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■春避(8)

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実はこの日『北陸霊界探訪』取材班は、§§ミュージック所有のホンダジェットの内の1機が新しい塗装になっているのを撮影に来ていたのである。
 
この機体は"Tiger"と呼ばれていた。元々はタイガー・エナジーという新電力会社が発注した機体だったが、天然ガスの高騰で経営が悪化し購入がキャンセルされた。しかしタイガー・エナジーのイメージキャラクターの虎の絵が描かれたスペシャル塗装の機体だったので、他の顧客に売ることができない。それを§§ミュージックが格安値段で買い取ったのである。契約により、この虎の絵は夏までには塗り替えなければならなかった。それで、絵の上手い夕波もえこが新たに虎の絵を描いて、それを転写したのである。
 
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その新塗装の機体で、写真集撮影のため、薬王みなみがこの機体に乗って能登空港に来るという。『白虎の謎』の放送は終わってしまったものの、9月の放送で、後日談のひとつとして流すため、取材班が訪れた。この機体が飛来することは千里からの情報であった。§§ミュージックとしても、期待の新人・薬王みなみの宣伝になるので取材をOKした。
 
ただ、写真集の撮影が終わった後にしてくれということだった。
 
薬王みなみは18日(土)の朝、Honda-JetNewTigerに乗って能登空港に来て、その後、能登半島各地で写真とビデオの撮影をした。コロナがまた感染者数が増えてきている状態(第7波?)で、この手の撮影は基本的に人口密度の低い地域でおこなうことにしている。能登半島はわりと条件の良い場所だった。
 
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似た時期に、白鳥リズムが利尻島(利尻空港 1800m)、ラピスラズリは男鹿半島(秋田空港 2500m)、姫路スピカは根室半島(中標津空港 2000m)、恋珠ルビー&花貝パールは壱岐(壱岐空港 1200m)、水森ビーナは伊豆大島(大島空港 1800m)に行っている。なおHonda Jetの離陸距離は1067mである。
 

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能登空港では、15時頃、みなみが戻って来たので、"New Tiger"の前に立つ、みなみの写真・ビデオの撮影をしていた。放送局でもなきゃ機体そばでの撮影なんて許可されない。その時に、この地震が起きたのである。
 
能登空港ではそれほど大きな揺れでは無かったので、滑走路の点検が行われたあと、みなみは30分遅れで熊谷に向けて飛び立って行った。その直後、幸花は薫館長の自宅に電話を掛けたのである。スマホにはつながらなかった。
 
それで、取材で来ていたメンバー、幸花・明恵・真珠・千里がすぐにS市に向かった。ここに千里が居たのは、薬王みなみを迎えるためだが、これが“人形たちにとって”幸運だった(千里のいつもの予定調和)。
 
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それで17時頃、幸花、明恵、真珠、千里の4人はS市に到着した。
 
遙佳は千里を見た時「きっと千里さんなら何とかしてくれる」と思った。
 
千里は半分土砂に埋まった美術館を見て言った。
 
「輪島市に私が関連している(実際は所有している)会社の営業所があるんです。そこに今日中に人形たちのための倉庫を建てさせます。それですぐにも人形たちをそこに退避させませんか?」
 

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「すぐにですか?雨が降る前にやればいいかなと思っていたのですが。幸いにも、天気予報では10日くらい雨が降らないみたいだし」
と薫館長。
 
「確かに雨はしばらく降らないかも知れないけど、急がないと、この美術館自体が土砂の重みに耐えられず崩壊する危険もありますよ」
 
「それ考えてなかった!」
 
動転してて、そこまで気が回らなかったのである。
 
「輪島ならそんなに遠くないし、何とかなるかな」
「だから人形の梱包をしましょう。取り敢えずVIPドールたちから順に」
「そうですね」
 
「人を呼ぼう」
と言って、幸花は何ヶ所かに連絡した。真珠も何人かに連絡していた。
 

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取り敢えず、この4人と遙佳・歩夢・薫・珠望の合計8人で人形美術館で人形の梱包作業を始めた。
 
4月にビスクドール展を開催した金沢からお人形たちをこちらに運んだ時の梱包材料は、また夏にビスクドール展をするかもしれないということだったので、レストランの倉庫に放り込んでいた。それを昇太と遙佳で持って来て、その梱包材料を使い、人形を包んで箱詰めする。
 
18時半頃、美術館の駐車場にトレーラーが駐まる。運転してきたのは播磨工務店の青池である。リフトでトレーラーから仮設トイレを降ろす。
 
「トイレがある!嬉しい!」
という声がある。
 
「木材運搬とかのために使っているトレーラーを輪島から持ってきました。これに積み込みましょ。たぶん2〜3往復で運べる気がします」
 
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「助かります」
 

青池は大量の梱包材料も積んできてくれたので、これで人形たちを梱包できる。
 
それでVIPドールたちと一部の特に大事な人形(ウォーキングドールのマリアンなどを含む)は珠望のインサイトに積み込み、それ以外の人形たちはトレーラーに積み込むことにした。
 
青池はVIPドールたちの積み込みが終わると、インサイトを運転して輪島に向かった。彼(彼女?)なら、絶対的に安心である。
 

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遙佳と歩夢が各々何人かの友人を呼んだ。
 
「そちらも大変だとは思うんだけど」
「こちらは何とかなってる。お人形さんたちはヤバイね」
と言って、手伝いに来てくれた。
 
それで2人の友人男子3人女子6人が加わり、梱包作業は17人で進められた。
 
人形は、珠望・薫・千里の3人の手で半分土砂に埋もれた美術館から外に運び出す(危険な作業を担当している)。遙佳・歩夢・幸花・明恵・真珠、手伝いに来てくれた友人の内の女子6人の合計11人で梱包する。そして友人男子3人の手で、梱包した人形を段ボール箱に入れ、トレーラーに積み込む。
 
19時半頃には、美由紀が呼び出した春貴がキャラバンで駆けつけて来てくれた。春貴のキャラバンには真珠のお友達の男の娘、マリア・ルチカ・エリザ・アリスの4人も同乗してきた。またこのことを偶然知ったという氷見の女子高生4人(愛佳・舞花・晃・美奈子)がお母さんの車(アコード)で来てくれたので、彼女たちも作業に加わった。
 
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これで20時頃までに(多分)1000体くらいの人形をトレーラーに積み込んだ。
 
19:50頃、駐車場に2台目のトレーラーが入ってきた。運転してきたのは播磨工務店の広沢である。彼も梱包材料をたくさん運んできてくれた。また彼は重たくて誰も動かせなかったスイスイ1号を美術館の外に搬出してくれた。
 
1台目のトレーラーが満杯になった所で、運び込みはこちらに切り替える。そして1台目のトレーラーは千里自身が運転して輪島に運ぶことにし、出発した。
 
20時になったので、歩夢と遙佳の友人たち9人は家に帰した。
 
「ありがとうね。凄く助かった。お礼はまた後で」
「うん、大丈夫だよ」
 
彼らにはあとでお礼に、フレグランスのパン食べ放題券を渡した(2月に人形移動を手伝ってくれた時にも渡している)。
 
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友人たちと入れ替わりに、金沢から、神谷内さんの運転するエスティマが到着する。乗ってきたのは、初海・邦生・瑞穂、それに青葉の友人の世梨奈・美由紀、更には月見里姉妹である。
 
それで、この人形退避作戦は、レストランの片づけをしていた昇太と広詩も加わって総勢26人で深夜まで続けられたのである。
 
美術館からの搬出(5) 珠望・邦生・真珠・神谷内・昇太
 
梱包(17) 遙佳・歩夢・薫、幸花・明恵・初海、美由紀・世梨奈・月見里姉妹、マリア・ルチカ・エリザ・アリス、舞花・晃・美奈子
 
トレーラーへの格納(4) 瑞穂・春貴・愛佳・広詩
 
薫は体力を考えて梱包に回ってもらい、運び出しに神谷内と邦生が入った。広沢もいるが、荒っぽいので人形は扱わせられない。でも氷見の女子高生のお母さんと2人で買い出しを担当してみんなに軽食と暖かい飲み物を配ったりしてくれた。薫の夫・高がレストランの調理場で作って来たおにぎりやサンドを配っていた。高は体力もないし夜目がきかないので支援に回っている。
 
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遙佳と舞花がメールアドレスの交換をしていた。舞花は美由紀ともアドレス交換していた。どうも美術関係で意気投合したようであった。歩夢と晃もアドレス交換していたようである。2人はフルート好きというので意気投合したようだ。
 
この時点では、歩夢も晃もお互い相手を普通に女子と思っている!だって、どちらもおっぱいあるし!!
 

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人形がどんどん運び出される中、薫と遙佳は、美術館内の、パソコン、人形原簿、なども搬出した。“琥珀”の絵はトレーラーに積んだ。きっと彼女が人形たちを守ってくれる。
 
「この事務机は持って行けないよね」
 
などと言っていたら、作業を手伝っていた、播磨工務店の広沢さんが
「取り敢えず外に退避させましょう」
と言う。
 
「でも館内は人形の運び出しをしてるから」
「窓を壊せばいいですよ」
 
と言って、彼は足で蹴って窓を破壊した。これで事務室から直接外に出られる。そして彼は、事務室内にあるものを全部駐車場の隅に移動してくれた。
 
彼が重たい机とかロッカーとか金庫とか冷蔵庫をひとりで楽々と抱えて運ぶので、薫も遙佳も
「凄い力ですね」
と驚いていた。
 
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置いた場所には、暗いので車をぶつけたりしないよう懐中電灯を1つ点けて置いた。スイスイ1号もここに一緒に置いた。
 

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21時頃、千里がトレーラーを運転して戻って来た。トラックには千里の友人で南野鈴子さんという20代の女性が同乗していた。
 
21時半頃、2台目のトレーラーがいっぱいになったので、再び千里が運転して輪島に向かった。
 
22時頃、氷見から来てくれた女子高生たちを帰すことにする。詳細は後述するが、南野鈴子(すーちゃん)が送っていった。彼女はこのために千里が連れて来たのである。
 
すーちゃんはフランスとスペインで水泳日本代表のサポートをしていたのだが、6月12日で世界水泳に出ないメンバーがムーランエアーの飛行機で帰国したので、それに紛れて一緒に帰国していた。半月くらい休んでていいよと言われたのに、一週間もしない内に呼び出されたので全く千里は嘘つきだと思った。
 
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千里は22時半頃、今度はCX-5を運転して戻って来た(*9). CX-5には、千里の友人・花山星子(ほしちゃん)と米沢湖鈴(コリン)も同乗していた。
 
人形は23時頃までに全て梱包し、トレーラーに積み込み終えることができた。三度、千里が運転して輪島に向かった。
 

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神谷内が駐車場の隅に置かれた机などに気がつく。
「これはどうする?」
「運びましょう」
「ワゴン車があるね」
「誰のだっけ?」
「私が千里さんから借りてるんです」
と春貴。
 
「千里のなら借りていいな」
と広沢さんが言い、キャラバンの座席を畳んで机やスイスイ1号など大きなものを積みこんだ。この車は広沢が運転して輪島に向かった。人形ではないので荒っぽい広沢にでも運転させられる。スイスイ1号も丈夫なので平気だろう。
 
人形原簿やパソコン、金庫、会計簿などは、取り敢えずXC-40に載せた。
 
広沢と入れ替わりに、千里の秘書・天野貴子が大型バスを持って来た。貴子がコリンや星子たちと話し合った結果、下記のように車を運転して移動することにした。
 
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明日学校がある遙佳・歩夢・広詩は家に帰す。これは家の場所を知っている小杉(*8) が3人をXC-40に乗せて送っていくことにした。小杉が本人たちと話した結果、広詩はもう少し残り、女の子2人(遙佳・歩夢!)と高齢の高を帰すことにし、その3人を乗せて小杉が運転して彼女たちの自宅に向かった。
 
人形原簿やパソコンなどは遙佳たちが持って降りる。小杉は一休みしてからXC-40を輪島に回送する・・・予定だったのだが
 
小杉と前にも会っている遙佳は、
「急がないなら泊まっていって」
と言い、小杉も言葉に甘えて泊めてもらい、翌日昼頃に輪島に移動した。
 
(*8) 小杉は千里4の髪留めに姿を変えて、ほぼ常時千里4に付いている。この日は初期段階で買い出しなどをしていた。23時に千里がトレーラーを運転して輪島に向かった時、残るように言われて美術館前で待機していた。遙佳は小杉の正体をだいたい推察している。
 
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明日仕事のある邦生と瑞穂は、千里が乗ってきたCX-5に乗せて、コリンが運転して金沢に送っていった。同様に仕事のある春貴はアコードを星子が運転して氷見に送っていった(この件も後述)。男の娘4人は大丈夫と言ったので、明日の作業のために残ってもらった。
 
XC-40:幸花たちが乗ってきた車/小杉が遙佳たちを自宅に送る
CX-5:千里が22:30に輪島から乗ってきた車/コリンが邦生と瑞穂を金沢へ送っていく
エスティマ:神谷内たちが乗ってきた/鈴子が氷見組を送っていった
キャラバン:春貴が乗ってきた/広沢が荷物運搬で輪島へ
インサイト:珠望の車/青池がVIPドールを運んで輪島へ
アコード:舞花たちが乗ってきた/星子が春貴を送っていく
 
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それ以外のメンツは、千里の秘書、天野貴子さんが持って来たバスに乗り、輪島に移動した。
 
昇太と広詩は、みんなが去ったあと、忘れ物、また美術館内に大事なものがないか点検し、ここで館内でケースの下に入り込んで見落とされていた人形を2体!と梱包されたものの積み残しと思われた1箱(たぶん4-5体)を回収して、日産ルークスに乗せ、自宅に連れ帰った。この人形たちはほんとに危ない所だった。暗いから箱を見落としたのだろう。
 
 
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