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■女子中学生・ミニスカストーリー(19)

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道田さんもそこを見たいということだったので、ロッテリアでお昼を食べた後、道田さんがセレナをそのまま運転して、留萌に移動することにした。千里はまた瑞江に頼むつもりだったのだが、瑞江に電話して、道田さんが留萌に行くことになったから、取り敢えず留萌への運転は不要と伝えた。
 
「でも後でセレナの回収が必要ですよね」
「それなんだけど、私、今夜また旭川に出てくることになってて」
「え〜〜〜!?」
「それは誰か留萌で人を頼むけど、セレナはそれで旭川に持ってくるから回収は不要だよ」
「分かりました。お気をつけて」
 
それで瑞江はこの日はこの後、オフとなり、天子とのんびりアパートで過ごすことになる。
 

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千里は瑞江に休んでもらうことにしたので、今夜の旭川への再移動は、カノ子あたりに頼もうかと思った。ところがそこに電話が掛かって来たのである。
 
「お疲れ様です。櫃美です」
「お久しぶり〜。元気?」
「はい。おかげさまで。それでですね。今夜、千里さん、留萌から旭川に移動なさいますよね?」
「うん。よく分かったね」
「それでそのドライバーをしてあげてと、さるお方から頼まれたのですが、何時頃お迎えに行きましょうか」
 
「さるお方って、あのお方かな?親切だね〜。じゃさ、17時半くらいに、以前墨野道場と言っていた場所なんだけど」
「貴子さんが買った場所ですよね?」
「そうそう。そこ。そこに来てもらえる?車はそこに駐めてあるセレナを使ってもらいたいんだけど」
「分かりました。では17時半に」
 
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ということで千里Rは今夜旭川に舞い戻る足を確保するとともに、セレナの回収もできることになった。そこで瑞江には留萌から旭川へ運転してくれる人が見付かったのでセレナの回収不要というメールをしておいた。
 
しかし、なんかうまく行きすぎてるなと千里Rは思った。でも気にしないことにした!
 
千里は小さい頃から“予定調和”が多いが、それは千里の能力?が起こしている天然のものと、誰かが頑張って調整した結果起きているものとがある。
 

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ロッテリアでの食事はまだ続いていた。清香と公世が追加オーダーし更にハンバーガーやリブサンドを食べていた。
 
「解像度?」
 
と清香は“5個目”のハンバーガー(リブサンドを含む)を食べながら、千里(R)に訊いた。
 
「大会で上位の人たちと対戦していて、私たちと優勝候補の人たちって解像度がいちばん違うと思ったんだよ。空間の加増度と時間の解像度」
 
「ほほぉ」
 
「時間の解像度で言えば強い人たちって、竹刀を振り始めてから当たるまでの時間が短い。だから私たちの1.3-1.4倍の速度で目標に到達している」
「あ、それは思った。やはり腕立て伏せとかで腕の筋肉鍛えないといけないよね」
「うん。それはやはり腕立て伏せとか懸垂とかが効くと思う」
 
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「よし、道場の隅に鉄棒を設置してもらおう」
「おお、それは良い」
「ついでに、腹筋運動する時に足を引っかけられる高さ10cm程度の鉄棒もあるといいな」
「あ、それ便利だよね。頼んでおく」
 

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「空間の解像度というのは?」
 
「私って、面を狙うとき、面のどこかに当たればいいと思ってる。そういうのって結局不正確な攻撃になってる。上位陣の人たちはここに当てるという気持ちで攻撃してる」
 
「でもそれは相手の防御体勢によって目標地点は変わるのでは?」
「それは変わっていいんだよ。大事なことは、当てたい場所に当てること。どこかに当たるといいなあという攻撃は結局どこにも当たらない」
 
「下手な鉄砲数撃っても当たらない、という奴かな」
「そうそう。例の諺は間違ってるよね。バスケットとかでも下手な人のシュートって100発撃っても1本も入らないもん」
「ああ、そういう人居る」
 
それはセナのシュートだなと沙苗は思った。あの子は剣道でも空振りが異様に多い。
 
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「でもそれどうやって練習するの?」
「ひとつは素振りの時に竹刀がぶれないように気をつけること」
「それは思ったことある。やはりぶれたらダメだよね?」
「それ何か練習方法無いかなあ」
「真剣で素振りするとかは?」
 
「それ私も思いついたから、個人的に少し練習してる」
「おお、私もやってみたい」
「取り敢えず素振り用に2本、天野道場に用意しといた」
「楽しみだ」
 
玖美子と柔良は「ある成語」が頭に浮かんだもののも口に出さなかった。
 

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「あとひとつ考えたんだけど、目標地点にシールでも貼っておいて、そこに当てる練習とかどうかな」
 
「それ面白いかも知れない」
 
それで千里たちはショッピングモール内の100円ショップに寄り、ザケンナーとか。ワニ・サメ・モグラなどのシールを買ったのである。
 
そして道田さんが運転するセレナに乗って、一行は旭川から留萌に移動した。
 
道中はほとんどの子が寝ていたので、気遣いをした沙苗が眠気防止で道田さんとずっとおしゃべりしていた。また缶コーヒーを開けて渡したり、クールミントガムを開封して渡したりなどもした。
 

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留萌の“天野道場”に到着したのは15時頃である。
 
まずは管理人さんを紹介する。
 
「忌部繭子さんです。彼女も剣道三段くらいの腕はあるよ」
 
「それは凄い」
「忌部です。三段を取ったのは200年くらい前なので、今はかろうじて面と胴の違いが分かるくらいですけど」
「でも経験者だと結構気安いですね」
「まあ私はお茶係ということで」
 
早速練習をするが、千里が提案した“解像度練習”をする。
 
ワニとかザケンナーとかのシールを防具に貼り付け、そこに当てる練習をする。
 
「これは結構厳しい」
「ほんとに正確な攻撃が必要だよね」
「これも基礎練習としてはありかもね」
 
この日、8人は夕方まで、ずっと交替しながら“シールごっこ”(清香命名)をやった。
 
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また対戦してない人が道場の隅で、模擬真剣!を振るう練習をした。普通の日本刀は重さ1kg程度で、竹刀の倍の重さがあるのだが、この模擬真剣は大部分がチタンで作られており、結果的に竹刀と同程度の重さである(チタンは鉄の半分程度の比重)。刃の部分はゴムになっていて、万一人に当たっても死なせる確率は低いようにはなっているものの、絶対に人がいる近くではしないように、とメンバー全員に言った。通常は管理人室の鍵の掛かる倉庫に保管しておいてもらう。
 
しかし模擬真剣とはいっても形が日本刀なので、最初は竹刀のようにまっすぐ振れない。
「これはいい練習になる」
と清香は言っていた。
 

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一応17時で解散する。公世、沙苗、柔良がお母さんに連絡し、各々迎えに来てもらった。公世の母の車に玖美子も同乗して帰る。柔良の母の車に清香も同乗して帰る。そして沙苗の母の車に道田さんも同乗し、道田さんの実家に寄って彼女を置いてから、沙苗と母は帰宅した。セレナのキーは道田さんが千里に返した。
 
千里は<いんちゃん>に頼んでコンビニでサンドイッチとお茶に缶コーヒー3本とクールミントガムを買ってきてもらった。コーヒーとガムはセレナの助手席に置いておく。これで<いんちゃん>は帰す。
 
“真剣”で1人、素振り練習をしながら千里は待った。
 
17時半、櫃美(星子)が訪ねてくる。
 
「お久〜。ほんとすっかり元気になったね」
「ほんとにありがとうございました」
 
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セレナのキーを彼女に渡し、サンドイッチとお茶も渡す。真剣を管理人室の隠し倉庫に入れて、鍵を掛ける。
 
「サンドイッチ食べてから出る?」
「いえ、運転しながら食べますよ」
 
ということで、道場の戸締まりをしてから、櫃美が運転するセレナに乗り、千里Rは旭川に向けて出発した。
 
「コーヒーとガム、助手席に置いといたから適当にね」
「ありがとうございます!」
 
櫃美は名前を「星子」に改めたこともRに伝えた。
「じゃ、“ほしちゃん”でいいかな」
「はいそれで」
 
「疲れておられるでしょう?寝てて下さいね」
と星子が言うので
 
「遠慮無くそうさせてもらう」
と言って、千里Rは2列目にシートベルトをしたまま横になると熟睡した。
 
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(8/28) 19時頃、旭川のきーちゃんの家に到着する。
 
「ありがとう」
「あまり無理をなさらないように」
「うん。心遣い感謝」
 
セレナはきーちゃんの家に駐め、キーもきーちゃんに預ける。そして星子はタクシーでどこかに移動したようである。それで千里Rは、きーちゃんの家に入った。
 
「もう夜になっちゃうのに、ごめんねー」
「いや、こちらこそ忙しいのにごめんね」
 
「銅メダルおめでとう」
「ありがとう」
と言って、もらったトロフィー・賞状・メダルを見せる。
 
「でも傍目にも、千里がどんどん強くなってきているのは分かったよ」
「そうかな」
 

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きーちゃんが夕食を作ってくれていたので、一緒に頂く。
 
「ところできーちゃん、物は相談だけど」
と千里Rは尋ねた。
 
「何だろう?」
「こういうものって無い?」
と言って、千里はある“システム”が無いか訊く。
 
「持ってるよ。千里が小学生の時に色々“いたづら”した時に、“臓器”の一時保存に使った」
 
「それって、どのくらい保存しておけるの?」
「電源さえ入っていれば半永久的に、もつよ。停電とかでも半日くらいは維持できる」
 
「それ1個くれない?」
「いいけど、何に使うの?」
「悪いこと」
「それは楽しみだ」
 

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「え〜〜〜!?女の子になっちゃったって!?」
 
真広は28日(土)の夕方、兄(もはや姉)の初広からの電話に驚愕した。
 
「でもスズカも実は本当はレスビアンだったらしいんだよ。だからやはり男の僕とはやっていけない気がしてきて、別れようと思ってたんだって。でも僕が女になっちゃったから、それなら結婚したいと言って、結婚の約束をした。実際に式を挙げるのは3年くらい先になると思うけど」
 
「・・・・つまりレスビアン婚するということ?」
「結果的にそういうことになる。でも結婚式は“世間体”を考えて、僕は男装してタキシード着て、彼女がウェディングドレス着る予定」
 
真広は“色々なこと”を考えていた。
 
「だから、ぼくが女になっちゃったから、まあちゃん、性転換したかったかも知れないけど、取り敢えず結婚して子供ができるくらいまでは待ってくれないかなあと思って。待ってくれるなら、性転換手術の費用は僕が出していいよ」
 
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えっと・・・ぼくも既に性転換しちゃってるんだけど!?
 
真広は、父がショック死するのでは?と心配になった。
 

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8月28日(土).
 
千里GはVが早朝ジョギングと滝行!の修行をして戻って来た所で
「後はよろしく」
とVに言って、自分で!ライフを運転して旭川に出た。
 
「絶対その内、お巡りさんに捕まると思う」
とVは言っていた。
 
なお星子は“千里B”の振りをして8:00-15:00の間、Q神社にご奉仕に行く。星子が戻ってくるまでは千里Vがひとりで司令室を預かる。
 
「心細いよぉ」
と千里Vは弱音を吐いていた(この子はすぐ弱気になる)。
 
実は先週、美輪子から千里Rの携帯に
 
「剣道大会、銅メダルおめでとう!ところでまた不動産屋さんのCMを撮りたいらしいんだけど、来週は動ける?」
 
というメールが来ていた。Gはこのメールを横取りして、この日は(カーボン竹刀を買いに行くので)都合がつかないRに代わって自分が行くことにしたのである。
 
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撮影が午後なので、朝から天子の所に行ってくることにして、Vが“修行”から戻った朝7時にフルートを持って留萌を出た。そして8時半頃に、旭川に到着し、駅近くの駐車場にライフを駐めると、タクシーで天子のアパートに行き、一緒に朝御飯を食べた。つまり瑞江と入れ違いになっている。
 
※8/28前半の各千里や眷属の動き
 
5:30 &瑞江がRX8でアパートを出る
5:30 ¶Vジョギングに行く。
6:00 &瑞江が旭川駅前でセレナに乗り換え
6:30 ¶V滝行から戻る
7:00 ♪Gがライフで留萌を出る
7:30 〒瑞江が留萌到着。カフェで休憩。
8:00 ●Rや清香がカフェに集合
8:00 ■Bが駅前バス乗り場から札幌行き高速バスに乗る。
8:00 ☆星子がBの振りをしてQ神社に出る。
8:00 ▼千里YがP神社に行き、勉強会を始める。
8:30 ●瑞江がRたちを乗せてセレナで旭川へ出発
8:30 ♪Gが旭川到着。タクシーで天子のアパートへ。
10:00 ●瑞江やRの乗るセレナが旭川駅前に到着。
10:00 &瑞江はRX-8で帰宅。そこにも千里(実はG)が居る
10:00 ●道田が運転して千里や沙苗たちが剣道用具店へ。
10:09 ■Bが札幌に到着。愛子と会い放送局へ。
11:00 ♪浅谷が迎えに来て千里Gは比布町へ。
12:00 ●Rたちが食事をする。
13:30 ●道田がセレナを運転しRや沙苗たちを留萌の天野道場へ。
 
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(8:00の所はバスターミナルとカフェが30m以上離れているのがミソ)
 

Gは天子と朝御飯を食べた後、一緒に笛の練習をしたり、将棋を指したりしていたが、10時頃、瑞江が戻ってくるので、
 
「瑞江さんお帰り〜。早朝からバイトか何か?」
などと千里は言った。
 

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女子中学生・ミニスカストーリー(19)

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