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■夏の日の想い出・翔ぶ鳥(7)

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このローズ+リリーのツアー最初の公演があった12月10日の夜、龍虎(アクア)が私に「個人的な相談で」と言って電話してきた。
 
「実は私の高校進学のことについてなんですが」
「ああ。そろそろ受験だもんね」
「両親や支香さん、上島さん、紅川会長・コスモス社長とも話したのですが、やはり都内の私立高校で芸能活動に許容的な学校に行ったほうがいいのではないかということになりまして」
 
「ああ。そうだと思うよ。普通の高校だと、お仕事とかで授業休んだりするのを認めてくれなかったり、それから龍ちゃんの髪の毛とかもうるさく言われる可能性あると思う」
 
「ええ。それでいくつか候補をあげてもらったんですが、渋谷区のK学園、品川区のD高校、世田谷区のJ高校、都心から少し離れるけど北区のC学園、多摩市のF学園。芸能活動が可能なのは、この5つらしいんですよ。でもぼくも両親も東京の高校事情はよく分からなくて、特に芸能コースの様子とかは分からないし、それで東京の高校に通っておられたケイさんにちょっとお聞きしてみようかなと思って、お電話してみたんですよ」
 
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「なるほどねー」
と取り敢えず私は答えたものの、何か引っかかる感じがあった。
 
「まず渋谷のK学園と品川のD高校は、実際に芸能人の高校生が多数在籍しているし、実績もある所だよ。特にK学園の場合は中学時代から活躍していた子しか受け入れないから、龍ちゃんみたいな子にとっては似たような立場の子が多くて、やりやすいかも知れない」
 
「なるほどー」
「但しK学園はけっこう規律が厳しい。逆に言うと枠からはみ出しがちな子には辛いかも」
「だとぼくには向いてないかも」
 
「D高校は校風がK学園より自由だし、中学時代の実績の無い子も入ってくるから、より多様な生徒がいると思う。個人的には龍ちゃんはK学園よりD高校のほうが合っている気がする」
 
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「なるほどー。参考になります」
 
「J高校は割と普通の高校で、芸能コースというのがある訳では無い。でも、芸能活動を許容してくれる。でも許容はするけど特別扱いはしないからしっかり勉強して普通に試験受けて単位取らないといけない。K学園やD高校はほとんど授業に出ていなくても割とそのまま進級させてくれるけど、J高校は赤点取れば留年になる可能性もあるし、出席日数もちゃんと3分の2以上出ていなければならない」
 
「ぼく、そちらの方がいい気がします」
「かも知れないね。生徒も大半がふつうの生徒。その中に芸能人も混じっているという学校。一応テレビとか収録の仕事があると言えば休ませてくれる。でもそれで出席日数が不足すれば、情け容赦なく留年になる」
 
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「そのくらいの厳しさがあった方がいい気がします」
「うん。それで行こうというのであればそれでいいと思うよ。ある意味この3校の中では最も高校生らしい生活が送れるかもね」
 
「C学園とF学園はどうですか?」
「どちらもJ高校に近いと思う。緩さではF学園が一番緩い。次がC学園でそれからJ高校という感じかな。C学園は元々音楽教育に力を入れているから音楽では無茶苦茶鍛えられるよ。XANFUSの音羽とかスリファーズの3人がC学園に通った。F学園というと・・・川崎ゆりこがF学園じゃん」
 
「わっ。でも音楽を鍛えられるというのはいいなあ。C学園にしようかなあ」
 
「コスモスは普通の高校で3年間頑張ったんだよ。私とマリなんかも公立の進学校だから勉強はたいへんだったよ。KARIONの和泉は私立だけど結構規律の厳しいM高校。小風と美空も公立の普通高校に3年間通った。そういう普通の高校で頑張る子もいる」
 
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「わあ」
 
「でも龍ちゃんの場合は、無茶苦茶売れているから、やはり芸能活動に理解のあるところがいいと思うよ」
 
「じゃ、やはりぼくはC学園を第1候補にしようかなあ」
「C学園は埼玉県側から来るのも便利かな。さすがに自宅からの通学は時間的に難しいと思うけど」
 
「ええ。やはり高校の近くにマンションか何か借りて通学しないと無理だと思います。都心に近い所にマンションがあると、仕事で遅くなった時も帰りやすいし」
 
「だよね〜。龍ちゃんなら独り暮らしできるでしょ。料理も上手いし」
「料理は母に小さい頃から鍛えられたんですよ。いいお嫁さんになれるようにとか言われて」
 
「龍ちゃん、やはりお嫁さんに行きたい?」
「いえ。お嫁さんになるつもりはないです。母の冗談だと思うし」
 
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その時私は重大な問題に気付いた。
 
「ね、龍ちゃんは女子高校生になりたいんだっけ?男子高校生になりたいんだっけ?」
 
「え〜〜!?いくらぼくでも女子高生にはなりませんよー」
 
「だったら、C学園もF学園も女子高なんだけど」
 
「うっそー!?」
 
「でも龍ちゃんなら受験したら合格したりして」
「その場合どうなるんですか?」
「3年間女子高生生活を送ることになる」
 
「うーん・・・」
 
私は冗談で言ったのだが、どうも龍虎はマジで悩んでいるようだ。
 

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さて、一般に(少なくとも人気アーティストの)CD発売日というのはだいたい水曜日に設定することが多い。それは水曜日に発売するのが、売上統計で上位を狙うのに有利だからである。
 
週間の売上統計は月曜日〜日曜日の売上枚数を集計している。従って“初登場”で1位を狙うには、できたら月曜日発売が有利に思える。
 
ところが、CDを発売する場合、その日の朝からレコード店では売りたいので、前日までに荷物が届くように送らなければならない。しかし日曜日には配達をしない地域・業者もある。といって金曜日に届くように送ってしまうと、土曜日から店頭に並んでしまい、1週前の統計に入れられてしまう。またそもそも発送できるのが、月曜〜金曜の5日間に限られる。すると
 
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月曜発送→火曜到着:水曜発売:集計期間は水〜日の5日 
火曜発送→水曜到着:木曜発売:集計期間は木〜日の4日 
水曜発送→木曜到着:金曜発売:集計期間は金〜日の3日 
木曜発送→金曜到着:土曜発売:集計期間は土〜日の2日 
金曜発送→土〜月曜到着:全国一斉発売できない 
 
となるので、結局月曜日に発送して水曜発売にするのが最も有利になるのである。
 

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12月11日に秋風コスモスから電話があった。
 
「実は先日制作したアクアの新譜なのですが、12月24日に発売することになりまして」
 
「早くなったんだね!」
 
あの曲は1月になってから発売という話だった。
 
「それがレコード会社の方と話していて、やはりツアー前に出した方が営業的には助かるということになったのですが、工場や広報担当さんとも打ち合わせた所、12月24日が前倒しの限界ということになったんですよ。土曜日なので、統計的には不利なのですが」
 
「ツアー初日か!」
「そうなんです」
 
アクアは12月24日から1月5日まで、7大ドーム公演をすることになっている。
 
「それでその日、ローズ+リリーもライブがあることを承知でのご相談なんですが、当日発売記者会見にマリ先生は体力的に難しいでしょうが、ケイ先生だけでもご出席頂けないかと思いまして」
 
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「あぁ・・」
 
過去のアクアの発売記者会見には、上島先生が2回出ておられるが、先生にとってはアクアは息子も同然なのでやりにくそうだった。ゴールデンシックスがアクアのバックバンドを務めていた時代には、カノンが制作者を代表して記者たちの質問に答えたりしていたが、エレメントガードのヤコではその手の“音楽的質問”に答えるのは難しい。一度は専門的な質問に困った三田原課長が“東郷先生”に電話して記者の質問に回答したこともあるが、むろん電話の向こうに居たのは実際には千里である!
 
この夏のシングルの発売の時には、昨年の秋以降アクアの制作を実質指揮していた毛利五郎自身が記者会見の席に並んだ。しかし毛利は、その後三つ葉のほうが忙しくなって、今回のアクアの制作には全く関わっていない。
 
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今回のシングルはマリ&ケイの曲と、葵照子&醍醐春海(蓮菜&千里)の曲を1曲ずつ入れているが、蓮菜&千里の方は実際には「加糖珈琲作詞・東郷誠一作曲」のクレジットになっているので、千里や蓮菜が顔を出す訳にはいかないであろう。といって東郷先生の場合は、デビュー曲の記者会見に出席したものの、自分が書いたことになっている曲のことを全然知らないことが、会見の席でバレてしまって、本人も「あれはやばかった」と後でおっしゃっていた。
 

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しかし・・・こちらもライブをやる日にその手の記者会見に出るのはできたら避けたい所だ。私は念のため訊いてみた。
 
「それ東京で記者会見するの?」
 
ローズ+リリーのツアーは23日名古屋、24日大阪である。東京でやるのなら、おそらく当日名古屋→東京→大阪という移動をすることになる。
 
「それが24日はアクアは博多ドームでの公演なので、福岡市内のテレビ局のスタジオを借りて会見して、そのまま全国に生中継するんです」
とコスモスは説明する。
 
「福岡か!時刻は?」
 
「アクアのライブが14時からで記者会見は12:10くらいから20分の予定です。テレビの放送枠を使うので、延長はありません。放送局は天神にあるので、記者会見終了後、車で都市高速を通ると約10分で博多ドームに到着します。ケイ先生の方も、同じく都市高速で10分で博多駅に到達できます。当日渋滞が予測される場合はバイクを手配しますが、ひょっとすると地下鉄が一番早い可能性もあります。12:43の《さくら》に間に合えば新大阪15:24着、次の13:04《のぞみ》になってしまった場合は15:34新大阪着です」
 
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こちらのスケジュールはちゃんと確認しているようだ。
 
ローズ+リリーは17時開場19時開演なので、充分余裕がある。この日は前日の名古屋との連続公演なので、リハーサルは省略することになっている。スタッフさんの手で音の出方の確認だけなされる予定である。
 
「分かった。制作陣が誰も出ないのは寂しいし、何とかするよ」
「ありがとうございます!醍醐先生も出て下さるそうですので、お二人並んで頂きますが。実際に話すのはほとんど私とTKRの三田原さんになる予定ですので」
 
「醍醐も出るの?」
 
私は驚いて訊いた。
 
「はい。今回から東郷誠一先生名義というのはやめて、葵照子作詞・醍醐春海作曲にしますので」
 
「へー!」
 
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「実はアクアが大人気なので、東郷先生、あちこちでアクアのことについて訊かれるものの、実際には全く関わっていないので、何も答えられないということで、困っておられるそうで」
 
「あぁ」
 
「それでもう実際に関わっている人が表に出てよということになったそうで」
 
「それがいいかもね〜」
 
しまった!千里が出るんなら、私は無理ですと言っておけば良かったと思うがまあいいだろう。コスモスもそのことを先に言わないのは、なかなか策士だ。
 

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「冬、24日、博多に行くのなら、博多駅の赤い風船でショートケーキ10個くらい買ってきて」
などと政子が言っている。
 
赤い風船は佐世保の洋菓子屋さんだが、福岡市内にも2店舗ある。政子は結構お気に入りのようで、博多に行くとよく買っている。
 
「博多には翌日25日に行くじゃん」
「クリスマスケーキに赤い風船のケーキが食べたい」
「大阪にも美味しいケーキ屋さん、たくさんあるのに」
「それは当然食べるよ。ユーハイムのクリスマスケーキ3種類、心斎橋店で予約している」
「ユーハイムは神戸のお菓子屋さんじゃん!」
「いや、こないだ大阪に行った時、通りがかりにクリスマスケーキ予約受付中って見たから。12月24日は大阪だと思ったし」
 
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「まあいいや。博多には誰か同行することになると思うし、その人には先行して博多駅に行っておいてもらうことになるだろうから、その人に頼むことにする」
と私は答えた。
 

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■夏の日の想い出・翔ぶ鳥(7)

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