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■女子中学生・冬の旅(11)

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ホテルはシングルが全員取られていたので公世も安心だったが、千里は彼の部屋を訪問しておしゃべりした。
 
「きみよちゃん、4月から女子剣道部に移籍してセーラー服で通学する?」
「ぼくはそんなことするつもりは無いけど、潮尾さんが女子剣道部に行きたいと言ったら受け入れてあげてよ」
「ああ、彼女は全然問題ない。女子の部に出場したいと言うなら、医学的検査を受けてもらわないといけないだろうけど」
 
「あの子何かあったのかな。1月になってから凄く女らしくなってる」
「心境の変化かもね。あの子ならセーラー服で通学し出すかもね」
「先生とかには言ってないけど、あの子、女子トイレ使ってるよ」
「いいんじゃない?あの子が男子トイレ使おうとしても叱られると思うし」
「あの外見なら、そうだろうなあ」
 
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「いっそ強くなかったら、セナみたいに誤魔化して女子に出しちゃう手もあるけど、あれだけ強いと、性別移行は難しいかも知れないなあ」
と公世は言っていた。
 
彼女は沙苗路線かも知れないなあと千里は思った。でもどっちみちあの子は一度病院の診察を受けさせた方が良いよね。ホルモン濃度も毎月測定しておいたほうがいいし。
 

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翌日(1/30)、朝10時の5回戦(8試合×男女)から、千里・清香・公世と桐生君は大会に参加した。
 
公世は
「ぼく、ちゃんと男子のトーナメントに入れられてるかなあ」
 
と心配していたが、ちゃんと男子に入っていてホッとしていた。
 
5回戦は4人とも勝った。
 
11時から男女の準々決勝(4試合×男女)が行われる。これも4人とも勝ち、全員BEST4に進出する。つまり男女とも招待者がBEST4の半分を占めた。さすが招待されただけのことはある。
 
11時半から準決勝が行われる。千里は札幌の2年生・木村さんに2-0で勝った。清香も北広島の2年生・山崎さんに2-0で勝った。つまり決勝戦は千里と清香の招待者同士の対決になる。
 
男子では公世は恵庭の2年生・敷島君に2-0で勝ったが、桐生君は札幌の1年生・富士君に敗れた。男女通じて準決勝まであがってきた1年生は富士君だけなので、むっちゃくちゃ強いということだろう。後で聞いてみると、小学生の時に全国大会に出たことがあるらしい。体格も凄い。まだ中1なのに高校生並みである。
 
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12時からまずは女子の決勝戦がある。
 
千里と清香は気合を入れて試合に臨んだ。
 
お互いに70%くらい解放した激しい闘いが展開される。
 
「すげー」
「これが全国のレベルか」
「こいつら男子でもそう勝てる奴はいないぞ」
などという声が飛んでいた。
 
試合は双方1本ずつ取った後、終了際の両者面打ちで「面あり」の声がある。旗を見たら、3人とも千里に揚げていた。
 
それでこの大会は千里の優勝、清香の準優勝となった。
 

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5分置いて男子の決勝である。
 
「なんで片方は女子なの?」
「あの赤の選手、女子だよね?」
と観客のささやき。
 
163cm 48kgで華奢な公世と、190cm 100kgでがっちりした体格の富士君では、そもそも対戦させるのが危険ではないか?と思えるくらいである。富士君も「なんで向こうは女なんだ?」という顔をしている。
 
両者礼をして開始線の所まで歩み寄る。竹刀を構えたまま蹲踞の姿勢から立ち上がり、中段の構えになる。
 
この時、富士君が考えていたことは、いかにして相手に怪我をさせないように1本取るか、ということだった。やりにくいなあ。全力で打ったら死んだりしないよね?
 

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審判の「始め」の声で試合開始!
 
公世は審判の声と同時に相手の懐に飛び込み「胴!」というハイトーンの声とともに相手の面積の広い胴をきれいに打った。すれちがい様、富士君は公世の身体から甘い香りを感じ取り、一瞬くらっとくる。
 
「胴あり!」
の声。まずは1本である。
 
これで向こうも本気になった。
 
物凄いパワーの打ち込みが来るが、公世はいつもフットワークで動き回っているので、全く命中しない。それどころか相手が面を空振りしてややバランスを崩した所に、すかさず「めーん!」と女の子のような声を出して打ち込む。
 
「面あり!」
の声。公世の2本目である。
 
試合はわずか18秒で決着した。
 
富士君は「嘘だろ?」という顔をしていた。
 
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多分負けた気がしてないだろう。
 

そういう訳で、男子の決勝戦はあっという間に決着してしまった。観客が騒然としていた。
 
引き上げてきてから桐生君が言った。
 
「工藤さんの強さの一端が分かった気がします。僕夏の道大会までにまた鍛え直してきます」
「うん。頑張ってね。ぼくも頑張るけど」
 
「道大会で、もし僕が勝てたらデートしてくれません?」
 
デート!?
 
公世は一瞬思考停止した。が、すぐ気を取り直して言った。
 
「悪いけど、ぼくは男には興味無いから」
 
すると桐生君は言った。
 
「さすが!ストイックなんですね!ますます工藤さんのこと好きになりました」
 
「好きになられても困るけど、道大会は頑張ろう」
「はい!」
 
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それで2人は握手したが、握手後、桐生君は、心ここにあらずの状態になっていた。
 

12:30からの表彰式で賞状とメダルをもらい、千里・清香は3位の子たち(木村・山崎)とも笑顔で握手した。公世も金メダルをもらい、銀メダルの富士君と握手する。女の子のような手の公世と握手して富士君はぼーっとしていた。3位のふたり(敷島・桐生)とも握手した、
 
そのあと閉会式に移行し、敢闘賞をもらった5位4人×男女(賞状は後で渡す)と合計16人で整列し、大会長のことばを聞いた。これで大会は終了した、
 
更衣室は混みそうなので、道着のまま会場を出る。これが13時頃である。岩永先生の車でファミレスに行き、遅めのお昼を食べた。このファミレスのトイレで全員着替えた。むろん公世は女子トイレに連れ込んだ。
 
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「でも3人ともメダルを取れて良かった」
「公世ちゃん、女子に来たりしない?」
「行かない行かない。ぼく男子だし」
「そうだね。中学の内はまだ男子ですという主張も何とか通せるかな」
「高校に行く時に女子に移行すればいいよ」
「ぼくほんとに男の子なんだけどぉ」
「はいはい、そういうことにしておこうね」
 
まあ彼(まだ彼女ではないと思うけど)が男を主張しても誰も信用しないよね。最近益々女らしくなってきているし。実際彼は高校には女子制服で通うことになるんじゃないのかなあ、と千里は思った。
 

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「でも公世が女子に来ると、この3人の内の1人は全国大会に行けなくなる」
と千里は現実的なことを言う。
 
「今年の全国大会はどこだっけ?」
と清香が訊いた。
「三重県伊勢市」
と岩永先生が答える。
 
「松阪牛食べたいな」
「優勝したらおごってあげるよ」
「よし、松阪牛のためにも優勝しよう」
と清香が言うので、岩永先生も微笑んでいた。
 
「木刀もらって松阪牛を食べて、お土産は赤福かな」
「そうそう。あの木刀欲しーい」
「男女の個人戦優勝者だけだからね。あれもらえるのは」
 

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食事をしている内に携帯にショートメールが入った。きーちゃんからなので、千里は席を立ってロビーで電話を掛けた。
 
「今日は千里、札幌に来てるんだって?」
「うん。剣道の大会があったんだよ。よく分かったね」
「こちらの携帯に繋がらなかったから、もうひとつの携帯に掛けたら、蓮菜ちゃんが出て、札幌だと教えてくれた」
ときーちゃんが言う。
 
実は千里Yが昇殿していたので蓮菜が取ったのである。
 
千里Rは。もうひとつの携帯って何だろう?と思いながら答えた。
 
「大会は一応お昼までで終わって、これから帰る所なんだけどね」
「だったら、ちょっとこちらに来てくれない?頼みたい“お仕事”があるのよ」
「了解〜」
 
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それで千里は席に戻り、
「親戚のおばさんから呼び出しがあったので寄ってから帰ります」
と告げた。
 
「念のため、そのおばさんの名前を」
「天野貴子さんです」
と言って、千里は彼女の名前を紙に書いて先生に渡した。
 
「分かった。気をつけてね。今日中に帰れる?」
「分かりませんけど何かあったら連絡します」
「うん。よろしく」
 
それで千里は荷物を持ってファミレスを出た。これが14時半頃である。
 

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タクシーに乗って、きーちゃんに指定された札幌駅まで移動した。
 
「ちょっと東京まで付き合って」
「え〜〜〜!?」
「ちょっと微妙な相談事をされてさ。で少し考えていたんだけど、この件は千里を連れて行けば解決するような気がしたんだよ」
 
「でも私学校が」
「誰か身代わりで登校させればいい」
 
千里は一瞬考えた後で、すーちゃんに電話した。
「ハロー、すーちゃん。頼みがあるんだけど」
「何ですか?」
「明日、私の身代わりで学校に行ってくれない?」
「え〜〜〜?そんなのすぐバレますよ」
「大丈夫だと思うけどなあ。私が変人なのはみんな知ってるから、また変なこと言ってるくらいに思ってくれるよ」
「だいたい私、千里のクラスメイトの名前も知らないし」
「玖美子は分かるでしょ?」
「はい」
「あの子に聞けば色々教えてくれると思う。あの子には身代わりだということをバラしてもいい」
「それにしても無理がある気がします。私、中学校の勉強なんてもう忘れてるし」
「勉強は私も分からないから普段と大差無いと思う」
 
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すーちゃんは「無理ですー」「やはりバレますよー」と言っていたが、千里は強引に押しつけた。
 

「これで何とかなると思う(本当に大丈夫か?)。じゃ新千歳に行くの?」
「いや札幌駅から寝台特急に乗る」
「へー」
 
「相談された相手には、鉄道を使ってアクセスしないと会えないのよね」
「何か結界ですか」
「そそ。自動車や飛行機で来た相手は会うことができない」
 
「まるで仙人か何かみたい」
「あの人は仙人だと思うよ。もうとっくに死んだものと思っていたんだけどね。連絡を受けて私もびっくりしたよ」
 
「幽霊?」
「いやだから仙人」
「じゃ仙人の幽霊」
 
と千里は言ったが、この言葉を、きーちゃんは2週間後に思い出して愕然とすることになる。
 
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