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■夏の日の想い出・翔ぶ鳥(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-03-10  
マリとのトークはいつしか食べ物の話に走り、観客がマリの胃袋武勇伝に大いに沸いたりして10分近く話をしたところで、やっと次の曲に行く。
 
またもや演奏者のやりくりが大変だった曲『ダブル』である。
 
アコスティック・ギター:近藤・宮本、ウッドベース:酒向・鷹野、ピアノ:桃川・青葉、オルガン:沢田・呉羽、マリンバ:月丘・干鶴子、フルート:田中・久本、ヴァイオリン:野村・鈴木、サックス:七星・七美花。
 
沢田さんは小さい頃からエレクトーンを習っていて5級を持っているし、呉羽ヒロミも7級を持っている(6級寸前で受講休止中)。七美花は管楽器の天才で、サックスを吹かせても七星さんが焦るほどの腕前だ。スターキッズのベーシスト鷹野さんは普通のスターキッズ・アコスティックバージョンではヴァイオリンを弾いているが、元々ヴァイオリン属は何でも弾けて、その応用で(ヴィオール属になるが)コントラバスも弾きこなし、そこからエレキベースも弾くようになったという経緯があり、実はウッドベースとの付き合いの方がエレキベースより長い。干鶴子は万能プレイヤーだが、グロッケンシュピールも大得意(私のグロッケンの先生である)なので、その応用でマリンバを弾いてもらう。
 
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この組み合わせのパズルに頭を悩ませたのは風花だが、どうにも都合がつかないなら、風花は自分でピアノかフルートかマリンバでも弾くつもりだったようである(風花や夢美はKARIONの伴奏者としてカウントしているので基本的にはローズ+リリーのライブ演奏には参加しない:音源制作にはフル動員する)。
 
なお今回のツアーには、本来のスターキッズ&フレンズのオルガニスト山森さんは同行していない。彼女は現在ヨーロッパ遠征中である。
 

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しかしギター2つ使う曲はいくらでもあるが、ベースを2つというのは珍しいので、ベース2本のバンドであるリダンリダンの信子と中村君が頷くようにしてこの演奏を聴いていた。
 
その後、またもやヴァイオリニスト10人を入れて『あけぼの』を演奏するが、この曲で使用している3本トランペットは香月さんをリーダーにして、呉羽ヒロミと干鶴子で吹いてもらった。ピアノを桃川さんが弾いて、マリンバが月丘さん、龍笛は青葉である。スターキッズは近藤さんがアコスティックギター、鷹野さんがヴィオラ、宮本さんがチェロ、酒向さんがコントラバスである。
 
同じく10人のヴァイオリニストとスターキッズ(アコスティック版)を使い、トランペットは香月さんだけにし、干鶴子のトロンボーン、七美花のホルン、青葉の龍笛、七星さんのアルトサックス、沢田さんのソプラノソックスとフィーチャーして『神秘の里』を演奏する。
 
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その後ヴァイオリニストを、野村・鈴木・伊藤だけ残して下げ、金管楽器とソプラノサックスも下げて七星さんのアルトサックスだけにし、田中さんのフルートに入ってもらい、青葉の龍笛は残して、近藤さんとリダンリダンの中村君にダブルアコスティックギターを弾いてもらって『寒椿』を演奏する。
 

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今回のアルバムの曲はどれもそのまま1曲だけシングルで発売してもいい曲なのだが、この『寒椿』と『夜ノ始まり』が特に美しく、また強烈なヒット性のある曲である。それは私と千里の競演なのである。
 
そして前半の最後はヴァイオリン奏者をまた10人並べ、笙:七美花、龍笛:青葉、箏:呉羽ヒロミ、三味線:恵麻、太鼓:鹿鳴、琵琶:風帆、尺八:明奈、胡弓:美耶と多数の和楽器を並べて、『振袖』を演奏する。大半の和楽器奏者はここでやっと出番が来たというところだ。箏は風帆伯母が物凄く上手いのだが、伯母にはこの曲では琵琶のほうを弾いてもらった。ヒロミはお母さんが生田流の「名取り寸前」だったことから、母の弾くのを見ている内に自分でも弾くようになったらしい。それで教室などには通ったことは無いものの、かなり弾く。事前に聴かせてもらったら充分使えると思ったので、お願いすることにした。
 
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前半のステージが終わり、私とマリはお辞儀をして下手(しもて)に下がる。他の演奏者たちも、ぞろぞろと下がる。
 
代わってステージには白と黒の色違い同型ドレスを着たムーンサークル、およびリダンリダンの中村さん(ギター)と信子(ベース)が出てくる。そして2人の伴奏でムーンサークルが3曲歌った。
 
彼女たちはツアー全部に付き合ってくれる。
 
彼女たちの後、今度は近々デビューする予定の姫路スピカが出てきて、マイナスワン音源で2曲歌った。1曲は私とマリが提供した『わりと隣にいる女学生』で、もう1曲は「東郷誠一」名義の『スクールガール悪(ワル)さ』だが、実際に書いたのは青葉である。
 
『わりと隣にいる女学生』というのは“ワルトトイフェルの「女学生」”というのを、政子が「『割と隣にいる女学生』って曲無かった?」と訊いたのが発端になっている。その話を聞いて青葉が、同じワルトトイフェル作曲の有名曲である『スケーターズ・ワルツ』から『スクールガール悪さ』というタイトルを考えたのである。つまりアンサーソングになっている。曲はマリ&ケイのものが「平凡な女子高生」を描き、東郷誠一名義のものは「ちょっとイケない女子高生」を描いて対照的になっている。
 
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発売は今度の水曜日、12月14日の予定である。
 

後半のステージに行く前に、小さな事件があった。
 
どこから入って来たのか、白猫が入って来てステージ上のグランドピアノの上に、ちょこんと乗ってしまったのである。イベンターの人が出て行って捕まえようとするも、スルリと逃げて、ドラムスの所に行き、シンバルの上に乗って乗った勢いで音が無ったのでびっくりしたようで、そこからタムタムの上に飛び乗る。イベンターの人は、とうとう3人になり、大の大人3人と白猫の追いかけっこが続く。
 
結局5分近い追いかけっこの末、やっと白猫は捕まり、退場となった。自分でも自宅で猫を飼っているという会場係のバイト女性が餌で釣って確保したのである。餌は楽屋にあったおにぎりを少し崩して取り、醤油を掛けた猫まんまであった。
 
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私たちは出て行ったものの会場がざわざわしている。
 
「凄い騒動だったけど、可愛い猫だったね」
「うん。まだ生まれて1年くらいじゃないかな。若い猫だと思ったよ」
「男の子かな?女の子かな?」
「さあ」
 
と言っていたら、ステージ脇から
「女の子ですよ〜」
という声が掛かるので
 
「女の子だそうです」
と私は観客に報告した。
 
しかし少しトークしても観客はまだざわついている。そこで私は言った。
 
「さて、白猫ちゃんが出てきたから、それにちなんで『白猫のマンボ』行ってみましょう」
 
すると笑い声と共に大きな拍手があった。
 
近藤さんが他のメンバーと顔を見合わせて「OK。行けるよ」というので、伴奏をお願いし、私とマリはKARIONの2010年のヒット曲『白猫のマンボ』を歌った。某国営放送の「みんなの歌」でも流れた曲なので、知っている人も多い。ノリノリの手拍子が来て、私たちは楽しく歌って行った。
 
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演奏が終わった所で挨拶する。
 
「それではあらためて後半のステージ行きましょう。最初は『巫女巫女ファイト』という曲をするつもりで、巫女の格好をしたムーンサークルがそこでスタンバイしたまま、困ったような顔をしております。ムーンサークル、出てきて」
 
と言うので、巫女の衣装を着たムーンサークルが出てくる。拍手がある。
 
「では、『巫女巫女ファイト』行きましょう」
 
この曲は割とシンプルな曲だが、スイートヴァニラズの曲で、ギターが2本のアレンジなので宮本さんがセカンドギターを弾いた。
 

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後半はリズミックタイムということで、電気楽器を使った曲を演奏していく。『巫女巫女ファイト』の次は『Twin Islands』。リダンリダンと一緒に作った曲なので、構成が特殊である。
 
ベースが2人必要なので、リダンリダンの信子、つまり作曲者本人に参加してもらい彼女の担当パートである第2ベースを弾いてもらって、第1ベースを鷹野さんが弾く。ホーンセクションは、トランペット:香月、サックス:七星、トロンボーン:七美花、ユーフォニウム:干鶴子とした。
 
何でも演奏しちゃう、七美花・干鶴子というメンツがいるからこそできる構成である。最初はキーボード4台並べて代替することも考えたのだが、念のため干鶴子に電話して「ユーフォニウム吹ける?」と訊いたら、例の市民オーケストラの公演で5〜6回吹いたことがあるというので、やってもらうことにした。でもしばらく吹いてないから練習するのに楽器貸してというので10月頃に渡して練習してもらっておいた。
 
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この他は近藤さんのギターと酒向さんのドラムスで、この曲では月丘さんはお休みである。
 

次の曲『かぐや姫と手鞠』では和楽器奏者を入れる。
 
笙:七美花、龍笛:青葉、明笛:明奈、篠笛:美耶。この他はギター・ベース・ドラムス・サックスという構成で、月丘さんは引き続きお休みである。この曲はレッドブロッサムの曲なのでキーボードが構成に入っていない。
 
昼間の時間の演奏なら、桃川しずかに小振袖でも着せて手鞠を撞かせることも考えたのだが、もう8時を過ぎているので仕方ない。それで結局ムーンサークルの2人に“ワンタッチ振袖”を着せて、手鞠風にペイントしたバスケットボール(6号球)を撞いてもらった。しかし彼女たちはバスケットとかはさほど得意ではないので、途中で失敗してボールが転がっていき、慌てて追いかけるシーンなどもあったが、それも愛嬌ということにした。
 
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何度か目にムーンサークルのリリスがボールを取り損なってはねていったのが客席まで飛び出してしまった。
 
するとちょうどその付近の3列目の端に座っていた女性が、さっとそのボールをつかむと、リリスに向けてボールを投げた。ボールはストライクでリリスの所に飛んできて、リリスもきれいに胸の所でキャッチする。リリスがお辞儀をし、ボールを拾ってくれた女性は手を振っていたが、その時龍笛を吹いていた青葉が目を丸くしていた。
 
後から聞くと青葉の中学時代以来の友人、寺島奈々美だったらしい。彼女は実はトラベリングベルズの海香さんの同居人である。食事を作ったり多少のお手伝いをする代わりに実質タダで同居させてもらっている。W大学のバスケット部に所属しているが、彼女のチームもお正月のオールジャパンに出場する。彼女は、ぴあに電話を掛けてこの公演のチケットをゲットしたらしい。(関係者にはこういう3列目のような良い席は渡さない)
 
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続いて『やまとなでしこ恋する乙女』を演奏する。これはゴールデンシックスの曲だが、月丘さんが出てきて、更に真知子ちゃんが出てきてGt/B/KB/Dr/Vn/Flという構成になる。七星さんはフルートを吹く。
 
和楽器奏者は、箏を今度は風帆伯母が弾き、美耶が胡弓、篠笛は七美花が吹いて鹿鳴が和太鼓を打つ。
 
ムーンサークルの2人は今度は羽根突きをしてもらうが、これも彼女らはそんなに運動神経がよくないので、なかなか続かない。しかしそれも愛嬌ということにした。
 

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ここでまた少し長いMCを入れて伴奏者を少し休ませる。
 
「今更だけど、今日のライブのセットは“やまと”ということで、日本全国47都道府県の各々の花をステージ上に並べているんだよね」
と私が言うと
 
「うん。きれいだね。公演前に説明してもらったほんと可愛い。北海道:はまなす、青森:りんごの花、岩手:桐、宮城:宮城野萩、秋田:ふきのとう、山形:紅花、福島:根本シャクナゲ、茨城:バラ、栃木:八汐つつじ、群馬:蓮華つつじ、埼玉:桜草、千葉:菜の花、東京:染井吉野、神奈川:山百合、新潟:雪割草、富山:チューリップ、石川:黒百合、福井:水仙、山梨:富士桜、長野:リンドウ、岐阜:蓮華草、静岡:つつじ、愛知:カキツバタ、三重:花菖蒲、滋賀:しゃくなげ、京都:なでしこ、大阪:梅、兵庫:野路菊、奈良:奈良八重桜、和歌山:梅、鳥取:二十世紀梨、島根:牡丹、岡山:桃の花、広島:紅葉、山口:夏みかんの花、徳島:すだちの花、香川:オリーブ、愛媛:みかんの花、高知:ヤマモモ、福岡:梅、佐賀:樟の花、長崎:雲仙つつじ、熊本:リンドウ、大分:豊後梅、宮崎:はまゆう、鹿児島:ミヤマキリシマ、沖縄:デイゴ」
 
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と政子が47都道府県の花を列挙すると、結構な歓声と拍手が起きた。
 
「よく覚えてるね」
と私はほんとに感心して言ったのだが、政子は
 
「多少間違っても誰も気付かない」
と言う。
 
思わず会場が爆笑になった。
 
「私たちの衣装も前半は赤と白の振袖だったけど、後半はいつもの白いユリをイメージしたドレスと、赤いバラをイメージしたドレスになったね」
 
「後半はマリちゃんが白で私が赤になったね」
「なんかこの方が落ち着く気がする」
 

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■夏の日の想い出・翔ぶ鳥(5)

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