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■女子大生・冬景色(18)

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さて、千里と絹恵が運営しているトンボ縮緬製作所の織機は電子ジャカード方式である。これは1990年代に、それまで使っていた織機(1950年代に導入)が壊れてしまったため、10年ローンで最新鋭の織機を導入したものである。千里たちが引き継いだ時はローンの返済が終わったばかりだったらしい。
 
慶子さんのテントウムシ工房の場合はダイレクト・ジャカードのフロッピーディスク装置をCFカードに置換したものを使用していたが、リオタンゴシルクの指導料でもらったお金で最新鋭の電子制御方式のものに入れ換えることができた。
 
そして蝶々縮緬工房ではまだフロッピーディスク方式のものが使用されていた。千里はCDドライブと思い込んでいたので慶子さんからフロッピーと教えられてびっくりした。思わず「フロッピーって何でしたっけ?」と訊いてしまった。
 
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千里は11月に蝶々工房の営業を引き継いだのだが、フロッピーディスクなどというクラシカルなもので動いていることを知ったので蝶々の2台の織機の内取り敢えず1台を電子ジャカードに置換することにした。トンボで使用しているのと同じ機械を入れて、設定については慶子さんに教えてもらいながら蝶々のと同じ反物ができるように設定した。そして実際に織ってみて従来の機械で織ったものと綿密に比較し、同じ物ができていることを千里、絹恵、千鶴子の目と指で確認、更には慶子さんにも見てもらって確かめた。
 
もう一台の入れ替えは今度の秋くらいにやるつもりである。6,8,10月に縮緬を納品するので8月か10月の納品が終わってから入れ換えようと思っている。
 
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リオタンゴシルクの場合、昨年6月29日に初回納品されたもの(リオ社から出荷されたのは6/27)は実は高速織機で織った縮緬であった。
 
千里が最初に千絵さん(次女:本店店長)から「やばい」という相談を受けたのは第1回目の展示会が行われた直後の5月18日だった。
「社長(父)も常務(母)も事の重大性を認識してないですけど、こんなに注文受けられるわけがないです。そもそも縮緬反物が足りません」
 
千絵さんによると昨日の展示会で受けてしまった予約をさばくには1500反の反物が必要ということだった。昨年1年間に雅が制作して販売した振袖は100着程度である。千里はすぐに但馬の縮緬ラボに蚕を飼育する棚も増設して可能な限りの養蚕を指示すると共に、片倉に連絡して中国の縮緬輸入を依頼した。しかしそこの企業で生産できる数は250反と言われた。それで千里は紫微に連絡してどこの国でもいいから絹の縮緬が生産できる所を知らないかと尋ね、リオタンゴシルクを紹介してもらった。
 
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ここは元はサテンを作っていたが、機械の設定を変えれば縮緬も生産できるということだったので依頼した。リオ社は高速織機2台をフル稼働させ、わずか一週間で2000反の振袖用反物を作ってくれたのでチャーター機を飛ばして緊急輸入した。これが到着したのが6月29日でチャーター機到着の連絡を受けて小川社長は「充分な数の縮緬を確保した」という記者会見をした。
 
ところがである。
 

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千里が持って行った反物を見て沢村専務は言った。
「これは高速織機で織ったものと思われますがこれは使えません。シャトル織機で織らないと振袖に使える生地にならないんですよ」
「織り直させます」
と千里は即答し、リオタンゴシルクの社長にメールして伝えた。
 
(1) 素早い納品に感謝する。しかしクライアントは高速織機ではなくシャトル織機で織ってほしいと言っている。
 
(2) 今回納品してもらった反物は約束通り1反150ドルで買う。しかし新たに2500反を1反200ドルで買うからシャトル織機で織ってほしい。織機の購入に資金が必要なら資金提供する。取り敢えずそちらに10万ドル(約1000万円)送金する。(このお金は後日、反物代金の一部として相殺処理した)
 
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リオ社は千里の要請に応え一世代前のシャトル織機を10台調達してくれた。そして生糸も頑張って自社養蚕すると共に他社からの買い付けもして、7月8月にシャトル織機をフル稼働させて約2000反の反物を再度作ってくれたのである。一部は生糸の状態でもらい、千里の但馬工場の機械で織った。このリオ−但馬産が実は500反ほどあるが、これも里王縮緬としてカウントしている。実は7月前半くらいに使用した“里王縮緬”は本当は但馬で織ったものである(生糸がブラジル産)
 
(それで7月の但馬工場の機械は24時間動き続けていた。養蚕場の室温を蚕が快適と感じる20℃前後にキープするのに空調を掛け続けたから電気代も凄かった。餌やりも大変だったので北海道から応援のキツネを30人呼んだ(留萌山中のコンドーム工場で働いている子たちをまるごと連れてきた)。蚕は2時間毎に餌をやる必要がある)
 
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但馬工場(人魚縮緬)の本来の製織能力は普通の反物で月150反(振袖用反物で100反)程度である。しかし但馬は近年機械を丹後のトンボ工房で使用している電子ジャカードに更新しており、更新前のパンチカード方式の旧型織機もまだ倉庫に保管されていた。この急ぎの生産では旧型織機もフル稼働させた。パンチカードは青池に頼んでトンボのと同じ設定になるように作ってもらった。(トンボの機械の操作指示データからパンチカードを穿孔するプログラムを3日で組んでくれた。さすが天才プログラマーである。パンチカード穿孔機は勾陳が調達してきてくれた。古い物事に関しては役に立つ奴である)
 
雅の生産状況表で7月頭に里王縮緬が2000だったのが8月末に2500になっていたのはほとんどの人が500追加されたのだろうと思ったが実は-2000+2500 だったのである。真実を知っているのは千里と専務だけである。専務はリオ社の生産能力に感嘆していた。直接お礼を言いたいというのでアルデス社長に電話をつなぎ話してもらった(会話は英語)が、向こうもそれで感激して頑張ってくれたようである。
 
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最初にリオ社が納品してくれた2000反の反物は実はパジャマやカーテン、また長襦袢などに使用した。
 
実はこれまで千里の但馬工場(人魚縮緬 Mermaid crepe)は生産した縮緬をたつの市の龍野繊維工業というところに買ってもらい、ここでパジャマ、ランジェリー、カーテンなどに加工して姫路・神戸・大阪などの衣糧品店・ホームセンターに販売していた。ところが人魚縮緬の製品を全部雅に納入したので龍野社に渡す製品が無くなってしまったのである。そこでリオ社の製品を代わりに渡した。
「9月にはまた生産しますから、取り敢えずこれを納めさせてもらえませんか。値段は半額でいいですから」
「半額のそのまた半額なら」
「分かりました。社長さん美形だからそれでお売りします」
「美形と言われちゃ仕方無いな」
「性転換して女の人になったら美人ですよ。ミス日本になれるかも。いい病院紹介しましょうか」
「まだ20年くらいは男の人生楽しみたいから遠慮する」
「女の人になればそちらで生産しているシルクのパンティとかスリップとか自分で着られるようになるのに」
「製品の出来を確認するのに自分で試着してみてるけどシルクの下着って感触いいよね」
「ああ着てみてますか」
「あんなの着れるって女性はずるいよ」
「だから女性になりましょう」
「魅力は感じるけどそのためにちんちんを放棄する気にはなれない」
「女の快感のほうが男の快感よりずっと大きいってギリシャ神話時代から語られているのに」
「それどうやって調べたのさ」
 
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その日の朝、雅福岡店の男子更衣室では坂口君が穿いていたズボンにツッコミがあった。
「坂口君、それってレディスなのでは」
「しまむらで安かったんで買ったんですけど帰宅してからレディスと気付きました」
「それだとトイレに困らない?」
「ぼくいつも座ってするから問題無いです」
「そういえば小便器で坂口君を見たこと無かった」
「君がそんなの穿いてるところを見ると昨夜の夢を思い出してしまう」
と篠崎君。
「どんな夢なの?」
「坂口君がちんちん切ったという夢」
「え〜!?」
「ちなみに君ちんちん切ったりはしてないよね?」
「切ってませんよー。何のためにちんちん切らないといけないんです?」
「それはやはり女の子になるためじゃない?」
「女の子になるのならちんちんは無いほうがいいだろうね」
「女の子にちんちんがあったら変だもんね」
「ところで森田さんってちんちんあるの?」
と広中君への質問。
「そんなものは無い。彼女は普通の女だよ」
「やはりねー」
 
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「でも、女の子になればスカートも穿けるし可愛い服着れるしお嫁さんにも行けるよ」
と篠崎君が坂口君に言う。
「別にスカート穿かなくてもいいし可愛い服とか着なくてもいいし、お嫁さんに行くつもりは無いです」
と坂口君本人。
「坂口君、春日君のお嫁さんになればいいのにという説もあるが」
と広中君。
「待ってください。僕が彼と結婚するんですか?」
と春日君。
「確かに今成立済みのカップルを除外すると春日君と坂口君が残る」
と篠崎君。
「だからといって・・・」
「春日君と坂口君では、やはり坂口君のほうがお嫁さんだよね」
「ああ、春日君には白無垢は似合いそうにない」
「ぼくが白無垢着るんですか〜?」
「坂口君なら着れると思う」
「きっと赤ちゃんも産める」
「無理ですー」
 
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「しかし奇遇だな。ぼくも坂口君がちんちん切った夢を見た」
と広中君が言う。
「広中さんもなんですか〜!?」
と坂口君。
 
篠崎君の夢では坂口君は「ちんちんが無い方がトイレが楽になる」と言われて切られてしまったらしい。トイレに座っておしっこする場合、ちんちんがあるとどこにおしっこが飛んで行くか分からない。ちんちんが無ければ女性と同じようにおしっこは真下に落ちて行くから失敗が無いと言われたという。
 
広中君の夢では「今時ちんちんなんて17-18歳で切るもので二十歳(はたち)過ぎてまだちんちん付けてる人は変」と言われて切られてしまったらしい。
 
いづれもちんちんが無くなったので坂口君は女の子用のパンティを着けスカートを穿いていたという。
 
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ただ篠崎君の夢ではちんちんが無くなってスカートを穿くようになったのでトイレは女子トイレを使うことにしたと言っていたのに対して、広中君の夢では最近は男性がみんなちんちん切ってスカート穿いてるから男子トイレは全部個室になったという話になっていた。
 
篠崎君の夢
「女性用下着購入許可証と女子トイレ使用許可証をもらいました」
広中君の夢
「最近はみんな高校生の内にちんちん切るそうです。男子の制服はボーダーのスカート、女子の制服はチェックのスカートだけど、ちんちん切った生徒は女子と同じチェックを穿いてもいいから入学式の時はボーダーとチェックが半々だけど卒業式の時はほぼ全員チェックらしいですよ」
 

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