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■春気(13)

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(C) Eriki Kawaguchi 2020-03-06/改2020-04-18
 
更に岩田氏は重要な助言をした。
 
「550mも滑走したらかなりスピードが出る。それで転倒すると初心者は死ぬかも。だから途中に踊り場を作って一度に滑る高さは150mくらいにしようよ」
 
「ああ、それはいいかも。いっそ50mおきくらいに踊り場つけますか?」
「それはさすがに緩すぎるかな。550mの途中に2ヶ所くらいフラットな所があればいいと思う」
「そのくらいがいいかもですね。全部傾斜は同じでいいんですか?」
「2ヶ所フラットエリア作るんなら、3つの斜面で少しずつ角度変えた方がいいと思う」
 
「下に行くほど急傾斜?」
「あんた、死人を出したいの?」
「上から12度、10度、8度くらい?」
 
「8度は緩すぎるよ。上級者のためにも18度、15度、10度くらいではどうかね?」
 
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この件は岩田さんが何人かの友人に電話して意見を聞いたところ、上から15度,12度,10度にしようということになった。
 

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千里は岩田さんと4時間くらい打ち合わせしていたのだが、岩田さんは3時間くらい経った頃、唐突にこんなことを言い出した。
 
「千里ちゃん、客の怪我をかなり心配しているみたいだけど、怪我しないサマーゲレンデとしては砂スキーなんてのもあるよ」
 
「砂の上で滑るんですか?」
「鳥取砂丘とか、あと伊豆に1つサンドスキー場がある」
「面白そうですね」
 
「砂の上で転んでもあまり大した怪我はしない。ただ、どうしても砂まみれになるし、しっかりゴーグルつけてないと目を痛める」
 
「プラスチックの上で転んで病院送りになるよりマシな気がします」
 
「ただ砂の上ってあまり滑らないから、特殊なスキー板に特殊なワックスを使う必要がある」
 
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「そのあたり監修してもらえませんか?岩田さんご自身あるいは誰か他の詳しい方でもいいですが」
 
「じゃ僕の友だちで伊豆でたくさん滑ってるやつがいるから監修させるよ」
「助かります」
 
そういう訳でここのスキー場は夏は砂を敷いて砂スキーをすることにしたのである(正確には冬は砂の上にビニールシート・スノーエースを敷いた上でその上に雪が積もるのを待つが雪がなくてもスノーエースで滑られる。ただし危険なので雪が充分積もるまでは上級者以外15度斜面のみ開放)。
 
この場合、プラスノーと違って砂は緩傾斜ではほとんど滑らないので傾斜をプラスノーで計画した15, 12, 10度ではなく、30, 22, 15度にすることにした。雪の場合もこの方が良い。結果的にゲレンデ下に作り込む施設の中身もかなり変更することになるが、これは再度千里・若葉および市のスポーツ課長さんと一緒に詰めることにした。
 
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「何なら端の方にもっと急傾斜のコース作ります?」
 
「それ講習会開いて、技術をチェックして許可証を発行した人だけの専用にしよう。でないと容易に天国に到達するコースになるかも。もっとも僕は女の子に天国へ行かせてほしいけど。そういう所は作ってくれないよね?凝った所をもみほぐしてウミを出して柔らかくしてくれる場所とか」
 
「ウミが出るとしたら病気ですよ。ウミが出る元を手術して取りましょう」
「あまり取られたくないなあ」
 
「そういうお店は別の地域に自主設立でよろしく。手術室付きで。岩田さん、その手術が終わったら、更に男性を天国へ行かせてあげる係になれるよう身体の改造してあげましょうか?」
 
「あんたマジでやりそうな感じで怖いね」
「ボールを除去した上で、ポールをホールに改造するだけですよ」
「やはりあんたダジャレのセンスが悪いよ」
 
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京平を引き取ることになった千里(千里4)は、経堂のアパートに、子供を3人置くのは無理だと言って、引越を桃香に提案した。
 
「男の子と女の子は同じ部屋に置けないしさ」
「面倒くさいな。京平君、性転換しちゃったらダメ?」
「だめ」
 
それで探していたところ、浦和駅からすぐの場所に3DK 10万円という超格安マンションがあったので、そこに引っ越すことにした。3DKあれば、男の子の京平で1部屋、女の子の早月と由美で1部屋、そして桃香が千里(実は千里1)とナイトライフを楽しめる部屋と設定できることになる。
 
経堂のアパートからの引越は2月4日(火)におこなったが、千里はどさくさに紛れて川崎のマンションの荷物の大半もここに移動し、川崎のマンションは解約してしまった。音楽制作などの荷物は“板橋ラボ”に移動した。あそこはバスケット練習の音が外に響かないように防音で作られているので、作曲の作業をするのにも好都合なのである。板橋ラボは千里以外に富山の“ドッペルゲンガー少女”ハルとアキも練習に使用するが、お互いに楽器の音・ボールの音は気にならない。
 
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川崎のマンションはレッドインパルスの練習場所への通勤には便利なのだが、家賃が高い(16万円)のもあり、適当なタイミングで退去しようと思っていた。川崎へはバイク(バスケの影絵シールが貼られたKawasaki ZZR-1400)で通勤することにした。板橋ラボからは30分、浦和のマンションからは45分くらいで到達できる。疲れている時は誰かにアテンザを運転させて後部座席で寝ていくこともできるだろう。
 

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この浦和のマンションの近くには駐車場を3枠借りている。ミラ、アテンザ用と予備だが、子供が3人もいるとアテンザでは(チャイルドシートが2つしか設置できないので)乗り切れないということになり、2月7日(金)に千里は、若葉などの推薦でセレナを買い、最近かなり調子が悪くなっていたミラは中古車買取店に売却した(*2).
 
セレナだとチャイルドシートを4つ設置できる。今子供が3人なのに4つ設置できる車を買ったのは、もちろんあと1人、緩菜を乗せるためである。ただし子供を4人乗せると、それ以外におとなは2人しか乗れないので貴司は1人別の車で移動しなければならない!!
 
なお、雨宮先生が“アクアのアクア”を放置したのはこのマンションではなく、(貴司・緩菜とも同居するために)更に2020年12月に引っ越した同市内の一戸建て(4LDK2S 建坪27坪 土地52坪)の前である。千里はこの一戸建てと隣接していたボロ家付き21坪の土地(8m×9m)を2000万円で購入し、家は崩して6台駐められるピット付き三段式ガレージ(6m×7m)を建てた。それでアクアのNo.9の車体はここに収納されることになる。
 
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(アテンザ・セレナ・アクア・プラドを駐めて2台は来客用。通常4台の車は全部地下ピットに入れておき三段式の最上階が地上に出ているようにする)
 

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(*2)売却したミラは多分部品取り用になるかと思ったら、眷属たちによると整備した上で中古車屋さんで2万円で売られていたらしい!このミラは元々2013年に3万円で買ったものである!走行距離は千里が売却した時点で40万kmを越えていて走る奇跡である。眷属たちによると超格安なので70代の女性が買ったらしいが、車と一緒に天国まで疾走しないか、少し心配である。
 

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さて、千里たちが浦和のマンションに引っ越した翌日2月5日(水)、阿倍子が京平を伴って浦和までやってきた。そして1日千里や早月たち4人と一緒に、よみうりランドで遊んだ上で、阿倍子は京平を置いて大阪に帰っていった(神戸の実家には戻らず、そのまま晴安の家に入る)。
 
阿倍子と晴安は2月10日(月・大安)に、大阪で結婚式を挙げた。千里はむろん結婚式自体には出席しなかったものの、京平に阿倍子の花嫁姿を見せるために一緒に大阪に赴いた。結局花嫁のドレスの裙を持つ役を賢太と京平がしたのだが、ふたりはその役目が終わった後、またロビーで喧嘩していた!京平はあまり他人と対立するタイプではないのだが、賢太とはマジで相性が悪いようだ。
 
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千里は阿倍子の母・保子に浦和の新しい住所を書いたはがき(移転通知に友人たちにたくさん配ったもの)を1枚渡して、いつでも京平に会いに来て下さいねと言っておいたのだが、保子は結婚式が終わるとすぐ名古屋の病院に戻り、浦和に来ることは無かった。
 

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季里子は昨年10月下旬に千葉地方を襲った大雨で自宅が鉄砲水により破壊される被害に遭った。取り敢えず一家(両親・季里子と2人の娘。ついでに元夫の夏樹)で世田谷区にある桃香のアパートに居候させてもらい、11/11に夏樹は都内江東区にアパート(1K)を見つけて転出した。
 
季里子たちの住まいについては、母に子供たちを見てもらっていて、季里子自身が頑張って探したところ、11月18日(月)になって2DKのアパートが東京北区に見つかり少し家賃は高かったがこの際やむを得ないので契約した。引越は、ずっと桃香に迷惑掛けているというのもあったので、できるだけ早い内にということで、11月23日(祝)におこなった。引越では桃香も手伝ってくれた。
 
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水害の跡だが、まず水害にあった近所の人たちみんなで、土地の境界の確定作業を11月上旬に行った。境界標がほとんど残っていたこともあり、大きな揉め事もなく境界は確定する。
 
大きな岩や瓦礫などの片付けは市(国?)でやってくれたので、季里子たちは細かなゴミの類いを近所の人たち共同で土建屋さんに依頼して処理してもらった。その後、家の再建問題となる。
 
ご近所の中には再建費用が無いということで、土地の売却を考えるという人もあったが、季里子の家は幸いにも火災保険の水災特約をしていたおかげで2000万円の保険金が下りて、これを元に再建することにする。
 
大手ハウスメーカーと契約してヘーベルハウスで建てることにしたが、さすが大手である。何の特殊な要望も出さずメーカーの標準の仕様でよいことにしたのもあり、12月着工と言われた。完成は5月の予定である。その間は東京都内から千葉市の勤務先まで電車で通勤することにしたが、乗り換え・乗り換えで1時間半かかるので大変だった。
 
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夏樹のほうは火災保険とかは全く入っていなかったし、賃貸住宅に住んでいたので、雀の涙のような見舞金をもらっただけで、生活に必要なものも買えない状況だった。桃香のアパートに居候している間に、着替えなどの購入は季里子が自分のカードで買ってあげたし(ただし全て女物)、アパートを借りて独立する際は敷金などは季里子の父が出してあげた。その他当座に必要なものの購入費として桃香が夏樹に「出世払い」と言って100万円、借用証書も取らずに貸してあげた(多分本当は千里さんが出してくれたのだと思う)ので、それで洗濯機・冷蔵庫・こたつ・コンロなど、最低限のものを買ったようである。
 

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