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■春避(2)

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さて、H南高校男女バスケットボール部は、6月13日以降、“火牛スポーツセンター・氷見体育館”(通称 Firebird)で、練習するようになったのだが、女子がフラミンゴ、男子がピーコックで、隣り合う体育館なので、お互いの練習の様子は見えない。でも男子キャプテンの坂下君は何度か様子を見に来てくれた。
 
「凄い濃厚な練習してるな」
と感心していた。
 
「ほとんどの子が初心者だから、ひたすら基礎練習してるけどね」
と女子キャプテンの愛佳。
 
「うん。それがいいと思う。でも背丈のある子が増えたね」
「うん。今160cm代が4人になったから、今後は中に進入していってのシュートもできるようになるかも」
と愛佳は言う。
 
坂下君は160cm代が5人居る気がしたが、13番付けてる子は159cmくらいだろうか、などと考えた(*3).
 
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(*3) 女子バケット部の長身部員(身長順)
 
11 高田晃 168 PF ルミ
8 原田河世 165 C キュー
12 砂井梨央 163 F ペア
16 津田秋奈 162 F タム
13 菓子弥生 161 F マーチ
 

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6月17日(金)には、女子の北信越大会の前哨戦を兼ねて男子対女子の試合をした(以降。毎週原則として金曜日におこなうのが恒例化する)。
 
むろんまともにやると全く勝負にならないだろうからということで、男子はハンディとして3年生はベンチに入らず、最初は1年生だけでやらせる。3年男子が審判と得点係を務めた。
 
女子は男子側の制限エリアにはほとんど入れない。入って行けるのは8番の河世と11番の晃だけである。ところが中に入れなくても、どんどんミドルシュートを撃つ。これが結構入る。
 
「みんなミドルシュートが上手いなあ」
と横田先生も3年生たちも感心していた。
 
「これが強豪を次々と撃破し、あるいは接戦をした秘密か」
 
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それで前半は最後に美奈子のスリーが決まってなんと46-47と女子が1点リードで終わる。男子は後半2年生に交替した。
 
2年生男子は前半の試合を見ていて、横田先生と(わりとマジで!)対策を練ったようである。それで男子が取ったのは、
 
美奈子をダブルチームする!
 
という作戦だった。
 
(この時点で既に男子対女子の試合ではない)
 

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ゴール数では男子が勝っているのに、女子は夏生と美奈子のスリーで点数を稼いでいる。そうなると、このチームで最も危険なのは、いかにも強そうに見える河世ではなく、シューターの美奈子である、と横田先生は判断した。
 
実際ダブルチームにより美奈子へのパスがほとんど通らなくなる。
 
美奈子に2人付けているからマンツーマンだと、残り4人の内の1人が必ずフリーになる。それで男子は残り3人でゾーンを組んで守る作戦に出た。守りが薄くなるので、晃に突破されて何本かシュートを入れられたが仕方ない。
 
しかしこれで男子は少しずつ引き離し、最終的には84-75で男子が勝った。(でも点差が男子と女子の点差ではない)
 
春貴は、実際に対戦相手にこれをやられた場合、どう対処するかというのを腕を組んで考えていた。
 
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「1年生は女子に負けたから性転換だな」
と坂下君が言うので
 
「え〜〜!?」
と1年生男子部員たちがビビっていた。
 
女子チームで17番の背番号を付けている日和(今日は途中3分ほど出してもらった)がドキドキした顔をしていた!!
 

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「土日に手術を受けて月曜からは女子制服で登校しよう」
「勘弁してください。10km走って来ますから」
 
と言うことで1年生全員でロードを10km走って来たようである。18時を過ぎるが、制服や学校の道具はこちらに持って来ているので、多少はごまかしが効く。坂下君が1年生たちに付き合って一緒に走り、横田先生も全員が戻るまで待っていた。
 
ついでにジョギングから帰ってきたら、男子更衣室のテーブルにスカートが3枚置いてあったので、スカート穿くことになる3人は誰だ?と騒然として、華奢な体格の、青木・湖中・吉沢・高山らがビビっていたらしい。むろん女子たちの悪戯で、横田先生は笑っていた。
 
遅くなったので、戻って来た所で「着替えは帰宅してから」と言って、国道のバス停まで春貴のキャラバンを数回往復させて送ってあげた(遠くからの通学者優先で運ぶ)。結果的に部員たちの帰宅は普段とほとんど変わらなかった。
 
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なお、この日、H南高校の女子バスケット部、新規加入部員6名のバスケット協会会員証が届いていた。万一間に合わない場合は、会員番号をプリントしたものを持参すればいいということではあったが、北信越大会に間に合ったのでホッとした。
 
春貴は、これは明日の北信越大会会場で直接渡すことにした。今日渡して明日持ってくるのを忘れられたりしたら、目も当てられない。
 

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6月17日(金).
 
この日の深夜(正確には6/18 0:10-1:10)に『霊界探偵金沢ドイルの北陸霊界探訪』が放送され、今回も大きな反響を呼んだ。今回の“白い虎徘徊事件”は
 
「どこまでが事実でどこまでが創作か分からん!」
という声も多かった。
 
クライマックスとなった、金沢ドイル(青葉)が虎をお肉が描かれたキャンバスの中に誘い込んで封印する所は、さすがに創作だろうと思われた。しかしS市に夜間白い虎が出没しているという噂は確かに1〜3月に結構立っていたようだ、というのが、ネットを検索した人たちの間で認識される。
 
その手の噂が4月以降は、ほとんど無くなっていることから、やはり金沢ドイルが何らかの形で処理したのだろうという意見が多かった。
 
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ドイルをショッカーに扮したレギュラー出演者が拉致して行くシーンは
 
「ディレクターが交替したら演出が過激になってない?」
「皆山は絶対暴走する」
 
ということで、みんな演出だろうと思ったようである(視聴者の方がよほど常識的)。
 

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元番組出演者・青山さんの妊娠レポートは微笑ましく受け止められていた。
 
「性転換して妊娠するって凄いね」
「元男性だから、女同士で結婚しても子供ができるのかな」
などと、視聴者は完璧に混乱気味である。
 
ほとんどの人が問題点に気付いていない。どうも問題点があまりにも多いと、人は、かえって何も疑問を感じないようである!
 
しかし青山さんの妊娠という事態で、同性婚に不快感を感じていた視聴者のかなりの部分が受容的に変化したようであった。
 
邦生と真珠の結婚式については、この後、番組宛てに「おめでとう!」というメッセージが多数寄せられた。中にはプレゼントを贈ってきた人たちもあり、いったん熊谷に運んで§§ミュージックの検査場で検査した上で“問題なしとされたもの”が本人たちに渡された。嫌悪感を示した視聴者もあったが、それほど多くは無かった。
 
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番組は青山さんの女同士の結婚式も流しているので、どうも『霊界探訪』は女同士の結婚には寛容なようだと認識された。また女性同士のカップルから辺来の里神社に「結婚式を挙げさせてもらえるか」という問合せがかなり来ることになる。
 
「このカップルもやはり、くにちゃんが妊娠するのかな」
「青山さんのパターンで行くと、きっとそうなる」
 
と言われて、視聴者は“邦生妊娠”への期待が高いようである!
 

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今回、奈良京都まで遠征して撮影してきた、朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)・鞍馬寺(くらまでら)・貴船神社(きぶねじんじゃ)のレポートも結構な反響があった。
 
「この番組、まじめなレポートもするんだな」
と言われていた。
 
明恵と真珠が張り子の虎を大中小並べて首を振らせている所は
「あれ、ほしーい」
という声が多かった。
 

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1分間ほどだけ流れた一言主神社については、この神社の噂を聞いたことのある人、実際に行ったことのある少数の人たちの間では
 
「ついに撮影に成功したのか」
「やはり存在するのか」
という声もあったが、多くの人は
 
「番組お得意の創作だな」
「これ、新潟かどこかの小さな神社で撮影したのでは?」
「天狗の願い箱はもちろんセットだよね」
「願い事を書く紙が1枚1000円とか暴利」
といった意見であった。
 
なお、番組内で真珠は
「願い事の紙のお値段は人によって違うみたいです。私と兄が過去に行った時は1万円でした。中学生だから1000円だったのだと思います。多分アクアちゃんが行ったら1億円です」
 
とコメントしていた。
 
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ラストシーンは、お肉を前にした白虎の絵、お肉を食べている白虎の絵が、人形美術館と、レストラン“フレグランス”に1枚ずつ掲げられているのを遙佳が指し示している場面になっていた。
 
視聴者は、今回の事件ではたぶん、遙佳が事件の解決に大きな役割を果たしたのだろうと捉えたようである。
 
番組内でも、この絵は実際には遙佳が描いたものであるというテロップが流れていたが、
「遙佳ちゃん、絵がうまーい」
「この虎さん可愛い」
「この虎は女の子だよね?」
 
などという声があったようである。
 
「ところで遙佳ちゃん、新しいレギュラー入り?」
「3月にも出たし今月も出たし」
 
「まこちゃん、みたいにゲストという名目で毎回出演するつもりでは?」
 
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6月18日(土).
 
春貴率いるH南高校女子バスケットボール部14名は、松夜のお父さんが運転する学校のマイクロバスで、金沢市に向かった。
 
北信越大会(令和4年北信越高等学校体育大会バスケットボール競技会・兼・第61回北信越高等学校バスケットボール選手権大会)に参加する。
 
「でも準々決勝で不戦勝、順位決定戦でも不戦勝とか、それでこんな大きな大会に出て来ていいのかなあ」
などと松夜が不安そうな声を出している。
 
春貴は言った。
「君たちは優勝した高岡C高校に1点差の試合をした。コロナで辞退した高岡S高校は2位の富山B高校に20点差で負けている。それを考えたら充分うちは富山県代表になる資格があると思うよ」
 
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「私たち富山県代表なんですね!」
「そうだよ」
「今気付いた!」
「すごーい!!」
「うん。君たちは強い」
 

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春貴は考えていた。
 
今回は偶然にもマイクロバスが使えたが、学校のマイクロバスは競争率が激しい。使えない時の移動をどうするか。取り敢えずは愛佳のお母さんが言っていたように保護者さんたちに協力を求め、何台かに分乗して移動する手しかないのだろうけど。ただ、分乗移動の場合、伝達事項に漏れが生じやすいのが問題点だ。
 

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朝7時頃に学校を出発して、7:40頃に会場の、いしかわ総合スポーツセンターに到着した。例によって、ベンチに入るメンバー以外は入場できないので、松夜のお父さんは車内で寝ていると言っていた。そのために毛布も持参している。
 
入口の所の受付で校名を告げ、春貴と部員14人のバスケット協会会員証を提示、名簿と照合されながら入場した。
 
今日は愛佳のお母さんは来ていないので、春貴と部員14人のみである。
 
なお今回は開会式は前日・金曜日15:30に行われており、春貴は授業を他の先生に代わってもらって昨日の午後、ここに来て、代表者だけによる開会式と、代表者会議を行なっている。代表者会議に春貴が出席したのは初めてである。
 
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この時、エントリーシートも提出しており、今回、晃をアシスタントコーチ、日和をマネージャーとして登録している。晃はコーチ講座を受講中ということでその受講番号を添えている。晃の背番号11は空き番である。(昔は背番号は4番から始まる連番で、空きを作ってはいけなかったが、現在は自由化されているので11が飛んでいても問題無い)
 

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この大会は男女とも16校が参加し、次のように日程が組まれている。
 
18日9:30女子1回戦 11:10男子1回戦 12:50女子準々決勝 14:30男子準々決勝
19日9:00男女準決勝 12:00男女3決・決勝
 
メイン会場の、いしかわ総合スポーツセンターではメインアリーナ4コート、サブアリーナ2コートの合計6コート。サブ会場の金沢市中央市民体育館で2コート取れるので、一度に8試合することができる。それで男女とも1回戦の8試合が同時に実施できるのである。1日目は物理的には男女の準々決勝を同じ時刻に同時にもできるが男子のを遅らせるのは、休憩時間を与えるためである!
 
そういう訳で、H南高校の12人の選手は、9:30、メインアリーナのBコートに整列した。H南高校は富山県3位なので、初戦は他県の1位チームである。
 
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こちらは、愛佳・舞花・夏生・河世・美奈子の(多分)最強布陣で出て行く。向こうは、10,11,14,15,16番で出て来た。
 
ティップオフは相手15番・172cmのセンターさんとだが、この7cmも高い相手との争いに河世が勝った!
 
速攻で舞花が攻めて行き、向こうが守備体制を整える前に鮮やかにランニングシュートを決めた。
 
0-2.
 
こちらが先制して試合は始まった。
 

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