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■女子大生・冬景色(7)

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“きもの会館”の構想が出たことで、そこを新・本店にして現在の本店は東山店と改名することにした。また店長等の人事は次のようにすることになった。
 
現大阪店長(千絵)→新四条店(本店と改名)店長
現四条店長(典恵)→新東山店(現本店)店長
現ポルタ店店長→大阪店長
現イオン店店長→ポルタ店店長
現本店副店長→イオン店店長
 
本店は現在店長の千絵が大阪に行っているので副店長が実質店長の仕事をしている。イオン店は規模は小さいが本店より来客は多い。
 
伏見工房長(雅夫・元東山工房長)→製造部長
東山工房長代理(祥代)→東山工房長
専務・番頭(沢村)→副社長・支配人・きもの会館館長
 
祥代は人当たりが柔らかく、長時間労働で疲労している技師たちが退職せずに留まってくれているのは祥代の人望が大きいので、彼女を工房長に昇格させることにした。祥代は辞めたいと言っている女性技士たちに「自分の首を賭けても来年はあんなには残業させない」と約束している。
 
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雅夫は東山・山崎・姫路・亀岡を統括する製造部長にした。またエレガントの加工食品関係の仕入れも見てもらう(そちらがメインになるかも)。社長としてはどうも将来的にはエレガントを雅夫に、雅を祥代に、任せようという構想もあるようである。
 

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12月24日は木曜日だったので、京平はいつものように京都北邸に千里(夜梨子)を訪ねてきた。
「こないだお母ちゃんが言ってたように、青のお母ちゃんと会ったよ」
「うん」
 
先週(17日)は夜梨子が忙しかったので京平は夜梨子と会っておらず小桃に遊んでもらった。
 
「男の人と一緒だった。あれが僕のお父ちゃん?」
「お父ちゃんというよりパパだね」
「それお父ちゃんとどう違うの?」
「色々複雑だからね。京平がお父ちゃんと呼ぶことになる人(桃香)は今回は関西に来なかった。東のほうに住んでる女の人だよ」
「女の人なの?そのうち男の人に変わるの?」
「うーん。あの子は男にはならないと思う」
「でもお父ちゃんなんだ?」
「まあ、会えば分かるよ。今日はこれもあげる」
と言って、ストロベリーショートケーキを出す。
「美味しい食べ物だね」
「こういうのをケーキというんだよ。特別なお祝いの時に食べるんだよ。今日はクリスマスイブといって、西洋の国のお祭りだから」
「へー」
 
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南邸のほうでは、イブは公世が町に出てケーキを8つ買ってきた。コリン、百合さんと小郷にもあげた。百合さんは今年もフライドチキンを作ってくれた。出掛けている千里と玲羅の分を残してみんなで食べた。山梨産のスパークリングワイン(シャンパン)も開けた。
 
「玲羅ちゃんたち遅くなるかな」
「京都観光は主なところだけでも見るのに3日掛かるからなあ」
「清水寺(きよみずでら)と金閣寺だけなら1日で終わる」
「まあ外せないポイントかな」
 
 
「八方睨みの龍の絵があるところはどこだったっけ?」
「建仁寺(けんにんじ)。隣が仁和寺(にんなじ)」
「徒然草で有名だね」
 
「石庭があるのは?」
「竜安寺(りょうあんじ)」
「3本足の鳥居がある所」
「木嶋坐天照御霊神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)」
「難しい名前だ」
「聞いても5秒で忘れる」
「私は3秒で忘れる」
「既に忘れた」
「タクシーの運転手さんに3本足の鳥居のある所と言えば連れてってくれる」
「つまり名前を覚える必要は無いな」
 
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「傘の忘れ物があるところ」
「知恩院(ちおんいん)」
「横向きの仏さんがいる所」
「永観堂(えいかんどう)」
「仏様が2つ並んでる所」
「二尊院(にそんいん)」
 
「でっかい薬師さんのいる所」
「きっと東寺(とうじ)。五重塔(ごじゅうのとう)も有名」
「あそこのお土産には、両界曼荼羅(りょうかい・まんだら)の下敷きを」
「ほほお」
「仏像がずらーっと並んでるところ」
「きっと三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)。千体(*9)の千手観音(せんじゅ・かんのん)が並んでいる」
「ケーブルカーで行く所」
「きっと鞍馬寺」
「あそこ行くなら隣の貴船神社も」
「丑の刻参り(うしのこくまいり)の名所ね」
 

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(*9) 正確には1002体らしい。本尊(座像)の左右の仏壇に500体ずつの立像、更に本尊の後ろに1体立像が居る。これらの立像は長らく各地の美術館に数体貸し出されていたが2018年に全部戻って来た。つまりこの物語の時点(2009.12)では1000体そろってない、
 
ここは“通し矢”でも有名。この長い三十三間堂の軒下(約120m)に矢を射通す競技である。軒にはぶつけないように低い射道・速い速度で到達させる。
 
江戸時代は諸藩の弓自慢の強者(つわもの)たちが一晩で何本射通すかを競った。これを大矢数という。近年は半分の距離で新成人による弓道大会が行われているが的(まと)に当てる競技であり、昔と違い射通す本数を競う大会ではない。また高さの制限も無い。現代の大会は女子の部もあり、晴れ着で参加する新成人の姿が毎年ニュースになっている。
 
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“三十三間堂”の名前は、この建物が“間面記法”で「33間4面」になるからである。昔の日本の建築では、桁行(縦方向)はいくらでも長くできたが、梁間(横方向)は柱3本の2間と決まっていた。それで桁行がいくらであるかと廂(ひさし)が何面にあるかを言えば建物の規模が分かったのである。ただし三十三間堂の建物は梁間が例外的に3間(柱4本)である(廂部分まで入れれば5間)。
 
ここで“間”(けん)というのは現代のような長さの単位ではなく単に“柱のあいだ”を意味するもので、その実際の長さは不定である。なお、この建物は桁行33に加えて南北に廂があるから、実際の柱間は35になる。柱間の長さは中央が3.95m, その左右が3.65m, その他は3.3m である。実際の南北の長さは118.2m ある。東西は16.4m。
 
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「あと二条城とか平安神宮とか下鴨神社に上賀茂神社とか銀閣寺とか、伏見稲荷とか北野天満宮とか八坂神社とか」
「銀閣寺は日本三大がっかり(*10)に加えてもいい」
「確かにがっかりする。銀で出来たお寺を想像するのに」
「京都御所に桂離宮」
「どちらも事前予約が必要だから急に決めた観光では入場できない」
「比叡山」
「修学旅行コースだな」
「あと嵯峨野とか」
「嵯峨野だけで1日掛かる」
「うん。あそこは1日掛かる」
「伏見もお山に登ると1日掛かり」
 
「京都タワー、西陣織会館、国立博物館、京セラ美術館、山崎蒸留所、オルゴール博物館、トロッコ列車」
「お寺ばかり見て疲れた人にはいいね」
「山崎蒸留所は一度行ってみたいな」
「20歳になってからがいい」
「ああ。私たちまだお酒が飲めない建前になってるからね」
と双葉がワイングラス片手に言う。今日アルコールを飲んでないのは小郷と、運転をするかもしれないコリンだけである。もっとも状況次第ではジェーンが星子あたりを送り込んでくるだろう(星子は山崎司令室に居る)。
 
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「太秦(うずまさ)」
「あそこ行ったことない」
「千里達が出掛けてる間に私たちだけで行ってくる?」
「シルキーを連れていくと喜びそう」
「ああ、外人さん受けするよね、あそこは」
 
(*10) 日本三大がっかりは諸説あるが、札幌の時計台、高知の播磨屋橋、長崎のオランダ坂。オランダ坂の代わりに守礼門とか名古屋のテレビ塔を挙げる人もあった。
 
守礼門が“がっかり”と言われたのは門だけで中身が無かったため。首里城が復元されたのは1992年である。しかし2019年には火事によりまた焼失してしまった。スプリンクラーを付けておくべきだったと私は思う。
 

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12月24日の夜、アキが部屋で本を読んでいたら、例の女の子が出現する。
 
「こんばんわ、アキちゃん。ぼくは“男の娘の味方”魔女っ子千里ちゃんだよ」
 
何度出て来ても毎回名乗るんだなとアキは思った。
 
「クリスマスプレゼントに、邪魔なちんちんを取って代わりに割れ目ちゃんを作ってあげようか」
 
それって女の子になるということ?
 
「要らないよ。僕別に女の子になりたいわけでもないし」
「そうなの!?女の子になりたいのかと思ってた!」
「ひどい誤解だなあ」
 
お母ちゃんもぼくが女の子になりたがってると思ってるよなあ。
 
(女の子になりたいように見えますけど・・・)
 

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「じゃ邪魔なちんちん取らなくてもいい?」
「取らないで。邪魔じゃないし」
「分かった。ちんちんで遊ぶのも楽しいしね。じゃおしっこの出方だけ女の子と同じにしてあげるね。じゃまたね」
と言って、女の子は消える。
 
おしっこの出方を女の子と同じに。まさか?
 
と思ってお股を確認するが、ちんちんはあったのでほっとした。それでトイレに行く。いつものようにスカートをめくりパンティを下げて便器に座ってするのだが「あれ?」と思う。おしっこはちんちんからではなく、ちんちんより後ろの方から出て来た。この出方は・・・2年前の夏祭りの時にちんちんが無くなった時の出方と同じだ。
 
やはりあれ女の子と同じおしっこの出方だったのね、
 
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アキはおしっこが終わると、出て来たところを拭き、パンティをあげてスカートを直して部屋に戻る。そしてお股を確認した。するとちんちんより後ろのほうに、おしっこが出て来たと思われる小さな穴があることに気づく。例の“お股の穴”よりずっと手前であれよりとても小さい。
 
なんか女の子に一歩近づいたような気もするけど、ちんちんが無くなったわけじゃないから、まあいいか。
 
ということでアキは深くは考えないことにした。
 

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