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■女子中学生・ミニスカストーリー(16)

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部活の後、公世は体操服姿でバスに乗ってジャスコまで行った。
 
実はワイシャツは汗を掻いて替えが無い!アンダーシャツも替えが無いので部活後、やむを得ずキャミソールを着たし、下も女の子ショーツを穿いた(トイレで着替えた)。ペニスは後ろ向き収納した:つまり出っ張りが無い!!
 
ジャスコでは、まずボクサーパンツを2枚セットを3セット、アンダーシャツ2枚セット3セットを買った。その後、ワイシャツ売場に行く。
 
が、自分のサイズが分からない!
 
素直に売場のお姉さんに声を掛けてサイズを計測してもらう。
 
「あら、あなたスリムに見えるのに結構バストあるわね」
などと言われる。
 
バスト??胸回りのこと?
 
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「あなたなら150Bくらいあった方がいいね」
と言って、今公世が居た所から少し離れた場所にある多数のワイシャツが並んでいる所から1枚取る。
「あのぉ。できるだけ安いのがいいのでずか、ワゴンのとかでないですよね?」
「そうね。あるかな?」
と言って、そちらに“ブラウス・ワイシャツ SALE”と書かれたワゴンを見ていたが
「これとかどう?」
と言って、ワイシャツ2枚組のを選んでくれた。
 
「ありがとうございます!」
 
結局そのワゴンから2枚組2000円のを2セット取った。
 
「でもあなたノーブラなのね。ちゃんとブラ着けたほうがいいよ」
などと言われたので
「汗掻いたので」
と言ったら
「ああ、そういうこと」
と言われたが、ぼく何か変な返事したかなという気もした。
 
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(このあたりで性別を誤解されていることに気付くべき。でも公世がキャミソールを着けているのは分かったので、まさか女の子でないとは売場の人は思わなかった)
 

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公世が学生ズボンも買いに来たというと、制服コーナーに連れて行ってくれた。ウェストとヒップを測っている。
 
「あなたの体型ほんと不思議ね。スリムに見えるからW59くらいで行けそうなのに、これならW66を買った方がいいね」
 
と言って、1本出してくれるので試着してみると、わりとピッタリである。膝を曲げてみてもきつくない。そもそもストレッチ素材なので、体型が多少イレギュラーでも何とかなるようである。
 
「これでいいみたいです」
 
お姉さんも公世の身体に触ってみて
「大丈夫みたいね」
と言った。
 
(公世がペニスを後ろ向き収納しているので、前に出っ張りがなく、女の子のフォルムに見えるので、お姉さんはやはり公世の性別に気付かない)
 
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「じ。これ2本下さい」
 
ということで、1本3800円の学生ズボンを2本買って帰った。
 
それで公世は翌日からもワイシャツ(?)にズボンという格好で学校に行くことができたのであった。
 

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この日の夕方、玲羅は晩御飯を作っている最中の千里姉に訊いてみた。
 
「お姉ちゃん、剣道の大会で銅メダル取ったんだっけ?」
「私が?剣道の?私、剣道なんて小学校でやめちゃって、中学に入ってからは全然してないよー」
「そうだっけ?」
 
どうも、このお姉ちゃんは、“剣道をしている”お姉ちゃんとは、別のお姉ちゃんのようだ、と玲羅は思った。
 

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24日の夕方、バスケ部の2年生・中谷数子は帰りのバスで剣道部の沢田玖美子を見掛けたので声を掛けた。
 
「ちょっと千里のことで相談があるんだけど」
 
玖美子は少し考えるようにしてから言った。
「C町まで来ない?P神社に来てるはずの蓮菜も入れて話した方がいいと思う」
 
それで数子は玖美子と一緒にこの日はC町までバスを乗り、一緒にP神社に行く。するとそこにも千里が居るので、あれ?と思う。千里はS町バス停で留萌駅方面に行くバスを待っているのを見たのに。
 
玖美子が蓮菜に声を掛ける。
「蓮菜ちゃん、ちょっと秘密の相談をしない?」
「・・・いいけど」
 

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それで奥の部屋に、数子、玖美子、蓮菜の3人が集まったのである。
 
数子が2人に相談する。
「実はさ、こないだ8月13-15日にバスケ部で合宿やったんだけど、13日に千里に秋の大会に出てねと言った時は『考えとく』という返事だったのに、14日に聞いた時は『私は男子だから女子の試合に出られる訳ない』と言うのよ」
 
「ああ」
 
「これまでも千里は大会まで来ても試合前に『私は男子だから出られない』と言う時と、別に何も言わずに出てくれる時とあって、どうもよく分からないんだけど、もしかして千里って二重人格とかの傾向ある?」
と数子は訊く。
 
「多重人格というより、千里自身が多数居る」
と蓮菜は言い、玖美子も
「うん。その認識で合ってる」
と言う。
 
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「千里は最低でも15人くらい居ると思う」
と蓮菜が言う。
 
「赤・青・黄色、緑・オレンジ・ヴァイオレット、紫・オリーブ・青緑、黒・白・灰色、金・銀・銅」
と蓮菜が言うので、玖美子は先日沙苗が言ってたのより増えてるなと思った。
 

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「ヴァイオレットって紫じゃないの?」
「全然違う色だよ。虹の七色の端は元々ヴァイオレット=すみれ色。だから昔はUV Ultra Violet は菫外線(きんがいせん)と言ってた。戦後、菫の漢字が当用漢字に入らなかったので、紫で代用して紫外線と言われるようになった。紫=パープルはこういう色、すみれ色=ヴァイオレットはこういう色」
と言って蓮菜は携帯に表示してみせる。
 

 
「結構違う色だね」
「すみれ色は太陽光のスペクトルの中で最も周波数の高い色。赤が最も周波数の低い色で、単色光は全てその途中の周波数。すみれ色が端っこだから、その先の紫というのは単色光として存在しない色。つまり原理的に合成色」
 
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(↑周波数境界は目安)
 
「よく分からん」
 

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「でもなんで、そんなに千里がうようよいる訳?私、複数の千里を同時には見たことないよ」
 
「各々の千里が一定距離以内には近づかないように調整している人物がいるのだと思う」
「うむむ」
 
「個人的にはそれを千里スーパーと呼んでいる」
と蓮菜が言うので
 
「16人目が出たぁ!」
と玖美子は言った。
 
「千里が昨日言ったことを今日は全く覚えていないのは複数の千里が出没しているからだよ」
 
「うーん」
 

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「だいたい、数子ちゃん、千里が8月13日から15日にバスケットの合宿に出たと言ってたでしょ?」
「うん」
「その時期、千里は私や沙苗とかと一緒に旭川で剣道の合宿をしていた」
「うっそー!?」
「そして13日と14日で千里の言うことが違ったということはそれは別の千里ということ」
「なるほど。そういうことか」
「恐らく旭川に居たのが千里レッド、13日に合宿に出たのが千里イエローで、14日に出たのは千里ブルー、15日に出たのは千里ブラックが千里ヴァイオレットと見た」
と蓮菜が言っている(かなり鋭い!!)。
 
「他にも、7月17-18日はP神社とQ神社で例祭が行われた。千里はどちらの例祭にも巫女として参加している」
 
「はぁ!?」
 
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「ところが、17-19日にも、私は千里と旭川で剣道の合宿をしていた」
「え〜〜〜!?」
 
「過去の様々な事例を研究すると、千里は最低3人は同時に稼働している」
と蓮菜。
「でもその前後の移動時間とかまで考えると、最低でも5〜6人は居ないと説明できないことが多いんだよね〜」
と玖美子。
 

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「私は暫定的にP神社によく居る千里を千里Yellow, Q神社で笛を吹いている千里を千里Blueと呼んでいる。Yellowは黄色い髪ゴムをして、黄色い腕時計をして、黄色い携帯を使っている。Blueは、青い髪ゴムをして青い腕時計をし、携帯は持っていない」
 
「あ、その携帯の件も疑問だった」
 
「バスケット部に参加しているのはそのBlueだよ。貴司君と付き合っているのもその子。貴司君と付き合っているから、バスケ部に参加することになって、Q神社にも行っている」
「その子は試合に出てくれない子?」
「そうそう。このBlueだけは、なぜか自分が男だと思っている」
 
「その性別の問題も疑問なんだけど。千里って男なの?」
「生まれた時は男と判定されて出生届けが出された。でも千里の性別は元々曖昧だったんだよ。半陰陽とは少し違うんだけどね。それでやはり女だということになって、性別は法的に訂正された。だから今の千里は女だよ」
 
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と蓮菜が言うと玖美子が頷いている。
 
実は千里の性別のことを正確に把握している友人はこの2人だけなのである。
 
「だったら女子の試合に出られるよね?」
「出られるよ。全く問題無い。でもBlueは自分の性別が女に訂正されたことを忘れている。だから自分は戸籍上男だと思い込んでいる」
 
「そんな大事なことを忘れるわけ〜〜〜!?」
と数子が呆れて言うと
 
「だって千里だもん」
と蓮菜と玖美子。
 

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「剣道部に居る千里は赤い髪ゴムをし、赤い腕時計をして、赤系統の携帯を使っている。これを私は仮に千里Redと呼んでいる。実際には、もっと多くの千里が入り乱れていると思うんだけど、出現頻度は少ない」
 
「沙苗が千里Greenに何度か会ったことあるみたい。緑の携帯を使ってたって」
「ほほぉ。でも携帯が緑なら、赤・青・黄とは別人だ」
「ね?」
 
「でもめったに見ない」
「うん。私も自分では緑の子を見たことない」
 
「だから、千里は3人だと思っていても、そんなに大きな問題はないと思う」
と蓮菜が言うと、玖美子も頷いている。
 
「まそれで、バスケット女子の試合に出てくれる可能性があるのは、千里Yellowか、千里Redだよ」
「ほほぉ」
「千里Blueは絶対に出ない。男なのに女子の試合に出るのは不正行為だと思っているから」
「でも女子なんだよね?」
「そこが面倒な所で」
と蓮菜は言う。
 
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「ん?」
「実は千里Blueには、男の千里Blueと女の千里Blueが存在する」
「へ!?」
「17人目が出たな」
と玖美子。
 

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「千里が半陰陽とは違うと言ったのは、半陰陽というのは身体の形が男なのか女なのか曖昧なんだけど、千里の場合は元々男の千里と女の千里が重なっているような感じだったんだよ。でも成長するに従い、男の千里はほとんど出なくなってきた。でも最後まで残っているのが男の千里Blueなのかも」
このあたりは蓮菜も自信が無いようだ。
 
「両者は胸のサイズで区別できる。女の千里Blueは千里Redと同じくらいのバストでCカップあるけど、男の千里BlueはAカップくらいしかない」
と蓮菜。
 
「抱きしめて胸に触ってみれば分かるな」
と玖美子。
 
(胸に触るだけなら、わざわざ抱きしめなくてもいい気がする)
 
「男でもAカップあるんだ?」
「私の仮説だけど、千里たちは体液を共有している。圧倒的に女の千里が多いから、ホルモン的には女性ホルモンが圧倒的に優位で、男の千里も次第に女性化していく」
と蓮菜。
 
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「それなら全員女になるのは時間の問題だな」
と玖美子。
 
「体液共有しているから、誰かひとりにお酒を飲ませるとたぶん全員酔っ払う」
「それ試してみたーい!」
 
「でも女の千里Blueも、自分は戸籍上は男だと思い込んでいる」
「うーん」
 
「秋の大会に千里に出てもらうには、YellowかRedを誘い出せばいいよ」
と玖美子。
 
「但しどちらも普段の練習には参加しないよ。Yellowはここの神社の主力巫女になってるし、Redは剣道に夢中だから」
と蓮菜。
 
「それは構わない。この際、試合にだけ出てくれればいい」
と数子。
 
「Yellowの方が誘いやすいと思う。身体能力が大きいのは剣道で全国3位になったRed。きっと腕力なんかも、るみちゃんより強い。だけど、剣道自体に夢中だからね。Yellowは身体能力では落ちるけど、部活はしてないから、連れて行きやすい」
 
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「今ここの神社に居るのがYellowだよね?」
「そうそう。そしてそれが多分13日に合宿に出た子」
「よし。勧誘しよう」
と数子は嬉しそうに言った。
 
それで3人は勉強会をしている部屋に戻った。
 
そして数子は千里の傍に行き言った。
 
「千里ちゃん、こないだのバスケの合宿はお疲れ様」
「うん。私も少し運動不足だったから、いい汗流せたよ。神社が忙しいから1日だけで失礼したけど」
と千里が言っているので、これはやはり蓮菜が言ってた通り、13日に合宿に出た子だと数子は確信する。
 
「それでさ。9月11日・土曜日にバスケットの大会があるんだけど。助っ人に出てくれない?」
 
「9月11日?」
と言って、千里は手帳を確認する。
 
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この千里はダイアリーまで黄色いんだな、と数子は思った。(小春たちがそういう色のを各々の千里に渡しているため)
 
「大丈夫だよ。その日は特別な用事は入ってないから、神社は1日くらい休ませてもらえばいいし」
「ありがとう!よろしく」
 
数子はこれで今年は優勝も夢では無い。北北海道大会に行けるかも、と思ったのだが、事態はそううまくは進まなかったのである!
 
 
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女子中学生・ミニスカストーリー(16)

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