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■女子中学生・ミニスカストーリー(9)

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(C) Eriko Kawaguchi 2022-08-19
 
2004年8月15日(日).
 
小樽の杉村家では、道内数ヶ所に散る親族60人以上が集まって、共同でお盆の行事をした。毎年やっているが、ここまで多くの人数を集めたのは10年ぶりである。そして10年後は多分もっと大規模になる。
 
旭川杉村家の当主・杉村八助も奧さん、子供の蜂郎・松郎・浪子、およびその配偶者、子供たち(八助の孫たち)まで連れて大型バス!で小樽に行き、この行事に参加した。八助の弟・妹やその子供・孫たちまで入れて30人近くになる。中には仕事などで欠席した人もあったが旭川系だけで親族の半数近くを占めていた。
 
札幌から来た親戚から言われる。
「蜂郎さんの所は男の子2人と女の子1人ですか。なんか理想的な男女構成ですね」
「そうですね。でも色々頭が痛いこともあって」
などと蜂郎は言っていたが、
 
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「頭の痛いことって、私のことかなあ」
と高校の女子制服を身につけた、古広(こひろ)は思っていた。
 

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行事が終わると、各自地元に戻る。札幌で大学生をしている真広(まひろ)は札幌組のマイクロバスに同乗させてもらい、札幌の自宅アパートに戻った。
 
「親戚と話をするのは疲れるけど、運賃がタダなのがいいなあ」
などと彼は思っていた。
 
「真広君、美男子だね。もてるでしょ?」
「そんなことないですよー。初広兄は彼女いるみたいだけど、ぼくは彼女とかできたことないです」
「彼女とか居ないなら、うちの娘を嫁にもらってくれない?」
「すみません。理系で勉強が忙しいから、女の子との交際までできないです」
「何学部?」
「理学部ですー」
「理学部は忙しそうだ」
 
「将来は学校の先生とかあるいはコンピュータ関係?」
「理学部って潰しが効くから、様々な分野に就職してるみたいですね」
「確かに潰しが効きそうだ」
 
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一方、初広(はつひろ)と古広(こひろ)は両親などとてもに旭川に戻った。
 
翌日8/16、高校生の古広が可愛いワンピースを着てお化粧までして、お出かけの態勢なので、母の律子が声を掛けた。
 
「お友達か何かと待ち合わせ?」
「ううん。ユミちゃんとデートだよ」
「ああ、あの子ならいいわ。何か良さそうな子ね」
 
母は一度2人のデート場面に偶然遭遇したことがある。明るくて気持ちいい感じの子だった。むしろこんないい子が、よくうちの古広と・・・と思った。
 
「ぼくのこと、性別を気にせず付き合ってくれるし、いい子だよ」
 
母は急に心配になった。
 
「あんたセックスしてるんだっけ?」
「そりゃ4ヶ月も付き合ったらセックスくらいするよ」
 
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うーん・・・最近の若い子の感覚はこうなのだろうか。でも相手は女子大生だし、自分のことは自分で責任持てるよね?(それでも向こうのお父さんが怒鳴り込んで来たらどうしよう?という不安はある)
 
「ちゃんと避妊してるよね?」
「避妊はしないけど、妊娠させることはないから大丈夫だよ。じゃね」
と言って、古広は出掛けてしまう。
 
「避妊しないけど妊娠させることはないって・・・・あの子、やはりもう睾丸取っちゃったのかしら?」
と母は思ったが、まあいいかと思った。
 
お兄ちゃんが2人いれば、どちらかで跡継ぎはできるだろうし、お父ちゃんも古広のことは諦めの境地みたいだし。
 
(↑甘い!!)
 
でも睾丸無くてもセックスってできるんだっけ??今一(いまいち)男の子の構造は分からないわあ、と母は思った。
 
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2004年8月15日(日).
 
小樽の佐藤家では、昨年12月に死亡した小登愛(おとめ)の初盆供養が行われた。どこにも報せずに完全に身内だけでおこなったが、義浜配次と左座浪源太郎、天野貴子からは御花代が送られてきていた。
 
小登愛たちの父の姉の娘・田中音香(26)は母の名代でこの法事に出席した後、帯広に帰ろうとしていた。それで小樽駅で切符を買おうとした時
「すみません、小登愛さんの従姉さんでしたっけ?」
と声を掛けられた。
 
30歳くらいの“仕事のできそうな”女性である。着ている服もモリ・ハナエでエルメスのバッグを持っているし、経済的にもゆとりがありそうだ。
 
あ、この人は葬式の時にも見たぞと思う。あの時は喪服だし地味なバッグを使っていたけど。
 
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「小登愛ちゃんのお友達でしたね。もしかして初盆にいらしたんですか?」
「彼女とは仕事仲間だったので、お墓参りだけさせて頂きました。法事はお身内だけでなさっていたようでしたので、ご遠慮しました」
「そうでしたか」
 

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それで結局、駅構内のカフェに入り、少し話した。
 
「あの子が“おとめ”で、私が“おとか”で“おとおとコンビ”とか、親戚の集まりの度に言われてたんですけどね」
「偶然似た名前になったんですね」
「そうなんですよ。小登愛ちゃんの名前を付ける時、私と名前が似てしまうことに、佐治夫さんが全く気付かなかったらしくて」
「へー」
「元々あの人、何でもうっかり屋さんだから」
「あ、そんな気がした!」
 
「でもコンビの片方が逝っちゃったら寂しいね。まだ若かったのに」
「ほんとほんと。人生これからだったのに」
と言って、音香が何か辛そうな顔をしたので
 
「どうかしました?」
と貴子は訊いた。
 

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「いえ。こんなこと他人様(ひとさま)に話すことじゃないんですけどね」
「むしろ無関係の他人だから話せるかもよ」
「そうですよね!」
と言って、音香は話し始めた。
 
「小登愛ちゃんと私って、約半年違いで結婚して」
「親戚の人は御祝儀が大変だ」
「だったと思います!」
 
「どちらも結婚でトラブって」
「お姑さんか何かの問題?」
「小登愛ちゃんはそれでブチ切れて離婚しちゃったみたい」
「ああ」
 
別れちゃえ、別れちゃえ、と煽ったのは私だけどね。
 
「私も義母と激しく衝突したけど、夫が絶対的な私の味方になってくれて」
「それはいい人と結婚したね」
「ほんとに思いました。でも困ったことがあって」
「何があったの?」
 
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「私ってわりと背が高いでしょ?」
「そうだね。173cmくらいかな。でもモデルさんとかにはもっと高い人たくさん居るよ」
「そうそう。夫もそう弁護してくれたんてすよ」
「うん」
「でも義母は『あんた、女にしては背が高いし、実は男なんじゃないの?だからまともに御飯も炊けないんじゃないの?』とか言って」
 

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「性別と料理は関係無いと思うけど」
「ですよねー。でも実際私、料理ほとんどまともにできないんですよ」
「あらあら」
「でも夫は『気にすることないよ。料理はぼくが作るから掃除とか洗濯とか頼む』と言ってくれて」
「ほんとうにいい彼氏だ」
 
「そう思います。それで夫は『この子が女だという証拠に3年以内に子供作りますから』と言ったんですけど、どうしてもできそうになくて」
「あらあ」
「婦人科で見てもらったら、私卵管閉塞らしいんです」
「狭窄じゃなくて?」
「水を通すテストとかしましたけど、通りませんでした」
「左右とも?」
「そうなんです。だから卵子が子宮まで来られないから、妊娠は無理だと言われて」
 
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「でもそれなら、卵巣から直接卵子を採取して、試験管内で受精させて子宮に戻す方法が採れるはず」
 
「それ言われたんですけど、費用がかなり大変みたいで、夫はそんなに収入があるほうではないので、厳しいみたいで、保留にしてるんですよ」
 

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貴子は言った。
 
「小登愛ちゃんのね。成熟した未受精卵が冷凍保存してあるんだけどね」
 
ほんとは卵巣まるごと“ライブ保存”してるけどね。
 
「そんなのがあるんですか?」
「私と取引しない?」
「取引?」
 
「私は小登愛の子供が欲しい。だから、あなたの夫の精子を小登愛の卵子に受精させて1度それで、あなた子供を産んでくれないかしら。産んだ子供はあなたが自分の子供として育ててもいいし、私に引き渡してもいい。私としては小登愛の遺伝子を継ぐ子がこの世に存在してくれたらそれでいいから。報酬はどちらの場合でも2000万円払う」
 
「2000万!?」
 
「これは代理母だから、代理母の報酬はそんなものだよ」
「・・・」
 
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「そしてその報酬をもらったら、今度はあなた自身の卵子を採取して、再度試験管受精して妊娠しない?そしたら、あなたと夫の間の本当の子供が作れる。2000万円もあれば、体外受精の費用くらい払えるよね」
 
音香はしばらく考えていた。
 

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「その話乗ります。但し条件があります」
「うん」
 
「私、小登愛ちゃんとは凄く仲良かったんです。だから彼女の子供なら、自分の子供と分け隔て無く育てる自信あります。私の子供として育てさせて下さい。それに私と小登愛ちゃん、元々顔立ちも似てたし、血液型も同じAB型だから、DNA鑑定でもしない限りバレません」
 
「いいよ。私は小登愛の子供がこの世に生まれるだけで充分だから」
 
(実を言うと小登愛の孫に期待している。霊的な能力は隔世遺伝する。千里が“寿命で死んだ後”の“遊び相手”にきっと、ちょうどいいかもと思っている)
 
「そしてその子の出生の秘密は私と貴子さん2人だけの秘密にさせて下さい」
「それでいいよ」
 
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それで音香は貴子と握手したのであった。
 
(貴子が立派な身なりなので音香は簡単に信じちゃった。身なりは大切)
 
ちなみに、きーちゃんはエイリアス使いなので、旭川で合宿する千里たちをサポートしているのとは別のエイリアスを小樽に飛ばして、音香との“遭遇”を演出した。むろん音香が妊娠できない問題で苦境に陥っていることは事前に察知してこの計画を練ったのである。
 
そして貴子は旭川で合宿中の沙苗の身体の中にシールドされて密かに収納されている小登愛の卵巣からちゃっかり卵子を採取して、帯広に持ち込んだのであった!
 
(適当な人が見付からなかったら灰麗に強引に産ませることも考えていた。男の子に妊娠させるというのは250年ほど前にやったことがある。ただ灰麗は年齢的にも厳しい。前やったのは(数え)17歳の男の子で、元々女の子にしか見えない子だった。妊娠したことで乳房が膨らむなど、完璧に女性化したので、本人同意の下、男性器は妊娠中に除去した。博識の和尚が「中国で昔、女が男に変わったことがあったことが古い本に記載されている」と言うので、性別が変わることは希にあるようだということになり、村長の決裁で人別帳も女性に変更された)
 
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8月16日(月).
 
真広は朝爽快な感じで目が覚めた。
 
なんかぐっすり眠れたみたい。今日から月末までバイトだし、頑張ろう。
 
理学部は忙しいので通常の学期中のバイトは困難である。それで夏休みに少しバイトをしようと思っていた。ハンバーガー屋さんの店舗で裏方の調理補助をする予定である。面接に行った時、採用と言われた後で
「え?君男の子だったの?」
などと言われて、店長さんは少し悩んでいた。どうも女性クルーが欲しかったようであった。
「まあいいや。君、お料理は得意ということだし、調理の補助をしてもらって、誰か調理スタッフのおばちゃんを表に回そう」
などと店長さんは言っていた。
 
まあ女の子と間違われるのは小さい頃からだから気にしないけどね!
 
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「女の子になったら?」と言われたことはたくさんあるけど、弟(もはや妹かも)の古広を見てると、自分まで女の子になっちゃったら、お父ちゃんに悪いと思う。それに自分はとても古広みたいに堂々と女の子の格好で学校に通う勇気は無いし。
 

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