、しばらくこの2人をスオミに留めさせるから仲良くして欲しいと言い、山里たちが泊まれる洞穴(ほらあな)の類いが無いか尋ねる。
「ああ、空いてる洞穴(ほらあな)はいっぱいあるよ」
ということで紹介してもらった。
 
胡水は「コースイー」と呼ばれていたが山里は“ヤマサト”が長いので“ヤンマー”にされてしまった。でもお酒飲んでヒグマ一頭焼いて食べたらスオミ組と仲良くなった。
 
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千里(ローゼン)は彼らを使ってスカン村に製紙工場を建て始めた。鉄骨の“圧接”で骨組みを作り、取り敢えずブルーシートで雨風を防ぐが、赤松材の板に少しずつ置換していく。壁にはコンクリートも使う。
 

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“圧接”というのは、鉄骨同士を合わせて“彼ら”の馬鹿力でぎゅーっと押さえるとくっついてしまうものである。熔接と似ているがそれより
遙かに丈夫である。人間にはできないワザである。金属同士とか磁器同士、ガラス同士、プラスチック同士などは圧接が可能である。木材は融けないためこれが出来ないのでホゾなどの方法で繋ぐ。
 

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建物は春までに出来ればいいかなと思っている。ドイツのメーカーに頼んでいる製紙の機械が到着するのは5月くらいの予定で、それまでここは宴会場になりそうな気はした。
 
壁のコンクリートが凍結しないように内部で火を焚いて暖かくしておいてくれと言っておいた。火を焚くならついでにヒグマとかイッカク(小形の鯨)とかを焼いて食うというのをすぐ思い付きそうである。
 
作業の労力としてはスオミ組だけでも足りるのだが、わざわざ関西組を連れていったのは建設の仕方を教えるためである。特にホゾなどは「へー」と感心していた。そういう木材の繋ぎかたは知らなかったようである。
 
「ヤパニ(日本)では寒暖の差が激しいから釘で留めると長くもたないんだよ」
「それはスオミも同じだな」
 
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春になったら間伐をしてもらい、その間伐材で製紙をするつもりでいる。
 

今年の2月14日は日曜日である。バレンタインデートするカップルも多いが、お店はお客さんも多く忙しい。今日は雅福岡店では振袖・男物の和服を試着して記念写真を撮るカップルが8組も居た。内1組は女性同士で両方に振袖を着せた。
 
なおチョコレートは朝、勤務開始前に和彦に渡したし、夜は一緒に帰ってゆっくりと一夜を過ごした。夕食には鶏の唐揚げを作ったら、美味しい美味しいと言ってたくさん食べていた。(恋愛の基本は餌付けだよね)
 

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千里は貞美からの依頼で、留萌の貞美の家に2階を増設する改造をした。ルームユニットを2つ置き、階段ユニットでつなぐ。エレベータも設置した。
 

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2月26日、武矢はK高校での最後の授業を終えた。
 
武矢は2007年春から、K高校の水産コースの生徒に漁船での様々な体験を語るという授業をしていたのだが、水産コースが今の3年生卒業と共に消滅するので武矢の授業も無くなるのである。このあと武矢の仕事はホタテの養殖だけになる。
 

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千里は北海道の鹿無島から30kmほど沖合にある通称海女ヶ島(あまがしま)を丸ごと買収した。周囲1km 面積は8ha ほどの小さな島である。
 
鹿無島自体、住民が3戸でしかも老人宅ばかりという“限界島”だが、海女島は1960年代を最後に住人が居なくなってしまった無人島である。航路安全のために設置された、自動灯台がひとつあるだけである。ここは最初から無人灯台として設置されたもので職員が駐在したことが無い。1960年代までは春から夏に掛けてだけ、昆布や“ふのり”を採る海女が来ていた。海女が来ていたから“海女ヶ島”というが、この島はそれ自体がひとつの山になっており、山の形が女性の乳房のようにも見えることから“尼の島”とも呼ばれたらしい。
 
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古い火山島(スコリア丘)だが、噴火の記録は残っていない。1970年代に大学の先生が調べたのでは最後の噴火が推定1万年前らしい。
 
島の西側(外洋側)を対馬海流の分流が流れる。島の東側(北海道本土側)に小さな入り江があるが、水深が浅く、小さな船しか付けられない。島の南側には昔の海女の作業小屋跡があった。一応住所が存在し、留萌郡小平町大字鹿無・字北島である。この住所から海上保安庁の海路図には“北鹿島(海女ヶ島)”と記載されている。
 
千里は実はなぜこの島を買ったのか自分でもよく分からない!
 
しかしこの島は12年後の2022年、映画『黄金の流星』のロケ地になる。
 

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3月2日(火)、雅福岡店は定休日なので和彦は昨日の夜から朝日のマンションに居た。この日は和彦の誕生日なので、お昼過ぎ2人で天神に出てシャンパンとケーキを買った。また朝日は和彦をデパートの時計売場に連れて行き、和彦にグランドセイコーのクオーツ腕時計をプレゼントした。
 

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3月3日(水)、おひな祭りであり、また千里の誕生日でもあるので京都南邸では清香・双葉・公世がケーキを買ってきてお祝いをしてくれた。なお、お雛様は来月の、月遅れのひな祭りまで飾っておく。
 

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