広告:Back-Street-Girls(6)-ヤングマガジンコミックス-ジャスミン・ギュ-ebook
[携帯Top] [文字サイズ]

■夏の日の想い出・赤い服(19)

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
前頁 次頁 時間索引目次

↓ ↑ Bottom Top

7/28の午後は、ひと休みして15時から作業が再開された。
 
それまでに『沖に娘だ』をエレメントガードが伴奏した音源も出来上がっていたので、それを聴きながらあらためてアクアに歌ってもらったが
 
「慣れてるバンドの演奏だと歌いやすーい」
とアクアは言っていた。
 
結局『沖に娘だ』の伴奏をベースに『お気に召すまま』の伴奏も録り直したいとエレメントガードのヤコが言ったので、それも録り直してもらったが、アクアも
「前の伴奏よりこちらがいいです」
と言って、気持ち良さそうに歌っていた。
 
アクアの歌唱を生で聴きながら青葉が色々注文を付ける。ロンドは青葉の体調を考えて作業は21時で打ち切るつもりだったのだが、青葉が
「大丈夫です。私“は”妊娠してないほうですから」
と言うので、夜1時くらいまで作業を続けてもらった。
 
↓ ↑ Bottom Top

作業中アクアは時々
「疲れたから交替しまーす」
と言ってほんとに交替しながら作業していた。
 
ロンドは
「もう同じ人物が複数居るのには慣れた」
などと言っていた!
 
かくして音源制作作業は、7/31 20時頃完了した。
 

↓ ↑ Bottom Top

青葉は7月31日夜に「明日帰りますね」と言っていたし、8月1日の朝食を食べたあと、姿を見なくなったので恐らく伏木に帰ったのだろう(*47).
 
アクアは8月1-5日はアルバムのMV制作をした。実際には大半のビデオを葉月が吹き替え役になってほぼ撮影が終わっており、葉月が演じた部分をアクアの映像に差し替えるための素材を作ったのである。
 
葉月はこのMVの制作まで終わってから8月6日に用賀の自宅に戻った。
 
立山煌は音源制作が終了したところで8月1日に解放されて男子寮に戻った。
「すみません。荷物は後日あらためて取りに来ます」
「ずっと女子寮に住んでてもいいよ」
「勘弁してください」
 
彼は1ヶ月ぶりに男子寮に戻り、セレン・クロムから
「お帰り。男の子に戻れたね」
などと言われた。
「このまま女の子になってね。手術は予約してるからとか言われたらどうしようと思った」
などと言っていた。
 
↓ ↑ Bottom Top

なお、立山煌は性別に疑いの余地がないので、女子寮生たちによる“解剖検査”は受けていない!
 
(*47) 青葉(青葉R)は伏木に戻るつもりだったが、美鳳さんの親切?でグラナダに飛ばされ、青葉Lの出産まで雑音から遮断された状態で水泳の練習に専念することになる。
 
でも当面妊娠で無理ができない青葉Lに代わり、作曲・編曲も一手に引き受けることになる!
 

↓ ↑ Bottom Top

8月1日(月).
 
千里(千里3)は、北区NTCでバスケット女子日本代表の第4次合宿に入った。
 

8月1日(月) 0:00.
 
この日を境に、§§ミュージックのホームページ、およびTKRのホームページ上で、§§ミュージックの全てのタレントおよび信濃町ガールズのプロフィールから“性別”の表記が消えた。
 
コスモスは
「性別なんて個人的な問題だし、わざわざ表記することでもないのでは、という意見が強まり削除しました」
と述べた。
 
世間では
「やはりアクアの性別変更を正式に発表する前の地ならしでは?」
などという観測もあった。
 

↓ ↑ Bottom Top

その日私は少し時間が取れたので、予定日(8/3)間近の政子の様子を見に政子の実家に行ってみた。
 
庭にビニールプールを出して、あやめ・夏絵・大輝を遊ばせている。それを政子が眺めている。
 
「マーサ。赤ちゃんの様子は?」
「毎日元気に暴れてるけど、まだ出てくる気配は無い」
「ふーん」
 
それでしばらく子供たちの様子を見ている。
 
「でも大輝(1歳7ヶ月)にも女の子水着を着せたんだ?」
「ああ、あやめ(3歳5ヶ月)が以前着てた水着」
「ふーん」
 
少し見てて、あることに気がつく。
 
「大輝のちんちんがまるで無いみたい」
「タックしてあげた。だってひとりだけお股が盛り上がってたら仲間外れみたいで可哀想じゃん」
「タックとか良くないよ。内臓や血管を圧迫するし」
「じゃ、やはり手術してきれいに取っちゃった方がいい?」
「そんなの本人の気持ち無視して手術しちゃうのは犯罪だからね」
「ちんちん取ってほしいと思うように育てよう」
「それも虐待」
 
↓ ↑ Bottom Top


8月3日(水).
 
政子は自身が産む3人目の子供となる女の子を出産した。予定日当日だった。
 
誕生日が夏絵(2018.8.3)と同じである。ジャスト4つ違いの姉妹というのも面白いと私は思った。誕生日は確実に合同でされるので、本人たちは面白くないかもしれないが。
 
陣痛が始まってから約12時間の安産であった。でも政子は
「辛かったよう」
と泣いていた。
 
「なんで女ばかりこんな苦しい目に遭うのよ?次は冬が産んでよ」
「正直忙しすぎて妊娠してる暇が無い」
「でも冬って10人くらい居るんでしょ?1人くらい妊娠しても何とかなるんじゃないの?」
「私はひとりだよー」
「怪しいなあ」
 

↓ ↑ Bottom Top

政子は「名前はもう決めていた」と言うので、きっと大輔さんと話して決めていたのだろうと思った。名前は“かえで”だと言う。
 
それで出生届を出してきてと言われたのだが、父親欄が空白である。
 
「この子、胎児認知してたんだっけ?」
「認知は無し」
「なんで〜〜?」
「色々事情があって認知できない」
 
私は急に不安になった。まさかこの子、貴昭さんの子供ということは?
 
(↑冬子はなぜ政子が自分に出生届けの提出を頼んだのか全く分かってない)
 
ともかくも私は出生届を出してきた。窓口でも父親のことを訊かれたが、父親については話し合い中だが、本人は充分経済的な余裕があるので、養育には不安は無いということを説明しておいた。
 
↓ ↑ Bottom Top


私は戻って来てから、病院に子供の血液型について確認した。
 
ショックを覚えた。
 
かえでの血液型はAB型だったのである。
 
政子はAB型である。大輔さんはO型である。AB型とO型の両親から生まれる子供は、A型かB型になり、AB型というのはあり得ない。
 
つまり、かえでは大輔さんの子供ではない!
 

↓ ↑ Bottom Top

私は悩んだ。
 
貴昭はB型である。実は、長女のあやめができた時、貴昭の奥さんが、その子供は貴昭の子供ではないのかと疑い、貴昭は決して浮気はしていないと言ってDNA鑑定をした。それであやめは貴昭の子供ではないことが判明したが、その時私は貴昭がB型であることを知った。
 
B型とAB型の両親からならAB型が生まれることもある。
 
この子はやはり貴昭の子供ということはないか?
 
だいたい政子は妊娠中から、この子は大輔の子供ではないと言っていたではないか。私はジョークと思っていたのだが、やはりこの子は貴昭の子?
 

↓ ↑ Bottom Top

いや。
 
貴昭は言っていた。
 
確かに露子さんとの結婚後に何度か政子と“会った”ことはある。でも露子が病気で倒れた後は決して“していない”と。
 
彼の言葉を信じよう。
 
それに彼の性格として、万一政子とセックスしたとしても。確実に避妊したと思う。
 
だとすると、かえでは一体誰の子供?
 
(↑ケイがそれを知るのは半年後になる。ケイにしては、にぶすぎる)
 

↓ ↑ Bottom Top

8月3日(水).
 
常滑舞音の2冊目の写真集『オールシーズン・マネ』が発売された。
それと同時に舞音の15枚目のシングルで写真集と同名の『オールシーズン・マネ』も発売された。
 
舞音のファースト写真集『舞音がみんなの真似をした』は昨年6月25日に発売されたが直後に“舞音ヌード流出騒動”が起きて、ケチが付く形になった。アクアの発案で別人のヌードであったことが証明され、写真集の売上はかえって伸びた。
 
しかしその時点から舞音のプロデュースチームは、絶対にケチの付かない形での写真集製作のプロジェクトを開始していたのである。
 
まず“ヌード騒動”の最中に
「申し訳無い。私の管理が甘かったかも知れない」
などと“謝罪”して結果的に
「写真家が謝ったのなら本物かも」
と言われて、火に油を注ぐ形になった写真家さんのひとり(この写真集は5人の写真家が分担して撮影している)には§§ミュージックが厳重抗議。結果的に写真家さんは報酬を返上すると表明。それは7月に発生した静岡・神奈川集中豪雨の被災地に寄付された。
 
↓ ↑ Bottom Top

そして§§ミュージックは次は時間が掛かっても絶対信頼できる1人の写真家に全て撮ってもらう方針を固めた。そして新たに、女性写真家の春山サクラさんに
「1年掛けて舞音の写真を撮ってほしい」
と依頼した。
 
それで、春山さんは1年にわたって舞音に帯同し、全国各地で写真を撮影してくれたのである。また千里に付けてもらった霊能者?仙北龍美さん(←何か凄く偽名っぽいんですけど)に舞音の身辺を気をつけておいてもらい、隠しカメラ・盗聴器の類いを徹底的に排除するようにした。
 
また、外出先で舞音が着替える時には必ず悠木恵美か坂田由里に一緒に居てもらい、気をつけるようにした。(水谷姉妹はやや頼りない)
 

↓ ↑ Bottom Top

杉本ひかり(七石プリム)が女子寮に移動されてから半月ほどがたった日、女子寮の一部で囁く声があった。
 
「ね。隠しカメラ設置できた?」
 
「無理〜。あの子、ちょっと自販機に行く間もしっかり部屋の鍵を掛けるから侵入できない」
 
「あの子の部屋でおしゃべりとかして、あの子がトイレとかに立った時に仕掛けたのは、速攻で捨てられた」
「どうして仕掛けた場所が分かるの〜〜?」
「まあ仕掛ける場所ってだいたい限られてるからなあ」
 
という訳で、女子寮“シークレット・サービス”の面々は、いまだに、ひかりのヌード覗き見に成功していないのである!(痴漢だと思う)
 

↓ ↑ Bottom Top

さて舞音のほうに話を戻す。
 
それで前回は全編コスプレの写真集だったのが、今回は普通の写真が半分を占め、“アイドル常滑舞音”を強調した写真集になっている。
 
何ヶ所か集中撮影した所もある。郷愁村の白雪城では、ドレス姿の白雪姫、武装の白雪姫のコスプレをし、毒リンゴを囓るシーン、倒れているシーンも写している。小浜の鏡迷宮では、合わせ鏡状態にして“増殖舞音”と称した。ここでは、鏡の前で王子様衣裳の花貝パールとダンスするシーン、シンデレラ衣裳の恋珠ルビーと白雪姫衣裳の舞音で並ぶシーンも収められている。
 
佐渡金山では金鉱掘りに扮した舞音、金の延べ棒を両手で抱える舞音(マネ・ゲッツ・マネー)、トキを背景にしたマネ(トキ・イズ・マネー)など10点ほどの写真が納められた。
 
↓ ↑ Bottom Top

また“オールシーズン”というタイトルに合わせて各月に様々な場所で撮影した写真も並んでいる。
 
1月 根室
2月 金沢兼六園
3月 田沢湖
4月 富士急ハイランド
5月 錦帯橋
6月 宮古島
7月 与論島
8月 青島
9月 ナガシマ・スパーランド
10月 しまなみ海道
11月 福島の双葉町
12月 宮城の金華山
 
寒い時に北海道・東北に行き、暑い時に沖縄・九州に行っている!
 
季節感を出すためにどうしてもそうなったのである。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁 次頁 時間索引目次

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
夏の日の想い出・赤い服(19)

広告:國崎出雲の事情-9-少年サンデーコミックス-ひらかわ-あや