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■夏の日の想い出・虹の願い(19)

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この新・青葉邸の取材で、2年間にわたる作曲家アルバムの取材は終了した。また主な流行作曲家はほぼ網羅したと思う(最終回は1時間スペシャルとなり、熊谷からホンダジェットで移動する所から始まっていた)。
 
この日の午後、青葉邸に来た人たちは各々次のように行動し、地元・〒〒テレビの長坂ディレクター以外は、夕方、能登空港に集まって、Honda-JetBlueで熊谷に帰還した。
 
町田朱美と東雲はるこは、伊勢真珠と、青葉が呼んだ沢口明恵に車(青葉のニスモ・朋子のヴィッツ)で送らせて、各々の実家に顔を出した上で、夕方、能登空港に連れて行った。
 
◇◇テレビの佐竹カメラマンはやはり青葉が呼び寄せた皆山幸花が案内して〒〒テレビの車で、S字型に架かる伏木万葉大橋、巨大な新湊大橋と海王丸、雨晴海岸や美しい斜張橋・比美乃江大橋などの映像を撮ったらしい。氷見市で一緒に氷見うどんを食べてから、能登空港に移動した。
 
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(雨晴海岸の映像は、ラピスラズリが『白兎開眼』を歌うバックに流された)
 

なお、東雲はるこだが、
 
「私事になるからあの場で発言しなかったけど、大宮先生の音楽室の音響の良さに比べてうちの実家のピアノ室は音響が悪すぎる気がするんだけど、誰かに見てもらえないかなあ」
 
と言った。それで津幡リゾート?の開発準備のため偶然こちらに来ていた、播磨工務店の青池さんに、音響技師さんを連れて行ってもらった。
 
はるこ(岬)の実家では、お母さん・温子さんが小さい頃からピアノを弾いていて、小学生の時までは古いアップライトを弾いていたが、中学時代にS400B (1982.7-1990.2に販売) を買ってもらった。当時は亡くなった祖父(岬の曾祖父)の隠居部屋にグランドピアノを置いていたが、あまり音響のいい場所ではなかったという。
 
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お母さんがお父さんと結婚した時、お父さんはこの実家を二世代住宅に建て替えた。その時、リビングに隣接して、ピアノ部屋(12畳サイズ)を作った。(1階が居間とピアノ室でいっぱいなので、この家ではお風呂が2階にある:祖父世帯は平屋で2軒は渡り廊下で接続されており、LDKを共用する)。
 
このピアノ部屋を作った時、温子さんは、今まで畳部屋で残響が物凄く短いのが不満だったので、残響時間が長くなるように、部屋の内装は硬い材料で作ってもらったらしい。温子さんはよく
「ここは部屋は12畳サイズだけど、音響は1000人規模のホール並みなんだよ」
 
と言っていたのだが・・・
 
岬はこの部屋は響きが大きすぎると感じていた。
 
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それで今回音響に詳しい人に見てもらいたいということになったのである。
 
青池が連れてきた音響技術者・山畑さんの見立てではこういうことだった。
 
・天井が2.4mしかなく、部屋の空気の体積が小さいので音が響きにくい。
・その割りに壁が音を反射しやすい石膏ボード(推定吸音率0.05)、床もPタイル(推定吸音率0.03)になっており、この部屋の広さに対する適正残響時間(0.5sec)を大きく上回る1.6sec もある。
 
この残響時間を“コンサートホール並み”とお母さんは思っていたのだが、山畑が播磨工務店のスタッフに防音カーテンを持ってこさせて、試しに部屋の周囲2割程度に貼り付けてみたら、
 
「あ、こちらの方が快適に感じる」
とお母さんも言った。
 
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それで、播磨工務店に頼んで、音響を再調整してもらうことにした(費用は、はるこが出す)
 
はるこの今日の帰省はこの作業だけで終わってしまった!
 

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青葉と私は取材が終わった後、あらためて朋子さんと千里の案内で、家の中を見てまわり、特に青葉は、呆れ返っていた。
 
↓再掲

 
こどもたちの部屋は(来紗・伊鈴の分も入れて)6つ取られているものの、実際には由美(2歳11ヶ月)はまだ幼いので、隣の早月(4歳7ヶ月)の部屋で一緒に寝ている。緩菜(3歳3ヶ月)は非常にしっかりしているので、ひとりで寝る。早月がかえって緩菜を頼ったりしている。
 
私たちが家の中を回っていたら、プレイルームで、早月・緩菜・由美がレゴ(デュプロ:標準の倍のサイズの幼児用)を組み立てて遊んでいた。でも見ていると、握力が弱いので、しっかり填め込めず。あまり大きく積み上げると崩れやすく、なかなか設計図?通りには行かないようであった。朋子がそこに入って、すっかり、おばあちゃんする。
 
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私と青葉・千里は、サンルームに戻り、セルフサービスでコーヒーを入れてしばらくおしゃべりした。コーヒーはニューギニア産ブルーマウンテンである。ヨーロッパでは結構出回っているらしいが、日本では、千里以外にはこの輸入ルートを持っている人は少ないので、青葉や千里の家、龍虎(アクア)の家くらいでしか味わえない味である。
 
「そういえば桃香は?」
「酔い潰れて寝てる」
 
それ面倒くさいから酔い潰したんだったりして。
 
「桃香と子供たちは、いつまでこちらに居るの?」
「年末に京平を連れてきて、お正月が終わったら、京平と早月を連れ帰る。早月は幼稚園に入る準備をさせないといけないから」
 
「ああ」
 
「早月ちゃんは、浦和の幼稚園に入れるの?」
と私は何気なく訊いた。
 
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この時私が言ったのは、浦和か?高岡か?という意味だった。
 

ところが千里は言った。
 
「それ大変だったんだよ」
 
「何かあったの?」
 
「桃香が季里子ちゃんとパートナーシップ宣言をしたのは知ってる?」
と千里は言う。
 
「そうなの!?」
「だって桃香は千里1番と結婚式挙げたじゃん」
 
「この問題を説明するためには、桃香が2人いることを説明しなければならない」
「はぁ!?」
 
「アクアが3人から2人に減った時、葉月が2人に分裂しちゃったでしょ?」
「あ、うん」
 
「私と千里1が統合された時に、その余波で桃香が分裂しちゃったんだよ」
「全然気付かなかった!」
「それって2人とも女?それとも男と女?」
「残念ながら2人とも女だった。男に変えてあげようか?と言っけど、男になったらレイプ魔として逮捕されそうだからやめとくと言ってた」
「よく自分の性格を分かっているな」
 
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「だからこの2人を仮に桃香A、桃香Bとする。桃香Aが季里子ちゃんと結婚して、桃香Bが千里1と結婚したんだよ」
 
「そういうことになっていたのか」
「じゃ重婚はしてないわけか」
 
「今ここにいる千里は3番だよね?」
と私は確認した。
 
「もちろん。分からない?」
「見ただけでは分からない。音響の計算式とかをスラスラ言ったから3番だろうと思った」
 
「2番はアバウトだし、1番は直観の人だから」
などと千里3は言っている。
 

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「だけど、葉月は最終的に1人に戻ったよね。桃香もいづれ1人に戻ったりしないの?」
 
「ずっと将来的には分からないけど、当面は、私が3人で活動している間は、桃香も2人だし、アクアも2人だと思う、というのが丸山アイの意見。これ本人たちには絶対言わないでね。それに期待するから」
 
「うん」
 
「だったら千里は3人のままでいればいいと思う。千里は自分の分裂を制御できるんでしょ?」
 
「今の所はね。ずっと先にはどうなるか分からない。私の分裂にはどうも“かなり上の方たち”の思惑が絡んでいるみたいで」
 
「うーん・・・」
 

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「2人に分裂はしたけど、桃香は戸籍・住民票が1つしか無い。季里子ちゃんとパートナーシップ宣言するには、住所を同じ所にしないといけないから、桃香は自分の住民票を千葉市に移動した。巻き添えで早月も住民票が千葉市に移動になった」
 
「ああ」
「幸いにも“千里は”貴司と婚姻届けを出すから、どっちみち“千里と桃香は”パートナーシップ宣言はできないはずと桃香は考えた。だからそちらは純粋な事実婚でいいだろうというプランだったんだよ」
 
「なるほど」
 
「それで早月は住民票の上では、季里子ちゃんちに居ることになっているし、桃香たちとしては、早月は季里子が養子縁組して、苗字も紫尾にした上で、千葉の家から幼稚園・小学校にやろうと計画した。これに関しては朋子さんも私たちも了承した。今“高園”の苗字を受け継ぐ子が早月だけなんだけど、どうせお嫁さんに行ったら苗字は変わるんだし、と朋子さんは同意してくれた」
 
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「うん」
 
「ところが早月は千葉に行くのは嫌だと言った」
 
「それ早月ちゃんの気持ち分かるよ」
と私は言った。
 

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「自分は来紗ちゃん・伊鈴ちゃんと仲良しだし、苗字を来紗ちゃんたちと一緒にするまでは、構わない。でも自分は京平・由美・緩菜と姉妹だから、浦和の家で由美たちと一緒に暮らしたいと言うんだよ」
 
「それが自然な感情だと思う」
と青葉も言った。
 
「それで、私と桃香と季里子ちゃんの3人で腹を割って話し合った」
「その3人で集まったんだ!」
 
「桃香は季里子ちゃんと暮らしてるほう、桃香Aが出た。私たちは1番も2番も私に任せると言うから、私が出ていった。それで丸一日話し合った結論」
 
「うん」
 
「やはり私たちって、おとなの都合で子供たちを随分翻弄してるからさ」
「確かにね。他人(ひと)のこと言えないけど」
 
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「だから早月ちゃんの気持ちを大事にしようということになった」
「うん」
 
「だから早月を季里子ちゃんが養子縁組する話もキャンセル。早月は浦和で幼稚園・小学校と行かせることになった。だから早月だけ住民票を分離して浦和に戻した上で、浦和の幼稚園の入園試験を受けさせたんだよ。無事合格」
 
「良かった」
 
「でも早月・由美は、来紗・伊鈴の妹という意識は持ち続ける」
「それでいいと思う」
「だからこれまで通り、毎週週末に、子供たちを千葉に行かせる」
「それも大変そうだけどなあ」
 

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「結局住民票はどうなったんだっけ?」
「早月は桃香の住民票から外れて、単独の住民票になった。京平と同じ」
「京平君って、貴司さんと千里の戸籍・住民票に入ってないの?」
「入ってない。京平は単独の戸籍で単独の住民票」
「は?」
 
「京平は、阿倍子さんと貴司の離婚の時、阿倍子さんの戸籍・住民票に入った。そして阿倍子さんの再婚の前に、京平を住民票の上では独立させて浦和に移動した。そして阿倍子さんが晴安さんと再婚したことで京平は篠田阿倍子の戸籍に1人だけ取り残された」
 
「あ、由美ちゃんも似た状態だ」
 
「そうそう。由美は“川島千里”の養女として、川島の戸籍に入っていたけど、千里1が復氏届けを出した上で千里2が細川貴司と結婚したことで、由美は川島の戸籍に1人だけ取り残された」
 
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「緩菜ちゃんだけが親と一緒になってる?」
「うん。緩菜は貴司と美映さんが離婚した時に、貴司の戸籍に残された。そして貴司が千里2と結婚したので、貴司・千里2・緩菜はひとつの戸籍・ひとつの住民票に入っている」
 
「凄い複雑なことになってる」
「今回の操作でますます複雑になったね」
 
※浦和の家の住人
 
細川貴司 細川貴司戸籍筆頭者
細川緩菜 細川貴司の娘で細川千里の養女。でも本当は信次と千里1の子供。
細川千里(千里2)細川貴司の妻として戸籍に記載。但し本人はずっとフランスのLFBに参加しており、コロナのため2019年秋以降フランスにずっと滞在中!(東京五輪前後だけ日本に来た)
 
篠田京平 細川貴司の息子。戸籍は篠田阿倍子の戸籍に1人だけ残る。阿倍子自身は、立花晴安と婚姻して篠田の戸籍を離脱している。
 
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桃香B 戸籍と住民票が無い!
早月 桃香の娘。住民票は千葉市に移動していたが浦和に戻された。
村山千里(千里1)(*20) 桃香Bの妻。信次の元妻。
由美 千里1の娘。戸籍は川島の戸籍に1人だけ残る。遺伝子的には川島信次と桃香の子供。
 
川上青葉 桃香・千里の妹。
鈴江彪志 青葉の婚約者。京平がとってもなついていて、千里不在の日はたいてい彪志の部屋で一緒に寝ている。
 
村山千里(千里3)(*20) この家の事実上のオーナー。独身。日本のWリーグに参加。
 
長野龍虎(龍虎F)普段は八王子の家に住んでいる。
長野龍虎(龍虎M)普段は代々木のマンションに住んでいる。
 
村山千里(千里4"Green")千里たちの元締め!?しかしその存在は未だ確認されていない!?
村山千里(千里5"Violet")その存在は確認されていない!? Violetの役割はいづれ説明することになる。
 
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村山千里(千里6"Orange")丸山アイが存在を予測しているが、筆者も存在するかどうか知らない!
 
千里4・千里5の存在は多分丸山アイだけが気付いている。でも千里の専任ドライバーの矢鳴姉妹は「千里さんは絶対4人以上は居る」と感じている。もっとも矢鳴姉妹の前には千里1〜5のみでなく、千里B(貴人)・千里D(天后)・千里E(朱雀)、更には千里Xや千里Zなども現れている。
 
千里4,千里5は冬子や青葉の前にも結構現れているのだが、青葉や冬子は千里は3人と思っているので、1〜3の中の誰かだと思い込んでいる。京平はさんざん欺されたので、最近、どの千里なのか見分ける自信を失っている!京平は、実は1番の千里は2〜3に近いパワーを回復させていて、まだまだ力が弱いかのように装っているだけでは?と疑っている。緩菜は何か知っているようだが、あの子は口が硬い。
 
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龍虎は千里たちを見分けるのは無理!と最近諦めた(彼らもさんざん欺された)。コスモスは意外に複数の千里をかなり高確率で見分けている。コスモスは千里が3人ではない気がしてきている。1〜3のどれにも該当しない気がする千里と会うこともあるのである。
 

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(*20) 千里1〜3と、Blue/Red/Yellow の対応については、いづれ説明することになると思う。現時点では説明できる前提条件がまだ提示されていない。
 
なお、千里Whiteは2017年7月の事故で死亡・消滅している。Whiteは元々、留萌Q大神が作った身代り人形だったので、身代りとしての役割を果たした。
 

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「だったら、これ以上、子供たちを翻弄するのは可哀想だよ」
と私は言った。
 
「うん。だから、私と桃香と季里子は、早月の気持ちを大事にしようという結論に到達した」
 
「良かった」
 
「その上で、朋子さんと季里子ちゃんのお母さん・呼子(ここ)さんとが電話で話して、学校の長期の休みの時には、来紗・伊鈴、京平・早月・緩菜・由美の6人を高岡の家に呼ぶことにした。
 
「わあ」
「取り敢えず、このお正月には、京平・来紗・伊鈴の3人でこちらに来る。それで由美と緩菜は置いたまま、京平・早月・来紗・伊鈴の4人がお正月が終わったら帰るけど、京平と早月は浦和の家、来紗・伊鈴は千葉の家に戻ってこれまで通り」
 
「何か結果的にいちばん良い形になった気がするよ」
「うん。私もそう思う。子供たちの移動にお金は掛かるけどね」
「確かに!」
 
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夏の日の想い出・虹の願い(19)

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