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■夏の日の想い出・東へ西へ(19)

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12月1日の『性転の伝説』収録では、私は審査員になったマリを放送局まで車で送っていき、いったん自宅に帰って溜まっている様々な作業をしていた。帰る時に呼んでもらえば迎えに行くということにした。以下は政子から聞いた話である。
 
この番組は放送時間は夜19:00-20:54の114分で、CMとオープニングを除くと101分の長さになる。実際の収録時間は3〜4時間の予定だったが、実際には途中の休憩をはさみながら13時から18時すぎまで5時間の長丁場になった。
 
20人の男性タレントさんを登場させ、だいたい1人あたり5分くらいのトークをするのを目安にしていたのだが、実際には女装させるのに時間がかかって次の出場者が出てくるまで間があったりした。
 
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最後に出場者が女装のまま並ぶシーンがあるため、女装させられた出演者は最後までその格好でいなければならない。一応出演者には「トイレは男性用を使用して下さい」と注意しているので、この日ΛΛテレビのトイレには女性の格好をした男性タレントさんが多数入って来て、他の番組の出演者さんがギョッとする場面もあったらしい。ヒロシなどは女装するとマジで女の子にしか見えないので年配の俳優さんから「君、ここは男子トイレだよ」と注意されて困った、などと言っていた。
 
一般に忙しい人は後の方で来ればよいようになっており、割と暇と思われるタレントさんの収録を先にやっている。
 
つまり実は実際の収録順序と放送順序は異なっている。
 
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番組のトップバッターとして登場したWooden Fourなども実際には収録の後半になって放送局入りをしている。
 
また実際の放送順は、きれいな人と笑うしかない人が交互程度に登場するように整列していた。また、笑うしかない人の多くは5分くらいトークをしていても、放送時は1分程度にカットされている。より美しい人はより長く映している。
 

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そういう訳で《放送順》はこのようになった。
 
1.Wooden Fourの本騨真樹 50点 性転換手術のクーポン券(拒否)
2.美青年俳優の高橋和繁 45点 スカート20着
3.バインディング・スクリューの田船智史 45点 ブラジャー20枚
4.ウィリーウィリーの健 20点 女性ホルモン注射
5.スカイロードのkomatsu 44点 女子用水着10着
6.俳優の三鷹春男 30点 お化粧品セット
7.漫画家のクラリス城 42点 牛の去勢器具
8.トランプリンの貴弘 15点 バストブースター
9.Rainbow Flute Bandsのポール 45点 パンティ50枚
10.ハルラノの慎也 0点 女性ホルモン注射1年分
11.ナラシノ・エキスプレス・サービスの海野博晃 45点 女子中学生用セーラー服3着
12.サッカー選手の田安達郎 38点 ハイヒール10足
13.俳優の田崎秀三 40点 キャミソール20着
14.作家の近藤長作 28点 女性ホルモン注射
15.ハイライトセブンスターズのヒロシ 50点 性転換手術のクーポン券(拒否)
16.演歌歌手の原口猛瑠 25点 女性ホルモン注射
17.大学教授の篠川英太 38点 パンティストッキング100足
18.スカイヤーズのBunBun 40点 女性コスプレ衣装セット
19.ローズクォーツのサト 20点 女性ホルモン注射
20.アクア 50点 強制性転換→視聴者に譲る
21.大林亮平 50点 50点 性転換手術のクーポン券(拒否)
 
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実はこれ以外に出演者に何かのトラブル(事務所の意向による辞退や不祥事)があった場合に備えて、お笑い芸人さん2人を撮影しているが(実は最後の整列シーンにも端に2人立たせていて、彼らまで映した映像も存在した)、そのような非常事態は起きなかったので、この2人の女装映像はお蔵入りとなった。
 

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アイドルユニットWooden Fourの本騨真樹君は美しい女装を披露して50点をもらい「性転換手術のクーポン券プレゼント」と言われたものの受け取りを拒否した。代わりにウィングの商品券10万円分をもらったのだが、この部分は放映されなかった。本騨君はこれを実際には恋人の山村星歌に譲ったが、そのこともWooden Fourのメンバー以外は知らない。
 
美青年俳優の高橋和繁は結構きれいな女装を披露して45点をもらい、賞品としてスカート20着(のクーポン)をもらった。彼は同じ事務所の女優さんに譲ると言っていた。
 
ロックバンド、バインディング・スクリューの田船智史もやはりきれいな女装で45点をもらい、ブラジャー20枚のクーポンをもらったが「姉に譲ります」と言っていた(姉は作曲家の田船美玲)。
 
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お笑いコンビ・ウィリーウィリーの健は適当な女装(明らかに手抜き)で20点となり、女性ホルモン注射をしますと言われて警備員(役の人)に取り押さえられ、白衣を着た医師(本物)に注射をされて悲鳴をあげていたが、実際にはこの場面は放送されなかった! 実際には注射したのはブドウ糖らしい。彼の出演場面はそもそも1分しか流されなかった。彼はこのほかお土産に花村唯香の写真集をもらっていた。
 
男性アイドルグループ・スカイロードのkomatsuはまたきれいな女装で44点をもらい、女子用水着10着をもらった。ファンクラブで募集して抽選で10人に配りますと言っていた。
 
アクション俳優の三鷹春男は結構しっかり女装させられていたものの、本人の骨格がどうにもならないので30点であった。お化粧品セットをプレゼントされていたが、同じ事務所の女優さんに譲ると言っていた。
 
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漫画家のクラリス城は、まあまあの女装で42点をもらい、牛の去勢器具をプレゼントされた。漫画の資料に使わせてもらいますなどと言っていた。
 
お笑いコンビ・トランプリンの貴弘はまた適当な女装で15点であった。実は慎也を除く出演者の中の最低点である。プレゼントはバストブースターで、その場で塗られていたが「これ本当におっぱい大きくなっちゃうの?」などと不安そうな顔を見せていた(バストブースターの効き目はせいぜい数時間)。彼もお土産に花村唯香の写真集をもらった。
 
Rainbow Flute Bandsのポールは、かなり無理のある女装で、きれいにお化粧され可愛い服を着ているものの男にしか見えなかったのだが、審査員は45点を付けた。彼は実際には肉体的には女なのだが、ふだん男装でしかテレビにもステージにも姿を見せておらず、女装姿は貴重な露出だったので、それでみんな9点を付けたようである。パンティ50枚をもらったが、彼は男性用トランクスしか穿かない。女物のパンティを使用する他のメンバーに分けますと言っていた。
 
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「女物のパンティ穿くメンバーって誰?」
という質問に彼は
「うーん。。。キャロルかなあ」
 
と答えて笑いを取っていた。ふだんあまり笑わないキャロルもこれには吹き出していた。むろんゲイのキャロルが女物を穿く訳が無く、実際にはモニカ、アリス、ジュン、フェイの4人で山分けしたようである。“性別不詳”のフェイは過去に
 
「ボクはちんちんはついてるけど、パンティは女の子パンティが大好き」
と深夜のラジオ番組で発言したこともある。
(但しこの発言の前半については「嘘つかないように」とそばに居たアリスから突っ込まれていた)
 

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そして10番目にはハルラノの慎也が登場するが、彼はファンデもアイライナーも入れられず、化粧は口紅を塗っただけ。服もバーゲンの売れ残りのようなスカートを穿いただけというひどい格好で0点であった。女性ホルモン注射1年分をプレゼントすると言われたものの拒否した。
 
実はこの番組で何もプレゼントをもらわなかったのは慎也のみである。
 

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「口直し」に登場したナラシノ・エキスプレス・サービスの海野博晃は元々女装が趣味であることを公表している(女になりたい訳ではなく女性ホルモンなども摂っていないし、奥さんとは普通の夫婦生活をしているらしい)。「スタッフに頼らず自分でお化粧して自前の服をもってきて着た」と自分で言っただけのことはあり、ごく自然で、普通にそのあたりに居そうなおばちゃんになっていた。45点をもらう。
 
この番組では予定している3人(本騨真樹・ヒロシ・アクア)以外には最高でも45点しかつけないことを審査員たちは事前に決めていた(最後に予定外だった大林亮平に50点をつけたのはオマケ)。
 
海野さんは女子中学生用セーラー服3着をプレゼントされたが「ライブで着る」と約束していた。
 
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サッカー選手の田安達郎はかなり無理のある女装だったが「可愛い」という声が審査員のマリや花村唯香から出て結局38点ももらう。ハイヒール10足をプレゼントされていたが、球団の事務の女の子たちに配りますと言っていた。
 
三枚目俳優の田崎秀三は意外に可愛くなっていて40点をもらう。キャミソール20着をプレゼントされたものの、女房に譲ると言っていた。
 
バラエティ番組に登場の多い作家の近藤長作は適当な女装で28点。女性ホルモン注射と言われて、彼も警備員に取り押さえられて強制的に注射されたらしいが、この場面はやはり放送されなかった。実際に打たれたのはニンニクらしい。彼の登場シーンも1分しか放送されなかった。彼もお土産に花村唯香の写真集をもらった。
 
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ハイライトセブンスターズのヒロシは本当に可愛い女装で「結婚したい」という声が他の(男性)出演者からまで出ていた。むろん50点をもらい、性転換手術のクーポン券プレゼントと言われたものの拒否してウィングの商品券10万円分をもらっていた。彼は放送された部分でも「スカートくらい穿いてますよ」と発言したが、この商品券も「自分で使う」と言ったらしい。ここはさすがにまずいのではということで、商品券プレゼントの部分以降は放送ではカットされた。
 
演歌歌手の原口猛瑠も適当な女装をさせられて25点であった。彼も取り押さえられて「女性ホルモン」を注射されたが、実際には生理食塩水だったらしい。例によってお土産は花村唯香の写真集である。彼の登場シーンも放送では1分しか無かった。
 
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実はひどい女装を披露して、3分以上の時間を取って放送されたのも慎也のみだったのである。
 
バラエティ番組に登場の多い大学教授の篠川英太は元々がスリムな体型だけあって結構見られる女装になり38点を取った。パンティストッキング100足をプレゼントされたが「女房が使うと思います」と言っていた。
 
スカイヤーズのBunBunもまあまあの女装で40点を取った。女性コスプレ衣装セット(ナース・CA・セーラー服)をもらったが「スカイヤーズの他のメンバーに着せる」などと発言していた。
 
そしてラスト前に登場したローズクォーツのサトは極めて不気味な女装を披露し「サトさんの登場シーンは全部カットしましょうか?」などと司会の古屋さんが言うほどの事態となったものの「まあいいでしょう」と審査員長の荻田さんが言ったので撮影は続行された。20点を取って女性ホルモン注射をされた(実際にはクエン酸)が、例によって注射シーンは放送されなかった。彼は《特製タカ子写真集》をお土産にもらった。
 
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(このタカ子写真集が欲しいという問い合わせが放送後随分寄せられて本当に写真集を作ることになってしまった!
 

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そして最後にアクアが登場し、この場面は実際の収録でも15分掛け、放送でも8分ほど掛けている。彼はもちろん50点満点で、強制性転換と言われたものの「その権利を視聴者に譲ります」とかわした。ここは実際台本には無かったやりとりで、アクアがどうも機転が利きそうと判断した古屋さんが、わざと無茶振りしてみたのだが、アクアはうまく対処して、後からプロデューサーや古屋さんから褒められたらしい。
 
その後、オマケで大林亮平が登場し、彼もとても美人になっていたので50点をもらった。性転換手術のクーポン券は拒否して、ウィングの下着クーポン10万円分をもらったが、これは「後で適当な人に譲る」と発言したため、彼の妹さん(モデルの大林みるく)に譲るのではと思った人が多かったようだが、実際にはマリにプレゼントしたので、マリが「もうけ、もうけ」と言って喜んでいた。
 
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その後、結果発表のシーンを撮影(慎也を強制性転換手術のため連行していくシーンを含む)して番組収録は終了した。
 

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12月4日(木)のことである。町添さんが早朝から私のマンションに来訪した。この時刻に来るというのは、つまり(午前中は寝ているのが確実な)政子抜きで、私だけと話し合いたいという意味である。
 
「ちょっとアクア君のことだけど」
と町添さんは切り出した。
 
「はい。何かありました?」
 
「あの子って本当に男の子なんだっけ?」
「男の子ですけど。あの子を古くから知っている私の友人が証言していますから間違い無いですよ」
 
「でもそれ昔は男の子だったけど、既に女の子になっているということは?」
「あの子は女の子になりたい男の子ではなく、普通の男の子ですから」
「でも、それ恥ずかしがってそう言っているだけで、実は密かに手術していてもう女の子になっているということはない?」
 
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「それはないと思いますよ。そもそも中学生に性転換手術する病院はさすがに無いです。高校生くらいなら、年齢ごまかしたらやってくれる所はありますけど」
 
まあ青葉は中学3年で性転換手術を受けたが、あれは例外中の例外中の例外という話だった。
 
「だけどケイちゃんも、大学に入ってから性転換したと公的には言っているけど、実際には小学4年生の時に性転換してるでしょ?ここだけの話」
と町添さんは言う。
 
うーん。。。町添さんにまでそう思われているとは。
 
しかし自分に対する誤解は置いておいて、アクアのことは何とかしてあげなければならないかと私は考えた。
 
「疑問があるなら、病院で医師に診察させてはどうです? テレビ局などに話を持ちかけて、テレビ局側が指定する医師に診察させればいいんですよ。そうすれば疑いようもなくなります」
 
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「それやっても大丈夫? 診察させてみたら実は女の子でした、ということになったら、アクアに関する色々な企画がひっくり返って、大損害が出るからさ」
 
「うーん。でしたら、テレビ局に話を持っていく前に、内々に医師の診察を受けさせますか?」
 
「じゃ、それ僕が指定する病院で受けさせてもいいかな?」
「大丈夫ですよ」
と私は笑顔で言ってコスモスに連絡を取った。
 

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夏の日の想い出・東へ西へ(19)

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