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■夏の日の想い出・影武者(9)

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(C)Eriko Kawaguchi 2016-09-10
 
屋台村では和泉・小風とも遭遇して一緒に行動した。これだけの集団で移動していると目立つので結構サインを書くことになる。一枚の色紙にローズ+リリー、ゴールデンシックス、KARIONと3つのサインを入れるスペシャルサインも何枚か書いた。私たちも食事をゲットした後、パフォーマーズ・スクエアの出演者用控え室に移動した。
 
アクアが11:00-12:00の演奏だったが、Hステージでは11:30-12:30にステラジオの演奏が行われていた。小風と和泉はそちらを見に行っていたのだが、そちらも物凄い盛り上がりであったらしい。
 
「ホシがスカート穿いてたからびっくりしたよ」
と小風は言っていた。
 
「何か心境の変化があったんだろうね。結局あの子たち、何してたの?」
と私は訊く。
 
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「それについては何も説明は無かった。でも赤ちゃん産んだ訳ではないですと言っていた」
「ああ。ホシは男の娘でナミとの間に子供作ったのではとかいう凄い噂まで出ていたもんね」
と私は苦笑して言う。
 
「ごめんなさい。私ちんちん持ってないし、ともホシは言ってたよ。そしたらいつ性転換手術したんですか?とか突っ込まれていたけど」
「どう答えてました?」
「その観客に、あんたが性転換したら教えてやると言ってた」
 
「ああ、だいぶ精神的にゆとりが出てきているみたいですね」
と花野子が言う。
 
-------------------^
「でも冬、ホシは男の娘に見える?」
と小風が訊く。
 
「見えない。普通の女だと思うよ。青葉はどう思う?」
と私が青葉に話を振ると
 
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「さあ。私もホシさんは普通の女性に見えます。ただ波動にやや乱れがあるから、自分の性別に軽い違和感を持っているのかも知れませんね」
と青葉は言った。
 
「スカートを嫌がってたのもそのあたりかもね」
 
「男の娘だと波動で分かる?」
と小風が青葉に訊く。
 
「たいてい分かりますよ。今まで会ったMTF/FTMさんで、マジで悩んだのは和実くらいですから」
と青葉。
 
「冬とか千里も一発で分かった?」
と政子が訊く。
 
「冬子さんは完璧に女の子だったんですけど完璧すぎるのでもしや?と思いましたよ。要するにふつうの女の子より女らしいんです」
「ああ、それは若葉とかからも言われてた」
 

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「千里姉はどうも騙された感じで」
と青葉。
 
「うん?」
 
「千里姉は最初会った時、ごく普通の男の娘の波動だったんですよ」
「ふむふむ」
 
「ところが天津子ちゃんは千里姉の波動は最初会った時からずっと純粋に女の子の波動だったと言うんですよね」
「ほほお」
 
「それでよく考えてみると、私、千里姉と会ってから4ヶ月ほどした時に自分のチャクラの回転を女性型に変えて欲しいと言われて、変えてあげたんです」
 
「チャクラの回転って性別で違うの?」
「男女で逆回転なんですよね〜」
「へー」
 
「それ以降は、千里姉の波動はごく自然な女性の波動に近いものになりました。でも考えてみたら、私の前で男の娘を装うのはさすがに疲れるから、私に回転方向を変えてもらったことにして、本来の状態に戻したのかも」
 
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「それって凄くない?」
「どうも私は千里姉の手のひらの上を飛び回っている孫悟空という感じです」
と青葉は言っているが
 
「それが分かったということが青葉の成長なのかもね」
と私は言った。
 
青葉も頷いていた。
 

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ステラジオは物凄くパワフルなステージだったらしい。新曲2曲を含めて14曲も演奏したという。おそらくはほとんどMCを入れずに、ひたすら歌ったのではという曲数だ。
 
たぶん何かで苦悩していたのをやっと乗り越えたところで、今はただ歌うだけに集中したいのだろうと私は思った。彼女たちが完全復活したら、恐らくは凄いアーティストになる。
 
すると和泉が私の心を見透かしたように言った。
 
「冬、KARIONの方は何とかするからさ、今年後半はローズ+リリーのアルバム作りに専念しなよ。本気出さないと、復活したステラジオに負けるよ。私も負けてられないから、旅行にでも行って詩を書きためる」
 
「実は千里からも似たようなこと言われた」
 
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「じゃKARIONは今年後半はアルバムの構想を練って、年明けくらいから制作。ローズ+リリーはひたすら年内は制作かな。楽曲はもうだいたいそろっているんでしょ?」
と和泉。
 
「うん。だいたいそろってる。まだ少し足りないけど、それは制作やっている間に何か着想すると思う」
 

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「三つ葉に提供した曲については何か言ってました?」
と花野子が和泉たちに訊く。
 
「あれは元々自分たちのアルバムに入れるつもりで作っていた曲なんだって。でも事務所の後輩になる、彼女たちのために提供することにしたらしい」
と和泉は言う。
 
「ああ、そういうことだったんだ?」
「結構可愛い曲だから、ちょっと自分たちで歌うには気恥ずかしい気もしていたから、ちょうどよかったと言っていたよ」
と小風。
 
「うん。確かにステラジオにしては可愛い曲だと思った」
 
「元々は高校時代に作っていた曲で、この春にアルバムに使おうかと思って少しCubase上で手直ししていたらしいんだよね。それでそのまま提供できたと」
 
「なるほど、なるほど」
 
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15:00からはRステージでラビット4があるので、和泉と花野子は見に行くと言っていたが、私は休ませてもらうことにして控え室の隅の簡易ベッドでタオルケットをかぶって寝た。カーテンを引いて目隠しをする。小風も別のベッドで寝ておくと言っていた。
 
青葉・梨乃・政子・美空は調達してきた食料をつまみながらおしゃべりしていたようである。
 
17時に青葉に起こされて私は目を覚ました。
 
「青葉もかなりパワーを使ってアクアのヒーリングしてたけど大丈夫?」
「ええ。千里姉からもパワーをもらいましたから」
「千里って、なんでそんなにパワーが融通できるの?」
 
「千里姉は自分の身体は実質的に空洞なんだと言ってました。だからそこに大量にパワーを蓄えられると。実際には4次元ポケットみたいになっているのではという気がします。千里姉はまるで無限のパワーがあるみたいで」
 
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「千里のバスケの試合見たことあるけど、40分間ほとんど出放しでも最後までスピードやシュート精度が落ちないよね?」
 
「ええ。でも千里姉はそういう霊的なパワーは試合では使わないんですよ。本来の体力だけで40分間プレイします」
「そうなの!?」
 
「そういう霊的なパワーを使うのは、アンフェアだと言うんです。スポーツは人間の力だけでやるべきだと」
 
「確かにどこかの雑誌の漫画みたいに超能力バトルになっちゃったら、もうそれはスポーツじゃないかもね」
 
「だから千里姉は相手チームの中に超能力を使ってプレイしている人がいたら、その人の力も封じてしまうんですよ」
「凄い!」
 
「超人的なプレイをする選手が千里姉のチームとの試合では全く活躍できないこともありますよ」
 
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「そんなことできるって、千里は凄まじいパワーがあるのでは?」
 
「千里姉の力は私は図り知れません」
と青葉は言った。
 
そして更に付け加えた。
「それなのに、千里姉は自分は何もできない。ただの素人だし霊感も無いと言うんですよ」
 
「うーん。。。。それって、素人を装っている訳?それとも単に自分の力に無自覚なわけ?」
と私が訊くと
 
「それがどうにも分からないんですよ」
と青葉は顔をしかめて言った。
 

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美空と政子は「食料調達」に出て(琴絵たちが付き添ったらしい)、小風と梨乃も一足早くHステージに向かったということであったので、私も控え室から青葉と一緒にHステージに向かう。お昼頃まで降っていた雨はもう止み、むしろ蒸し暑い感じである。
 
17:20。Hステージの第1楽屋に入る。16:00-17:00の時間帯に演奏したマンハッタン・シスターズの日本人スタッフさんが少しまだ残っていて最終的な片付けをしていた。
 
「すみません。もう終わりますから」
と言っているのは顔見知りの福田さんだ。雨宮先生の弟子で、昨年東名で事故った時にフリードスパイクを貸してくれた人である。
 
「おはようございます。福田さん、マンハッタン・シスターズに関わっておられたんですか?」
 
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「私は下請けみたいなもんですね。マンハッタン・シスターズは元々は雨宮先生と醍醐春海ちゃんが作り上げたユニットなんですよ」
 
「そうだったんですか!?」
「今は基本的には雨宮グループの手を離れていてアメリカのプロデューサーさんが管理しているんだけど、元々絡んでいた縁で、日本公演の時はいつも雨宮グループの誰かが対応しているんです」
 
「それは知らなかった」
 

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なおHステージの第2楽屋はXANFUSが使っていた。そのXANFUSの演奏は17:30に始まった。
 
私たちが到着して少しした頃、Rステージを見に行っていた和泉と花野子がやってきた。
 
残るのは美空だが、18時を過ぎても現れないので、花恋が電話するもつながらないようである。
 
「場内アナウンスでも掛けた方がいいかな?」
「美空は誰と一緒なんだっけ?」
「マリと一緒だと思うんですよ」
と言って、私は《琴絵》に電話する。すると、元プロ野球選手で現在は俳優として活躍中の新田金鯱さんと政子がそうめんの食べ比べをしていたのを見ていて遅くなったが、今そちらに向かっている最中ということだった。それで和泉たちに伝えるとホッとしていた。
 
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「マリちゃんだけ食べ比べやったの?」
「美空もやりたいと言ったけど、本番直前にダメと琴絵が止めてくれたらしい」
 
「危ない、危ない」
と花野子が言う。
「演奏中に戻したりしたら目も当てられない」
と梨乃。
 
「そんなことしたら、罰金10億円だな」
と和泉は言っている。
 

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やがてその美空たちも到着し、私たちはKARIONの4人・黒木さんたちとで今日の演奏について再確認する。
 
楽屋は途中にパーティションを置いて男女で別れて使っているのだが、伴奏者の数が多いので、三島さんと畠山社長が分担してチェックリストをもとに、男女とも伴奏者が全員そろっていることを確認した。
 
18:30。XANFUSの演奏が終わる。余韻が残る中すぐに撤収作業が始まる。18:40, 今回のイベントの主催会社のスタッフさんが「ステージ上の機材片付け終わりました」とこちらの楽屋に伝えてくれる。すぐにこちら側の機材を運び込み、大急ぎで設定をする。18:48。設置が終わり、各楽器の音がちゃんとPAにつながっている確認も取れる。
 
18:56。トラベリング・ベルズを含む、最初の曲の伴奏者がステージ上に出ていく。歓声が上がる。各自楽器の音を再確認する。18:58。KARIONの4人がいつものように、美空を先頭に、私、和泉、小風と並んで出て行く。
 
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4つ並んだスタンドマイクの前に立つ。
 
歓声が上がるので手を振る。
 
ちょうど日没となる。
 
太陽は山の陰で分かりにくいものの、空の様子が急速に変わっていく。黒木さんの合図で楽器が前奏を奏で始める。
 
KARIONは、今日のHステージのトリである。
 

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