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■女子大生・冬景色(11)

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呉服屋さんは年末年始は1年で最も忙しい時期である。お正月に和服を着る人があるし成人式も近い。雅にも連日多数のお客さんが来ていた。
 
雅は各店とも12月31日は18時まで営業でお正月は2日の10時からである。
 
福岡支店の場合、火曜日はここのビル(ミルマ)自体お休みであるが、スタッフはそのほかに1日、交替で休めるようになっている。基本的には連休にできるように月曜か水曜に休む。オープン当初の7月頃は結構適当に休んでいたが、8月以降下記のような形で安定した。
 
月休:副店長・篠崎・春日・戸倉
水休:店長・広中・森田・坂口
 
(店の運営責任上、店長と副店長は分けて休む。また女性の着付けができる副店長と朝日が分けて休む。男性の着付けは店長・篠崎・広中・春日ができるから大丈夫である。副店長と朝日は男性の着付けもできるが、できるだけ同性対応とする)
 
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それで12月30日は水曜日で朝日は休みだった。お昼頃買い物にでも行こうとしていたら、例の女の子が出現した。
「ねえ、こういうの買ってきた方がいいよ」
と言ってメモを渡す。メモにはお餅とか、そばとか書いてある。朝日はひとり暮らしなので年越しとかお正月とか何もするつもりは無かったのだが、まあしてもいいかと思いメモにあるものを買ってくることにした。
 

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地下鉄で天神に出て、スーパーでこんなものを買った。
 
・サトウの鏡餅
・お餅700g入り、クッキングシート
・茹で小豆の缶詰
・カツオ菜
 
・お正月かまぼこセット
・フジッコの黒豆
・昆布巻き
・鰤の切り身
 
・そば玉(生)2玉
・めんつゆ
・エビ天(3個パック)
 
・ご飯茶碗(磁器)
・お椀(木製)
・丼(陶器)
・上等な割り箸
・小皿数枚
 
・生理用ナプキン(開封してトイレに置く)、サニタリーボックス、黒いビニール袋
 
・筑前煮の材料
 鶏肉、椎茸、人参、蓮根、ゴボウ、タケノコ、里芋、キヌサヤ、蒟蒻
 

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ナプキンやサニタリーボックスというのは、生理があるかのように見せる偽装工作なのだろう。
 
かなりのものをダイソーで買ったが、茶碗は岩田屋に行き有田焼きのを買った。
 
筑前煮の材料は“筑前煮の具”という水煮のパックが売られていたので、それとタケノコの水煮のパックを買い、他に蒟蒻(こんにゃく)・キヌサヤを加えることにした。
 
しかしどうもお客様があるということのようである。だったら筑前煮は今日作っちゃったほうがいいなと思ったので夕飯を食べた後、1時間ほど掛けて筑前煮を作った。ステンレスの鍋で作ったので寝る前に冷蔵庫に入れておくことにする。
 
カツオ菜の使い方が分からなかったのだが、ネットで調べると九州特有の野菜で、お雑煮の具にするものらしい。へーっと思った。京菜や小松菜みたいなものかな。
 
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サトウの鏡餅は組み立てて、棚の上に置いた。
 

例の女の子が出現する。
「朝日ちゃんこんばんわ。ぼくは“男の娘の味方”魔女っ子千里ちゃんだよ」
「メモにあったものを買って筑前煮は作ったよ」
「お疲れ様ー」
 
「で、お客様があるのね」
「そうそう。それで31日と1日の2日間、女の子の身体にしてあげようか」
「つまり女の子の身体になってたほうがいいのか」
「よく分かってる」
 
つまり来客は彼ということなのだろう。
 
朝日が悩んでいたら女の子は言った。
「別に痛くはしないよ。それに2日には今の身体に戻してあげるよ、女の子になるのは2日間限定。それともずっと女の子のままのほうがいい?」
「取り敢えず限定で」
「OKOK」
 
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「でも彼に変な期待を持たせることにならないかなあ。私、戸籍の上では男だから彼と結婚できないよ」
「戸籍は女に直せばいいんだよ」
「ああ。性別を変更できるようになったんだったね」
 
姉にも「性別変えるんでしょ?」と言われたなと思い出す。母も父も性別変更には反対しないからどうせなら早く変えた方がいいと言っていたとも聞いた。まあ反対はしないだろうね。高校卒業前に女の子になる手術受けないかと言われたくらいだし。朝日自身、小学生の頃から、自分はそのうち女の子になるのかもとは思っていた。
 
「そそ。性別変えてもいいと思ったらこれに記入して」
と言って魔女っ子千里ちゃんは《性別訂正届》という用紙を朝日に渡した。
「これに名前書いて、この黄色い封筒に入れてテーブルの上に置いといて。そしたら、ぼくが出しといてあげる」
「少し考える」
「うん。ゆっくり考えなよ。いつたん性別を女に変えたら男には戻せないから」
「そんなコロコロ性別変えるのは認められないだろうね!」
 
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「筑前煮の味見してもいい?」
「どうぞどうぞ」
 

それでお椀に盛ってあげたら美味しそうに食べていた。
「美味しいよ」
「良かった」
「だけど朝日ちゃん、お酒とかみりんとか使わないんだね」
「うん。使ったことない。みりんの代わりにお砂糖入れる。さしすせそだけ」
 
(さしすせそ:砂糖・塩・酢・醤油・味噌。醤油が“せ”なのは昔は“せうゆ”と書いたから)
 
「それでもいいかもねー」
 
女の子は食べ終わったら消えたが、それと同時に身体の感覚が変わった。え?と思ってパンティを脱いでみるとタックの“綴じ目”のところが開ける。わぁと思う。トイレに行ってみるとおしっこが凄いスムースに出る。これいいなあと思った。お風呂に入ってよく洗ったが、クリちゃんが物凄く敏感である。お風呂からあがったあと、お布団の中でつい遊んでしまった。だけど女の子になるのは明日からじゃなかったの?
 
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(オーリンはアバウトなのです)
 
アラームが鳴るので筑前煮の鍋を冷蔵庫に入れ、この日は眠った。
 

翌日(12/31)お昼の休憩をしようとしていたら和彦に声を掛けられた。
「あっちゃん、今夜君んちに行ってもいい?」
「散らかってるけど」
「気にしない気にしない」
 
それでお店が終わってから一緒に帰る。今日は上はコムサのコート、下はアニエスベーのスカートにベネトンのウォーキングシューズだから、こないだよりかなりマシだ。
 
一緒に地下鉄の駅に行く。今日は彼も車は自宅近くの駐車場に置いてきたらしい。
 
「お酒か何か飲む?」
「ビールでも飲もうかな」
 
それで天神のスーパーに寄り、恵比寿ビール6缶セットを買った。ついでに980円のお寿司にお惣菜のトンカツとコロッケも買った。
 
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それで早良区のマンションに帰った。ここは2DKである。女性の部屋は全員2DKだ。男性陣は1Kらしい(よくある女男差別)
「ほんと散らかってるけど」
「僕の部屋よりはずっとマシ」
 
男の人のひとり暮らしの部屋なんてあまり想像したくない。
 

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エアコンを入れ、表側の部屋に置いたコタツを勧める。
 
彼はトイレを借りた。サニタリーボックスやナプキンのパックを見たはずであるが、それについては特に何も言わない。でも今訊かれても返事ができない。
 
(この時点で広中は、朝日が学生時代以前または横山呉服倒産後に性転換手術を受けたのではないかと想像しているが、性転換手術に関する知識が無いので、普通の性転換女性には生理が無く妊娠もできないということを知らない。一般の人はそんなものである)
 

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まずはビールで乾杯し、お寿司をつまんだ。トンカツとコロッケはチンして出した。
 
「おそば作るね」
と言って台所に行く。エビ天をオーブントースターに掛け、そばを茹でながらつゆを作った。
 
ゆであがったところで丼に入れ、つゆを掛ける。そしてエビ天を載せて出した。
「おお、美味しい美味しい」
「良かった」
 
筑前煮もIHに掛けて温めた。
「美味しそうな匂いがする」
「お正月用に作った筑前煮だけど食べる?」
「うん。食べる食べる」
 
それで出したら美味しそうに食べていた。
「あっちゃん、料理上手いんだね」
「材料を放り込んで煮ただけだし」
「いやそれで美味しくなる人とどうにもならない人がある」
 
「それはあるかもねー。私は小さい頃からお母さんの手伝いでお料理してたからセンス鍛えられてるのかも」
「偉いね」
「女の子は料理できなきゃダメと言われてた」
「なるほどー。女の子だったわけか」
 
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あれ?そういえば姉はあまり料理してなかったぞ。なんでだろ?と思った。御飯の水加減とか毎日朝日がしていたし、小2の頃から朝日が金曜日はカレーを作っていた。玉子焼きとかチャーハンもよく作っていた。運動会のお弁当ではお稲荷さんを作っていた。
 
姉はお客さんの着付けとかもあまりしていなかった。成人式の時も振袖の着付けをしたのは朝日である。その時、3年後にはこの振袖貸してあげるよと言われ、本当に貸してくれた。
 
タイマーを掛けてお風呂を貯め、彼に勧めたが
「あっちゃんが先に入りなよ」
と言われるので先に入らせてもらった。
「あがったよ。どうぞ」
と言って。朝日は奥の部屋に行き、布団を敷いて中に潜り込んだ。
 
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彼はすぐあがって裸のまま奥の部屋に来た。
「あっちゃん好きだよ」
と言ってお布団に入ってくる。
 
キスして抱きしめられたので抱き返した。彼の手が朝日の身体を撫でる。服を脱がせられる。
「あっちゃんおっぱい大きい」
「そうかなあ。Bカップなのに」
「充分大きいよ」
 
彼はしばらく胸を撫でて乳首を舐めたりしていたが、やがて手が下のほうに来る。あ・・・
 
彼は指の感触でその場所を見つけると中指で押さえて刺激し始めた。
 
うっ・・・
 
何て気持ちいいの。こんな凄い快感初めて・・・
 
彼は言った。
「ちゃんと着けるからさ、入れてもいい?」
「入れられる所があったら」
「きっとある」
 
それで彼は避妊具を装着したようである。指でお股を触り、やがて場所を見つけた。そして指をガイドにして入れて来た。
 
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痛い!
 
処女膜が破れたなと思った。彼が腰を動かして出し入れする。大変そう!と思う。結構きついんじゃないかと思うのだが、きっとそのきつさより快感のほうが勝るのだろう。
 
彼が到達して脱力すると「重いなあ」と思いながらも彼をぎゅっと抱きしめ、背中を撫でてあげた。避妊具を着けずにこれをすると赤ちゃんできるのかな(←かなり産む気になってるね)
 

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結局その晩は5回もセックスした。0時に船の汽笛がたくさん鳴った気がしたが夢かも知れない。
 

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