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■夏の日の想い出・ホームワーク(19)

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彼女は1週間後に退院し、スカートを穿いてお化粧して会社に出勤すると、性別と名前の変更届けを退出。女性会社員として勤務し始めました。
 
Name and sex change notification
Old Name: John Smith
Old Sex: male
New Name: Joan Smith
New Sex:female
 
新しい女子制服を支給され、女子更衣室でそれを身につけます。ロッカーも男子更衣室から女子更衣室に移動してもらいました。古い男子制服は返却すると廃棄に回されました。これまでは毎日男子更衣室で着替えなければなりませんでしたが、これからは毎日女子更衣室で着替えられます。
 
会社のトイレも、これまでは男子トイレに入らなければなりませんでしたが、これから彼女は女子トイレに入れます。
 
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今日彼は新しい名刺と社員証をもらいました。元の名刺と社員証は Mr. John Smith でしたが、新しい名刺と社員証には Ms Joan Smith と書かれています。Johnの社員証と名刺を返却するとシュレッダーに掛けられました、
 
彼は男性の同僚と一緒に飲みに行っていましたが、彼女は女性の同僚と一緒におやつを食べに行きます。
 

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今日は女性になって初めての客先訪問。新しい名刺を渡し、性別と名前を変更したことを説明します。客先担当者は驚きましたが「可愛くなりましたね!」と笑顔で言いました。
 
彼女は女性になってから営業成績が2割もアップしました。
 
そして今日彼女の新しいパスポートが発行されました。こちらは穴が開けられ無効化された古いパスポートです。
 
フロリダ州では性別と名前の変更には、裁判所の審判を経て、社会保障局に届けを提出することが必要です。その後、自動車管理局で免許証の書き換えをし、社会保障局での手続きが終わっていればパスポートの再発行を申請することで新しい性別のパスポートを受け取ることができます。
 
元のパスポートの性別はMでしたが、新しいパスポートの性別はFです。
 
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これから彼女は女性として素晴らしい人生を送るでしょう。
 

「ああ。今月の性転換者は美人だったなあ。やはり美少年はどんどん女の子に変えてあげなくちゃ」
と政子は言った。
 
「何見てるの?」
と私は訊く。
 
「"Sex Change Report from Florida" というアメリカのテレビ番組だよ。フロリダのマイアミ・セックス・メディカル・センターという所で性転換手術を受けた人を、性転換前から性転換して半年後まで追跡して手術の様子や日常生活の変化を報告する番組。先月出ていた人はシステムエンジニアで、性転換手術前から女装でお仕事していたけど、今週出て来た人は事務機の販売員で、会社の規約が厳しかったから、性転換するまでは男子として勤務しないといけなかったから、手術を受けて劇的に生活が変わったみたい」
 
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「へー。凄い番組やってるね」
と言いながら、私はその番組名を検索してみた。
 
「凄い。この番組、既に5年も放送されているんだ!」
「やはりアメリカは性別変更のハードルが低いよね」
などと政子は言っている。
 
しかし私はその番組の記述を見ていて、ある点に気付いた。
 
「ねえ、これ出演している人は俳優だと書いてあるけど」
「嘘!?」
「事例は本当のものらしいよ。でも本人で撮影するのではなくて俳優さんを使って撮影しているらしい。名前も架空のものに変えてあるって」
「なんで〜〜!?」
「性転換したことをあまりおおっぴらに知られたくないんじゃない?」
 
「そっかー。プライバシーだもんね」
「あと、テレビ映りの問題もあるかもね」
「うむむ」
「性転換する人で美少年から美少女に変わる人はたぶん1割くらいだよ」
「うむむむ」
 
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「でも自分は女として顔パスしないけど、と思っている人でも、女として生きていきたければ、性転換していいと思うよ」
 
「そうだよね。生まれながらの女であっても、女として顔パスしない人もあるし。特におばちゃんたちの中には女子トイレで見て一瞬通報すべきかと思う人いるよね」
 
「そういう発言は敵を作るからしない方がいいと思う」
 
「人前では言わないよ。亮平、性転換しないかなあ。今ならまだ顔バスするもん。年齢があがるとその内顔パスしなくなりそうで、もったいない」
「亮平君が性転換したら妃登美ちゃんが困ると思う」
 

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「だけどさ、Hなサイト見たまま眠ってた時スマホを人前で開くと恥ずかしいよね」
などと政子は言う。
 
「何を突然」
 
「こないだは性転換のBefore/Afterを掲載したサイト見ながら眠っちゃってさ」
「マリちゃんの趣味は今いち、よく分からない」
 
「翌日、(八雲)真友子さんと話していた時にスマホ開いたら、いきなり、男性器と改造された女性器の写真がたくさん並んでるから、真友子さん、ギョッとしてた」
 
「それ、真友子さんで良かったね」
と私は言ったのだが、政子は何か思いついたようだった。
 
私はペンと紙を渡した。
 
詩を書いている。私はコーヒーを入れてきて、政子の前に置く。政子が指を3本立てる。これは私たちの間では「サンキュー」の意味である。
 
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「できたー!」
と言って、政子は筆を置いた。
 
『恋の後始末』と書かれている。
 
元彼からプレゼントされたものを新しい彼に見られて焦る、などといった内容である。ややコミカルな歌だ。
 
まあ確かに楽しんだ後は、後始末が大事だよね。
 
「これ曲を付けて」
「OKOK」
 

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12月24日(木)、クリスマスイプ。
 
あけぼのテレビでは、クリスマスの特別番組(スポンサー付き無料放送)を放送した。スポンサーはお菓子メーカーの平治製菓で、§§ミュージックの複数のタレントがここの商品のCMをしていて、元々つながりが深い。
 
第1部は今年秋に数回行ったのと同じ、アニメーション付き朗読劇で、『眠りの森の美女』を放送した。配役は下記である。
 
タリア姫 アクア
王妃 高崎ひろか
国王 品川ありさ
侍従長 姫路スピカ
姫の警護役 恋珠ルビー(新人)
姫の侍女長 七尾ロマン(新人)
姫の侍女 リセエンヌ・ドオ
カラボス 桜野レイア
大公 山下ルンバ
リラの精 白鳥リズム
バラの精 花咲ロンド
チューリップの精 石川ポルカ
カーネーションの精 原町カペラ
桑の精 大崎志乃舞
カナリアの精 今井葉月
葦の精 桜木ワルツ
ファイト公子 西宮ネオン
ファイトの父 町田朱美
ファイトの母 東雲はるこ
 
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配役が伝えられた時、アクアは抗議した。
 
「なんでボクが眠り姫なんです?女の子たくさんいるんだから、その中の誰かにさせればいいじゃないですか」
 
川崎ゆりこは答えた。
「消去法だな」
 
「は!?」
 
「高崎ひろかを使うと品川ありさのファンが不愉快だ。品川ありさを使うと高崎ひろかのファンが不愉快だ。東雲はるこや町田朱美を使うと高崎ひろか・品川ありさ双方のファンが不愉快だ。白鳥リズムは武闘派だから、お姫様の柄ではない。本人も『王子役ならしますけど』と言った。姫路スピカも考えたが『ひろかさんや、ありささんを差し置いて私がしたら叱られます』と言った。結局誰からも苦情が出ないのはアクアだけだ」
 
「うーん・・・」
 
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そういう訳で、アクアが眠り姫の役をすることになったのである。アクアもお姫様の衣装を付けて演じる訳ではなく、朗読だけならと妥協した。
 

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有料番組ではないものの、★★チャンネル・ЮЮネットで同時配信される。視聴率は高く、400万回線に増強したあけぼのテレビでもかなりの接続が来て技術者たちをヒヤヒヤさせた。★★チャンネルはまたフレームレートを下げる羽目になり
「なんで有料配信にしないんだぁ?」
と悲鳴をあげていた。
 

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番組は好評で、政子なども大量のフライドチキンを食べながら、食い入るように見ていた。
 
大公(山下ルンバ)が姫を殺そうとし、それを守ってリラの精(白鳥リズム)が戦うも力尽きるところ、悪役と思われていたカラボス(桜野レイア)がリラの後を引き継いで戦い大公を倒すシーンは、物凄い視聴率で、(あけぼのテレビの実働部隊である)サンシャイン映像の則竹部長はマウスに手を置き、いつでもフレームレートを落とすボタンを押せる体制で回線使用率の数字を見ていた。
 
後でこの時間帯の接続数を確認したらピークでは520万回線も接続していた。400万回線しか接続能力は無いのに!
 
(400万回線というのはバックボーンを管理するトリプルスターが保証している数字であり、実際には遅い端末(特にスマホ)で接続する人も多いので、恐らく500万回線くらいまでは耐えられると思う、とトリプルスター側の技術者は言っていたが、その数字も超えている。一方★★チャンネルは公称接続可能数の100万回線に達した所で本当にダウンした)
 
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「これカラボスが悪役じゃなかったんだ?」
と政子が確認した。
「そうそう。悪役は国王の弟の大公。姫が死ねば自分が王位を継げるからね」
「弟がいるのに、国王の娘が後を継げるというのは、男優先じゃないのね」
 
「ヨーロッパは一般にそういう国が多いよ。子供が第一優先。その子供の中に男女がいる場合は男子優先。男子がいなければ女子が継ぐ。子供が居ないと国王の兄弟姉妹に行く」
 
「やはり基本的には男優先か」
 
「モナコとかも、今の国王の最初の子供が双子で産まれて、先に生まれたのは女の子のガブリエラだけど、その後生まれた男の子のジャックが男子優先で公世子になった」
 
「双子なら、どちらが先でもいい気がする」
 
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「男女関係無く長幼の順の所もあるし、近い親族に男子が居なかった場合のみ女子が継承できる国もある。そもそも男子にしか継承権が無い所もある。まあ色々だね」
 
「なるほどー。じゃ王子様が性転換して王女様になったら王位継承権が下がったりするのね」
 
「性転換した王子様という事例が無いから分からない」
「インドたったかの伝説に王子様が性転換する話無かった?」
「ああ。マハーバーラタに出てくるアルジュナ王子だね。本人の意志ではないけど去勢されてからはアルジュニーヤという女性名を名乗る」
「王位継承権はどうなったんだっけ?」
「さあ」
 

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『眠りの森の美女』を1時間やった後は2時間にわたってライブが行われた。下記の順序で1組1曲ずつ歌った。
 
ラピスラズリ、リセエンヌ・ドオ、恋珠ルビー、七尾ロマン、原町カペラ、桜野レイア、山下ルンバ、大崎志乃舞、石川ポルカ、桜木ワルツ、花咲ロンド、白鳥リズム、姫路スピカ、西宮ネオン、今井葉月、高崎ひろか、品川ありさ、川崎ゆりこ、アクア
 
(ゆりこは「“だいたい”デビュー(逆)順」と言ったが、デビュー時期のよく分からない葉月・志乃舞などは適当に入れられている。ロマンとルビーが先頭でないのは、あまり緊張せずに歌えるように配慮した結果)
 
演奏は各々個室で行われている。伴奏は全てカラオケである。
 
以上19組で、1人の持ち時間は約5分である。これに司会役(前半ゆりこ・後半花ちゃん)のおしゃべりやCMが入って120分の番組になっている。
 
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今年のビデオガールコンテストで優勝したロマンとルビーにとってはこれが初ステージになった。各々デビュー予定曲を歌唱している。
 
朗読劇とライブで合計3時間を19:00-22:00の3時間に放送した。
 
最後には画面が20分割され、歌唱した19組+コスモスの20組がシャンメリーで乾杯し、クリスマスケーキを食べる所が映って番組は終了した。シャンメリーの栓を開ける所はラピスラズリの2人、乾杯はアクアが音頭を取った。
 

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夏の日の想い出・ホームワーク(19)

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