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■夏の日の想い出・ホームワーク(11)

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それでセシルは和服(付下げ)を着て、借り物の和装バッグに携帯・財布・懐紙などを入れ、予約していた茶道講座を受けに行った。参加者は和装と洋装が半々の感じだった。ほとんどが女性である。
 
50代くらいの和服の女性から
「高校生?」
と訊かれるので
「はい」
と答える。
 
「最近は若い人がなかなか和服を着ないから、女子高生が付下げとか着てるのを見ると嬉しくなるわあ」
などと女性は言っていた。
 
うん。ボクもう女子高生でいいよね。女子高に入っちゃったし、とセシルは思った。
 
基本を習ってから実際にやってみるが、うまいと褒められる。
「経験者?」
「いえ、初めてです」
「それにしては、ちゃんと作法になってたよ」
 
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1時間半ほど講義と実技をしたのだが、最後の30分で何人か和服を着ている人を中心にピックアップして、会場の畳を敷いている所で、お茶会をしてみることになる。セシルはそれに参加することになった。
 
ただ、本来はひとつの茶碗を使い回し飲みするのだが、コロナのご時勢で、茶碗は全員個別のよく洗って消毒済みの物を個々に使用する。その部分だけが本来のやり方とは違うと言われた。
 
全員マスクをして正座している。客と客の間は1m程度空けている。亭主役を務める講師の先生がお茶を点て、ひとりずつ新しい茶碗(楽焼き。高そう!)に入れる。半東(はんとう:飯頭とも書く)役の人が運んで来る。半東役の人は生徒ではなく、講師の先生のお弟子さんで、講師・お弟子さん共に前日に簡易検査キットで陰性確認しているという話だった。
 
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前の人がお茶を受け取り、飲んから口の付いた所を拭き、指を拭いてから茶碗を回転させ、半東役の人に返す。半東さんは茶碗を下げるとそれは洗いカゴに入れてしまう。そもそも半東さんはマスクをしてポリエチレンの手袋をしており、ひとりにお茶を出す度に手袋は交換している。万が一にもこういう講座でクラスターなど起きると大変だから、相当神経を使っているようだ。
 
セシルの前に茶碗が置かれるので、次の人に軽く会釈してから、マスクを外し、茶碗を右手で取り、左手に乗せてから回転させる。三回半で頂く。濃茶初体験である(各自のテーブルの上での実技は薄茶で行った)。濃茶はどろったした感じで今までに無い感触の飲み物だ。ただ見た目よりは甘いなとセシルは感じた。
 
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飲み口を指で拭き、指は懐紙で拭いて、回転させて返す。セシルは左利きなので左利きの人は左右逆でも良いですよとさっき講師さんは言っていたが、ここは右利きの人と同じ動作にした。終わったらまたマスクを付ける。
 
全員飲み終わった所で終了としたが、本来は菓子や食事→濃茶→薄茶と進み、今日やったのは濃茶なので礼儀作法が厳しいが、薄茶はもっとカジュアルな茶碗を使い、リラックスしたものであることも説明された。
 
この日はこの模擬茶会で終了となった。
 

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2020年12月1日(金).
 
私とコスモスは、コスモスの専任ドライバー美坂美知代さんが運転するBMW 225xe iPower (コスモス専用車)に乗り、熊谷市の郷愁村西端に先月20日にオープンしたばかりの“郷愁飛行場”に向かった。
 
郷愁村を所有・運営するムーランリゾートの山吹若葉は、ここを開発し始めた頃から空港を作りたいという思いがあったらしい。その後、あちこちコネを駆使し、かなり高いハードルを乗り越えて、ついに飛行場オープンに至ったのである。種別としては“非公共用飛行場”という扱いで、桶川市のホンダ飛行場などと同じ扱いである(実際ホンダ飛行場が前例となった)。
 
空港用の土地として3km×0.4kmという広大な土地を確保している。取得価格は10億円らしい(平米あたり830円!)。伐採した樹木は全部千里が経営する栃木県内の製材所が買い取ったらしい(売却代金が3億円でこれでかなり土地購入代金をカバーしている)。滑走路は2000mあって大型旅客機も離着陸が可能である(こんな所に飛んでくる旅客機は無いとは思うが)しかしここを整備したり管制塔の整備にその数倍の費用が掛かっている。
 
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若葉は同時に福井県小浜市のミューズパークにも飛行場を開設しようと考え、取り敢えずヘリポートを設置して実績を積んでいたのだが、こちらも認可が取れてこれは12月6日(日)にオープン予定である。そちらは“ミューズ飛行場”の名前になるが、どちらも新しく設立したムーラン・エアーの運用である。
 
「たぶん赤字運用で配当出ないと思うけど、もし興味あったら出資する?」
 
などと言っていたので10億円だけ出資しておいた。結局、この航空事業会社の資本金は100億円で、私・千里・丸山アイの3者が合計36億円、コスモスと雨宮先生も1億ずつ出資し、残り62億円を若葉が出資した。つまり株主はこの6人である。私は副社長にすると言われたが、遠慮したので、千里が副社長になったようである。私・丸山アイ・コスモス・雨宮先生が取締役に名を連ねる。
 
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11月20日は、若葉、ムーラン・エアー社長に就任する赤竹さん(コロナ不況に陥っていた、某航空会社の部長からの転身)、私・千里・丸山アイ、熊谷市長さん、埼玉県知事さんまで来訪してテープカットをしたが、ソーシャルディスタンスを取り、間隔1m空けてのテープカット、お互いにエア握手した。
 
パーティーなども無しでテープカットして管制塔を見学した後、お土産の写真集とお弁当・お茶に、熊谷市内のS洋菓子店のケーキを配って解散している。
 

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それで12月1日に再び私が郷愁飛行場に向かったのは、春先に、§§ミュージックのタレント移動用に購入したいと言っていた新しいホンダジェット(税込6.4億円)が納入されるからであった。それを郷愁飛行場に持って来てもらうことになっていたのである。
 
これまで長期レンタルの形で利用させてもらっていたホンダジェットを運行しているN航空にこちらも運行委託することにした。つまりホンダジェットが2機利用できることになる。この2機はどちらもこの飛行場に置いておくことにする(停留料が掛からないので助かる!)。
 
「これが入ったら、私のG450は抜けてもいい?」
と千里は言ったが
「あれは事実上アクアの専用機ということで」
と私は言う。
 
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江藤さんのG650はいつでも使える訳ではないので、結構千里のG450頼みになっている面もある。
 
「まあアクアならいいか」
「空いてる時は他の子を運ぶのにも使わせて」
「結局今までと同じか!」
 
しかしホンダジェットがもう1機使えることになったことで、タレントの移動スケジュールが随分楽になるのである。結局G450もここに停留することになった(今までどこに駐機していたのか不思議である)。
 
アクアのマネージャーとして凄まじく忙しいはずの山村さんがG450の専属パイロットもしている問題については、私はあまり深く考えないことにしている!
 
(何か同じ人間が複数いることを不思議に感じなくなってしまった)
 

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12月1日に郷愁飛行場に来てホンダジェット(購入者は§§ミュージック)を受け取ったのは、私・コスモス、別行動で来ていた千里と若葉、N航空の朝山社長とパイロットの花平さん、の6人である。
 
ホンダの人から受け取り、ホンダの人とこの6人で乗って軽く30分ほど遊覧飛行?して来た。その後、“風通しの良い”屋外で(無論マスクをつけて)歓談していたら、突然「ダーン!」という大きな音がした。
 
「何だろう?」
と私が言うと、千里が
「ああ、狙撃されただけだから気にすることないよ」
などと言っている。
 
「狙撃!?」
「ほらこれ」
と言って千里は左手で、何やら弾丸?をお手玉している。
 
「若葉、この弾丸は何だと思う?」
「7.62mmロシアン(7.62×54mmR弾)だと思う」
「ロシア製かぁ。SV-98狙撃銃でも使ったかねぇ〜」
などと千里はのんびりと言っている。
 
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「千里、その弾丸はどうしたの?」
「飛んできたから、受け止めた」
「受け止められるものなの〜?」
「だって発射してから着弾するまで1.5秒近くあったからさ。そんなに時間差があったら停めるよ」
 
「多羅尾伴内の世界だ」
とN航空の社長さん(たぶんジョークだと思っている)。
 
「返し矢というか、返し玉しなかっただけありがたいと思って欲しいね。狙撃者は死なずに済んだはず。もっとも2度と銃なんて撃てない身体になったと思う」
と千里。
 
「何か恐ろしい話を聞いている気がするんですけど」
 
「千里、こないだも狙撃されてたね」
と若葉は言っている。
 
「あれはドイツ製のDSR-1(デーエスエル・アインス)だったみたい。GSG-9(ゲーエスゲー・ノイン)とか各国の特殊部隊・専用銃だと思ってたんだけど」
 
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「どこか管理の弱い所から流出したんだろうね。あるいはどこかの国のエージェント本人だったりして」
「国家命令だったりして」
と言って千里は笑っている。
 
「千里、なんでそんなに狙われる訳?」
 
「11月3日にさあ、私が早紀ちゃん(丸山アイ)の暴走を停めたらさあ、私が早紀ちゃんより強いんじゃないかと誤解した人たちが居たみたいで、それで私が日本一の霊能者なら私を殺して自分が一番になろうという人たちが居るみたいで、これで狙撃と式神と合わせてこの1ヶ月で10回目。式神放った人は呪い返しで(運が良ければ)瀕死の重傷になった筈だけど、あれは私にそんなもの使う側が悪い。でもそろそろ落ち着くんじゃないかと思うんだけどね。だいたい私、霊感なんて全く無いのに」
 
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「千里、その最後の言葉だけはダウト」
と若葉まで言っている。
 
「まあ早紀ちゃんが出産したらパワー回復するだろうから、そしたら、やはり早紀ちゃんが日本一の霊能者に復帰したのではとみんな思って、私は狙われなくなるんじゃないかと思うんだけどね。早紀ちゃんに訊いてみたら、しばしば狙撃されていたのが、この1ヶ月はされてないと言ってた。まあ妊婦を狙撃したらいけないよね。それまでは私が身代わりになっててもいいよ」
 
早紀こと丸山アイ(と城崎綾香)の予定日は来年5月7日である。
 
「それ以前に1kmも向こうから狙撃できるようなスナイパーが日本から居なくなる気がするよ」
と若葉は言った。
 
「それだけ狙撃を阻止して狙撃した人が大怪我とかしていたら、スナイパーの人たちも醍醐先生を狙う仕事を請け負わなくなると思う」
 
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などとコスモスは言っているが、N航空の人やホンダの人は何かのジョーク?あるいはドラマの練習??などと思っていたようである。
 

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