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■夏の日の想い出・天下の回り物(8)

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ニューヨークではイギリス行きの船に乗り遅れてフランス行きの貨物船に乗り込むエピソードを撮影する。予めそれっぽい中型船を調達してもらっていたので、それを使って撮影した。この貨物船のクルーを演じる人たちは一緒にイギリスまで同行してもらう。
 
EWR 8/02(Thu) 8;30-20:40 LHR
 
例によってアクアはアメリカ出国でもイギリス入国でも揉めた!
 
一方葉月は何の問題も無く女性として国境通過している。
 
ロンドンのヒースロー空港に到着したので、そのままリバプールに移動して2日はリバプールに宿泊した。翌日はまずリバプールに船が到着するシーンから始める。これはニューヨークで撮影したのと似た船が調達されていて、その船でアメリカから同行した船員役の俳優さんたちと一緒に撮影する。
 
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それからイギリスで用意してもらっていた警察署に見立てた建物、スタジオ内に作られた監獄のセットなどで撮影をする。
 
ここで大林がアクアを逮捕する所、アクアが大林を殴る所などを撮り、4日はロンドンに移動して、フォッグとアウダのプロポーズシーン、教会に行ってきたパスパルトゥが
 
「旦那様、今日は土曜日です!」
 
と言って、戸惑うフォッグを無理矢理馬車に乗せるシーン、などを撮影した。
 

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これで日本からイギリスまで旅の後半の撮影が終わったので、続いてイギリスから日本まで、旅の前半の撮影を始める。
 
旅の出発のシーンをロンドンの古い建物が残っている地区を使って撮影していく。ロンドンの撮影は5-6日の2日間掛けておこなわれた。そしてその後、ドーバーに移動して連絡船に乗る所を撮影する。
 
Dover 8/07(Tue) 11:00-13:30 Calais
 
フェリーの乗船時間は1時間半なのだが、フランスはイギリスより1時間時計が進んでいるので、カレーに到着したのは13時半である。例によってフランス入国で揉めるが、アクアも面倒くさくなって山村のアドバイスで
 
「Je suis transsexuel(私は性転換者です)」
と言ったら、すんなり通してくれた!
 
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列車でパリに移動して、7日はパリに泊まる。パリでも2日掛けて色々撮影した。
 

9日の夕方、パリ郊外のレストランで食事をしていた時のこと。
 
このテーブルにはアクア、葉月、大林、スキ也、監督、それにワルツが座っていた。
 
「撮影も山場は越えたかなあ」
などと話していたら、ウェイターがやってきて
 
「Ce sont pour les femmes」
と言って、グラスに入ったプリンのような感じのデザートを、アクア、葉月、ワルツの3人の前に置いた。
 
「何て言ったんだっけ?」
と監督が言ったが、今のフランス語が聞き取れた大林が言った。
 
「女性のお客様へといってましたよ」
 
「うーん・・・」
と一瞬みんな考え込んだものの
 
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「まあその3人は女の子だよね」
とスキ也が言い
 
「まあアクアちゃんも女の子の一種ということでいいよね」
と監督も言った。
 
(監督は葉月のことを最初から女子と思い込んでいる)
 

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10日は早朝にホテルを出て、列車でローマまで移動する。車窓の風景やそれを見ている一行の様子も撮影する。
 
Paris 8/10 6:37 (TGV9241) 12:24 Torino Porta Susa
Torino 12:35 (Italo AV8985) 13:26 Milano
Milano 13:35 (Italo AV9931) 16:53 Roma Tiburtina
 
パリからトリノまではフランスの新幹線TGVに乗った。そしてトリノからミラノ経由でローマまではイタリアの“超新幹線”Italoに乗っている。
 
このItaloは実はフランスでTGVの後継車両として開発されたAGVを使用している。フランス国内ではまだ置き換えが行われていないのに、先にイタリアで採用されたのである。
 
イタリアの鉄道はローカル線や普通の特急や新幹線などを運行しているトレニタリア(Trenitalia)社と超高速鉄道Italoを運行するNTV社とが主力である。
 
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トレニタリアの新幹線にはフレッチャ・ロッサ(赤い矢)300km/hとフレッチャルジェント(フレッチャ・アルジェントの音便。銀の矢)250km/hがあり、その下に200km/hの高速列車フレッチャ・ビアンカ(白い矢)もある。
 
しかしイタロは高速新線TAVを使い、AGVが最高速度360km/hで運行されている。Italoはフェラーリと同じ赤い色に塗装されている。イタリアは赤が最高の色を表す感覚のようである。
 

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ローマではまた船が出港する所を撮った上でローマのフィウミチーノ空港からエジプトのカイロに飛ぶ。
 
FCO 8/11(Sat)18:20-21:30 CAI
 
ローマとエジプトは時差が無い。実はフランスやイタリアは中央ヨーロッパ時間(UTC+1), エジプトは東ヨーロッパ時間(UTC+2)を使っているのだが、エジプトは夏時間を採用しないので、夏の間はフランスやイタリアと同じ時間になってしまうのである。
 
エジプトでの入出国で揉めるとまずいと考えた山村はアクアに男装させた!
 
子供用の背広を着せ、付けひげまで付けさせたのである。
 
これで何とかアクアはエジプトにノートラブルで入国することができた。
 
ちなみに葉月は普通に!自分の学校の夏制服のブラウス・スカート姿で問題無く入国できた。エジプトは西洋並みに開けているトルコに比べるとかなり保守的ではあるものの、アラブの中では比較的柔軟なので、外国人女性の場合は服装もあまりうるさく言われない。ただ、ワルツや衣裳さん・メイクさんはあまり肌を露出しない服を着ている。
 
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エジプトではあまり表だった所で撮影していてトラブルが起きるとまずいので、大半の撮影をホテルの中庭で行った。屋外ロケは女性スタッフを外して行っている。ただ出演者は何とかしなければならないので、アクアはしっかり男装させて連れ出している。エジプトはまだアウダが合流する前なので、西湖もホテルで休養させ、アクア・大林・スキ也の3人だけで撮影している。
 

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インドのムンバイ(旧ボンベイ)に移動する。
 
CAI 8/13(Mon)16:50 - 8/14 2:00 BOM
 
インドも保守的な国だが、エジプトよりはずっと楽なので、スタッフも緊張感が解ける思いだった。
 
ここでアウダがフォッグたちに救出される場面を描くことになる。原作ではサティで殺されようとしていた所を助けるのだが、サティというものを描くことがインドの観客に反感をもたせる可能性を考慮して、ここも大胆な設定変更をしている。
 
アウダは人身売買組織に売られようとしていた所をフォッグたちが助ける設定にしたのである。
 
この撮影はムンバイの映画制作スタジオを借りて3日掛けて撮影が行われ、インドの現地俳優さん・女優さんたちが多数参加してくれた。彼らがノリが良くてどんどんこちらに提案してくれる。監督も面白がってその変更をどんどん採用したので、このインドでの物語は結局30分近く使う長いエピソードとなった。
 
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コルカタ(旧カルカッタ)に移動する。
 
BOM 8/17(Fri) 20:30 - 23:15 CCU
 
ムンバイでの撮影が膨らんでしまったので、コルカタでの映像はあまり使われない可能性も出てきたのだが、予定通りの絵を撮っておく。その後バンコク経由で香港に移動する。
 
CCU 8/19(Sun) 2:00 - 6:10 BKK 10:45 - 14:30 HKG
 
香港では主として風景の撮影を多く行っている。更に上海(浦東)に移動する。
 
HKG 8/20(Mon) 19:10 - 21:55 PVG
 
そして上海から日本へは、本当に客船・蘇州號での旅をするのである。丸2日掛けての旅であるが、これは今回の撮影のエポックとなった。
 
上海 8/21(Tue)11:00 - 8/23(Thu) 9:00 大阪港
 

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船は少人数用の船室に乗るのだが、男女を分ける必要があったので、こういう分類になった。
 
貴賓室1(2) 監督(M) プロデューサー(M)
特別A1(2) 大林(M) 雪原(M)
特別A2(2) アクア(M) 山村(?)
特別B1(4) 葉月(F) ワルツ(F) 女性衣裳(F) メイク係(F)
1等室1(5) スキ也(M) 脚本(M) 助監督(M) 男性衣裳(M) 通訳(M)
2等室1(5) 撮影係4人、助手
2等室2(5) 照明係2人・音響2人、助手
 
貴賓室(料金10万円)を1つ借りたのはこの部屋でフォッグ氏やアウダが船内で過ごしている様を撮影するためである。物語ではフォッグ氏とアウダは別の部屋に泊まっている設定なので、一部カーテンを交換したり調度を変えたりして別の部屋であるように演出した。
 
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せっかく借りているので夜間は監督とプロデューサーがここに泊まることにした。
 
主役のアクアと準主役の大林は貴賓室より1ランク落ちる2人用特別室(料金4万円/人)に各々のマネージャーと一緒に泊まる。
 
女性4人は4人用特別室(料金3.7万円/人)に入れる。これは女性は上等な客室に入れた方が、様々な問題を回避しやすいからである。葉月はここまでホテルはいつもワルツと一緒の部屋に泊まっていたのだが、ここでもワルツと一緒なので、最初は他の女性もいるということで少し緊張したようだが、すぐにリラックスすることができた。衣装係さんとメイクさんは葉月の性別に全く気付いていない。
 
スキ也は半ばスタッフ扱いで、それでも2等室ではなく脚本家などと一緒に1等室に入れてもらった。
 
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なお、アクアと山村はここまで来る途中のホテルでもだいたい2人で一室ツインの部屋を使っていたのだが、そうしていたのは、実はその部屋に3人のアクアを泊めるためという深い理由もあったのである。
 
2つのベッドに4人でどう寝るかというと、アクアFがひとつベッドを占有し、アクアNとアクアMがひとつのベッドに一緒に寝て、山村はソファか、ソファが無い所では床に寝ていた!
 
なお船が出港するシーンの撮影は、別途日本から上海に入った撮影スタッフが撮影してくれている(彼らは飛行機で日本から上海に入り、撮影後飛行機で日本に戻る)
 

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船内では、デッキでフォッグとアウダが会話するシーン、パスパルトゥが船内のカジノで大損するシーン、フィックスが何やら書類を見ながらぶつぶつ言っているシーンなども撮影する。
 
この船にはカジノは無いのだが、特に許可を得てラウンジにルーレットを置き、営業時間外の深夜にこのシーンを撮影した。乗客の中で協力してくれる人たちにカジノの客の役を演じてもらった(出演料1000円または60元+お食事券)。
 
実はこのカジノのディーラー役で、昨年の『キャッツアイ』でディーラーに扮した(正確には泪役だが、泪がディーラーを命じられた)ハイライト・セブンスターズのヒロシに特別出演してもらった。
 
「女ディーラーと男ディーラーとどちらを演じたい?」
と訊かれてヒロシは
 
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「一応、ボク男なんで男ディーラーでお願いします」
 
と言っていたのに、女ディーラーの衣裳を着せられていた!
 
彼は出港シーンを撮影するスタッフと一緒に飛行機で上海に入ってこの船に乗船した。彼には1人用特別室に泊まってもらっている。
 

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8月23日に大阪港国際ターミナルに到着。この到着するシーンは国内のスタッフ(実は上海で出港するシーンを撮ったのと同じクルー)で撮影される。一行は新幹線で横浜に移動して、横浜でのシーンを撮影して、この世界一周の旅を終えた。
 
7月23日に出発してから、ちょうど1ヶ月の撮影旅行であった。その間に両端を入れて32日間掛かっているが、1日重複しているため、アクアたちは32泊33日の旅をしている。
 
『八十日間世界一周』はこの後、一部のシーンをスタジオで撮影した上で、年末に公開される予定である。
 
 
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夏の日の想い出・天下の回り物(8)

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