広告:まりあ†ほりっく 第5巻 [DVD]
[携帯Top] [文字サイズ]

■女子中学生・ミニスカストーリー(23)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

ところが自分は8月16日に唐突に女の子になってしまった。まあ女の子になっちゃったものは仕方ないと開き直り、女の子ライフを楽しみ始めた。ところが昨日初広から連絡があり、理由は分からないけど、突発的に身体が女に変化してしまったということだった。
 
但し恋人のスズカが、自分は実は男の子より女の子のほうが好きだから、初広が女の子になっても、そのまま結婚したいと言っている。だから、自分は多分事実上のレスビアン婚をすることになると思うという話だった。それで自分は女になってしまったので、悪いがお前が跡継ぎになってくれないかという兄(既に姉)の話だったのである。むろん真広は初広に自分まで性転換してしまったことは言っていない。
 
↓ ↑ Bottom Top

兄弟3人が全員女になってしまうと、誰も跡継ぎになれない。特に自分の性転換と初広の性転換は状況が似ている気がして、まさか貴子さんの“余計な親切”ではないかと思い、ここに来た。
 

↓ ↑ Bottom Top

貴子はメモを取りながら話を聴いていたが、真広の話が終わると言った。
 
「第1に、まず明確にしたいことは、私は初広さんにも真広ちゃんにも、私の良心に誓って、決して何もしてない。たぶん噂の“突発性性変症候群”(SSS - Sudden Sex-change Syndrom) だと思う」
 
「そんな病気があるの?」
「噂には聞くけどね。急性(acute)と慢性(chronic)があって、急性は半日くらいで元の性別に戻るけど、慢性の場合はずっとそのまま。もっとも急性はしばしば再発するフラッシュバック特性を持つ」
 
「うーん。半月戻ってないから、私のは慢性なのかなあ」
「人に移ることはない」
「性転換が伝染したら、恐ろしいね」
「地域とか職場の人が全員性転換したりしてね」
「もうギャグ漫画の世界だなあ」
 
↓ ↑ Bottom Top

「第2に、私の勘が言っている。跡継ぎ問題は近い内に解決する」
「ほんとに?」
「どういう形になるかは私にも分からないけど、これは間違い無い」
と言って、貴子は千里を見た。
 
「1年以内には、蜂郎さんの男系の孫が生まれますよ」
と千里は言う。
 
「私にはそこまでは分からない。でもこの子って巫女なんだよ。この手のことをかなり言い当てる。この子が言うなら、きっとそうなる」
と貴子は言っている。
 
「ほんとに?だったらそれを信じてもいい」
と真広はかなり軟化して言った。
 
「ありがと。そした第3。真広ちゃんは今すぐ男に戻る必要はないと思う」
「へ?」
 
「真広ちゃんがどうしても誰か女性と結婚してくれとか言われて、真広ちゃんもそれを望むなら、いつでも男の娘に戻してあげるよ。だから、それまで女の子ライフを楽しみなよ」
 
↓ ↑ Bottom Top

真広は両腕で頬杖を突いてしばらく考えていたが言った。
 
「確かにいつでも男の子に戻れるなら、今すぐ戻らなくてもいいよね」
「そうそう。どうせ一人暮らししてるんでしょ。お父さんにバレないように女の子生活してればいいよ」
「それでもいい気がしてきた」
「大学はいつから?」
「1日から。だから男の身体で通学できるようにと思って今日来た」
「じゃ1日から女の子の格好で通学するといいね」
「あはははは」
 
「女の子になれた記念にミニスカートでもプレゼントしようか?」
「もうこの時期、ミニスカートは寒いよ!」
 

↓ ↑ Bottom Top

しかしこの子は3兄弟の中でいちばん決断力と行動力がありそうだと、きーちゃんは思うのであった。さっきうちに来た時の顔はマジ恐かったぞ。
 
兄(姉?)の初広は親に借金して高級外車を買ったりしてるけど、この子は学費と家賃だけ支援してもらい、質素な生活をしてる。兄は高校も大学も私立だけど、この子は高校も大学も公立・国立。頭が良くてスポーツもできる上に親に負担を掛けていない。決断力や行動力はインターハイにも出た高いスポーツ経験が育てたものかもね。
 
この子には経営者の器(うつわ)があると思う。
 
この子が女社長になって、その後、3人の内の誰かが女の子に産ませた子をその跡継ぎにすればいいんじゃないかな。
 
↓ ↑ Bottom Top

でも3人の中の誰だろう?話を聞くと妹さんは既に去勢してるっぽいし、お兄さんの相手は男の娘さんという話だし(←真広は“男の娘っぽい”と言っただけで“男の娘だ”とは言ってない)。
 
真広ちゃん、もてそうだし、ガールフレンド多いだろうから、その中のひとりが実は既に妊娠していて、近い内に
 
「生理が来ないの」
とか言ってきたりしてね。この子なら女の子になっちゃっても、彼女とはちゃんとうまくやっていけそうだし。
 

↓ ↑ Bottom Top

コリンが千里の指示で買いに行って来た梅屋のロールケーキを切り分けて食べる。千里が切り分けている間にコリンが紅茶を入れた。コリンも勝手知ったる家の中である。
 
「これ美味しいね」
と真広が言う。
 
「ここはシュークリーム屋さんなんですけどね。クリームが美味しいからロールケーキも美味しいんですよ」
と千里が解説する。
 
「なるほどー」
 

↓ ↑ Bottom Top

食べている内に貴子がハッとしたように言った。
 
「真広ちゃん、ちょっと性転換しない?」
「は!?」
 
「つまりね。噂の突発性性転換症候群って、唐突にまた性別が変わってしまったりしやすいらしいのよ。だから、温泉とかに入っている最中に突然性別が変わったら困るでしょ?」
 
「それは物凄く困る」
 
「だから私が真広ちゃんをいったん男の娘に戻して、それからまた女の子に変えてあげるよ。そういう状態にすればその後は性別が不安定になることはないはず」
 
「あのぉ、それ男の子に戻した所で止めてもらえません?そしたらぼく普通に男の子としてやっていけるから」
「女の子になりたい癖に」
 

↓ ↑ Bottom Top

「まあいいや。じゃお願いがあるんだけど」
「うん」
「念のため、いったん男の子になった所で精液の採取したい」
「了解、了解。それを冷凍保存しておけば万全だね」
「うん」
 
それで、貴子は真広をNo.3の部屋のベッドに寝かせ、いったん眠らせた上で、まずは男の娘に性転換させた。性転換は1時間ほど掛かるので、コリンに居間で待機してもらっておき、千里と貴子はピアノルームに入って、龍笛の練習をした。(真広が来るまではフルートの練習をしていた)
 
やがてコリンが呼びに来るので、貴子は千里にピアノルームで待っているように言い、ひとりでNo.3の部屋に入る。
 
「男の娘の身体って嫌でしょ?」
「なんか、ちんちんが不気味なものに感じる」
「真広ちゃんは元々そう思ってたと思うよ」
 
↓ ↑ Bottom Top

ここで貴子は精液の採取セットを渡し、いったん部屋の外に出る。10分ほどして真広がドアを開けて
「終わったよ」
というので、その精液を受け取り、アンプルを特殊な冷蔵庫に入れて急速冷凍する。
 
そしてNo.3の部屋に戻り
「じゃ可愛い女の子に戻ろうね」
と声を掛ける。
 
「うん。いったん男の身体に戻ってみて、本気でぼくはやはり女の子になりたいという気持ちが強くなった」
と真広は言っている。
 
「きっともう真広ちゃんは男に戻らなくてもいいよ」
と貴子は言い、彼を眠らせると、再度性転換を掛けた。
 
これもまた1時間掛かるので、コリンに居間で待機していてもらい、ピアノルームに戻って、千里にピアノを指導した。
 
↓ ↑ Bottom Top

真広は14時頃に目覚め、貴子にお詫びとお礼を言って帰っていった。
 
旭川15:30(ライラック16号)17:00札幌
 

↓ ↑ Bottom Top

越智さんは少し遅れるという連絡があり、結局16時頃に来た。千里たちはそれまで、お茶を飲みながらおしゃべりしていた。
 
「へー。越智さんって、OOOOの子孫だったのか」
「晩年は東北帝国大学農科大学で剣道の指導もしている」
「あれ?仙台に居たの?」
「ううん。その東北帝国大学農科大学が後に北海道帝国大学と改名するんだよ。つまり北海道大学は最初は東北大学の支部扱いだったのね」
「そういうことか!」
 
「でも***って、物凄く実戦能力の高い集団だったみたいね」
「そうそう。彼らがやっていたのは、戦いの術。剣技はその一部にすぎない」
 
と、きーちゃんは言う。やはり小登愛を死なせてしまったことから、きーちゃんは千里には高い戦闘能力を身に付けさせる必要性を感じていた。
 
↓ ↑ Bottom Top

「実戦ではルールとか無いからね」
「それこそ千里が学ぶべきことだと思う。悪意をもった相手はいくらでも卑怯な手を使ってくる。それに対抗するにはこちらも充分な奸智(かんち)を持ってないといけない」
 
「先制攻撃が大事だよね」
「真剣を持って対峙したら、実際問題として最初の一撃で全てが決すると思うよ」
「まあ真剣で斬り合って、どちらも無傷とか、時代劇のチャンバラでしかあり得ないことだろうね」
「真剣を持つということは命のやりとりをするということ。最低でも片方は死ぬということ」
と、きーちゃんは言っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

きーちゃんは。戦場では、土の塊を相手の顔に投げ付けて目潰しをしたり、地面に落ちている石を蹴って相手に当てたり、足払いで相手のバランスを崩したりというのも、ごく普通に行われていたと解説する。
 
「だから武士道より忍者道の方が、より実践的。忍術書には例えば、こういう手が書かれている。相手と1対1で対峙した時に、相手の後方に向かって『おお、助かったぞ』などと声を掛ける。すると相手はこちらに仲間が居たかと思い、一瞬後方にも注意を払う。結果的に前面に隙が出来るから、そこを突く」
 
「腕力とかだけじゃなくて、知恵も含めた総合的な戦いなんだね」
「そういうこと。千里得意のハッタリも凄く重要」
「えへへ」
 
↓ ↑ Bottom Top


やがて越智さんが来る。
 
「ごめんごめん、遅くなって」
「いえ。のんびり女同士でおしゃべりしてましたから」
 
千里がトロフィー、賞状、メダルを見せると、喜んでくれた。
 
「清香や公世からも、ご指導ありがとうございました。おかげで入賞できましたという伝言を頼まれています」
「3人とも入賞というのは素晴らしい。だけど、3人とも来年はかなり厳しいぞ。2年生で入賞した人なんて、来年は優勝候補と思われるから、みんな全開で挑んでくるから」
「それ清香とも言ってました。ほんとに実力付けないといけないですね」
 
この日も2時間ほど手合わせしたが
「先月の合宿の時より強くなっている。君はどんどん成長している」
と言って、感心していた。
 
↓ ↑ Bottom Top


稽古が終わった後、コリンが用意したピザを軽く摘まむ。
 
「なるほど。町中に練習場を確保したのか?その道場も一度見に行ってみたいね」
「どうせなら、早川ラボの方を。天野道場は、狭いので」
「取り敢えず管理人になってもらった忌部さんは、一応昔剣道やって三段に認定されたことあるけど、もう200年前の話だと言ってました」
 
「ああ、200年前だとナポレオンとかの時代か」
「そんなもんですね。日本だと文化文政の頃かな」
「竹刀というものができるかできないかの頃だな」
 
現代の竹刀につながるものを発明したのは大石神影流の創始者・大石進(1797-1863)と言われている。
 
「竹刀(しない)ができる前は木刀(ぼくとう)か何かですか?」
「一部の流派では、今の竹刀とは随分違う袋竹刀(ふくろしない)というものを使っていた。でも多くの道場では、木刀による型の稽古が中心で、掛かり合いの稽古はしてなかったんだよ。木刀は本気で打つと死ぬから。防具は着けるけど昔の防具は今のものほどは、しっかりしていなかった」
 
↓ ↑ Bottom Top

「ああ」
 
先ほど、千里ときーちゃんで話していた“実戦ですべきこと”について、越智さんも色々な例を挙げて教えてくれた。千里はそれを興味深く聴いていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

「君、真剣を持ったことある?」
「いえ(と言っておく)」
「天野さん、あるかな?」
 
「安物でよければ」
と言って、きーちゃんが出してくるが
 
「安物って!これは関の孫六ではないか!」
と越智さんが言っている。千里は何のことだが、さっぱり分からない。
 
(関の孫六(せきのまごろく)は美濃の刀工・孫六兼元(2代目兼元)のこと。兼元流の日本刀の製法は、村正にも影響を与えたと言われる)
 
千里も持たせてもらったが、
「重い!」
と言った(言っておいた)。
 
「竹刀の倍くらいの重さがあるからね」
 
でもその日本刀で素振りを1時間ほどにわたり、合計500回くらいやらされた!!
 
「君は才能あるよ。真剣を振って最初からぶれずにまっすぐ振り下ろせる人は珍しい」
と越智さんは言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「でも風圧が凄いから、途中で軌道変えようとしても無理です」
「そうそう。だから剣を振るスピードが大切」
 
その後、越智さんはこの刀をサンプルに、日本刀の構造について、詳しい解説をしてくれた(この件は後述)(*19).
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
女子中学生・ミニスカストーリー(23)

広告:ボクの初体験 1 (集英社文庫―コミック版)