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■夏の日の想い出・天下の回り物(4)

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ふたりの力作に刺激されて私も『砂の城』(8月)という作品を書いたのだが、マリが「却下」と言った。
 
「え〜〜〜?」
「こんなの和泉ちゃんが見たら、千里に渡して修正させるよ」
「むむむ。それは微妙に嫌だ」
 
「だったら自力でリファインしなよ」
「どうすればいいんだろう?スコアをプリントするから問題箇所を指摘してくれる?」
 
「うん。いいよ」
 
それで政子にこの楽曲のピアノ譜を渡した。すると政子は赤いマジックインキで大きくスコア全体に×印を付けた。
 
「え〜〜〜〜〜!?」
「全体的な雰囲気がよくない」
「むむむむむ」
 

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政子の話をよくよく聞くと、どうも全体的に和音が気持ち悪いのだという。政子はこのピアノ譜の伴奏部分だけ実際にマンションにあるクラビノーバで弾いてみせてから
 
「全ての音がスッキリしない」
と言う。
「確かに千里などもこういう私の和音使いが好きじゃないみたいで、彼女に譜面を渡すと、全部シンプルな和音に変えちゃうんだよ」
 
「私もきれいな和音の方が好きだ」
と政子は言う。
 
どうもそこを直さないと先に進まないようなので、結局私は+9,-9,+11のような和音を全部シンプルな三和音かせいぜい7thくらいの和音に直す。そしてsus4, dim, aug のようなのも外してしまった。
 
結果的に全体的に明度があがったような曲になる。個人的には軽すぎて好きではないのだが、政子はその方が好みのようである。
 
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「うん。少し良くなった」
と政子も言い、改訂したピアノ譜で今度はもう少し細かい点を指摘しはじめる。
 
結局3日くらい掛けて修正した所で、私たちは和泉に聴いてもらった。
 

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「冬、一時期よりは精神力回復したみたいね」
と和泉は言った。和泉には政子の手で調整されたことを言っていない。
 
「そう?個人的にはあまり好みではない部分あるんだけど」
 
「だけどこの曲はボツ」
と和泉は言った。
 
「え〜〜〜〜!?」
 
「これはケイの品質の曲ではない。これはタイトルを変えてUDP(上島代替プロジェクト)に回そう」
 
「うっ・・・」
 
「代わりに私が1曲書いてあげるよ」
と言って和泉は1日で新たな『砂の城』というタイトルの曲を書いてくれた。
 
「うん。こちらがずっといい」
と政子は言っている。
 
「冬はしばらく作曲しない方がいい」
と和泉は言った。
 
「うっそー!?」
 
「でないと、二度と作曲家として復活できなくなる」
「うーん・・・」
 
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「昨年の『郷愁』で無茶苦茶、無理をした。それでこの4月から今月まで4ヶ月ほどで冬は既に250曲くらいの作品を書いている」
 
「私、そんなに書いたっけ!?」
「ああ、もう自分が何曲書いたかも分からなくなっているね」
 
「じゃ冬はしばらく作曲禁止で」
と政子は言った。
 
「そんなあ」
 
「じゃ月に1曲だけは書いていいことにしよう」
と和泉。
 
私は少し考えてから言った。
「分かった」
 
「心を休めないとダメ。冬は物凄い能力を持っている。だからみんな期待する。冬はその期待に応えようとする。でもそれは冬の能力限界を超える。私も代理してあげるし、青葉ちゃんや醍醐先生も代理してくれるんだから、今年は冬は名前だけ作曲家でいればいい。250曲も書けばこれ普通の作曲家の12-13年分だよ」
 
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それって2014年4月1日の私の《ローズクォーツ卒業記者会見》の時、雨宮先生が言っていたことだと私は思い起こした。
 
「そうだなあ」
 
「だから夏フェスは青葉ちゃんの『雨の金曜日』、醍醐先生の『紅葉の道』、そして私が書いた『砂の城』の3曲で」
 
「じゃ、和泉ちゃん、2人で曲目ラインナップを決めようよ」
と政子。
「じゃ2人でやろう」
と和泉。
 
「私は?」
「気分転換に性転換するとか?」
「何のために〜?」
「冬が性転換しちゃったら、正望さんが困るよ」
「そうだ。正望さんの奥さんでもしてるとかは?」
「無理。正望は全国飛び回っている。下っ端だから使い走り」
「花嫁修業するとか」
「音楽したい」
 
「んじゃショパンコンサートでも開けるようにピアノの練習をするとか」
「ショパンか・・・・」
 
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そういう訳でこの後、私は翌年6月に宮古島に行くまで、ほとんど曲を書かない(書けない)状態が続くことになる。
 

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今年の苗場ロックフェスティバルの大まかな出演者はこのような感じであった。
 
7月19日(木) 前夜祭
7月20-22(金土日) 本番
 
■Jステージ(1000人)
20 品川ありさ、高橋ひろか、西宮ネオン、姫路スピカ、白鳥リズムなど21 ムーン・サークル、星原琥珀、松梨詩恩、田川元菜、アンミル、メグノンなど22 遠上笑美子、立山みるく、坂井真紅、紅梅、など
 
Jステージの20日は§§ミュージック専用になってしまった。実際の出演者は、このように発表されている。
 
10:00 石川ポルカ 11:00 桜木ワルツ 12:00 花咲ロンド 13:00 白鳥リズム 14:00 姫路スピカ 15:00 西宮ネオン 16:00 高崎ひろか 17:00 今井葉月 18:00 品川ありさ 19:00 川崎ゆりこ
 
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いわく『出席番号逆順』である。出席番号が最も若い(=デビュー年が早い)桜野みちるは別格で22日のFステージ冒頭に登場する。
 
21日にはアクアの同級生・松梨詩恩と、西湖(今井葉月)の同級生・田川元菜が続けて登場する。星原琥珀(この子もアクアと同じ高校だが別クラス)や森風夕子、北野天子なども含めて、次の女性トップアイドルの座を伺う子たちである。
 
■Hステージ(5000人野外)
20 オズマドリーム、ミルクチョコレート、XANFUS、Hanacleなど
21 三つ葉、奈川サフィー、貝瀬日南、鈴鹿美里、KARIONなど
22 山森水絵、丸山アイ、小野寺イルザ、プリマヴェーラ、AYAなど
 
■Rステージ(5000人屋内)
20 ボニアート・アサド、クロコダイル、らべんだ、カチューシャ、ストーム5、など21 チェリーツイン、スリファーズ、ローズクォーツ、Wooden Four、スカイロード、など
 
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ここは比較的安定した動員を稼ぐアーティストたちである。ボニアート・アサドは微妙なのだが、トップバッター(事実上の前座)として、ここに組み込まれた。若手の期待株である。
 
カチューシャというのは、線香花火(干鶴子+杏菜)、シレーナ・ソニカ(穂花+優香)にボーカルとして種田広夢(おいだ・どりむ)ちゃんが加わって編成された5ピース・ユニットである。
 
広夢(どりむ)ちゃんは三つ葉が選ばれたオーディションでステージ・オーディションまで行ってそこで落とされた子である。あの後、ストリート・ミュージシャンなどをしていたらしいが、食べ放題の店!?で穂花と遭遇して意気投合したのがこのユニットを作るきっかけになったらしい。スリムな体型なのに、ラーメン5杯完食したことがあるという。その話をしたらマリが「一度一緒にごはん食べに行きたい!」と言っていた。
 
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広夢ちゃん自身はトレショトカという楽器を演奏?しながら歌う。万能プレイヤーの干鶴子(えつこ)がバラライカを弾き、杏菜がバヤンを弾く。そういう訳でロシア歌謡をメインとするユニットである。
 
広夢ちゃんの地元である長野県大町市の特別支援学校の学園祭のために編成した、臨時編成ユニットだったのだが、その学園祭で見た学校関係者から「うちでも演奏して」「うちにも来て」と言われて、あちこち客演している内に、どんどん来演依頼が舞い込んで、結果的に長野県中、やがて関東や富山・石川方面でも演奏するようになり、とうとう全国ツアーまでやってしまった。
 
広夢がソロ歌手を目指していたこともあり、2018年春に解散すると宣言したのだが、解散は惜しい!もっと聞きたい!という要望が凄かったので、取り敢えず2019年春まで活動を延長している。契約に関しては、線香花火(=e&a)の関わりで、現在◎◎レコードと事務処理代行の契約を結んでいる。
 
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(バヤン(баян)はローズ+リリーの公演でも使用したがロシア式のアコーディオンである。バラライカ(балалайка)は三角形のギターに似た楽器。トレショトカ(трещотка)というのはウッドブロックが多数まとめられた楽器で、富山県のこきりこで使用する“板ざさら”などと同系の楽器と思うのだが、広夢ちゃんが歌いながらこれを鳴らす所は、それ自体がひとつの“芸”であり、とても見応えがある)
 
■Fステージ(1万人)
20 ラビット4(いちご組)、南藤由梨奈&レッドブロッサム、ラビット4(めろん組)、シュールロマンティック、ラビット4(さくら組)、など
21 ナラシノ・エキスプレス・サービス、ラララグーン、バインディング・スクリュー、など
22 桜野みちる、ステラジオ、スカイヤーズ、サウザンズ、スイート・ヴァニラズ、など
 
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さて・・・昨年2つに分裂して世間を驚かせたラビット4はその片方が更に分裂して、いちご組・めろん組・さくら組という3つになってしまった。むろん○○組というのは区別するために放送局などが付けた通称であり、3組とも正式名称は全て同じ「ラビット4」である。従って進行係が紹介する時も「ラビット4です」としか言わないが、プログラム上では3組全部の承認を取って通称を表示している。
 
(世間では、きっと来年は4つになると予想されている)
 
「俺たちは緩衝材か?」
とラビット4とラビット4の間に挟まれたシュールロマンティックの野潟さんがぼやいていたが、同じく緩衝材にされた南藤由梨奈&レッドブロッサムの鮎川ゆまが「まあまあ」となだめていた。
 
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南藤由梨奈&レッドブロッサムは3月までは普通に「南藤由梨奈」の名前で活動していたのだが、これまで上島雷太・蔵田孝治の2人で共同プロデュースしていたのが、上島先生の離脱で蔵田さんの単独プロデュースとなったことから、少し路線変更して、ポップロック寄りに制作することにし、バンド的な名称に改名した。南藤自身も間奏でピアノプレイを見せたりする(元々ギターとピアノが弾ける)。
 
上島先生が書いた曲が使えないので、一部鮎川ゆまの作品や、南藤由梨奈自身が歌詞だけ書き、曲はゆまと共同で作った曲、それに松本葉子・松本花子作品!も2曲ラインナップに加えた。この急遽加えた曲を秋頃にアルバムとしてリリースする方向である。
 
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■Gステージ(4万人)
20日
1100-1200 アクア(日本)
 
21日
1030-1130 アクア(日本)
1300-1400 ゴールデンシックス(日本)
1500-1600 レインボウ・フルート・バンズ(日本)
1700-1800 愛戦士達(オーストラリア)
1859-1959 リダンダンシー・リダンジョッシー(日本)
2100-2200 ウォーター・ライフ(アメリカ)
 
アクアはとうとう2日間演奏になってしまった。しかも今年は抽選である。整理券を2日間合計で7万枚発行するので、それを持っていないと入場できない。
 
(本来4万人入る会場だが、アクアの公演ではロープを張ってブロック指定仕様にするので3.5万人しか入らない。アクアの次に1時間半あけるのはロープ撤去に時間が掛かるからである)
 
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抽選は19日18:00〜20日8:00までに携帯(ガラケーまたはスマホ)でエントリーしてもらい、結果は9:00に発表される。エントリーの時に必要な入場者数の分、このフェスのチケット(または出演者パス・伴奏者パス)の一連番号を入力しなければならないので、二重に申し込むことはできない。二重に申し込んでいる場合は、全てのエントリーが無効になる。
 
22日
1000-1100 金属女給(日本)
1200-1300 セカンド・ディメンション(スペイン)
1400-1500 ハイライト・セブンスターズ
1600-1700 セクサゴン・パニック(イギリス)
1800-1900 ローズ+リリー(日本)
2000-2100 ドリームボーイズ(日本)
2200-2300 マニアル・ガーデン(イギリス)【Head Liner】
 
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今年のヘッドライナーは2015年にヘッドライナーを務めたマニアル・ガーデンが帰ってきた。そしてそのひとつ前、日本人アーティストのラストには、この日だけ特別結成するドリームボーイズが入る。
 
私は
「ダンサーにカウントしているからな」
と蔵田さんから言われている。
 
「きついですー」
と言ったのだが
「ローズ+リリーより後の出番だから何とかなるだろ?」
と言われてしまった。
 
 
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夏の日の想い出・天下の回り物(4)

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