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■女子中学生・春ランラン(10)

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今回の“抜き打ち検査”の違法性・無効性については曖昧にした。しかし結果的には4月頭に受けた性別検査を活すことにした。その検査では司は男子であると出ている。
 
陰嚢はあるが中に睾丸は無い。卵巣や子宮らしきものはあるがとても小さい。基本的には半陰陽と思われる。ホルモン的には女性ホルモン優位である。しかし陰茎が存在し、股間の形状は男子に近いので、本人が希望するなら、男子に分類してよい。
 
となっていた。(トマムから戻った時、こういう状態にされていた)
 
部長は内心、この検査の後で陰茎を除去して陰唇を形成したのかもしれないと思った。でも手術によって女性になった選手なら出場を認めてもよいかと思ったのである(とりいかずよし「ミスターマドンナ」の世界?)。
 
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それにそもそも半陰陽の選手の場合はケースバイケースで判定される。しかし半陰陽だから(疑似)男性器があっても女性的な外見だったのだろうという気もした。
 

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しかし司は少なくとも“中体連”主催の野球大会に男子チームの一員として出場できるという部長裁定を獲得した(来年度になると高体連の管理になるので高校での出場資格については高体連の判断に従うことになる)。
 
そして新たな登録証を発行して、その場で強飯先生に手渡してくれた。
 
ただ部長は言った。
「中学では女子のチームが極端に少ないという事情もあるので今回は認めますけど、高校には女子の野球リーグとかもあるので、高校進学後はそちらに転向することを考えてほしい」
 
「まあ本人には伝えますよ」
と強飯先生は明言を避けた。
 
ともかくもそれで司は目前に迫る北北海道大会に選手として出場できることになったのである。
 
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強飯先生はその日の内に北海道に戻ってきた。とんでもないハード日程である。59歳(終戦前日の8.14に生まれたのでギリギリ戦中派らしい。でも情熱とハッタリの獅子座!)という年齢なのによくやるものである。
 
羽田21:00-22:30新千歳(息子さんに迎えに来てもらい25時頃留萌着)
 
強飯先生が持ち帰った司の新しい登録票には「福川司・性別:*」と記され、性別の記述が無い!所属は「留萌市立S中学校男子野球部」登録種別「選手」となっていた。
 
実は部長さんは
「彼女が将来女子野球にも行けるように性別不記載にしたい」
と言い、強飯先生も
「うちのチームに選手登録できるならそれでもいい」
と言って、両者が妥協した結果である。
 
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(システムの出力内容をPDFに出力してPDFを直接修正した!裏面に部長がサインしている)
 
女子マネの水野尚美(2年)などは「性別:女」と明記され、所属が「留萌市立S中学校男子野球部」ではあるが登録種別は「マネージャー」となっている。ベンチには入れるが試合中にベンチを出てグラウンドに入ることは(緊急時以外)許されない。
 
でもチームメイトはみんな思った。
「福川さんが実は女子なのに今まで性別を誤魔化していたことがはっきりして何か安心した」
 
そして何人かは思っていた。
「福川さんと恋人になりたいな」
と。
 

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強飯先生が東京に行っていた5月11日(水)、司と雅海は初めての生理を体験した。雅海は日曜から、司も雅海の助言で月曜からナプキンをお股に当てておいたので、来た時に下着を汚さずに済んだ。
 
「でもこれ辛いよー」
と2人とも思った。
 
毎月これを経験している女子は偉いよとも思った。
 
ただ司はナプキンの交換場所に困った。それで同じクラスで、女子ソフトボール部の麦美ちゃんに相談した。
 
「ああ、司ちゃんは女子トイレ使ってもいいからおいで」
と言って手を握って一緒に女子トイレに入ってくれた。お陰で無事、ナプキンの交換をすることができた。
 
「でも司ちゃんももう男子トイレ使うのやめて女子トイレにおいでよ」
「恥ずかしいよぉ」
「恥ずかしかったら、私でも尚子ちゃんや数子ちゃんでもいいから声を掛けなよ。一緒に入ってあげるから」
「ありがとう」
 
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でも司に生理が来たというのは翌日までには3年の全女子に伝わっていた!
 
「雅海ちゃんも生理来たらしいよ」
「2人ともこれで完全な女の子だね」
 
そして翌日から司は男子トイレの使用を拒否されるようになった!
 
「女の子は女子トイレを使うように」
「えーん」
 
それで司は雅海同様、男子制服を着ているものの女子トイレを使うという状況になったのである。
 
つまり司は強飯先生の努力で男子選手に留まることができたものの、校内ではもうほぼ女子扱いになってしまった!
 

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5月12日(木)には実力テストが行われた。勉強会グループの成績は下記である(1年春→夏→冬→2年春→夏→冬→今回)。
 
玖美子1-1-1/1-1-1/1 蓮菜2-3-2/3-2-2/3 田代3-2-3/2-3-3/2 美那22-14-12/10-9-8/7 穂花25-16-11/9-8-7/6 千里40-26-22/16-14-12/10 恵香43-32-28/22-18-16/12 沙苗65-41-36/32-31-30/28 留実子74-58-47/44-40-36/30 セナ78-81-68/69-60-64/72
 
玖美子は不動の1位、蓮菜と田代君は例によって2位と3位を交替で取り、それ以外のメンツはセナを除いて!全員成績を上げている。千里はとうとうBEST10に入った。花絵さんから渡されて頑張って解いていたドリルの成果である。
 
セナの成績が悪いのを見て、P大神は
「これならこの子は中学卒業後、旭川や札幌の高校に進学することは無いな」
と嬉しそうにしていた。
 
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5月13日(金).
 
校内マラソン大会が行われる。
 
公世は広沢先生から「女子の3kmを走る?」と訊かれたが「ぼくは男子だから5kmを走ります」と言って男子の部に出て、優勝した。最後は陸上部のエースと1kmほどに及ぶデッドヒートを繰り広げ、最後はわずか3秒差だった。
 
留美子は「ぼく男子に出てもいいですか?」と広沢先生に訊いたが「一応女子の部に出なさい」と言われ、女子の部に出て優勝した。こちらも陸上部女子とトップ争いをしたが残り500mで振り切った。
 
「男女とも優勝者には性別疑惑がある」
とみんなに言われた、
 
潮尾由紀、春女秀香はいづれも「女子のほうに出てもいいよ」と言われたが「一応男子として登録されていますから男子に出ます」と言って男子に出てしっかり完走した。この2人は充分な体力があるので、広沢先生も男女どちらに出るかは本人たちに任せた。
 
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特に潮尾由紀は男子20位の好成績だった。彼女はスポーツブラを着けていた。
 
沙苗と世那はどちらも普通に女子に出た。沙苗はほどほどの成績だったが、世那は、優美絵、千里(Y)、恵香、小春などと一緒に女子完走者の最後でゴールした。優美絵は体力は無いが3km程度の完走は可能である。
 
千里(R)の方は、玖美子・蓮菜などと一緒に上位のほうでゴールした。
 

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雪子は「あなたには無理」と広沢先生が言って見学させた。雪子は昨年も途中で走れなくなって座り込み、棄権している。(その後、病院に運ばれた!)
 
雅海と司については、各々のクラスの保健委員が「生理来たばかりで大丈夫?」と尋ねたが「もう3日目だから大丈夫」と言って2人とも男子の5kmを完走した。司は12位に入る健闘だった。やはり3月から始めた早朝ジョギングが効いているのだろう。彼は女子のゴール票を渡されそうになったが
「ぼく男子です」
と申告し、広沢先生がゴール係の生徒(生理などで見学に回った生徒)に指示して、ちゃんと男子のゴール票をもらうことができた。
 
(生理中でなく、“男の身体”だったら5位くらいだったかも)
 
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雅海は最後付近でセナに声を掛けられて、恵香や千里たちと一緒にラストでゴールした。このラストゴール者にはゴール係の生徒が“時間はギリギリだったけど頑張ったね。完走おめでとう”と印刷されたゴール票を配った。恵香たちの後は、まだゴールしてない生徒を全員先生たちが車で回収した。棄権扱いになる。
 
雅海も“完走おめでとう”のゴール票を受け取ったが、このゴール票は実は女子(3km)用である!5km走ったのに。でも男子のゴール時間は過ぎていたから雅海が男子なら棄権扱いでゴール票をもらえないはずだった。本人は自分が女子用ゴール票をもらったこと自体に気付いていない。
 
(見た目女子でバストもある生徒が帰ってきたらゴール係も女子生徒と思う)
 
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5月13日の夜、司の部屋に貴子が出現した。
 
貴子は言った。
「どうしても男の娘に戻りたいの?」
「お願いします」
「でもあんた女の子になりたくない?可愛い女の子になれると思うけど」
「なってもいい気もするけど、今はいったん男の子にしてください」
 
「あんたがどうしてもというのなら仕方ないね。じゃ眠ってて。目が覚めた時は残念だけど男の娘だよ」
 
それで司は眠りに落ちて行った。司は当然貴子さんは雅海の部屋にも行ってくれるだろうと思ったのだが、実際は貴子は雅海の所には行かなかった!
 
(千里が司を男の娘にいったん戻すようにきーちゃんに命じたのは実は今回の決勝戦の天候問題があった。女の身体では今回の決勝戦はさすがに辛かった。ただ千里自身はなぜ司だけ戻すように命じたのか分かっていない)
 
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千里(千里R)は太陰(忌部繭子)から
「市街地の外れに土地を見付けたんですけど」
と言われて行ってみた。
 
場所は留萌市街地の東側にあり、R中にわりと近い。早川ラボには現在S中の生徒が多く来ているが、ここに道場を移転するとR中の生徒が多く来るようになるかも知れないなあとは思った。でもS中の生徒の住むS町・C町などからは留萌駅行きまたは市民病院行きのバスで近くまで来れるから交通の便はわりと良いと思った。
 
(バス停からは800mほど離れている。千里的感覚では“軽いジョギングですぐ辿り着ける”から「近く」。セナ的感覚なら“バス停から道場まで電車が欲しい”)
 
地目は畑で実際畑として使っていたものと思われる。ただ多分10年くらい放置されていたようで、現在はジャングル化している。でも千里の眷属たちの手に掛かれば、1日で更地にできるだろう。法的な規制の無い地区なので地目変更は簡単にできるらしい。固定資産税は高くなるけど。
 
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「早川ラボより広いよね?」
 
「正確に測量はしてないですけど、早川ラボがだいたい11間×18間(198坪)、ここはゼンリンの地図上で測ったのでは10間×30間(300坪)くらいで面積は広くても幅が狭いです。でも早川ラボの建物自体は9間×14間くらいなので、千里さんが言ってたようにあちらの建物をひょいと運んできてポンと置くことは可能だということです」
 
「じゃ行けるね」
 
「ただ問題はこの傾斜なんですけどね」
 
この土地が300坪もあるのに僅か210万円(坪単価7000円)という破格値なのはここが傾斜地であるという問題がある。他に立地環境もよくないのだが、一般の人が住宅地として使うのでなければ大きな問題は無い。悪霊は既に処分しちゃったし!(まだ買う前なのに!(*10))
 
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ここは山裾にはなるが、市街地に張り出した丘の裙に当たるので、ヒグマが出没する可能性は低い。また市街地でジョギングできるから、車には気をつける必要はあるが、ジョギング中にヒグマに遭遇する可能性も低い。
 
(*10) 落ち着いて下見できないので、まず親玉を瞬殺。そのあと雑魚も一瞬で全消去した。それを見て太陰も
「千里さん凄ーい」
と思った。
 

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「土地を平らに整備させてから建てればいいですかね」
と太陰は言った。
 
傾斜地を平らな土地に変更するには多分支庁の許可が必要である。しかしこんな場所で不許可になるとは思えない。
 
千里は言った。
「むしろ土地に合わせて建てればいい」
 
「ああ」
 
つまり↓のようにするのである。

 
微妙な斜めの半地下部分には“秘密の倉庫”を作る魂胆である。
 
「じゃすぐにも移転できますね。買い取ったらすぐ作業させましょうか。勾陳たちの作業なら夏の合宿に間に合いますよ」
と太陰は言ったが、千里は
「移転は私たちが全国大会に行った後」
と言う。
「なぜ?」
「今のラボが不便な場所にあるから」
「便利でなくていいんですか?」
「いかにも山籠もりして頑張ってる感じになって気合が入るじゃん」
「はあ」
 
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太陰は千里の考えがいまいち分からないようであった!
 

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女子中学生・春ランラン(10)

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