広告:放浪息子(8)-BEAM-COMIX-志村貴子
[携帯Top] [文字サイズ]

■夏の日の想い出・いろはに金平糖(17)

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 
前頁 次頁 時間索引目次

↓ ↑ Bottom Top

(C) Eriko Kawaguchi 2022-05-14
 
水森ビーナはその日、“新しい高校”での3日目の授業を午前中だけ受けた。ラピスラズリの2人及び、同じクラスで、何となく話の合う本坂愛菜ちゃん(Cats Five)と一緒に早退する。生徒玄関の所に行き、川世マネージャーが迎えに来てくれるのを待った。
 
玄関の所には1つ上の学年の、白鳥リズム・ビンゴアキ・羽鳥セシルも居て
「お早うございます」
と挨拶する。
 
「でもお互い大変ネ」
「去年はセシルは11月頃から5月頃までひたすら午前中だけで早退というのが続いていたね」
とリズムが言っている。
 
「あれはちょうど2学年にまたがったからギリギリ進級できたんだよ。学年の真ん中であれやってたら留年してた」
とセシルは言っている。
 
↓ ↑ Bottom Top

「ビーナちゃんも前の学校に居たら出席日数足りなかったでしょ?」
と朱美が言う。
 
「微妙な所だったみたい」
「この学校なら、あのアクアだって卒業できたんだから大丈夫だよ」
とリズムは言っていた。
 
「アクアはこの高校だったの?」
「そうだよ」
「女子校に通ったんだ!?」
「アクアは女の子なんだから女子校に入るのに何の不都合も無い」
「へー!」
 
じゃ、やはりアクアさん性転換してたのか、とビーナは思った。
 

↓ ↑ Bottom Top

1月10日(祝)に大阪から戻ってきたら、自分の部屋が男子寮から女子寮内の天羽家に引っ越していて仰天したビーナだが、1月11日からは、女子寮から比較的近い、北区のC学園に通うよう言われた。
 
ちゃんとC学園の制服も用意されていたので更に仰天した。
 
むろん用意されているのは女子制服である!彼の採寸表は姉のひろかが持っていたので、そのサイズで制服を頼んでいたらしい。
 
編入されたクラスに、ラピスラズリの2人、およびテレビ番組などで何度か会ったことのある、キャッツファイブの本坂愛菜ちゃん(作曲家・本坂伸輔の“娘”)が居たので、少しホッとした。東雲はるこちゃんとも、本坂愛菜ちゃんとも何となくセンスが合う感じで仲良くなれた。朱美が
「はるこの仲間がまた1人増えて嬉しい」
と言っていたのは、どういう意味だろう??
 
↓ ↑ Bottom Top

1つ上の学年には、上述のように白鳥リズム・ビンゴアキ・羽鳥セシルも居て、この時期はこのメンツは、午前中だけ授業を受けて、午後からは早退して仕事をするという日常を送っていた。リズムちゃんによれば忙しい芸能人高校生はだいたい12月に入る頃から、2月上旬の節分前後まではこの状態になる人が多いという話だった。
 
他に、ColdFly5の花崎律子(ColdFly20/ColdFly5では花咲鈴美と名乗っている:実は有名歌手の娘なので騒がれないように別名を使っているらしい)などもいるが、彼女は授業が終わってから仕事に出掛けるので済むらしい。
 
この年のC学園高等部の主な在校生:−
6年 大崎忍★・田中宏佳☆(成美の妹)・佐藤小百合(WindFly20)
5年 白鳥リズム・羽鳥セシル★・ビンゴアキ・中村明恵・栗原リア・松元蘭
4年 東雲はるこ★・町田朱美・本坂愛菜△・花咲鈴美(ColdFly5)・水森ビーナ・田中慶子☆(宏佳の妹)
 
↓ ↑ Bottom Top

異様に男の娘率が高い!(★☆△には深い意味は無い、多分!)
 

ビーナは転入学した後で、ここが女子校であることを知ってまたまた仰天したのだが、これまでも昨年6月以降、学校に女子制服で通い、実質的に女子高生していたので、女子校に入っても、そんなに何か変わったような気はしなかった。
 
ただ、これまで様々な場面で男子と女子を分けられて行動していたような所で生徒が全員女子なので、その男女に分けられるというステップが無いことに最初は戸惑った。身体測定も全員で一緒に行くし、体育の着替えも教室でそのままみんな着替える。また女子校だからトイレも女子トイレしか無い。トイレに男女表示が無い。そのことにも最初は違和感があったが、すぐ慣れた。
 
↓ ↑ Bottom Top

もう女子トイレを使うのに慣れてしまって、自然にクラスメイトの女子たちと一緒にトイレに行って列に並ぶし、自分はもう男子トイレには入れないなあと思う。
 
そういう訳で、1月11日以降、数紀は、女子寮に住み、女子高に通う、女の子アイドルになってしまったのであった!
 

↓ ↑ Bottom Top

2022年1月15日(土).
 
ΛΛテレビの昔話シリーズの最終回となるアクア主演『ピーターパン』が放送された。アクアが“主人公”!のウェンディと、フック船長の二役をするという、前代未聞のダブルロール(*17)に関心が集まり、同局歴代10位以内に入る記録的な視聴率になった。
 
この物凄い高視聴率を見て、ΛΛテレビの経営陣は、このシリーズの続編制作を決めた。
 
(*17)既出だが、ピーターパンの舞台公演で最近は、ウェンディの父役の俳優さんがフックを演じるのが定着している。しかし初期の頃は、ウェンディの母役の女優さんがフックと二役していた。だからこの物語はウェンディの成長物語なのである。フックはウェンディが「現実世界に戻る=大人になる」のを阻止し、いつまでも子供でいて欲しいと願う存在だった。だから母親が演じた。そういう意味でこの物語の主人公はウェンディだという考え方は充分成り立つ。
 
↓ ↑ Bottom Top


主な配役:−
 
ウェンディ:アクア
フック船長:アクア(二役)
ピーターパン:七浜宇菜
ティンカーベル:坂田由里
ジョン:水森ビーナ
マイケル:羽田小牧
タイガーリリー:恋珠ルビー
人魚メルリン:花貝パール
スミー水夫長:岩本卓也
スターキー:大林亮平
語り手:元原マミ
 
アクアについては、あくまで可愛いウェンディと、あくまで凶悪なフックの演じ分けはさすがだと言われた。『キャッツアイ』(2017)で、来生愛と内海俊夫刑事をきれいに演じ分けたのを思い起こさせると言っていた人もあった。
 
宇菜のピーターパンについては
「かっこいい!」
「しびれる」
「宇菜様のお嫁さんになりたい」
という女子たちからの憧れの声が凄かった。
 
↓ ↑ Bottom Top

ルビーのタイガーリリーについては
「シンドルバットのノリだよね」
という意見も多い。確かにシンドルバット(男装のシンデレラ)とタイガーリリーは似た性格のキャラかも知れない。
 

↓ ↑ Bottom Top

人魚役の花貝パールが人魚の尾びれを付けたまま、負傷したピーターパン役の七浜宇菜を背負って泳ぐところは、リアルでパールが宇菜を背負って泳いだという情報を事前に流していたのだが、
 
「よくこれをスタント無しでやるなあ」
「人魚衣裳で足の自由が利かないのに」
と感心されていた。この演技は背負う側も、背負われる側もかなりの筋力を使うのである。もっとも花貝パールは『3×3大作戦』でも遠泳大会で入賞するなど泳力が高いところを見せているので
「さすがパールちゃん」
という声も多数あがっていた。
 
先日『セロ弾きのゴーシュ』でチェロの腕前を披露した岩本卓也がこの物語でもチェロを弾いていて、彼の音楽能力が再度注目されることになる。
 
↓ ↑ Bottom Top

坂田由里のティンカーベルについては
「嫉妬の表情が真に迫っている」
として、これも評価が高かった。
 
ピーターパンの身代わりになって死にかけるところもほんとに死にそうに見えると言われた。むろんdボタンによるテレビ投票では圧倒的多数で「妖精の存在を信じる」という投票が多く、ティンカーベルは無事生き返る。鳥山さんは万一の場合は投票数を操作するつもりでいたが、そのような作為は、せずに済んだ。
 
『青い鳥』のティレット、『八犬伝』の玉梓・船虫、そして今回『ピーターパン』のティンカーベルと、複雑な性格の役を演じたことから、彼女を性格俳優と捉える人たちも出て来始めていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

なお、このドラマの主題歌はジョン役の水森ビーナが歌う『夢の国ネバーランド』で、挿入歌の『君を守るために』とカップリングして1月19日(水)に発売された。ビーナ3枚目のシングルである。放送局としてはアクアが舞音に歌わせたかったのだが、どちらもスケジュールが埋まりすぎていて無理だった。
 
同じ日にやはり劇中挿入歌の『あなたのハートは私のもの/夕闇に刻む影』がルビー&パールの名義で発売された。恋珠ルビーにとっては5枚目のシングル、花貝パールにとっては初めてのCDである。『あなたのハートは私のもの』ではルビーがリードボーカルでパールがコーラス、『夕闇に刻む影』ではパールがリードボーカルでルビーがコーラスを務めている。コーラスにもう一声聞こえるのはノンクレジットだが、夕波もえこで、実は“宮古八重山トリオ”になっている。
 
↓ ↑ Bottom Top

なお、§§ミュージックのアーティストのCD発売が続くので、ついに売上上位5組(現時点ではアクア・常滑真音・ラピスラズリ・白鳥リズム・姫路スピカ)の発売日さえお互いに重ならなければ他の人は同じ日の発売もあり、とルールが改訂された。現在5位のスピカも「水谷姉妹かビーナに抜かれるのは時間の問題」と悟りきったように言っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

1月17日(月).
 
この日発表された売上統計で、12月1日に発売された常滑真音『12345678急急ニャー律令』、12月8日に発売されたラピスラズリ『山の呼び声』、1月12日に発売された北里ナナ『金銀ハート』がいづれも100万枚を突破した。これを一部のスポーツ紙は“トリプルミリオン”と表現した。
 

↓ ↑ Bottom Top

1月20-23日(木金土日)、東京辰巳国際水泳場で北島康介杯水泳競技会が行われた。これは東京都の大会なので、都内の(水泳クラブに所属する)選手が参加する大会である。しかし東京五輪に出たメンバーは招待されるので、津幡組で青葉のほか、南野里美・竹下リル・金堂多江・福山希美・広島夏鈴および男子の筒石君康が参加する。
 
それで、津幡プライべートプールで現在練習している6人とスタッフを1/19にG450で熊谷に連れてきた。
 
青葉はローズ+リリーのライブから戻った後、ずっと浦和の家の地下プールで泳いでいたのだが、この大会に参加した後、他の津幡組の選手と一緒に1/24にG450で高岡に戻る“予定”だった。10月29日から、3ヶ月弱の首都圏滞在となる“予定”だった。
 
↓ ↑ Bottom Top

そして次は3月上旬に行われる、国際大会日本代表選手選考会(5月の世界水泳などの代表を決める大会)で東京に出てくることになる“予定”だった。
 

↓ ↑ Bottom Top

しかし“予定は未定”だった!
 
大会が終わった所で私は青葉に電話した。
 
「金メダルおめでとう」
「ありがとうございます。多江ちゃんが凄かったんですけどね。今回は何とか勝てました。3月はどうなるか分かりませんが」
 
「明日高岡に帰るんだっけ?」
「そのつもりですが」
「だったら申し訳ないけど、それを3-4日、延期してもらえないかなあ」
「何をするんです?」
「ミュージシャン・アルバムの取材に付き合って欲しいんだよ」
「ミュージシャン・アルバム??」
「作曲家アルバムが4月からリニューアルして、作曲家だけでなく広く様々なミュージシャンの御自宅を、大宮万葉とラピスラズリが訪問する番組になる」
 
「え〜〜〜!?」
と青葉は、あからさまに嫌そうに言った。
 
↓ ↑ Bottom Top


そういう訳で、1月24-26日(月火水)に『ミュージシャン・アルバム』の第1回取材が行われたのである。
 
§§ミュージックとしても、ラピスラズリのスケジュールが立て込んでいるので、もし続編を作るとしても他のアーティストで、と放送局側には申し入れていた。
 
ところがラピスラズリが主演する◇◇テレビのドラマ『占い女子高生・みつる』が4月から放送されることが発表されると『作曲家アルバム』と同じ系列局なので、ラピスがドラマ出演のために『作曲家アルバム』は降板するので番組も終了するのでは?という噂がネットに流れた。
 
それで◇◇テレビに「ラピスラズリの『作曲家アルバム』を続けて下さい」という嘆願メールが大量に届くようになったのである。
 
↓ ↑ Bottom Top

コスモス、◇◇テレビの響原部長、〒〒テレビの漆野部長が、リモートで会談した結果、番組の継続とラピスラズリの続投が決まった。他に決まったのは、こういうことである。
 
・付き添い役は“オリンピック金メダリスト”の川上青葉で定着しているからそのままで。どっちみち、青葉は日本水連との約束で、2024年のパリ五輪まではニュース読みなどの普段の業務には使えない状況が続く。
 
・作曲家はネタ切れに近いので『ミュージシャンアルバム』と改題して広く音楽家を取り上げていく。
 
・自宅を訪問する形式もこのままで。自宅と制作環境が分離している人の場合は制作環境の方でもよい(あまり多くないと思われる)。
 
・様々なアーティストや事務所とのコネの多さで、ケイさん以上の人はたぶん居ないので、ケイさんにも続投を。ステラジオのように、ごく少数居る相性の悪いアーティストでは醍醐春海さんなどに代理を。
 
↓ ↑ Bottom Top

放送時間帯は、日曜日の午前中に移動する。制作局は〒〒テレビだが、4月からは全国同時放送とする。但し◇◇テレビの系列外のテレビ局を中心に別の時間帯での放送になる所、遅れネットになる所はあると思われる。放送はこれまで通り月2回。遅れネット解消のために4〜5月は月3〜4回の放送になる局も出ると思われる。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁 次頁 時間索引目次

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 
夏の日の想い出・いろはに金平糖(17)

広告:素晴らしき、この人生 (はるな愛)