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(C) Eriko Kawaguchi 2022-08-20
公世は玖美子から渡された着替えの女子ショーツとブラジャーを持って浴室に入った。
道着と袴を脱ぎ、袴の下に穿いていた黒いジャージのショートパンツ(やはりブルマかも)を脱ぐ。そしてスポーツブラを外し、パンティを脱いだ。
浴室内の鏡の中に、まるで女の子のようなヌードが映っている。
なんかきれいだなあと思った。女の子の身体って美しい。だから、画家も写真家も女の子のヌードを描き、女の子のヌード写真を撮るのかなあ。男のヌードの絵とか見たことないし、男のヌード写真集なんて無いよね?(←公世が知らないだけ)
ともかくもシャワーカーテンを閉めて浴室内で頭からシャワーを掛けて汗を流す。浴室備え付けのディスペンサーでシャンプーを取り頭を洗った後、これまで使ったことのなかった、コンディショナーの方も掛けてみた。これ多分しばらく置いといてから流すんだっけ?(←ちゃんと使い方が分かっている)
それで先にボディソープで身体を洗う。顔を洗い、耳の後ろを洗い、喉を洗うがこの時、初めて喉仏が無くなっていることに気付いた。丸一日この身体になってて全然意識してなかったけど。
胸を洗う。
ドキドキ。
おっぱいって、柔らかいんだなあと思う。沢田(玖美子)さんが
「おっぱいは液体だ」
と言ってたけど、そうかもという気がした。まるで焼きたてのパンみたいに柔らかい。女の子っていつもこんなおっぱいを触っていられるっていいなあ。
乳首に触ると結構“感じる”ので更にドキドキする。
いつまでも胸ばかり触っていられないので、脇を洗い腕を洗い、このあたりで一度流す。その後、お腹を洗い、お股を洗う。
ドキドキ。
これ“中まで”洗わないといけないんだっけ?
よく分からなかったが、手にボディソープを取り、開いて中を優しく洗った。物凄く“感じる”場所がある。
これが伝説のクリトリスか!
と思い至る。その向こう側に、たぶんここがおしっこの出る所かなと思う所、そしてこれが多分ヴァギナかもと思う所がある。
ヴァギナの中に指とか入れちゃいけないよね?たぶん。
それでそこは手を付けずにシャワーを当てて洗い流すだけにした。洗っていて、“シャッター”は二重になっていることに気付き、2枚のシャッターの間もシャワーを当てながら洗ったが、なんか触ると気持ちいい気がした。
その後、足を洗い、最後に髪のコンディショナーを洗い流し、身体全体を洗って終了。その後、浴槽の側面・底面にシャワーを当て、髪の毛などが付着してないのを確認してから浴槽を出る。バスタオルで身体を拭く。
パンティを穿く。
ピタリとフィットする感覚が凄くいい。男の子の身体では、ボクサーパンツなどでも得られない感覚だよなあと思う。
そしてブラジャーを着けるが、どうやるんだっけ?と悩む。
スポーツブラと違い、普通のブラジャーにはホックというものがある。少し悩んでいた時、以前村山(千里)さんが高山(セナ)さんに言ってた言葉を思い出した。
「おぱちゃんたちの中にはブラのホックを前で留めてぐるりと180度回転する人がいるけど、あれはよくない。ちゃんと後ろ手で留められるように練習しなきゃ」
そうか!前で留めて180度回転すればいいんだ!
という訳で、公世はブラジャーのホックを前で留めてぐるりと180度回転した。
ところがここでブラジャーが“ねじれてる”!ことに気付く。
更にホックの付いている細長い部分(バックベルト)が肩紐の間をくぐっている!
失敗、失敗。
180度戻し、ホックを外して再挑戦である。
ブラジャーの両端をねじれないように、そして肩紐をくぐらないよう気をつけて持ち、前でホックを留める。そして180度回転してからふたつの膨らみをカップの中に収めて、肩紐を通した。
これ楽じゃん!
なんでこれではいけないのかなあ、などと思った。
(理由:公世みたいなAカップの胸だとこれでも行けるが、ある程度のサイズの胸になると、この方法では胸の膨らみをカップ内に収めるのが困難になる。おばちゃんたちは、はみ出るのを全く気にしていない!それに身体が硬くなり、あるいは肥満で後ろまで手が届かない人もある)
そしてその後はTシャツ(白)を着たが、ここでブラジャーが“透けて見える”ことに気付く。
恥ずかしー。
どうしよう?
そうだ!黒いTシャツ着ればいい。浴室出てからトイレででも着替えよう。
ジーンズのパンツを穿く。
この時、お股の付近が凄くすっきりしたフォルムになるのに気付いた。そうだよなあ。女の子はここに何も突起が無いからと思った。
でもきつい気がする。最近たくさん練習して筋肉付いたせいかな?
ゴミ等が落ちてないか確認し、汗を吸った下着とブルマを道着で包み、それを更に袴で包んで浴室を出た。
「お待たせ」
「じゃ次は沙苗入りなよ」
と村山さんが言って、原田さんが交替で浴室に入る。公世も自分のすぐ後が沢田さんならちょっと抵抗があるけど、原田さんならいいよねと思った。
結局この日は普段と逆順にも公世→沙苗→千里→玖美子、の順に浴室を使用したのである。
原田さんと交替した後で、公世は黒いTシャツを持ち、トイレに入って白いTシャツを黒いのと交換してきた。すると村山さんがハンバーガーを示す。
「これ鶴野先生のおごり」
と言うので
「ありがとう」
と言ってもらって食べる。確かに何か食べたい気分だったので、ハンバーガーは嬉しかった。チキンも適当に取ってねと言われたので2本食べた。それで結構満足した。
村山さん・沢田さんとおしゃべりしている内に、あくびが出る(原田さんは入浴中)。
「寝てなよ。まだ夕食まで2時間くらいあるし」
「寝てる所襲ったり解剖したりはしないから」
「じゃ寝てる」
と言って、公世はいちばん入口側に自分で布団を敷き、そこに潜り込んだ。
「沙苗は一度解剖してみたいけどね」
などと沢田さんが言っているので『こっわ〜っ』と思った。
8月22日(日).
兵庫県の甲子園で行われていた、第86回全国高等学校野球選手権大会において、駒澤大学附属・苫小牧高校が北海道勢として史上初の高校野球優勝を飾った。
道民はこの快挙に大いに沸いた。
22日の夕方、シャワーを浴びた後、公世は悩んでいた。
この後、ぼくどうなるのかなあ?
女の子の身体になっていることは、2学期の身体測定でバレると思う。
そしたら「女子は女子制服で通学して下さい」とか言われて、セーラー服で通学?ってことは、ぼくスカート穿くの??嫌だぁ!水泳の授業も女子用スクール水着を着る?トイレは女子トイレで、更衣室も女子更衣室で?
剣道部も原田さんと同様に、女子剣道部に移籍?そして新人戦からは女子の部に出ることになって・・・。しかし木里さん・村山さんに勝てないと全国大会には行けないぞ!?女子の方が、全国大会へのハードルが高かったりして!?
その後、女子中学生・女子高生をして、女子大生をする??
なんかくらくらとする。
その後、女子として会社に勤めてタイトスカートにブラウス、お化粧して通勤?やがて結婚??まさかぼく、お嫁さんに行くことになるの??結婚式ではウェディングドレスとか着て?そして赤ちゃん産んでママになる!????
なんか自分の人生の進路が分からないよぉと公世は思った。
でも、悩んでいる内に、大会の疲れでかなり深い眠りに落ちていったようだ。ぐっすり眠った気もする。
かなり深い眠りに落ちていたようだが、やがてまた夢を見た。
公世は服を着て布団に寝ていたはずが、柔らかいベッドのようなものの上に、裸になって寝ていた。
そばに村山さんが来る。
「きみよちゃん、女の子になったんだね。おめでとう。 Welcome to the life of girls」
「やはりぼく女の子になっちゃったの?」
と公世は訊いたが、村山さんはそれには答えず
「女の子は素敵だよ」
と言う。
「自分のおっぱい触ってみて」
と言うので触る。
「柔らかいでしょ?」
「思った」
「できたてのハンバーガーみたいだよね。そんなおっぱいが触りたい放題だよ。男の子が女の子のおっぱいに触ったら痴漢で逮捕されるけど、自分の身体に付いてるおっぱいなら、いくら触っても誰にも文句言われない。素敵でしょ?」
「確かに好きなだけ触れるけど」
「足を少し広げて」
と村山さんが言うので少し広げる。
「手をお股に当てて。そして割れ目ちゃんの中にあるいちばん敏感な所を触って」
そこに触ってドキドキする。
「そこいじると気持ちいいでしょ?」
「うん」
「女の子のそこは男の子のちんちんの10倍気持ちいいんだよ」
「10倍かどうかは分からないけど、凄く気持ちいい気はする」
「なぜそんなに気持ちいいか分かる?」
公世は首を振る。
「それはそこがクリトリスの先端だからだよ」
「先端?」
「男の子のペニスは軸が表に出てるけど、女の子のクリトリスは軸は体内に埋もれていて、先端だけが露出してるんだよ。男の子のペニスも本当は軸より先端が気持ちいい。公世ちゃん、フェラチオって知ってる?」
公世は首を振る。
何だっけ?と思う。
「女の子が男の子のちんちんを舐めてあげること」
「そんなの舐めるの〜〜?」
「公世ちゃんに彼氏ができたら、してあげるといいよ。凄く喜ぶから」
「恋人になったら、そんなことまでするんだ?」
「男の人には、フェラチオはセックスやオナニーより気持ちいいと言う人が多い」
「へー!」
そんなに気持ちいいんだ?
「セックスやオナニーって主としてペニスの軸への刺激だけど、フェラチオは先端を舐める。先端は物凄く敏感。だから気持ちいい」
「そういうものなんだ?」
「男の子が自分のペニスの先端を指で刺激しようとしても、軸が動いちゃうからうまく刺激できない。でも女の子のクリトリスは先端がしっかり固定されてるから、そこを刺激して物凄い快感を得られるんだよ。フェラチオの場合は女の子は手でペニスを握って先端を舐めるから、安定して快感が得られる」
「うーん・・・」
「だから公世ちゃんは女の子になったことで、男の子だった頃は得られなかった快感を得られるようになったんだよ。セックスの時も、男の子は大変だけど、女の子はそれほど体力使わないしね」
そのセックスというのが、よく分からないんだけど!?
「こんな気持ちいい女の子の身体を手に入れられたんだよ。良かったね」
と村山さんは言ったが、公世は言った。
「先端の方が気持ちいいという話だけど、今思いついたけど、男の子でも、左手で軸をしっかり持って右手で先端をいじれば、似たような快感にならない?」
「どうだろう?でもきみよちゃんはもうペニス無くなっちゃったから確認できないね」
「ぼく男の子に戻れないの〜?」
「せっかく女の子になれたのに。女の子になりたかったでしょう?」
「なりたくないよぉ。男の子に戻りたいよぉ」
「欲の無い子ね。じゃいったん男の娘に戻すね」
と村山さんは呆れるように言った。
そこで目が覚めた。
恐る恐るお股に触ってみる。
ちんちんがある!
胸に触ってみる。
おっぱいが無くなってる!
嬉しい!男の子に戻れた!!
そう思った時「女の子に戻りたくなったら夢の中で私を呼んでね」という村山さんの声を聞いた気がした。
「公世ちゃん、うなされてたけど、変な夢でも見てた?」
と(リアルの)村山さんが言うのでドキッとする。
あれ?
と公世は思った。
“この”村山さんは赤い腕時計をしてる。そういえば髪ゴムも赤だし、携帯も赤系統だし、赤が好きなのかな?でも夢の中に出て来た村山さんは金色の腕時計をしていた気がする。金色のイヤリングもしてた。
そういえば、原田さんが「千里は10人いる」なんて言ってた。もしかしたら夢の中に現れた村山さんは“別の”村山さんなのかも。[夢の中で私を呼んで]と言っていたし、あの村山さんは夢の中に居る存在???
「大丈夫。ただ女の子になっちゃった夢を見ただけ」
「それきっと女の子になりたいという願望が見せた夢だよ」
と沢田さん。
「東京で未成年でも性転換手術してくれる病院知ってるよ。そこ寄ってから帰る?」
と村山さんが言う。
「要らない!」
村山さんはそこで手術を受けたのだろうか?
沢田(玖美子)さんが言う。
「これを機会に女の子の服を着て日常送るようにして、10月の衣替えからはセーラー服着て学校に出てくるといいね。今すぐ注文すれば、半月くらいでセーラー服は作ってもらえると思うし」
「あるいは弓枝さんに、中学時代の制服を公世ちゃんにあげてと言っておこうか」
「あ。それでもいいね」
「いや、セーラー服は押しつけられたんだけど」
と公世はうっかり言ってしまった。
「なんだ!セーラー服持ってるなら、それ着て登校すればいいね」
「セーラー服とか嫌だよぉ」
(ここで雅海や司だと「恥ずかしい」と言うのだが「嫌だ」と言うのが、男の娘と男の子の違いか?)
「でもぼく、夢の中で女の子になっててさ。村山さんが出て来て『女の子になれて良かったね』と言われたけど、ぼくが男の子に戻りたいよぉと言ったら戻してくれた」
と公世は言う。
「それは多分夢の象徴作用だな」
と沢田(玖美子)さん。
「そういえば私も小学生の頃、よく村山さんから女性ホルモンの注射を打たれる夢を見たよ」
と原田(沙苗)さんも言っている。
「何か私って、そういうのの象徴に便利に使われるみたいね」
と村山さんは言っていた。
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女子中学生・ミニスカストーリー(13)