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■夏の日の想い出・虹の願い(10)

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ワンティスのトリビュートアルバムの制作は進んでいた。青葉による編曲作業はできたら11月中に終えたかったのだが、さすがに1日1曲は無理で、12月15日まで掛かった。
 
10/30(Sat) 忘れられた座席
10/31(Sun) 虹色の首飾り
11/01(Mon) 夕暮れ時のスピカ
11/02(Tue) 一杯の水
11/03(Wed) 雪の恵み
11/04(Thu) 髪の長い少年
11/08(Mon) キャット・ウォーク
11/09(Tue) 背中に書いたラブ・レター
11/10(Wed) 祭り太鼓
11/11(Thu) 時間の忘却
11/13(Sat) フィドルの妖精
 
11/14(Sun) サチ・カ
11/17(Wed) Long Long Ago 11/20(Sat) ボヤージュ・ロマンティック
11/22(Mon) 人魚諸島
11/24(Wed) 朝日の海岸 11/25(Thu) 川と花の物語 11/26(Fri) 深き山に入りて
11/28(Sun) ヴィーナスの涙 11/30(Tue) 極楽鳥
12/02(Thu) ラピスラズリ 12/04(Sat) 光の柱
12/10(Tue) 生命の水 12/11(Wed) リズミトピア 12/14(Sat) 神曲
12/15(Sun) ただいま
 
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11/5-7の中断は社会人選手権に参加したためのものである。また12/7-9も後述の作曲家アルバムの取材のため中断した。
 
『時間の忘却』は、千里が大本のCubaseのデータをくれたので、1日で編曲を終えることができた。それでこの曲は編曲のクレジットが“大宮万葉・醍醐春海”になっている。
 

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青葉が編曲した楽曲は、原則翌日夕方(土日は朝から)に“ゼロティス”のリズムセクションにより演奏され、この段階では花咲ロンドが監修してまとめる。
 
ゼロティス・リズムセクション
 
KB1 米本愛心(20)
KB2 原町カペラ(19) or 石川ポルカ(18)
Gt1 松元蘭(17)
Gt2 田倉友利恵(22)
Bass 花咲鈴美(16)
Dr 木原扇歌(17)
 
青葉はロンドに「少々の修正は自由に」と言っているが、大きく変更したい所は青葉と電話で協議している。変更された譜面は南田容子がまとめてオリジナルに反映させる。
 
この時点でスコアは確定し、管弦セクションは原則として翌日昼間にスコア通りに管楽器・弦楽器を入れる。
 
管弦セクション
 
Sax 日高久美子(23)
Tp/Tb/Horn 吉田邦生(24)
Vn 鈴木真知子(24), 大崎志乃舞(18), 生方芳雄(23)
Fl 田中世梨奈(24), 甲斐波津子(16), 安原祥子(19)
Cla 上野美津穂(24)
Cello 田中成美(20)
Vib/Mar 桜井真理子(20)
 
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甲斐波津子が高校生なので、フルートセクションだけは、主として夕方以降に録音している(早朝に録音したこともある)。一部の曲には妹の甲斐絵代子(Ye-Yo 14)も参加している。
 
この段階ではほとんど修正要請は発生しなかったが、いくつか修正したものもある。この修正も南田容子がオリジナルに反映させる。
 
そういう訳で南田容子はかなり忙しい:結果的に食事や機材の調達などの雑用は全て立花紀子が引き受けたが紀子もかなり忙しくなった。紀子がテレビ番組の収録などで不在になる時は海浜ひるがおが臨時で対応してくれた。
 
(彼女が「大宮先生、私デビューできるようになるには何をすればいいでしょう?」などと訊き、歌を聴かせてくれたが、青葉は返答に困った!!)
 
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アクアはどうしても時間の取れる時にまとめて録音する形になり、特に12月に入ってからはなかなか時間の取れないこともあったが、何とか12月中に歌唱録音を終えることができた。
 
アクアの歌唱が録音された後で、更に信濃町ガールズたちによる付加楽器やコーラスなどを収録して、1月上旬にマスターが完成した。
 

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同時に制作するMVも楽曲の進行に少し遅れる形で進んでいた。§§ミュージックのタレントや信濃町ガールズたちが動員されている。一部は他の事務所のタレントさんにお願いして出てもらったものもある。このあたりは主として私のコネである。
 
『忘れられた座席』では、原町カペラが車を運転しているシーンが映るが、助手席に男性が座っているシーンがフラッシュパックのように挟み込まれる。この顔が映っていない男性の役をしてくれたのは、花咲ロンドである!(むしろ男性のタレントさんに演じてもらうと後が面倒くさい)
 
『虹色の首飾り』は花貝パール・恋珠ルビーが宮古島の伝統的な織物である宮古織りの浴衣を着て、七色の珠で作られたお揃いの首飾りを着け、夕方海に架かった虹を眺めて涼んでいる様子が映っている。
 
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首飾り:真珠・アメジスト・ラピスラズリ・サファイア・エメラルド・トパーズ・ルビー
 
この撮影は忙しい所申し訳無かったのだが、宮古島までG450を飛ばして行ってもらい、撮影している。虹は偶然本当に架かったものである。1泊したので、ふたりは各々の実家に泊まった。
 
『夕暮れ時のスピカ』には姫路スピカに出演してもらい、夕暮れ時、小雨が降る中を可愛い花柄の傘を差しているスピカの映像が使用されている。顔の映っていない男女?は、実はフェイとヒロシである。むろんフェイが男役でヒロシが女役である!実は偶然スタジオのそばを通り掛かったので、川崎ゆりこが声を掛けたら出てくれたのである(友情出演としてクレジットした)。
 
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『一杯の水』では、ボロボロの服を着て、砂漠を歩く男が、倒れそうになるのをひたすら我慢して歩き続け、ついにオアシスを見付けて水を飲むというシーンが映っている。出演してくれたのは、揚浜フラフラである。彼にこんなに演技力があるとはと評価されるきっかけにもなった。
 
「名前がフラフラだからフラフラになって歩くのは得意」
などと本人は言っていた。
 
『雪の恵み』は水谷姉妹と甲斐姉妹の競演になっている。雪解け水が流れる様、田んぼに水が満ちてゆく様とともに、水谷姉妹のビブラフォン連弾、甲斐姉妹のマリンバ連弾の映像が入っている。
 
『髪の長い少年』では、白鳥リズム!に出演してもらっている。実は信濃町ガールズには多数の男子メンバーもいるのだが、大半の子がヴィジュアル的には女の子に見えてしまう。それで中身は女の子なんだけと最も少年っぽいビジュアルであるリズムに(ロングヘアのウィグを着けて)出てもらったのである。
 
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「少年役、全然OKです」
と言って、楽しそうに撮影されていた。
 
『キャット・ウォーク』は常滑舞音・水谷姉妹・地多めぐみ・宮地ライカの5人が猫に扮し、歩き回っている所を撮影している。舞音はもちろん黒猫だが、水谷妹が白猫で、水谷姉はごま色猫、地多めぐみは三毛猫で、宮地ライカはトラ猫である。
 
『背中に書いたラブ・レター』は、AYAのゆみが、夫の高橋和繁と一緒に出演してくれた。軽装の高橋が寝ている所の背中にLOVEの4文字をゆみが書く所を撮影している。Oはハート型に描いている。
 
『祭り太鼓』は演奏にも参加してもらった、花咲ロンド(篠笛)、西宮ネオン(太鼓)、夢島きらら(鉦鼓)が実際に楽器を演奏している所を撮影している。信濃町ガールズ関東のメンバーが、浴衣を着て、盆踊りのように輪を作って踊っている(撮影は屋外に見えるが実は春日部のスタジオ)。
 
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全国各地の祭りの映像もストック映像から取り込んでいる。
 
『時間の忘却』は、極めて多忙なコスモス自身が出演した。§§プロの練習生だった中学生時代の映像、デビューしたての高校生の頃の映像(当時はスカートを穿かないのがコスモスのスタイルだったので、ジーンズのパンツなどで映っている映像が多い:初めてスカート姿でCDジャケットに映ったら「コスモスちゃんが性転換しちゃった」などと言われた)。
 
そして1年ごとの映像を5秒ずつ入れた上で、豪華なステージ衣装を着て、ステージ用の濃厚メイクをしたコスモスが、歩いていくにつれシンプルな服装になっていき、メイクも軽くなっていき、最後は麻製の貫頭衣だけを身につけてすっぴんの顔になった状態になって、彼女のお母さん(同じく貫頭衣を着ている)と一緒に歩いて行く姿が出ている。十牛図の“牛人倶忘”に沿ったMV作りをしている。
 
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(日野ソナタが「よくスッピンで出られる」と感心していた)
 
公開後、コスモスちゃんのお母さんって、びじーん!という声が多数あって、お母さんが照れていた。(「それに比べて」以下についてはコスモスは聞かなかったことにした!)
 
『フィドルの妖精』は、アクア・葉月・大崎志乃舞の3人にヴァイオリンを弾いてもらっている所を撮影している。この撮影は実際にはこの曲をカノンに編曲したものを使用している。3人とも妖精のような白いシルクの衣裳である。つまりアクアは女性的な衣裳を着ているが、Fを徴用したので文句を言わずに着てくれた。この曲は本当はフィドルの先端のくるくるした所で妖精が遊んでいる、という曲であり、妖精がフィドルを弾いているという曲ではないのだが、まあいいだろう。
 
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11月13日に播磨工務店の南田社長は高岡市伏木で青葉の新居を朋子に引き渡したのだが、その後、南田は、秘書の七瀬を伴い、かほく市宇ノ気に移動して、茜の実家を訪問した。(*9)(*10)
 
(*9) 宇ノ気(うのけ)町は日本初のオフコンとされるUSAC (Unoke Standard Automatic Computer) を町おこし事業!として作っちゃった町である。現在は市町村合併で“かほく市”になっている。
 
「最近はコンピュータとかいうものが流行ってるらしいぞ」
「じゃ1台作ってみるか」
 
という感じのノリで、酒場に集まった数人(ほとんどがコンピュータの素人)が中心になり、わいわいがやがや議論しながら組み立ててしまったもの。1961年初号機完成(よく動いたものである)。初代の社長は当地の医師!である。素人集団なので早々に行き詰まり内田洋行を経て現在は松下・富士通が共同で設立したパナファコム傘下の PFU (Panasonic - Fujitsu - Usac) が事業を引き継いでいる。2021年時点では富士通の完全子会社。河北縦断道路を走っていると、芝生を刈って作った文字でPFUという表示がされているのを見ることができる。
 
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(*10) 七瀬が同行したのはコスモスの依頼である。七瀬か前橋が付いてないと、南田は計画図を無視した建築をしがちである。あまり勝手なことをされると、有り金はたいて家を買おうとしている茜が可哀想だ。
 
(岬は半分出そうかと言ったが、コスモスが「共同名義は絶対揉めるから友情を壊したくなければやめなさい」と忠告した。それで岬は茜に家賃を払うことにした)
 

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茜の両親は恐縮していた。
 
「社長さんご自身がいらっしゃったんですか?」
「いや、ついでがありましたから」
 
それで東京で茜本人やコスモスと話し合ってきた内容をかいつまんで説明すると、両親は基本的に茜の考え方でよいということだった。
 
それで姉の翠も降りてきて、両親と翠に南田・七瀬で3時間ほど話し合い、このような方針が決まった。
 
・茜と岬は夜遅く一緒に帰ってくるが疲れているのでお風呂待ちさせたくない。また岬は便秘気味で長時間トイレに籠もりがち。
→お風呂とトイレが各部屋にあるアメリカンスタイルを採用する。
 
・茜・岬と翠は生活サイクルが多分3時間くらいずれる。
→フロアを分けた方がお互い気兼ねが無い。キッチンは共用。
 
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・タレント活動していると洋服が物凄くたくさん必要なはず。
→衣裳部屋を作ってあげよう。
 
・練習部屋は翠用とラピス用が別々に必要。特に翠は広い部屋が必要。茜に電話で確認したが、ポップスの場合、どっちみちPAを通すので自然の音響は不要。ピアノも電子ピアノで充分。生ピアノを使う場合も(グランドピアノでさえあれば)小型のものでよい。
 
(アップライトピアノは問題外。アップライトなら、むしろクラビノーバが良い)
 

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以上を踏まえて、お父さんと南田は、このような“計画図”を書いたのである。
 

 
地下に2つ練習室を作り、今実家にあるYamaha C3X を運んでいって大練習室(翠用)に入れ、小練習室(ラピス用)に、クラビノーバ CLP-785 あたりとエレクトーン ELS-02 あたりを買って設置する(この楽器の購入は岬が自分が買うと言うので、彼女に任せた。正直、今回茜は家だけで精一杯。翠も−正確には親も!−学費だけで精一杯:岬が楽器を買ってくれたので、翠の入学金は茜が出してあげた)。
 
地下の天井の高さは3階建て相当の7mとし、小練習室の上に“中地階”(MB)を作って、楽器倉庫にする(楽譜とかCDもここに置くかも)。これは小練習室の方は天井が7mあるのは、かえって使いにくいからである。
 
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↑で茜の部屋のお風呂と岬の部屋のお風呂は隣接しているが、その間の線が普通の壁を表す黒ではなく、窓のある壁を表すグリーンになっている。これは岬がお風呂で眠ってしまっていないか、茜がチェックできるようにするためである!(岬は、この前科がたくさんあるので女子寮でも岬のお風呂にカメラを設置している!アイドルのお風呂にカメラが設置されているというのは凄い状況で、川崎ゆりこが「メディアに知られたらやばい」と言っていた)
 
なお3人は偶然にも全員西四命なので、南・南東・東・北が吉方位である。だから↑で赤字で記入した方位に家を建てることのできる土地を探すと“七瀬が”言っていた。
 
落合翠 2003.5.20 離
落合茜 2006.3.23 震
月乃岬 2006.1.14 震
 
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朱美・はるこは、朱美がお姉さんに見られがちだが、慎重な山羊座と、考える前に行動する牡羊座の違いであり、実際は、はるこが2ヶ月ほどお姉さんである。
 

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12月上旬、トリビュートアルバムの編曲作業のゴールが見えてきたところで、青葉にはラピスラズリと一緒に“作曲家アルバム”のインタビューをお願いした(この時期はアクアが超多忙でなかなか歌唱の時間が取れないので、編曲も多少遅れてもよかったのである)。
 
前回のインタビューは9月18-20日におこない、野潟四朗さん、鹿島信子、フェイとヒロシをインタビューしている。このフェイとヒロシの分が2月7日放送予定だが、この番組は3月で終了予定で、残りは3回である。3月21日の最終回には、青葉自身を取り上げることになっているので、それ以外に取り上げるのは残り2組である。
 
そういう訳で今回の取材日程はこのようになった。
 
12月7日(火) 丸山アイ
12月8日(水) 望坂拓美
12月9日(木) 大宮万葉
 
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平日だが、ラピスラズリの日程が土日は完全に埋まっており、平日しか取材に行けないのである(実際2人は11月下旬から、かなり学校を休んでいる。この番組は最終回の大宮万葉を除いては、夕方からの取材にしてもらっていた)。
 
この番組は4月以降も続けるかもという意見もあるらしいが、その場合はラピスラズリは降板させて、誰か他の子でと、放送局側には申し入れている。
 
(水谷姉妹あたりが有力:甲斐姉妹ではYe-Yoの歌唱力に難があるし、更にYe-Yoはあまり機転が利かないので、インタビューアーとして使いにくい)
 

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夏の日の想い出・虹の願い(10)

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