広告:リバーシブル-2-特装版-わぁい-コミックス
[携帯Top] [文字サイズ]

■夏の日の想い出・翔ぶ鳥(12)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

なお、この日発売になったアクアの『モエレ山の一夜/希望の鼓動』は事件の報道が物凄い宣伝になり、初日に120万枚売れても大丈夫なように出荷していたにも関わらず、どこも売り切れが続出。レコード会社では慌てて必死にプレスした所、一週間で200万枚を売る特大ヒットとなって三田原さんが嬉しい悲鳴を上げていた。
 
また現場で気丈に振る舞い、アクアの身代わりに人質になった形のコスモスの人気も急上昇し、コスモスがこの夏に出していた『メタルシティ/佐久間川の川辺』まで品切れが相次ぐというオマケ付きであった。
 
このコスモスのCDはどうせ売れないしというので、実は元々3000枚しか出荷していなかったのだが、2万枚増産したら、それも瞬殺。慌てて更に5万枚出したらそれも即売り切れ、半信半疑で10万枚増産したら、それもほぼ売り切れて地域によっては品薄になったので最終的に更に5万枚出荷。合計出荷枚数は22万3千枚に到達。秋風コスモスにとってデビュー10年目の初ゴールドディスクになってしまった。
 
↓ ↑ Bottom Top

ちなみにこのCDの作曲者だが、『メタルシティ』は阿木結紀作詞作曲になっているが、阿木結紀というのはコスモスのお姉さん・秋風メロディーの非公開のペンネームのひとつである。『佐久間川の川辺』は東郷誠一作詞作曲ということになっているが、実際に書いたのは明智ヒバリである!
 
メロディーは「これでチャイルドシートが買える!」などと言っていたらしいが、この曲で彼女が受け取るお金は印税だけでも800万円ほどになるはずで、チャイルドシートと一緒にそれを搭載する車も買えそうである。
 
もっとも世間では
「このコスモスちゃんの歌の伴奏している人たち、すごくうまいね」
「オフボーカル版は名曲だと思う」
などという意見が大多数であった。
 
↓ ↑ Bottom Top

コスモスも開き直って、この2曲を桜野みちるにカバーさせた《桜野版》を出したら、それが27万枚売れて、桜野にとって初めてのプラチナ・ディスクとなった。そして桜野版が売れてから初めて
 
「この歌、歌詞もいいね〜」
「そうか。こういう歌詞だったのか」
「情緒あふれる歌だなあ」
 
などといった意見が出てきていた!
 

↓ ↑ Bottom Top

12月26日。ローズ+リリーの名古屋・大阪・福岡の三連続公演を終えて東京に戻った私は、神田の和泉のマンションに行き、アクアのCD制作の指揮を頼めないかと打診してみた。
 
「そういうのは作曲家がした方がいいんじゃないの?」
と和泉は心配する。
 
「和泉ちゃんが実は作曲まですることは、けっこう多くの人に知られている」
「まあ、昔ローズ+リリーの打ち込みとかしたなあ」
「うん。あれは助かった」
 
いろいろ話し合った末、和泉は次回のアクアの音源制作で取り敢えず指揮を執ってみて、それで行けそうなら、また次回以降検討するということにさせてもらえないかと言った。その意向をコスモスに伝えた所、それでいいということだったので、春頃に予定しているアクアの8枚目のCDは和泉が青葉と一緒に指揮を執って制作することになった。
 
↓ ↑ Bottom Top

結果的に青葉は頻繁に東京に出てこなければならなくなるが、彼氏に会えるので好都合のようである(青葉の交通費は当然制作費の中から支払われる)。またアクアにとっても頻繁に青葉に会えると体内のホルモンコントロールの調整をしてもらえるので好都合のようである。
 

↓ ↑ Bottom Top

今年の08年組のクリスマス会はこの26日夕方から、例によって私のマンションで開催した。出席者は、私とマリ、七星、風花、夢美、和泉・小風・美空に海香、音羽・光帆に神崎・浜名、美紀子・貴子・黒美・由妃という17(18?)名である。
 
「今日来てるのはどっちのゆきちゃん?」
と私が訊くと
「ゆきは妊娠中だからおうちで休んでいるよ」
と言ったので、男の娘の方の由妃が来ているのかと思ったら、21時頃になって
「妊婦は夜更かしするなとゆきが言ってたから、私先に帰るね」
と言い、親友の黒美が付き添って帰って行ったので、ひょっとしたら途中で入れ替わっていたのかも知れない!
 
取り敢えずその時点で残っている料理やおやつを適当に3人分(黒美の分も入れて)渡しておいた。
 
↓ ↑ Bottom Top

それでその後は残りの15人で徹夜態勢になった感であった。
 

「この世界もけっこう世代交代が進んできた感じだね」
「うん。テレビ局とか行くと、私たちがかなり上席に座らされる。つまり上が居なくなりつつある」
「その内、私たちも居なくなっていく」
 
「実際そうだと思う。私たちの世代もそろそろピークを過ぎて下り坂に入りつつある感じ」
 
「どうしても20代前半くらいの人たちが中心になるよね」
「1993-1997年生まれくらいだよね」
 
その年代というとこういうメンツである。
 
1993 小野寺イルザ、谷崎聡子、ステラジオ、谷川海里 
1994 桜野みちる、槇原愛、丸山アイ、フェイ、リダン♂♀のベージュ系4人 
1995 杉田純子 
1996 スリファーズ、坂井真紅、ムーンサークル、奈川サフィー 
1997 富士宮ノエル、篠崎マイ、LLL, Hanacle 
 
↓ ↑ Bottom Top

この中で目立っているのは、ステラジオ、桜野みちる、富士宮ノエルあたりだろう。
 
しかし1997年生まれというと青葉だよなあと私は思う。なお、山森水絵は1999年生まれ、アクアは2001年生まれでこれより下の世代である。またラビット4はメインの2人が1992年生まれでこれより上の世代になるが、ロックバンドや演歌の人はどうしてもデビュー年代が遅くなりがちだ。ピークも流行歌手より少し上の年齢になる。
 

↓ ↑ Bottom Top

「しかし男の娘歌手も随分増えた気がする」
と光帆が言う。
 
「ケイ、スリファーズの春奈、鈴鹿美里の鈴鹿、アクア、フェイ、ステラジオのホシ・・・・」
 
「ステラジオのホシは天然女では?」
「そうだっけ?」
「てっきり男の娘かと思ってた!」
「男の娘疑惑はあるよね」
「うん。ナミと出来てるのではという説もあるけど、本人達は恋愛関係は無いと言っている」
「ホシがナミを妊娠させて今年の前半休んでいたという説もあったが」
「さすがにそれは眉唾」
 
「フェイは男の娘に分類していいんだっけ?」
「あちこちで指摘されてたけど、例の記者会見はかなり嘘ついてると思う」
「妊娠だけは事実」
「要するに妊娠可能な男の娘なんだと思う」
「それどういう原理なの?」
「そのあたりはよく分からん」
 
↓ ↑ Bottom Top

「でも最近なんか男の娘が妊娠しても不思議に思わなくなってきた」
と私は言った。
 
「父親は結局誰な訳?」
「丸山アイではないかと、かなり噂されている」
「嘘!?」
「丸山アイも男の娘なんだっけ?」
「その疑惑はあった」
「いや、あの子、大学の友人たちには自分は男だと言っていたらしい」
「でも高校には女子制服で通学していたらしいね」
「それもしかしてFTMなのでは?」
「FTMなら精子は無いでしょ」
 
「いや男の娘が妊娠できるんだから、FTMで精子のある人もいる」
「すまん。もう私には理解できん」
 
アイは結構男装が好きなようで、しばしば男装で歩いている所に私は遭遇している。ただ彼(彼女?)は女装時と男装時の雰囲気があまりに違いすぎて、同一人物に見えないのである。まるで男と女の2つの人格が1つの身体に同居しているかのようである。いわゆる"two-spirits"に近いのではないかという気もしている。「リボンの騎士」のヒロイン(ヒーロー?)サファイヤなども two-spirits なのかも知れない。
 
↓ ↑ Bottom Top

「実はフェイと丸山アイが一緒にラブホテルに入っていった所を見たという話は以前からけっこうあるんだよ」
「実は丸山アイの方が妊娠しているんだったりして」
「うーん・・・・」
 
「でも、やはり自分で言うのも何だけど、私やスリファーズの春奈とかが出て、売り出す側が『別に男の娘でもいいようだ』と思うようになったから、これだけ男の娘歌手が増えたんだと思う。以前だと歌の上手い男の娘が居ても、オカマじゃねぇとか言われて、出してもらえなかったんだよ」
 
「それはあるだろうな」
「女声を出す練習していて声域が結果的に広くなってる子も多いし」
「若い内から女性ホルモン飲んで声変わりを食い止めた子も増えてる」
「理解は進んでいるね」
 
↓ ↑ Bottom Top


「しかしやはり★★レコードの上半期の売上は激減したみたいね」
と織絵(音羽)が言う。織絵はこの手の話が好きである。
 
「アクアの分が抜けたから?」
「いやアクアとかステラジオの分を昨年の分から除外してもかなり落ちている」
「今年は★★レコードから出た新人歌手が、三つ葉以外は全部こけてる」
「正直、三つ葉も担当が別の人ならもっと売れてる気がするよ。ここだけの話」
「うん。日吉さんも佐田常務のおかげで復職させてもらえて凄く頑張っているけど、手法が一昔前のやり方だと思う」
「今年は北川さんのダウンも大きい。更に森元さんも課長に昇格して、明らかに制作部は人手が足りてない」
 
「さっきの話になるけど、ベテランの人たちも次第に売れ行きが落ちてきているからなあ」
「私たちより上の世代で頑張っているのは、松原珠妃、スカイヤーズくらい」
「セールス的にはローズ+リリーの分が★★レコード売上の2割を占めていると思う」
「そんなに!?」
「今音楽業界でミリオン連発しているのはAKB48, スカイロード、とローズ+リリーの3組くらい。もっともローズ+リリーは年間2枚くらいしかCD出さないから、シングルの売上金額では小さいけどね」
「それ以上出すのは無理」
と私は言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「だからシングルの年間売上高という面では実は50万枚を確実に取って年間4枚出しているストーム5とか、クロコダイルとか、テスカイケといったクラスの方がローズ+リリーより大きい」
 
「そのあたりはCDの値段そのものが高い」
「うん。ローズ+リリーは良心的すぎる値段設定」
「今以上に高く出来ないよ」
と私は言う。
「まあローズ+リリーのCDは変なオマケとか付けてないから」
と和泉。
 
「最近はCDにしろ雑誌にしろ、オマケ商法が広まっているからなあ」
 
「でも実際、ローズ+リリー、マリ&ケイが★★レコードを支えていると思う」
と光帆も言う。
 
「まあそういう訳で今年の夏以降は、冬をKARIONからいったん解放した訳だけどローズ+リリーのツアーが終わったらKARIONのアルバムに集中してよね」
と和泉が言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「うん。頑張る」
 

12月30日。今年のRC大賞が発表された。
 
大賞は男性アイドルグループ・テスカイケの『サンダレング・ノード』が受賞したが、私は会場でそのタイトルを聞くまでこの曲を知らなかった。隣に座っていた珠妃に尋ねると「私も知らないけど、このグループはファンが大量にCD買うから」と言っていた。そういえばこないだの夜、そんな話が出ていたなと私は思った。
 
金賞は 
安藤つばさ『母の残した唄』 
松原珠妃『還流』 
小野寺イルザ『マジックスクエア』 
ハイライトセブンスターズ『パイポパイポのチューインガム』 
レインボウ・フルート・バンズ『Sweet Sweet Rain Drops』 
ローズ+リリー『振袖』 
ラビット4『僕のアリス』 
アクア『エメラルドの太陽』 
 
↓ ↑ Bottom Top

といったところが受賞した。
 
結局今年、YS大賞の優秀賞とRC大賞の金賞を同時受賞したのは、松原珠妃・小野寺イルザ・ローズ+リリー・アクアの4組である。
 
また最優秀新人賞は蝦口友華。その他新人賞としてCat's Five, 山森水絵、高崎ひろか、奈川サフィー、三つ葉が受賞した。
 
三つ葉の3人は名前を呼ばれると「嘘〜!?」と叫び、その後、まるで最優秀新人賞を取ったかのような物凄い喜びようで、涙を流しながら歌っていた。彼女らは「君たちは受賞する訳ではないけど、後学のために見学しなさい」と言われて、会場に連れてこられていたらしい。そのあたりの楽屋裏は後日、「3×3大作戦」の中で放送されていた。
 
 
↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 
■夏の日の想い出・翔ぶ鳥(12)

広告:まりあ†ほりっく 第1巻 [DVD]