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■娘たちの継承(16)

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半月ほど前、8月16日早朝。高野山。
 
某山山頂近くにある瞬嶽の庵に早紀が来訪した。
 
「さっちゃん、その格好でここまで来たの?」
と瞬嶽が訊く。
 
「そうだけど、何か変?」
と早紀は言った。
 
早紀は高校の夏服のブラウスにスカート、ストッキングにローファーという格好である。およそ険しい山に登るような格好ではない。
 
「やはり、私はまだ全然修行が足りないようだ」
と瞬嶽は言った。
 
「何なら、うちの高校の女子制服ここに持って来てあげようか?こうちゃんって、小さい頃は凄く女装が似合ってたし」
「それ内緒にしといてよ〜」
 
「それより、例の子、千里ちゃんの遺伝子を受け継ぐ受精卵をゲットしたんだよ。今日がちょうど妊娠六週目、魂が入る日だよ。だからこうちゃんの魂をここにコピーしようよ」
 
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「・・・・」
「自信無いなら、私がしようか?」
 
「頼もうかな」
「OKOK。裸になってそこに寝て」
 
「あ、うん」
 
瞬嶽が裸になって横になると、早紀も裸になった上で、瞬嶽のペニスを掴み、自分の陰裂の間に挟んだ。
 
「本当はヴァギナ内に入れた方がやりやすいんだけど、これ入れるの無理っぽいし、これでやるよ」
と早紀。
 
「もうそれは射精の機能も排尿の機能も消失している」
と瞬嶽。
 
「でもこうちゃんと、こんなことしたの、70年ぶりくらいかなあ」
と早紀が言う。
 
「もうそんなになるかな・・・」
「あの時ももう立たなかったね」
「うん・・・」
 

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ふたりは不完全な形のセックスではあったものの、気持ちは高揚していった。そして各々のチャクラが二重螺旋(Double Helix)の形に立ち上がっていく。普通はこの螺旋が天まで到達した所で新しい魂を胎芽に受け入れて胎芽は胎児になる。より高い所まで到達した時に、より高位の魂が召喚される。
 
この付近の詳しいことは20世紀最大の魔術師、アレイスター・クロウリーの爆笑小説!?『ムーンチャイルド』に書かれている。もっとも早紀は西洋魔術ではなく密教を使う。理趣経の一部を暗誦する。瞬嶽も唱和する。
 
「妙適、清浄句是菩薩位(※)。欲箭(※繰返し)触(※繰返し)愛縛(※繰返し)一切自在主(※繰返し)見(※繰返し)適悦(※繰返し)愛(※繰返し)慢(※繰返し)・・・・」
 
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しかしふたりはダブル・ヘリックスを天までは到達させたものの、新しい魂ではなく、瞬嶽の魂のコピー(分霊)を召喚した。
 
「OK。コピーしたよ」
と早紀は言った。
「結構盛り上がった。もう性なんて遙か昔に放棄したつもりだったのに」
と瞬嶽。
 
「理趣経は言っている。愛も欲望も性行為も全て菩薩(ぼさつ)の境地なのだと。なぜならば一切は空なのだから、愛もまた空であり、従ってこの世の摂理なのだから」
と早紀は言う。
 
「それを弘法大師(空海)は理解したけど、伝教大師(最澄)は受け入れられなかった」
と瞬嶽。
 
「まあ在野の修行者・弘法大師はそれを理解できる柔らかい頭を持ってたけど、エリートの伝教大師は頭が硬くて無理だったんだろうね」
と早紀は言った。
 
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「じゃ服を着るか」
と瞬嶽は言ったのだが、早紀はいきなり瞬嶽の男性器を口に含んだ。
 
「あっ・・・」
「これは継承とは無関係。私がしたいからしてるだけ」
 
早紀は10分くらいしていた。瞬嶽は70年ぶりに性的な快感を得た。
 
「今の方が二重螺旋が高くまで上がってたりして」
「うーん・・・」
 
それで早紀は服を着た。瞬嶽も服を着る。
 
「この子は千里ちゃんの遺伝子を受け継ぎ、こうちゃんの魂を持って生まれてくる。まあ実際に継承するのはこうちゃんが死んだ時になるだろうけどね」
 
「分かった。その子の父親は?」
「だから千里ちゃんだよ」
「精子あったの?」
「千里ちゃんは睾丸は無いけど、精子は取れるのさ」
「意味が分からん」
「こうちゃんにも分からないことがあるんだね〜」
と早紀は面白そうに言った。
 
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「じゃ母親は?母親が村山君かと思った」
「母親は千里ちゃんのお友だちの桃香ちゃんだよ」
 
「あの子か。。。。あの子は霊的な素質が凄いのか、全く無いのか、全然分からない」
と瞬嶽は言う。
 
「まあちょっと面白そうな子だよね」
と早紀は言う。
 
「じゃ、こうちゃん、死んだら私に連絡してよ。すぐ封印解除の儀式をするからさ」
「死んだ時は、分かるようにできると思う」
 
「じゃ、またね。次はこうちゃんが生まれ変わってから会うことになるかな」
 
それで早紀は瞬嶽にキスしてから山を下りて行った。
 

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日本代表チームは29日に大村市内で記者会見をし、城島監督と三木キャプテンが優勝できなかったお詫びをし、来年6月の世界最終予選で必ず5位以内に入り、オリンピックに出場することを三木キャプテンが誓った。
 
また城島監督とふたりのアシスタントコーチ、松本代表は、予定通りこの大会で日本代表から離れることを言明した。
 
一行は現地で解散し、各々の地元へ帰った。千里は出羽に行っていたので、玲央美たちと一緒に羽田に戻ったのは《すーちゃん》である。
 
長崎空港16:45(JL1852)18:25羽田空港18:51(京急)19:14品川19:32-19:39東京
 
玲央美はこの時期、荻窪のマンションに住んでおり、品川からは山手線で新宿に移動し、中央線に乗れば帰宅できるのだが、《すーちゃん》と話が弾んでしまい、東京駅まで一緒に行って、地下の食堂街で適当なお店に入り、そのままおしゃべりしていた。
 
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「そうか。インターハイに出たことあったのか」
と玲央美は言った。
 
「それ千里には内緒にしといて〜。そんなのバレたら、もっとどんどん代役させられそう」
「でもそれなら、すーちゃんも少し本格的に練習するといいよ。私練習相手になってあげるよ」
「そうだなあ。練習するのもいいかも知れないなあ」
と《すーちゃん》も言った。
 

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一方、千里本人は29日夜の上越新幹線で千葉に帰還した。
 
鶴岡18:20(いなほ14)20:09新潟20:19(Maxとき350)22:28東京22:55(総武線)23:34千葉
 
鶴岡からは新庄に出て山形新幹線に乗るより、新潟から上越新幹線を使ったほうが早い。
 
東京駅で《すーちゃん》と落ち合い、吸収する予定であった。それで彼女の波動を頼りに地下の食堂街に行く。
 
あ、居た居たと思い、そのお店に入る。千里が近づいてきた所で《すーちゃん》は自分の可視性を消して普通の人には見えない状態にする。この状態になると、見えるのは強い霊感を持つ人だけである。彼女が非可視になるのとほぼ同時に千里がそのすぐ隣に座ったので、周囲のテーブルに居る人も、《すーちゃん》の“消滅”にはまず気付かない。なにせ同じ顔である。
 
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「はい、これ銅メダルに、チーム3位の賞状のカラーコピー、スリーポイント成功率1位の賞状、スリーポイント成功数3位の賞状」
 
と言って《すーちゃん》は非可視の状態で、もらった賞状とメダルを千里に渡した。またチームスタッフや協会の人などからの伝達事項はレポートにまとめてある。そのレポートも渡す。
 
「引き継ぎ完了〜」
「お疲れ様。じゃ吸収するね」
 
それで千里は《すーちゃん》を吸収した。
 
ところがそこに“トイレから戻ってきた”玲央美が来て、こちらを見て、驚いたような表情をした。
 
「レオ!?」
「見ちゃった。すごーい!」
 
「うーん。。。レオには見えるのか」
と言って、千里は頭をポリポリと掻いた。
 
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9月10日(土).
 
平良真紗は母の車で山陰道を走って出雲市まで出かけ、中村晃湖さんから紹介してもらったヒーラー、藤原直美さんのお宅を訪れた。
 
「ああ、これは最初の頃はかなり痛かったでしょう」
と言って、ヒーリングをしてくれた。
 
中村さんのヒーリングも気持ち良かったが、藤原さんのは傷みが少しずつ蒸発していくような感覚で、本当に気分が良くなっていった。ただ藤原さんのヒーリングは“強い”ので本人の体力も実は消耗しており、一度に全部はできないと言われた。それで何度かこちらに通ってくることにした。
 
「でも高校生で性転換手術を受けたってのは凄いね。国内?」
「いえ。国内ではどこも20歳以上でないと手術できないと言われたんです。1ヶ所だけ、18歳以上でもいいという所はあったのですが、できるだけ早く受けたかったから」
 
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直美はカルテを再度見た。
 
「あなた16歳!?」
と直美は驚いて言う。
 
「はい。7月1日に16歳になったので、7月4日に手術してもらったんです」
 
「どこの病院?」
「アメリカのカリフォルニア州のX医院という所です」
 
「そこの住所とか電話番号とか分かる?実は別のクライアントで、今14歳なんだけど、18歳になるまで手術を受けられないのは辛いとこぼしている子がいるのよ」
 
「ああ、その気持ち分かります。私もそう思ってましたから」
 
「その子にこの病院のこと教えてあげてもいい?」
「はい、もちろん」
 

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それで直美は真紗が帰った後、夫の民雄とも相談し、そのX病院に電話を掛けて、自分のクライアントの14歳の中学生が性転換手術を受けたいと言っているのだが、そちらで16歳になった時点で手術が受けられるだろうかと尋ねた。
 
X病院では、一応原則として18歳以上であると断った上で、クライアントの状況次第では、それより低い年齢での手術を認める場合もあると言った。
 
「これまで手術を認めた最低年齢は12歳のケースがあります」
「12歳で手術したのですか!」
 
「この子は自分で男性器を切り落としてしまったので、救急対応だったんです。それ以外では15歳で認めた例が2度ありますが、かなり特殊な状況でした。16,17歳での手術はこれまでに30例ほどあります」
 
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どうも基本的には特例でも16歳以上ということらしい。
 
「では一度そちらを訪問していいですか?」
「はい、いつでもどうぞ。訪問する前に予約を入れて下さい」
「分かりました。よろしくお願いします」
 
それで民雄は青葉に電話をした。
 
「青葉ちゃん、君の性転換手術をしてくれるかもって所を見つけたよ」
 

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同じ日、松井絵理はジョン・F・ケネディ国際空港で成田行きの便を待っていた。
 
「さて、久々の日本だ。またたくさん可愛い男の娘を女の子に変えてあげたいなあ。毎年50人くらい変えてあげるのが理想だよね」
 
と松井は独り言を言いながら、自分が今まで手術してきた男の娘たちの顔を思い浮かべていた。
 
 
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