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■夏の日の想い出・虹の願い(2)

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11月28日(日).
 
『少年探偵団V』の撮影が始まった。第1シリーズが始まった時に16歳だったアクアも今年は20歳である。少年探偵団のメンツも毎年少しずつ入れ替わってきているが、元原マミ(23.花崎マユミ)、鈴本信彦(21.井上一郎)、松田理史(23.溝口洋平)、内野涼美(18.河野令子)、今井葉月(19.山口あゆか)の5人は第1シリーズからずっと出ている。
 
「でもとうとうアクアちゃんも20歳になっちゃったね」
と5年間の付き合いになった内野涼美が言う。
「内野ちゃん、もう体調は大丈夫?」
「うん。平気平気。あまり大した症状は出てなかったけど、陰性になるまでは出歩けなかったから。アクアちゃん、鬼六はありがとね」
 
「でも少年探偵団って何歳くらいまでやっていいんですかね〜」
「大和田獏さんが小林少年を演じた時は27歳だったよ」
などと小池プロデューサーは言っている。
 
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「27!」
 

「アクアが27歳の時は僕はもう30歳か!」
と松田理史が言っているが
 
「すみません。さすがに27歳になる前にもっと若い人にお譲りします」
とアクア本人は言う。
 
「そうだね。27歳にもなれば、かなり女っぽくなるから、少年役は厳しいかもね」
などと元原マミが言うので、アクアは少し悩んだ。
 
「そうだ。その時は、アクアちゃんに、文代役をしてもらおう」
などと現在文代役をしている山村星歌が言っている。
 
「え〜!?明智先生の奥さん役ですか」
 
「なるほど。少年から夫人に昇格するんだな」
 
「小林少年というのは、そもそも明智探偵の愛人なのではという説はある」
「新しい奥さんになるのかな」
「そんな筋立てはさすがに乱歩大先生に叱られますよ」
 
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「でも江戸川乱歩とか横溝正史とか、同性愛ネタ・女装ネタが多いよね」
「読者を幻惑するから使われるんだと思うよ。松本清張だって『時間の習俗』で使っている」
「辻真先の『迷犬ルパンの犬疑』は凄かった。美事に欺された」
 
今回はこの他に10人ほどが参加している。男女比は・・・よく分からない!なお、葉月は例によって、アクアのボディダブル兼任である。
 

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初回の撮影では、黄金仏を巡る二十面相と少年探偵たちの知恵比べが描かれる。
 
村正貴金属工業の創業300周年の式典に北里ナナが招かれた。創立記念日は2月6日らしいが、お正月に合わせて式典を行うことにしたらしい。
 
会場は、横浜市内に1万坪の敷地を持つ同社社長・村正岩次郎氏の私邸で、3000坪の広大な庭に2000人の招待客が招かれてパーティーが開かれた。
 
この庭は女性がハイヒールでも歩きやすいように、煉瓦風のタイルを敷き詰めている。また今回のようなイベントをした時に迷子になりにくいように、中央が金と銀、周囲が赤・ピンク・オレンジ・黄色・ライムグリーン、水色、すみれ色、黒、グレイ、白と10色に色分けされている。
 
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なお、ヒールが引っかからないようにタイルの間の溝のように見えるのは、ただ黒く着色されているだけで凸凹は無い。なのに、姫路スピカが“ヒールが引っかかった気がして”転んだので、その映像と言い訳する所が番組にも残された!!
 
撮影場所は白河市郊外にある、松河記念公園(旧松河宮御用邸)である。タイルも実際に敷かれているものである。ここに管理者の許可を取り、ハリボテの邸宅を建てて撮影した。
 
パーティーには、人気絶頂のバンド、ハイライト・セブンスターズ(H7S.本人達が出演!)、人気三つ子ユニットのドリーム・トライン(Δ△.演:姫路スピカ・南田容子・竹中花絵)、そして北里ナナ、のショーが行われた。演奏順はΔ△→ナナ→H7S.
 
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なお、このシーンの撮影は密回避のため、実際に出演しているのは白河市内に住んでいるか通勤していることを条件に集めたエキストラ100人程度で、あとは合成によって、多人数いるように見せている(途中で服を変えてもらってから再度撮影している)。
 
エキストラには4日前から白河市内のホテルに入ってもらい、毎日検温して、最終日に全員陰性検査をしてから参加してもらっている(途中で2人感染が判明して降板した)。ハイライト・セブンスターズや北里ナナは新幹線は使わずに、放送局が用意したバスで現地入りしている。
 
邸宅内部の撮影は、テレビ局が東京北区の分室内に作ったセットだが、制作費が2000万円掛かっており、けっこうリアルっぽく見えるように仕上がっていた。
 
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村正社長(演:風上信助)はご機嫌で、招待したアーティスト、ハイライト・セブンスターズ、ドリーム・トライン、北里ナナの3組に
 
「我が社の社宝をお見せしましょう」
と言い、私邸の奥へ招待する。
 
「なんか長い廊下ですね」
「邸内の廊下を一周すると120mありますから、トレーニングにいいですよ」
「うちのアパートなんて玄関から布団まで5mも無いのに!」
とハイライト・セブンスターズのテル。
 
「プロ球団がキャンプに来たりして」
 

 
最初に入った部屋は図書室のようで、天井まである本棚(積層書架)に大量の本が並んでいる。
 
「高祖父の代から集められたもので、書庫に入っているものまで入れると蔵書は20万冊です」
 
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「どうかした図書館より多い」
「金属に関する世界中のありとあらゆる本が集まっています。金属について調べたいことがあったら、ここに来ていいですよ」
 
「あ、『鋼の錬金術師』がある」
「金属がらみですね。『武装錬金』もありますよ。江戸川乱歩の『青銅の魔人』や『大金塊』『怪奇四十面相』もありますし、ベビーメタルとか金属女給のCDも揃ってますね」
 
「メタルの範囲が広い!」
 

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図書室からセキュリティゲート(社長の持つIDカードで開く)を通って入ったところは美術室のようであった。
 
「ここは様々な貴金属製品が展示されています」
と言って社長自ら案内してくれる。
 
「この付近は古今東西の様々な貨幣を展示しています」
 
「そこにあるのはリュディア金貨、別名エレクトロン金貨です。リュディアというのは、ミダス王が支配していた国です。ミダス王は“王様の耳はロバの耳”のエピソードでも有名ですが、ある時、自分の触れるものが何でも金(きん)になるようにという願いを叶えてもらった。ところが、人に触れるとその人が純金の彫像になっちゃうし、食べ物も金になっちゃって困った」
 
「物凄く迷惑」
「触られた人可哀想」
 
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「食べ物が金になるので何も食べられず餓死しそうになって、神様にお詫びしたところ、パクトーロス川で身を清めなさいと言われた。それで金を生む力が川に移って、王は何かに触っても金にはならなくなったが、パクトーロス川では砂金が取れるようになった。その砂金でこの貨幣を造ったのが世界最古の貨幣とされるんですよ。BC7世紀頃ですね」
 
「へー!!」
 

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社長は様々な金貨・銀貨にまつわるエピソードを語りながら、ナナたちを案内してくれた(*4).
 
慶長大判などもあり
 
「実物は初めて見た」
とヒロシが感激していた。(金メッキのレプリカで撮影!)
 
「これ今のお金にするといくらくらいなんですか?」
とスピカが訊く。
 
「慶長大判の重さは164.9gで初期に作られたものは金の品位が97%なので、金の重さは160gになって、金(きん)だけの価値でいえば136万円ですね。でも美術的価値・歴史的価値を合わせて、金の品位と保存状態がよければ2000万円くらいになります」
 
「思ったより安い気がする」
「価格より、神君・家康公から拝領した、とかいう名誉の問題じゃない?」
「だよねー。今ならオリンピックの金メダル並みの名誉だよね」
 
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「そうそう。名誉という意味が大きいと思う」
と村正社長も言っていた。
 
(*4) 美術室に並んでいる古貨のように見えるものは、複数の美術大学に依頼して生徒たちに制作してもらったもの。
 

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純金でできた鉄琴もあり、
「弾いていいですよ」
と言われるので、姫路スピカが演奏する。
 
「これが純金の音かぁ!」
とみんな感動していた。
 
(雨宮先生が所有する18金鉄琴を使用している。C6-C8の25鍵で、金の重さは5200g, 金の価格だけで4500万円。実際の購入費は1億円だったらしい。純金で鉄琴を作ると柔らかすぎて演奏不能だと思う。雨宮先生の自宅からの移動往復は警備会社にお願いしたし、高額の保険も掛けている)
 
美術室を一周した後、村正社長は
 
「皆さんにとっておきのものをお見せしますよ」
と言った。
 
↓村正邸略図

 
美術室の端にセキュリティゲートがあり、社長の持っているidカードで開ける。細い通路があり、その先のゲートを社長は自分の掌を当てて開けた。北里ナナと勘のいいヒロシを除いては、みんなタッチ式自動ドアと思った。
 
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入った所は小さな仏殿であった。広さは6m四方くらい(十二畳程度)だろうか。その小さな部屋の周囲の壁には4つの仏絵が描かれている。
 
「南に釈迦如来、西に阿弥陀如来、北に弥勒菩薩、東に薬師如来が描かれています」
 
「この絵は新しいものですね」
「はい。昭和40年代にこの仏殿を作った時に日本画の谷川光源先生に描いて頂きました」
「わぁ」
 
「但し劣化しないように、原画は別に保存してあって、これはその拡大模写ですが」
「ああ」
「原画はこの絵の半分くらい、約100号の作品です。現在の絵は1990年代に当時1000万円ほどしたプリンタで精密に原画を再現印刷した2代目なんですよ」
「へー」
 
「でも仏像がなんか凄い」
 
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この小さな部屋の中央に1m四方ほどの台があり、その中央に高さ30cmほどの金ぴかの仏像が立っており、その周囲を取り囲むように、高さ10cmほどの同じく金ぴかの仏像が12個並んでいる。
 
「薬師如来と十二神将ですか?」
とヒロシが尋ねた。
 
「そうです。よくお分かりですね」
「いや、眷属が12体だから当てずっぽです。僕は仏像の種類を見分けきれません」
 
「専門家でも意見が分かれるものはあるみたいですよ」
と社長は言っている。
 
「でも二十八部衆なら千手観音で、八童子なら不動明王で、十二神将なら薬師如来かなと」
 
「お若いのに、よくご存じですね!」
と社長は感心しているが、きっとゲームとかで覚えた知識だろうなとナナは思った。
 
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「でもみんな金ぴかできれーい」
と姫路スピカが言ったのだが、北里ナナはハッとしたように
 
「もしかして、これ純金ですか?」
と言った。
 
「そうなんだよ。この薬師如来、十二神将、全部ほぼ純金でできている」
 
「ひぇー!?」
という声があがる。
 
「ほぼ、というと?」
「23金、約95%の金だそうです。本当の純金だと柔らかすぎて細かい細工ができないんですよ」
「そうでしょうね!」
 

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