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■春気(19)

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津和野で美高鏡子カメラマンと落ち合ったマクラことアクアFと同行していた桜木ワルツは、津和野の町中や太皷谷稲成(ここの“いなり”は“稲成”と書く)などで撮影した後、生口島に移動して夕方頃、Mたちが撮影した食堂に入り、追加の撮影をした。
 
ワルツが男物の服を着てカオル役を演じ、アクアFがカオリ役をしている。
 
こちらの一行は翌日の午前中にスペアの気球を使って浜辺での撮影をし、また耕三寺でもふたりが歩いている所の撮影をした。
 
そしてメインの撮影隊とは別行動で次のロケ地・小浜へ向かう。運転のうまい桜木ワルツがプリウスを運転して移動した。
 

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フランツたちの気球は生口島を出た後、小浜まで行く。ここで彼らはドイツ人の仏像研究家(演:クルト・ジンダーマン)と偶然遭遇し、彼が昨夜泊めてもらったというお寺につれて行かれて、お盆の迎え火の行事を見学することになる。浜辺に並ぶたいまつが幻想的である(このシーンは実はオーストラリアで撮影したものである。1月の日本の浜辺は寒すぎる)。海から風が吹いてくるので、本当にご先祖様が帰ってきているようである。
 
「お盆ってキリスト教圏でいえばイースターみたいなもんだっけ?」
とヨゼフが言う。
 
「似てると思うよ。でもお盆も国によって随分お祭りの仕方が違うね。日本の場合は仏教が入ってくる以前からある祖霊信仰 anchester spirits worshipの要素が大きい。仏教では死んだ人は六道 six destiny worldのどこかに輪廻転生 cyclic reborn すると考えるけど、日本の伝統的な思想では死んだ人は山に帰っていって祖霊となり“草葉の陰”から from the leaf shade of the field 子孫を見守っているという信仰があるんだよ」
 
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「ほほぉ」
 
「日本では地域によっても違うけど、お盆の13日くらいにご先祖様たちはこの世に戻って来て、16日くらいにまた祖霊の国に戻っていく。それで迎え火 welcome fireを焚いて、送り火 sending fire を焚く」
「カーニバルでどんちゃん騒ぎするのと似てる?」
「そうそう。地域によってはお墓で飲めや歌えの宴会して、ご先祖様と一緒に楽しむ」
「それ南米の感覚と似てる気がする」
「そういう所も見てみたいね」
「それやる地域はかなり少なくなったけどね」
 
そしてその夜は偶然その日行われた花火大会を見ることになる。この花火大会は、日本の花火職人集団をオーストラリアに連れていき、向こうで撮影したものである。花火玉は飛行機での運搬ができなかったので、11月の内に船便でオーストラリアに送っていた。しかしフランツ役のミハエルにしても、ヨゼフ役のリョーマにしても迫力ある花火大会を間近で見て、かなり感動していたようであった。この撮影では多数の一般見物客(という設定の東アジア系エキストラ)も写っている。浴衣を着たお嬢さんたちの姿は風情がある(オーストラリアは夏なので浴衣で撮影できた)。中に日本刀を腰に差した和服の男性も混じっている!
 
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オーストラリアでの撮影の際、美高班は別の場所でカオリ役のマクラとカオル役のワルツが並んで花火を見ているのを撮影している。
 

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そして1月31日(設定8月14日)、この日はひじょうに風が強く、気球はどんどん飛んでお昼前に岐阜県まで到達するが、ここであまりにも強い風が吹いていたため、バーナーが突風に飛ばされて飛んで行ってしまう。バーナーがないと空気は冷えるのでどんどん降下して、山の中に不時着してしまう。このシーンもオーストラリアでの撮影である。日本だと冬山になってしまう。
 
そしてこれからどうしよう?などと言いながら取り敢えず装備を点検していたら熊が現れる(熊は実際にはCGである)。闘えるような武器など全く持っていないので万事休すと思われた所に銃声がして熊が倒れる。オーストラリア出身のマタギ“ゴンゾウ”(演:バーナード・カーター)であった。彼は熊の血抜きをした上で焚き火をして熊の肉を焼いて食べさせてくれた(このシーンは日本で実際の猟師の人にしてもらったが、本当に焼いたのは偶然数日前に罠に掛かった猪の肉である)。
 
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この岐阜でのシーンは日本で撮影したものとオーストラリアで撮影したものがモザイクのように組み合わさっている。それで統一感を出せるのがハリウッド仕込みのこの撮影チームである。
 
ゴンゾウは気球が不時着して困っていたという話を聞くと
「この気球はとても2〜3人では持てないな」
と言い、法螺貝を吹いて近くの山にいた山伏(演:暁昴・獄楽ほかエキストラ3名)を呼び寄せた。山伏たちもバーベキューに相伴した上で、みんなで手分けして気球を里まで降ろすことにした。
 
(この映画は日本刀を差した和服の男にしろ、黄金の国ジパングといい、“外人さんが勝手に思っている日本”にあふれているが、中映側もそのテイストを尊重して修正させていない)
 
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それで、フランツ・ヨゼフ・カオル・ゴンゾウに山伏5人の9人で手分けして気球やゴンドラを持って里まで下りた。カオリも軽い荷物を持つ。元々腕力のある暁昴(あかつき・すばる)は、マジで10kgのガスボンベを2本両肩に乗せてみせ、カオリ役の葉月(F)が「すごーい!」と憧れるような目で見ていた。
 
(“10kgのボンベ”というのは中身のガスが10kgなので容器を入れると20kgほどある。葉月Fは普通の女の子なので男の人に憧れを持つ)
 
この降りてきた場所が下呂温泉である。
 
ゴンゾウは
「知り合いの旅館に案内するから、取り敢えずそこで休むといい」
と言って連れて行く。
 
するとここの旅館の主・ヤマシタ(ラモス・プレステス)がフランツの大ファンであった。彼はフランツのCDをたくさん持っていて、最新のアルバムにサインをねだる。フランツも笑顔でサインしてあげた。一昨日の生口島ではカオルのファンの女の子に助けられたが、今日はフランツのファンの男性に助けられることになったのである。
 
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旅館の主人ヤマシタは、バーナーを落としたという彼らの熱気球を見て、これなら調理用のコンロを利用すれば代替品が作れるかもと言い、実際に1時間ほどでコンロ2個から気球用バーナーを作ってくれた。ボンベとつないで勢いよく燃えると気球がみるみる膨らんでいった。これなら行ける!とヨゼフも嬉しそうに言った。
 

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それでこの日はこの旅館で泊まることになるのである。
 
この撮影は下呂温泉の普通に営業中の旅館を使用しておこなった。
 
「あなたたち疲れたでしょ?お風呂入るといいですよ」
と女将(演:祥田淑子)が言うが
「あれ?バスルームはどこ?」
とフランツが部屋を見回して言う。
 
「ここは旅館だから、お風呂は個室についているんではなくて大浴場に行くんだよ」
とカオルがフランツに英語で説明する。
 
大浴場をカオルは bath saloon と訳したが、分からないようなので色々説明すると
「うそ、みんな裸になって同じ風呂に入るの?」
とフランツは驚いたように言うが、ヨゼフは
「カオリから聞いたことあった。楽しそう!」
と言う。
 
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「じゃ行ってみよう!」
と楽しそうなヨゼフが主導して、カオルと、不安そうな顔のフランツを連れて“男3人”は旅館の大浴場に行く。
 
ここは敢えて予告無しで一般客の入っている風呂に撮影クルーが飛び込んで行く。3人とも服を脱ぐ。
 
「カオル、ちゃんとちんちん付いてるんだね」
とヨゼフが言う。
「男だもん。付いてるよ」
「いや、実は付いてなくて女の子なんじゃないかって少し不安を覚えていた」
とヨゼフ。
「カオルは女の子の服を着せたら女の子にしか見えないから、よくスカート穿かされていたけど、中身は男の子だよ。小さい頃、ちんちんの触りっこした」
などとフランツは言っている。
 

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3人とも浴室に移動する。
 
突然の撮影隊の来訪に中に居た客が驚いている。
 
「もしかしてアクアちゃん!?」
「すごーい!アクアちゃんの裸見ちゃった」
「嘘!ちんちん付いてたんだ?」
「アクアちゃんにはてっきりちんちんは無いと思ってたのに」
「アクアちゃんって実は女の子だという噂あったけど、本当は男の子だったんだ?」
 
客たちがそんなことを言ったところで河村助監督が一般客に映画のロケをしているが、セリフっぽくない普通の反応を撮りたかったので予告無しで飛び込んできたことを説明して謝罪する。それで撮影されたくない人は申し訳無いが、いったん退去してもらえないかと要請した。
 
「ちなみにお風呂から退去なさる方にはお詫び料で5000円払い、その映像は責任持って消去します。出演して下さる方にはギャラとして1万円払います」
 
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それで全員出演してくれることになった!
 
なお、アクアの役名は“カオル”なので全員後でさっき言った言葉を“カオル”に直して再度言ってほしいと要請。それで浴室に3人が入ってくる場面から撮影し直した。むろん実際には最初に撮影したほうの映像・セリフを活かすが“アクア”というところだけ“カオル”と発音したものと置換するのである。このあたりの編集操作は河村の大得意とする所である。
 
しかしこの日の男湯撮影シーンの後、(1/31) 23時には参加者の数人がツイッターに投稿し
「アクアちゃんの裸見ちゃった」
「アクアちゃんは男の子だった!」
「確かに付いてた」
「ちょっと小さいけどあった」
「アクアちゃんにはおっぱい無かった。男みたいに平らな胸だった」
 
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という感じで発信されたので、その後ネットは騒然となることになる。
 
その場に居たのが一般客40人ほどで、この人数の前に裸をさらしたのであれば、それは間違い無く本当の情報だろうと多くの人たちは考えた。
 
「ああ!アクアは絶対女の子だろうと思ってたのに」
「アクアが男だったなんて信じられない」
と嘆くような男子ファンたちの声はあったが、女子ファンたちは
 
「アクア様はてっきり女の子だと思ってたのに」
「アクア様にちんちんが付いてたなんて・・・」
「でもアクア様が男の子だったら結婚したい」
と女子ファンたちは概ね歓迎している感じだった。
 
その内一部暴走気味のファンの中に
「この際、アクアが男であってもいいや。仮想女の子と思うことにする」
「アクアが男なら、俺が手術して女になってもいいから結婚したい」
「アクア様にちんちん付いてるって可哀想。そんなもの手術して取ってあげたい」
「アクアちゃんに性転換手術受けて下さいという署名活動しよう」
「アクア様には20歳になるまでには性転換して女の子になって欲しい」
「アクア様に声変わりが起きたりヒゲが生えたりするのは許せないから、早く性転換手術を受けさせなければ」
といった声が出てくるのは、いつものことである。
 
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