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■夏の日の想い出・虹の願い(11)
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12月7日(火)は、丸山アイだったが、この日アイは
「重大な秘密を公開する」
と予告していたので私は何をするつもりだ?というので気が重かった(実際スポーツ新聞のトップで報道された)。
青葉、ラピスラズリ(町田朱美・東雲はるこ)、私、◇◇テレビのカメラマンと〒〒テレビの長江ディレクターという6人は夕方、東京・中野区のアイのマンション(正確には綾香のマンション)を訪れた。
奧さん(夫?)の城崎綾香(別名=久美浜映月/本名=宮田雅希)が迎えてくれる。
「今出てくると思いますので」
と綾香が言って、取材陣に紅茶を出してくれた。
「これはケニヤ産の紅茶ですか?」
と町田朱美が尋ねる。
「よく分かるね。これはケニヤのナンディの紅茶なのよ。向こうの友人が送って来てくれたの」
「へー」
やがてアイ(?)が出て来たのだが、男性用の和服を着ているので、私も青葉も頭を抱えた。そして“高倉竜”のヒット曲『島原情緒』をヴァイオリンの“弾き語り”で1コーラス(男声で)歌った。
「そのヴァイオリン、弾き語りできるように改造されてる」
「そうそう。手ぬぐいを縫い付けてる。昔の演歌師さんはこういう仕掛けでヴァイオリンの弾き語りをしてたんだよ」
と“高倉竜”は男声で説明した。
普通はヴァイオリンは顎と肩甲骨とで挟んで演奏するので口が動かせず弾き語りは困難である。ところが昔の演歌師はヴァイオリンの端に手ぬぐいを接着しておき、その手ぬぐいを通してヴァイオリンを身体に固定することで、口が自由に動くようにして、弾き語りをしていたのである。指は第1ポジション固定になってしまうので、いわゆる“フィドル”の弾き方と似た感じになる。
「まあそういう訳で、実は高倉竜の正体はボクだったのでーす」
と丸山アイは女声に戻して言った。
なるほど、この秘密をバラすということだったのかと私は納得した。
(この時は!!)
丸山アイと高倉竜は、ともに2014年12月にデビューした。丸山アイが女性のポップス歌手としてデビューしたのに対して、高倉竜は男性の演歌歌手としてデビューしている。しかし高倉竜はそのビジュアルが一切公開されず、年齢や出身地なども非公開であった。その正体をめぐっては、様々な説が出ていたが、恐らくはGReeeeNなどと同様、別の職業を持っている人で、そちらの仕事に差し支えるので、公開しないのではという見方が大勢になっていた。
丸山アイと高倉竜が同一人物であることを知っていたのは、★★レコードでもごく一部の人であるが、私や青葉は偶然にも制作に協力したことから最初から知っていた。
ラピスの2人や、テレビ局の2人も全然知らなかったようで、驚いていた。
アイが女物の服に着替えてきてから、インタビューは続く。
その後は、丸山アイに関する話、高倉竜に関する話が混じって対談は続いていった。丸山アイが“モードチェンジ”して、男性モードになったり、女性モードになったりすると、まるで雰囲気が変わって、同じ人物に見えないので、ラピスラズリの2人が驚いていた(放送されると視聴者も驚いていた)。
「本来の性別は女性ですよね?」
と町田朱美が尋ねるが
「内緒」
と彼女は答えていた。
ラピスラズリは丸山アイが書いてXANFUSが歌った『Orange Mirror』を歌ったがアイは
「やはりこの手の曲は朱美ちゃんがメインボーカルを取るんだね」
「そうしなさいとケイ先生から言われました」
「詠唱するような曲ははるこちゃんが上手いけどね」
「私はノリが悪いと言われました」
「2人は別のタイプのシンガーだから、そのあたりは曲によって各々の得意な分野を担当していけばいいと思うよ」
とアイも言っていた。
丸山アイは“非常識人”ではあるが、フェイほどではないので、インタビューは楽しく進んだ。そしてそろそろ終わりかなというので話をまとめかけていた時、突然、居間の奥のドアが開いたのである。
「あ、ごめん。まだインタビューしてた?ここカットしてね」
と“出て来た人物”は言うと、すぐ引っ込んだ。
“その人物”を見た(アイを除く)全員が唖然とした。
丸山アイが言った。
「ごめーん。昨夜から“水沢歌月さん”が来て、ちょっと名守チヅルちゃんのアルバムの件で打ち合わせてたんだよ」
東雲はるこが言った。
「あのぉ、水沢歌月さんって、ケイさんの別名だったのでは?」
「え?別人でしょ。水沢歌月はKARIONの“蘭子”で、ケイはローズ+リリーで2つのユニットを掛け持ちできる訳が無い。KARIONとローズ+リリーは同じ日に名古屋と金沢でライブやったこともあるからね」
などと丸山アイは言っている。
「KARIONの美空ちゃんや小風ちゃんに訊いてごらんよ。蘭子とケイは別人だと言うから」
あの2人は・・・そう言うだろうな!
「でも水沢歌月さん、ケイさんに凄く似ている気がするんですが」
と東雲はるこが言うと、ここまで沈黙を守っていた町田朱美が、やや投げ槍気味に
「もしかして双子ですか?」
と訊いた。
すると丸山アイは
「確か十つ子だったはずだよ」
と答えた。
「とつ?」
「2人なら双子(ふたご)、3人なら三つ子(みつご)、4人なら四つ子(よつご)、5人なら五つ子(いつつご)、6人なら六つ子(むつご)、7人なら七つ子(ななつご)、8人なら八つ子(やつご)、9人なら九つ子(ここのつご)、10人なら十つ子(とつご)」
「じゃ10人居るんですか!?」
と東雲はるこが驚いたように言う。
「ケイが10人居るって有名な話だと思ったけど」
とアイは言っている。
「ちなみに、醍醐春海ちゃんは5人で赤青黄緑菫、アクアは7人で日月火水木金土、東郷誠一先生は20人、上島雷太先生は40人、居たはず」
「アクアが7人という説はわりと昔からあるよね」
と、ここまで頭を抱えていた青葉まで言った。
それでこの日の話はまとめられた!?
そういう訳で、翌々日(12/9)のスポーツ新聞のトップには
「ケイは本当に10人居た!」
という見出しが大きく掲載されることになったのであった!
長坂さんと佐竹さんは
「今の場面はカットしますね」
と言ってくれたのだが、私は
「いや、ふつうに流していいですよ」
と言った。
報道しないでと言っても、じわっと噂は広まるので、スパッと報道してもらった方が笑い飛ばせる。それに報道しないでと要請することは、報道機関に貸しを作ることになってしまい、よくない。更には報道自粛を要請することで、かえって信憑性が高まる。それで《ケイがインタビューしている部屋にケイが顔を出す》というシーンも2月に放送されることになった(視聴率が凄かったらしい。即、動画サイトに無断転載された)。
そもそもその日(12/7)の内に丸山アイが自分のブログに書いたし!!(それでスポーツ新聞の報道に至る)
なお12月9日の記事には
「アクアもやはり7人いる」
という見出しが添えられていた。ある新聞など、§§ミュージックの関係者から得られた情報として、7人の“個別名”まで掲載していた。
Aqua Solis (太陽のアクア)
Aqua Lunae (月のアクア)
Aqua Martis (マルスのアクア)
Aqua Mercurii (メルクリウス(マーキュリー)のアクア)
Aqua Iovis (ユピテルのアクア)
Aqua Veneris (ウェヌス(ヴィーナス)のアクア)
Aqua Saturni (サトゥルヌスのアクア)
その関係者の話では、Solis, Maris, Iovis は男の子、Lunae, Veneris は女の子、Mercurii は性別不安定で、Saturni は無性なのだとか!?
こういうジョークを言ったのは、きっと川崎ゆりこか、花咲ロンドだ。
記事は、私の多人数説、アクアの多人数説で埋められていて、結果的に高倉竜=丸山アイという記事は小さな扱いに留まった(それが目的だったりして?)。
「ケイが複数居る」という話は、美空・小風・千里・花野子・マリ!なども証言していたし、“顔を隠したミュージシャン”が“人工的に変形した声”で
「ケイの名前で発表されている作曲作品は2017年150曲、2018年が700曲、2019年40曲、2020年100曲で、1人の人間が書ける量では無いです。それだけ見ても“作曲家・ケイ”はどう考えても4〜5人は居る。それ以外に水沢歌月、紅石恵子、秋穂夢久(あいお・むく)名義、更には蔵田孝治先生との共同名義だけどヨーコージ作品もあるから、どう考えても作曲家だけでケイは最低8人いますよ。それにサマーガールズ出版社長のケイは社長の仕事だけで、もう他のことはできない筈だし、ケイは最低9人は居ますね」
と答えていたが、口調から間違いなく和泉だ!
全くもう。
秋穂夢久が私だってのを、さりげなくバラしてるし!
アクア複数説も多数の証言があった。
「私がA局でドラマの撮影していた時間に同じ事務所の後輩がB局でクイズ番組の撮影してたんですけど、A局のドラマにも、B局のクイズ番組にもアクアちゃん出てたんです。だからアクアちゃんは確実に2人以上居ます」
「東京駅で新幹線から降りてくるアクアちゃんと会って挨拶してから新幹線に乗ったのに、新大阪で降りたら、そこでもまたアクアちゃんと会ったんだよ。別のマネージャーさんが付いてた」
という類いの証言も大量にあった!!(私に関してもこの手の証言は多い)
そしてここに来て、アクア双子説が再浮上する。
こんな証言(?)が飛び出してくる。
「アクアのパスポートは、性別:男になっているのをテレビで公開していたけど、性別:女になっているパスポートを見たという人もいるんだよね。たから、アクアは一部で噂があるように、男女の双子なんだと思う」
「アクアって男の子かもと思う時と間違い無く女の子だと思う時とがあるんだよね。だから、やはり男の子のアクアと女の子のアクアが居るんだと思う」
「アクアは高校時代、男子制服着てる時と女子制服着てる時があった。女子制服着てる時は、ドラマで女の子役するから、その役作りのためとか言ってたけど、本当は男の子アクアと女の子アクアが居て交替で登校していたんだと思う」
更にここんな話まで出てくる。
「ある関係者から聞いたんだけど、高岡さんと夕香さんの間に生まれた子供は実は双子だった。志水さんが2人も育てるのは大変なので、ひとりは高野さんという別のミュージシャンに託された。それでふたりは別々に育ったんだけど、アクアが凄まじく忙しくなったことから、最初そっくりさんとしてスカウトされて、遠景などを撮るのに使われていた。でもその後、ふたりが実は双子の姉妹だったことがDNA鑑定で確認されたらしい」
どういう関係者だ!?それに高野って誰??だいたいどちらも女の子ということになってるし。
更に三つ子説まで出てくる。
「アクアちゃんに『アクアちゃん、本当は双子なのでは?』と言ったら『違うよう』と言うんだよね。それで冗談で『だったら三つ子?』と訊いたら、一瞬答えに窮してた。だからもしかしたらアクアちゃんって実は三つ子なのかも」
などと言う人があったのである。
なお“東郷誠一20人、上島雷太40人”については
「まあ『中の人』はそのくらい居るよね」
と大半の読者が思ったようである。
東郷誠一さんは
「僕が20人いたら、女房が大変だ」
などと、大笑いしていたらしい。
(東郷先生の所に取材に行くとは、なかなか勇気のある記者だ)
“上島雷太40人”については、実は上島先生本人も知らなかったことで、その経緯については↓で述べる。
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