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■女子中学生・ミニスカストーリー(11)

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個人戦の参加者は47都道府県から2名ずつと、開催地の栃木県からは更に2名追加されている(都合4名)ので、男女とも各々96名である。それで試合進行はこのようになることになる。
 
1回戦 32試合(64->32)
2回戦 32試合(64->32)
3回戦 16試合(32->16)
4回戦 8試合(16->8)
準々決勝 4試合(8->4)
準決勝 2試合(4->2)
決勝 1試合(2->1)
 
96名の内、32名は2回戦から、64名は1回戦からになる。千里のような都道府県予選を2位(以下)で通過した人はもれなく1回戦からだが、1位通過した人47人の内32人が2回戦からで、15人は1回戦からである。どちらになるかは抽選次第。清香は1回戦不戦勝になっていた。なお男子で公世も2位通過なので1回戦からである。
 
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アリーナには試合場が8つ設定されているので8試合ずつ進めていくことができる。1回戦・2回戦の32試合も4交替で終わってしまう。例によって女子1回戦→男子1回戦→女子2回戦→男子2回戦、のように男女交互にやって休憩時間が取れるようにしている。
 
↓進行予定表(1試合7分計算。あくまで目安なので実際には前後する可能性があることが注意されている)
 
9:30女子1回戦(32)
9:58男子1回戦(32)
10:26女子2回戦(32)
10:54男子2回戦(32)
11:22女子3回戦(16)
11:36男子3回戦(16)
11:50女子4回戦(8)
11:57男子4回戦(8)
12:04お昼休み
12:40女子準々決勝(4)
12:47男子準々決勝(4)
12:54休憩時間
13:00女子準決勝(2)
13:07男子準決勝(2)
13:14休憩時間
13:20女子決勝(1)
13:27男子決勝(1)
13:34end
14:00表彰式
 
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千里は1回戦は他県の2位の人とであった。千里は30%くらいのゲージオープンでこれに軽く勝って、まずは2回戦に進出した。しかし初戦から30%も開けないといけないのが、さすが全国大会だなと思った。
 
さて公世だが、例によって試合場に入った所で進行係の人から
「君、今は男子の試合だよ。女子の試合時間じゃないよ」
と言われる。岩永先生が
「すみません。この子、女に見えるけど男子です」
と言って、公世に剣道連盟の登録証を呈示させて男子であることを主張する。(もはや「女に見えるけど」と言われている)
 
「女子なのに男子として登録してるの?」
などと進行係の人は言っていた!
 
ともかくも試合が始まるが、相手も
「この子、女子だよね?」
と思った感じがある。だいたい公世は(男子としては)背が低いし体格も華奢である。それで相手は手加減する感じになってしまった。
 
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そこに公世の鋭い小手が決まる。
 
この時、公世の「小手〜!」という声を聞いて、相手は「やっぱり女じゃん」と思った。
 
しかし1本取られたことで向こうも
 
「女ではあっても都道府県予選を男子として勝ち抜いてきた奴だ。あなどれない」
と思い直し、“やや本気”になる。
 
しかし公世はとにかくフットワークが良い(公世は普段にも増して身体が軽くてよく動く気がした)。それで相手の1本が決まらない。焦ってきた所で公世の面が決まり、公世はまず1回戦に勝利することができた。
 
「君強いね。男子の部に出たい訳が分かったよ」
と向こうは試合後、完敗の弁を語っていた!
 

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2回戦が始まる。
 
千里の相手は他県の1位の人だったが、やはり30%くらいの感じで2本取って勝った。清香は他県の2位の人で、1分で2本取り、初戦をものにした。これで2人とも3回戦進出(Best32)である。
 
公世はまたもや試合開始前に対戦相手から
「ちょっと待って下さい。なんで女子がここにいるんですか」
と言われたが、審判さんは
「彼女は男子の部にエントリーしていますので」
などと言っていた! もう完全に“彼女”と言われている。
 
それで相手は「やりにくいなあ」などと言いながらも対戦する。彼も1回戦の人と同様に、最初は少し手加減気味である。更に接近戦になった時に、公世から女性特有の甘い香りを感じて、一瞬「うっ」と思った。それに胸に膨らみがある気がするし。
 
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公世の色気にくらっと来たところで、引き際に公世の面が鮮やかに決まる。
 
「めーん!!」という高い声を聞き、今、女の香りを感じたこと、胸に膨らみがあることで、この相手は公世が女であることを確信する。
 
しかし1本取られたので
 
『女とはいえかなり強い奴だ。現代の巴御前?』
などと思い直して“結構本気”になる。
 
しかし公世はフットワークで常に動き回っているので攻撃のタイミングが全く読めない。それで2分ほど経った所で鋭い踏み込みから公世の小手が決まり2本勝ちである。
 
試合が終わった後、相手は
「君、ほんとに強いね。女子の部に出たら優勝できるよ。でも強い男たちの間で揉まれて自分を鍛えたいの?」
などと言っていた!公世が男という可能性は全く考えていない!
 
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これで公世もBest32である。
 
北海道もうひとりの代表・西田君も1回戦・2回戦を勝ってBest32に残っているので、北海道代表の4人が全員Best32である。この段階で男女とも4人が残っているのは北海道・東京・大阪の3つだった。
 

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男子の2回戦が終わって、女子の3回戦が行われている間に、公世はトイレに行って来ようと思った。今日は袴の下に黒いジャージのショートパンツ(やはりブルマなのでは?)を穿いているので、控え場所で袴を脱ぎ、トイレに行こうとする。すると玖美子が
「あ、私も一緒に行く」
と言って、一緒にトイレに向かう。
 
玖美子は出場しないので、今日はセーラー服である(表彰式に付き添う可能性も考えての選択)。
 
それでおしゃべりしながらトイレまで行く。入口のところで公世が
「じゃ」
と言って、男子トイレに入ろうとすると
「こら何やってる」
と言って、玖美子にキャッチされる(胸に触られた気がした)。
 
「だからトイレ」
「公世ちゃんは女の子なんだから、ちゃんと女子トイレに入らなきゃ」
「えっと・・・」
「試しにそちらに入ってみなよ」
と言うので、公世が男子トイレに入ろうとしたら、1回戦で当たった人とお見合いになる。
 
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「わっ。君、こちらは男子トイレだよ!君、男子の試合に出るのはいいけど、トイレはちゃんと女子トイレを使わなきゃ」
などと言われる!
 
玖美子が近寄って来て
「すみませーん。この子、近眼なんです」
と言って、腕を組み、公世を女子トイレに連行した。
 
だいたい、公世の体格でブルマ穿いてたら、誰の目にも女子にしか見えない!
 
それで女子トイレの個室を使ったが、個室の中ではブルマを下げてパンティを下げるだけだから、トイレがとっても楽である。このやり方いいな。これからはこのやり方にしようかな、と公世は思った。
 
そしておしっこの出たあたりを拭き、パンティとブルマを穿いて水を流してから個室を出る。手を洗っている所で玖美子と一緒になり、並んで控え席に戻った。
 
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どっちみち、ぼく今後はもう女子トイレしか使えないのかなあ、などと公世は悩んでいた。
 
学校ではどうすればいいんだろう?と思ったが、大会が終わってから考えることにした。
 

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3回戦。
 
このあたりからだんだん敵も強くなってくる。千里の相手は武田さんという人である。物凄いオーラを帯びていた。千里は竹刀を持って蹲踞の姿勢で相手を見た時「この人かなり強いな」と思った(実は優勝候補の1番手だった!つまり今大会に出てる人の中で最強の人だった)
 
パワーゲージを40%にあげた。武田さんはスピードではこちらより劣るものの、攻撃にシャープさがある。何度も1本取られそうになるが、巧みなフットワークで回避していく。「この人、ほんとに強い」と思い、パワーゲージを50%まで上げる。それで2分ほど経過したところで何とか面で1本取ったものの、ギリギリで1本が成立した感じだった。
 
その後も彼女の鋭い攻撃が来るが、それを何とかかわしていく。そして終了間際、向こうが面打ちに来た所を竹刀で防ぎ、そのまま面打ち。
 
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これが決まって何とか2本勝ちしたが、竹刀で相手の打撃を止めた時に凄い衝撃があった(*9)。一瞬手がしびれた。この人、パワー自体はそれほどでもないのに、こんなに鋭い面打ちをするなんて、と千里は上位陣の強さが“別次元”であることを認識した。
 
私はまだまだこういう部分を強化しないといけないなあと対戦を終えて思った。
 
しかしこれでBEST16である。
 
(*9)千里を含め上級者は相手の防具表面に“当て止め”をするが、途中を受け止めた場合は、大きな運動量が乗った竹刀を強引に止めるので、防具表面に受ける衝撃より遙かに大きい衝撃がある。それで↓のようなことになった。
 

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清香も強敵に苦労していた。1分ほど経った所で1本取られるが、終了間際に相手の面打ちをかわして返し胴を取り、延長に持ち込む。そして延長の終わり付近で鋭い踏み込みから小手を取り、何とか勝利した。
 
清香は対戦後思わず首を振って「強ぇ〜!」と小さな声をあげた。
 
しかし清香もこれでBest16である。
 
この段階で、女子で代表2人がともに残っているのは北海道と東京だけである。他の都道府県で残っている人は全員府県1位で出て来た人ばかりである。
 
「千里その竹刀見せて」
と玖美子が言うので見せる。
 
「折れてる」
「え〜〜〜!?」
「武田さんの面を受け止めた時に折れたんだろうね。何か変な音したもん」
「ひぇー。でも竹刀2本持って来てて良かった」
「じゃこちらの折れた竹刀は私が預かるよ。間違えないように」
「よろしく」
 
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玖美子はその竹刀にマイネームで大きくX印を書き込んでいた。
 

男子の方で西田君はここで強敵に当たり負けてしまった。彼はBest32で終了である。
 
公世はまたまた相手(西田君の相手以上に強い人だったと思う)が「女じゃん」と思って、最初やや甘く見ていた隙に、きれいに面を1本取る。例によって「めーん!」という公世の声に「やはり女だよな?」と相手は思う。更にすれ違い様に“女の香り”を感じたし。
 
しかしその後は向こうも真剣度が上がり、全開に近くなるので、公世は防戦一方になった。しかしこの1ヶ月、鍛えに鍛えたフットワークでひたすら相手の攻撃をかわし続ける。
 
結局そのまま時間切れ。
 
公世は1本勝ちで、Best16に進出した。
 
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4回戦は8試合なので、女子の4回戦8試合が同時に始まる。
 
千里は3回戦の相手同様に50%くらいの感じで対戦したが、わりと簡単に2本勝ちできたので拍子抜けした。どうもさっきの人が物凄く強かったようだと認識する。
 
清香は全開であったが、彼女の相手も3回戦の相手ほど強くはなく、時間内で2本勝ちできた。
 
これで2人ともBest8に進出である。
 
女子の4回戦8試合の後、男子の4回戦8試合も同時に行われる。公世の対戦相手は「なぜ女が男子の部に出てる?」とは思ったものの、ここまで勝ち上がってきた相手である。女だからと思ってなめてはいけないと思った。それで女というのは忘れて、全力で行こうと思った。
 
それで相手は全開で来る。しかし公世は巧みなフットワークで相手の攻撃をかわしていく。一応こちらからも攻撃に行くのだが、9割方相手が攻めて、こちらはひたすら逃げる感じにはなった。しかし2分半ほど経ったところで自分の攻撃がなかなか決まらないのに焦った相手が、やや強引な面打ちに来た。
 
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そこをすさかず返し胴で1本取る。
 
向こうは1本取られたのでますます強引な攻めをしてくる。結果的に隙もできる。それで終了間際に小手を1本取って、公世は2本勝ちで、Best8進出を決めた。
 
(今大会で公世は小手での1本が多い)
 

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女子中学生・ミニスカストーリー(11)

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