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■女子中学生・春ランラン(8)

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2日目はオプショナルツアーで層雲峡の景色を楽しみ、銀河流星の滝を見て、ロープーウェイで大雪の春景色を眺めてきた。
 
雅海はこの日も疲れてぐっすり眠っていた。
 
そして5月5日のお昼頃旅館を出て途中旭川で少し休憩する。
 
ここで雅海は羽月につれて行ってもらってナプキン売場に行く。姉お勧めセンターインのナプキン、オーガニックコットン(パンティライナー)、それと生理用ショーツ、生理用品ポーチと選んでもらった。もちろん代金はギャラをもらったばかりで懐が暖かいので自分ではらった。
 

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そしてケンタッキーを買ってから留萌に帰還した。食べたら全員寝た。
 
雅海はこの日も疲れていたのでそのまま熟睡した。
 
結局“女の子だけの秘密の楽しみ”をしてみようと思ったものの、いまだにできない状態のままである!
 

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5月6日の朝、雅海は少し迷った末に結局学生服とスラックスの格好で居間に出て来たのだが母は
「セーラー服とスカートに着替えて」
と言った。
 
「お母ちゃん、ごめん。ぼくまだ女子制服で通学する勇気無い」
と言ったのだが母は
「あんたの性別検査するから」
と言った。
 
「へ?」
 
それで雅海は念のため一度シャワーを浴びてから、真新しいショーツとブラジャーにキャミソール、ブラウスを着て、セーラー服の上下を身に付けた。そして母の車で旭川に出て大きな病院に入った。
 
ここで雅海はおしっこを取り(セーラー服を着ているので女子トイレを使う)、身長・体重・TB/UB/W/H を測られ、血圧を測ってから採血される。そしてMRI室に行って全身のMRIを取られた。その上で精神科に行き心理テストを受ける。それから婦人科!に行って、医師に裸を観察される。
 
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「まずいよー。お医者さんに裸を見られたらもうぼく女子生徒にならなければいけないのでは?」
と不安になった。
 
(何を今更?)
 

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雅海は退出して少ししてから母だけが呼ばれる。何を話してるのかなあと物凄く不安になる。診察室から出て来た母は
「何も心配することはないからね」
と笑顔だった。
 
結局雅海は診察結果を聞いていないが、何となく想像はついた。やはりぼく「あんたは完全な女子だから月曜からはセーラー服で通学しなさい」とか言われるのかなあと思った。しかし母は特に何も言わなかった。でもポスフールで可愛いお洋服とかスカートとか買ってもらった。
 

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さて、司の方は曾祖母の葬儀に行っていて5月3日に留萌に帰ってきた。
 
疲れてはいたがジョギングに行こうと思い、早朝出掛けて行く。5月4-5日は剣道部グループ全員と一緒に走った。5月6日はまた公世ちゃんと2人だった。
 
「え〜!?公世ちゃん、また性別検査受けさせられたの?」
「全く参ったよ」
「だって1ヶ月くらい前に検査されたばかりなのに」
「だよねー。中体連は抜き打ちで検査したかったみたいね。でも司ちゃんは検査されなかったんだ?」
「5月2日は学校休んでたから」
「ああ、だったら今日検査されたりして」
「え〜!?」
 
それで司はジョギングから帰りシャワーを浴びてから貴子さんに電話してみた。
 
繋がらない! (もちろんんわざと取らない)
 
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メールもしてみたが反応が無い。
 

そして司がその日、学生服と女子用スラックスで学校に出て行くと案の定朝のホームルームが終わった後で校内放送で呼び出される。
 
それで司は職員室に行ってみた。すると中体連のスタッフさんが
「ちょっと来て下さい」
と言い、車で連れ出す。そして病院に行った。
 
実はこの日、強飯先生が出張で居なかっため、中体連のスタッフが出て来たようであった。
 
「よりによってこんな日に性別検査ってまずいよぉ」
と司は思う。
 
おしっこを取った後、身長・体重、TB/UB, W, H を測られる。完璧に女子の体型である。血圧を測ってから採血する。MRIに入れられてかなり長時間検査された。その後心理テストをされる。そして最後に婦人科!に行き公世は受けなかった検査、“内診”までされる。
 
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ひぇー!恥ずかしい!!!
 
と思った。
 

「安心していいよ。君が間違い無く完全な女性であるという診断書出しておくね」
と40代の女医さんは言った。
 
「あのお、完全な女子ということになると野球の大会に出られないので男子という診断が欲しいのですが」
「は?」
 
それで司は自分は野球部で、度々女子と間違われて選手登録資格に疑義を持たれていた。それで抜き打ちの性別検査を受けさせられたのだと思う。女子だということになれば野球の大会に出られなくなるし自分が出ないとうちの野球部の戦力が大きくダウンして道大会で勝てなくなるから、何とか男子という診断が欲しいと説明した。
 
「でもあなたは間違い無く女の子だよ。卵巣・子宮もあるし」
 
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あはは。あるだろうな。
 
医師は言った。
「私は医師の倫理として嘘は書けませんから、あなたは間違い無く女性であるという診断書を書きます。出場資格については中体連さんと話し合ってください」
 

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という訳で、司は「間違い無く女子」という診断書を書かれてしまったのである。(そのあとどうなったかは後述)
 

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「え?花絵さん結婚するんですか?」
とP神社で恵香たちは驚いて言った。
 
「私が留萌を離れると祖父ちゃんが困るみたいだけど、まあ仕方ないかな」
と本人は言っている。
 
「どういう人なんですか?」
「大学の時のクラスメイトなんだよ。学生時代にデートしたこともある。セックスすることになるかなあと思ったけど、彼の部屋で一晩過ごしたのに何も起きなかった」
 
「女性に興味が無いのでは?」
「その可能性はあるけど、好きだと言われたから結婚してもいいかなと」
「結婚するまではセックスしない主義だとか」
「今どきそんな男は存在しないって」
「EDだったりして」
「その程度気にしない」
「実は女だとか」
「ああ、それも全然問題なし」
「お、すごい」
「女だったら彼に赤ちゃん産んでもらおう」
「楽でいいですね」
 
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「いつ結婚するんですか」
「秋くらいかな」
「どこに住むんですか」
「札幌になると思う。だから祭礼の時とかは妊娠してない限り手伝いに来るけどここに常駐はできない」
 
「みんな結婚しちゃう」
と恵香が言う。
 
「まあ梨花ちゃんも名目上は巫女長だけど、あまり出て来てないからなあ。私が抜けたら、純代ちゃんが事実上の巫女さんのリーダーということで」
 
「え〜!?無理ですー」
と当の純代(高3)は言っていた。
 

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2005年5月8日(日).
 
岩手県大船渡市で、青葉の曾祖母・八島賀壽子が亡くなった。1923年生であり享年83である。青葉は嵐の予感がしていた。これ以降、青葉の家は、家族という制度が崩壊して、青葉(小2)と姉の未雨(小6)は両親からほぼ放置されるようになる。
 

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5月8日(日)の夜、貴子が雅海の部屋に出現した。
 
「あれ?司ちゃんと一緒じゃないの?」
「それが実はややこしい問題が起きてて」
と言って、雅海は司が抜き打ち性別検査を受けさせられ、間違い無く女性であるという診断結果が出たことを話す。
 
「良かったじゃん。この機会に法的な性別も女性に変えてしまおう」
「それで彼は困ってるんですよ」
と言って、雅海は司が女子ということになれば、野球の大会に出られなくなる可能性があることを説明した。
 
「女子野球の選手になればいい」
「それ本人は結構その気になってるみたい。でも取り敢えずこのままでは来週の大会に出られなくなる可能性があるんですよ。彼が出ないとS中は北北海道大会で初戦敗退しますよ」
「ああ」
「貴子さん何かうまい手が無いですかね」
 
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「それは色々手段はある。必ず何とか出場できるようにする」
「ほんとですか」
「でもそういう状況なら今あの子を男の娘に戻したら話がややこしくなるね」
「そうだと思います」
「だったらしばらく女の子のままにしておくか」
「それがいいかも」
「じゃ落ち着いたら元に戻してあげるね。じゃね」
と言って貴子は消えてしまう。
 
「え?」
と雅海は思った。
 
「ぼくは男の子に戻りたいんですけどー」
 
(君こそ今更戻ったら話がややこしくなると思うぞ)
 

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さて、光辞の朗読については、千里が4月中にかなり頑張ったので随分進み、残りは20-30ページと真理さんは言っていた。このままだと5月中に完了するなと思っていた。ところが、連休明けに送られてきた光辞の写しの入った封筒を見た時、千里は何か違和感を感じた。
 
何だろう?
 
と思いながら開封したが、今日の光辞は読めないと思った。
 
これは真理さんが書写したものではない。
 
千里は真理さんの携帯に電話を掛けた。しかし「この電話番号は現在使われておりません」となる。仕方ないので気は進まなかったが、河洛邑に掛ける。それで高木真理さん、もしくは遠駒貴子さんにと言ったのだが・・・・この電話はあちこち回されたあげく切れてしまった。
 
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もう!
 
これでは連絡のしようもない。
 

困っていたら、その日の夜遅く、遠駒貴子(恵雨)さん本人から電話が掛かってくる。恵雨さんは小さな声で話す。BGMに村田英雄だか三波春夫だかが掛かっている。人に聞かれたくないのだろう。(盗聴器に警戒しているのもある)
 
「実は真理と子供の紀美・貞美が河洛邑を出てしまって」
「ああ」
 
とうとう“誰も居なくなった”のか。
 
「今回送った写しは、実は**ちゃんに写してもらったんだけど、ダメだったか」
 
来光と前妻さんとの子供の娘である。来光さんの孫に当たる。恵雨さんがやらせてみたということはある程度の霊的センスがあるのだろう。
 
「私自身が書き写せたらいいんだけど、私は目が衰えていて、とても正確な書写ができない。さすがに原本を送るわけにもいかないし」
 
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「恵雨さんはお身体は?」
「目や耳は衰えているけど、全体的な体調は悪くない」
 
つまり真理さんが急いでいたのは、自分自身が協会にいられなくなるからその前にできるだけ多くのページを処理したかったのだろう。
 
「私夏休みになったら、またそちらに行きますから、その時に残りは読みましょう」
「そうしてくれる?ごめんね」
 
ということで光辞の朗読完成は夏休みまで保留されることになる。
 
「私最近なんか身体がきついけど、それまでは頑張らなくちゃ」
と千里Yは思った。
 
 
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