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■夏の日の想い出・Long Long Ago(30)
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時間索引 #
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11月17日(水)には、ローズ+リリー33枚目のシングル『ぼくたちの秘密基地』が発売された。
マリがいちごにコンデンスミルクと間違って歯磨き粉を掛けちゃったというエピソードを歌った『歯磨き味のイチゴ』、それと松山君の奧さんが癌で闘病中というのを聞いて、書かずには居られなかった曲『元気になって』が入った3曲入りシングルである。1ヶ月前に急浮上して制作した企画だったが、さすがに今回で連続ミリオンは途切れるかも知れないなあという気がした。
前回の『マチカ・マチリカ』(2月発売)は101万枚で、連続ミリオンは維持したものの、ギリギリだった。
翌日発表されたデイリー統計では、ローズ+リリーが1位だが28万枚である。1位は取ったものの低調な出だしで予想以上に厳しいと思った。なお同じ日に発売日を設定していた石川ポルカは8万枚の3位で
「こんなに売れたの久しぶり」
などと言っていた。
石川ポルカは4月に出したCDもデイリー3位(1位坂出モナ・2位フラワーサンシャイン)だったが、その時は初動4万枚・最終7万枚だった。今回は初日で前回以上に売れたことになる。
私とコスモスは、ポルカのファン層が静かに広がって来ているのかも知れないと考えた。
●C2階(空き2室)11/18
C201 三田雪代 ←A501
C202 南田容子 ←A502
C203 山口暢香 ←A503
C204 高島瑞絵 ←A504
C205 佐藤ゆか ←A505
C206 太田芳絵 ←A404
C209 直江姉妹 ←A408
リセエンヌ・ドオあらため(予定)ヴァンドールはここにまとめて移動した。
「すみません。ヴァンドオ(vent d'or)って何ですか?」
と東京(正確には熊谷)に来た青葉がコスモスに尋ねていた。
「リセエンヌ・ドオもとうとう全員高校卒業しちゃうから、4月からの新しい名前」
「“黄金の風”ですか!」
「“黄金の波”ヴァーグ・ドオ(vague d'or)とどちらがいい?と訊いたら、ヴァン・ドオの方がいいと言うから」
「そちらが語感がいい気がします」
でも楽曲はもらえない!!
三田雪代は現在紅葉レポートで全国を飛び回っていて不在なので、荷物は坂田由里と斎藤恵梨香が整理してあげた。佐藤ゆかも松梨詩恩のリハーサル役で超多忙なので、水谷姉妹が整理してあげた。
また直江ヒカルをここの2DKに移動した。妹のアキラ(戸籍の性別修正済)も男子寮からこちらに移動させなよ、という意味合いもある。アキラも度々言われて
「じゃ区切りのいい時に」
と言っているので、4月あたりにこちらに引っ越してくるかも知れない。
太田芳絵は3月末での退団を申し入れているが、取り敢えず新館2階になった。
「辞める人が新しい部屋に移動するの悪い気がする」
などと本人は言っていたが。
11月19日(金).
この日、12月31日に行われる紅白歌合戦の出場者が発表されたが、国民の多くが“納得”した!
2015年から2020年まで6年連続で白組から出場していたアクアが紅組からの出場になっていたのである。
「だってアクアは女の子だもん。紅組から出るのが当然」
と多くの人が思った。
「20歳になったから、“男の子”から“女”に成長したのね」
などという声もあった。
「若杉千代さんの遺書にも女の子と書かれていたからね」
「こんな可愛い子が男の子のはずがない」
但し、今回の出場者発表で、アクアは“北里ナナ(アクア)”とクレジットされていた。北里ナナは『少年探偵団』の中の役名だが、アクアが小林少年と1人2役で演じている。
このような“キャラ名での出場”は、1996年の紅白で、木梨憲武が“憲三郎”のキャラ名で、山本譲二とのユニット“憲三郎&ジョージ山本”として出場した前例がある、とNHK側は説明していた。
なお、これまで北里ナナ名義のCDは8枚出ていて、全てミリオンである!つまり充分な実績のある“女性アイドル歌手”なのである。
アクアはアクア名義でこれまでデビュー以来25連続ミリオンという凄い記録を樹立中ではあるが、北里ナナ名義まで入れるとデビュー以来33連続ミリオンの記録を更新中ということになる。
(実はミリオンにならなかった小林芳雄名義のCDもあるが、このCDのことは無かったことにされている!レコード会社サイトからも、アクアのファンクラブサイトからも消えていて、どこにも情報が見当たらない)
そういう訳で今回は“女の子アイドル”北里ナナとして、紅白に紅組から出ることになったのである(ちなみにアクアは白組からの出場でも一貫して女性用楽屋を使用していた)。
11月20日(土)、ΛΛテレビの“昔話シリーズ”で『大工と鬼六』が放送された。
実は松田理史の初主演作品なのだが、そのことに気付いて報道したマスコミは皆無であった(人数の多い事務所なので数人のビッグスター以外は広報してもらえないし専任マネージャーもいない。仕事の指示もメールで送られてくるだけである)。この放送で、視聴者の間で話題になったのが、理史演じる大工・厳蔵の恋人・サラ役の女優であった。
顔が一切映っていないし、クレジットもされていない。
録画していた人がエンドロールに表示された俳優さんの名前を書き出し、ひとりずつ確認していったものの、全員別の役をしていて、サラ役の女優名が見当たらないと報告していた(その人が割出した完全配役表がアップされていた)。
物語の中では親を失った7歳の少女を村人たちが橋を架ける人柱にしようとするのに反対し、自分が代わりに人柱になると言う。そして自分の親には、この子を自分の代わりに育ててあげてと言った。しかし大工の厳蔵は人柱など無くても橋は架けてみせると言う。それでもサラは白装束を着ていつでも人柱になれるよう寺に籠もって潔斎し読経していた。
橋が完成した後、2人は結ばれる、しかし厳蔵が橋の完成で村人たちから
「名人だ」
「英雄だ」
と称えられているのに浮かぬ顔をしているのを見て不審に思う。それで厳蔵が自分の目玉と交換に鬼に橋を架けてもらったことを打ち明けると、サラは
「あなたが目を失っても私はずっとあなたの妻です」
と言った。それで厳蔵は目を失うのは仕方ないと割り切った。
ところがサラがお寺で座禅していた時に、やや不思議な世界に入り込み、山奥の社で鬼の子供たちが遊んでいるのを見た。それを厳蔵に伝えると、厳蔵は何か示唆があるのかも知れないと言って社に行ってみた。そして鬼の子供たちが童歌(わらべうた)を歌っているのを聞いた。それで鬼の名前を知るのである。
要するに、サラはこの物語では、厳蔵・鬼六に次ぐ重要な役である。
そんな役がクレジットされないのはどう考えてもおかしい。このドラマでは童歌(わらべうた)を歌っていた子供たちの名前まで全員クレジットされているのにである。
その内
「ひょっとして恋人は主演の松田理史、あるいは鬼六役の獄楽の女装による1人2人では?」
という奇説?が提示される。それならサラ役の“女優”名もちゃんとクレジットされていたことになる。しかし獄楽の女装は全くあり得ないし、松田君なら女装も可能だろうけど、背丈が合わないと否定される。2人の身長差は15-16cm近くあるのである。理史が174cmなので、相手は156-161cm程度と推測された。
その内、大工の恋人役は、内野涼美だったはずという情報が出てくる。彼女は163cmでやや高めだが、内野涼美ほどの女優をクレジットしない訳がない。そして内野涼美の周辺?から、彼女はコロナに罹って、今は回復したものの、先月は自宅療養してて、大工と鬼六にも出演できなかったという情報が出てくる。それで、誰か無名の女優が代役したのでは?という推測が浮上した。
しかし無名の女優だとしても、クレジットしないのは理由が分からない。無名の女優なら売り出すチャンスだから、なおさら名前を出すはずである。しかもこの女優さんは、かなり演技が上手い(実際演技力のある人にしか務まらない役である)。
そして1週間後、11月28日(日)に再放送された後、
「この恋人役って、ひょっとしてアクアでは?」
と言う人たちが出て来た。
アクアの“公称身長”は159cmだが、ファンの推測では現在157-158cmで、どちらにしても、映像から推測される身長範囲の値である。
それで録画していた人たちが再度、その恋人役をアクアだと思って見てみると、確かにアクアのような気がしてきたのである。声が違うが、アクアは様々な声色を出すことができる。アクアの過去の作品をずっと確認していた人(ご苦労様です)が、これは映画『キャッツアイ』(2017)の内海刑事(瞳の恋人)の声に似ていると言い出す。それで多くの人が確認すると、確かに内海刑事の雰囲気に似ていて、その妹の声と言われたら、そうかもと思える声であることを確認した。
それで恋人役を演じたのはアクアではないかという説が有力になった。
アクアが放送局に収録に来た所をキャッチしたワイドショーのレポーターがその件を尋ねると、アクアは自分が恋人役を演じたことを認めた。
「内野涼美ちゃんがコロナで突然降板して、ボクがたまたま撮影現場の近くを通り掛かったので代役しました。でも名前を出すと初主演の松田君に悪いので、顔を映さない・クレジットしないというのを条件にしてもらいました」
それで、顔を映さなかったことと、クレジットしなかった理由も判明したのだった。
ついでに、やっとマスコミが松田理史が初主演であったことに気付く。彼がテレビ局に来た所をキャッチして「おめでとう」を言って、インタビューした局もあって、松田も嬉しそうだった。
しかし恋人役が確かにアクアだったことが分かると
「でもアクアちゃん、やはり可愛い」
という声が多くあがった。
また玄人筋の人たちは
「脇役というのをわきまえて、主役を食わないように演技している。アクアって主演だけでなく、こういう主役を支える演技もできるんだね」
と評価していた。また顔が映されないのに、後姿と身振り・声の調子だけで美事に感情表現をしていたのも「凄い」と評価されていた。
それでますますアクアの評価は高まったのだが、誰も“アクアが女役だけをしている”ことには言及しなかった!!(気付きもしなかった)
「昔話シリーズ」は11月21-30日の予定で『セロ弾きのゴーシュ』の撮影が始まった。これがこのシリーズで撮影順として最後になる。
ゴーシュ役は、この春からずっとチェロの練習をしていた岩本卓也。その友人の女性ヴァイオリニストとして馬仲敦美が出る。他は楽団長に渡部賢一、コンサートマスターにヴァイオリニストの薬師晴之が出るなど、プロレベルの楽団員が多数出演している。
このドラマでは半年前に全くチェロなんて触ったことも無かった岩本君のチェロ演奏技術の成長の記録が2時間半に凝縮される。馬仲敦美は元々ヴァイオリンを弾けたが、このドラマのためにレッスンに通ってかなり腕が上達している。ドラマ撮影の段階では、渡部賢一さんから「充分プロレベル」と言ってもらった。
動物たちはCGで描き加えるが、声の出演はこのようになっていた(原作より動物が増えている)。
三毛猫:常滑真音!
柴犬:広河敏也
かえる:揚浜フラフラ
かっこう:ゆみ@AYA
タヌキの子:水谷雪花
ねずみの母:城崎綾香
ねずみの子:羽田小牧
舞音は猫の役と聞くと「やりたい!やりたい!」と言って、忙しいスケジュールの中に割り込ませてくれた。舞音の“弟子”水谷妹がタヌキになった。水谷妹は度胸があるし“役に成りきる”タイプなので、結構女優的才能がある。ねずみの子には中学2年の羽田小牧ちゃん。彼は「男の子役ならします」と言うので、鳥山プロデューサーは「もちろん男の子役だよ」と言って引き込んだが、ねずみの子が男の子か女の子かは、結構曖昧である。
この撮影で昔話シリーズは終了する。最後のあたりは出演者のスケジュールやセットの使用順などの都合で、撮影順と放送順がかなり入れ替わっている。
撮影順
9.03-11 『青い鳥』
9.12-25 『ピーターパン』
9.26-10.3 『一寸法師』
10.09-17 『大工と鬼六』
10.23-11.6『オズの魔法使い』
11.07-20 『アルプスの少女』
11.21-30 『セロ弾きのゴーシュ』
放送順
10.23『青い鳥』
11.06『一寸法師』
11.20『大工と鬼六』
12.11『アルプスの少女』
12.25『セロ弾きのゴーシュ』
1.01 『オズの魔法使い』
1.15 『ピーターパン』
岩本君は最後の作品『ピーターパン』でもチェロの腕前を披露している。但し『ピーターパン』を撮影した9月より放送までの間にかなり上達しているので、このシーンの音は1月に再録音したものを放送では使用する予定である。
女子寮の引越作業は続いていた。
●C1階(空き4室)11/19
C102 今川容子 ←A401
C103 青木由衣子 ←A403
C105 左蔵真未 ←A305
C106 斎藤恵梨香 ←A406
C108 上野美津穂 ←A608
このメンツを見て、斎藤恵梨香が
「リストラ候補生フロアだ〜!」
と叫んでいた。別にそういう意図は無いのだが、年齢と実績でフロア分けしていたら、たまたまこういうメンツが揃ってしまったのである。
「ね、ね、みんな“リストラーズ”とか結成しない?“売れないシスターズ”みたいに」
と斎藤恵梨香は言ったものの、賛同者は居なかった!
上野美津穂は、カウンセラーで、日中は1号館1階のハートルーム(カウンセリング室)に居るが(男子寮のキュアルームと1日交替)、時間外にも寮生たちが急に悩みを相談しに行きやすいように1階に居室が設定された。
(特に恋愛問題などは花ちゃんなどには(叱られそうで)相談しにくい)
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