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■夏の日の想い出・少女の秘密(13)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-06-02  
3月12日朝。仙台市内のホテルで私は“政子に”起こされた。
 
「冬、会場に行こう」
「何時〜?」
と言って時計を見ると、まだ5時である。
 
「さすがにまだ早い。アクアのステージは8時半開場10時開演だよ」
 
昨日も政子は朝早く起きて、私が忙しそうにしていたので結局ボランティアのスタッフで来てくれている仁恵を呼び出し7時頃、会場に入り、アクアのステージを見てきたようである。普通の人はアクアのステージは2日間の内どちらかしか見られないのだが、主催者の特権だ。
 
「じゃ朝御飯食べに行こう」
「まだレストランやってないよ」
「じゃコンビニで何か買ってくる」
「はいはい」
 
それで結局私は起きて着換え、一緒にコンビニまで行って、お弁当を3つとお茶を買ってきた。むろん政子が2つ食べる!
 
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それで政子は結局今日も仁恵を呼び出して、6時半頃、一緒に会場に移動した。私はその後、少し仮眠させてもらった。
 

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私は結局10時頃準備をしてホテルを出、会場に向かった。控室でみんなと合流する。
 
「あれ?マリちゃんと一緒じゃないの?」
とゴールデンシックスの花野子から訊かれる。
 
「アクアのステージ見てるんだよ」
「なるほどー!」
「ファンクラブ会員番号2番さんだから」
「熱心だね〜」
と花野子が言うが
「アクアを性転換させようというのにも熱心だよね?」
と梨乃から言われる。
 
「そうそう。取り敢えず去勢しようよ、とかなり言っている」
「ああ」
 
「でもあれみんなから去勢しちゃおうよと言われているから、ついその気になって、やっちゃう可能性は?」
「ありそうで怖い」
 

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「そういや、アクアちゃんはどこの高校に行くの?」
と今日はゴールデンシックスのメンバーとして来ている長尾泰華が訊く。
 
今日のゴールデンシックスは、南国花野子(KB) 矢嶋梨乃(Gt1) 桂木織絵(Gt2) 黒井由妃(Dr) 長尾泰華(Vn) 村山千里(B) というメンツである。要するにXANFUSから2名ヘルプに入っている。
 
「どうせすぐバレるだろうから言うけど、東京北区のC学園高校芸術科」
と私は答えた。
 
実はこれまでは『普通科芸術コース』だったのだが、ここだけ共学にするので《技術的問題》で普通科から独立させ『芸術科』という形にすることになったのである。
 
「嘘!? あそこ女子校じゃないの?」
と音羽。
「アクア、女子高生になるの?」
と光帆。光帆は何だか目がきらきらと輝いている。彼女も“去勢推進派”である。
 
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「普通科は女子のみなんだけど、芸術科に限っては今年から男子を最大3人まで受け入れることになったらしい。その3人の1人」
 
「へー!」
と多くの子が言うが
「なーんだ!」
と一部の子が言っている。
 
「せっかくC学園に入るなら、女子制服着て、女子高生になればいいのに」
と光帆。
「女子制服には興味持っていたみたいだけどね」
「ああ」
 
「中学の時はけっこうあの子、セーラー服着てたでしょ?」
と音羽が言う。
 
「唆されてとか、騙されてとか、言ってたけど、まあ本人は喜んで着てたよね」
 
「きっと高校でも女子制服をたくさん着そうだ」
「女子制服を着てもいいですよ、とは言われたらしい」
「学校の許可があるなら、間違い無く着るだろうな」
 
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今日のアクアのステージも物凄い興奮度だったようである。今日も興奮しすぎで倒れたり退場させられたファンが何人も出ている。
 
「ここまで熱狂された男性アイドルは多分光GENJI以来じゃなかろうか」
などと、こちらにちょっと顔を出した松前社長が言っていた。
 
「それ20年くらい前ですかね?」
「そうそう。その光GENJIはたぶんスーパーアイドルと言われた郷ひろみ以来」
「やはり20年に1度の男の子アイドル?」
 
「まあアクアは男の娘疑惑もあるけどね」
と小風が言う。
 
「中性的魅力の美少年アイドルとしては城みちるなんてのもいたね」
と松前さん。
 
「クジラに乗った少年でしたっけ?」
「イルカに乗った少年!」
「あれれ!?」
 
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アクアのステージが終わってから僅か15分ほどで観客を退場させる。このあたりはイベンター推薦の選抜チームが会場係をしているので、そつが無く、うまく誘導して混乱しないようにしている。なおグッズを買いたい人は、サブアリーナの方に誘導してそちらで、ゆっくりと見てもらうようにナビゲートしている。このサブアリーナは入場券のQRコードを携帯またはスマホで提示できる人のみが入場できる(午後のイベントのチケットででも入ってアクアのグッズを買えるがそこまではうるさく言わない)。
 
場内の清掃をする傍らトイレなどに籠もっている客がいないことを確認(この辺りの手順も選抜チームは、手際が良い)の上、12:20に午後のライブの開場をした。こちらも満員である。チケットは実際問題として30分で売り切れている(アクアのライブは抽選で倍率20倍であった)。顔認証しながら入場させるが、ほとんどトラブルは無かった。
 
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今日のライブのスケジュールは13:00 Golden Six 14:00 KARION 15:00 XANFUS 16:00 Rose+Lily となっている。KARIONとRose+Lilyの間にXANFUSを入れるのは私の体力都合である!
 

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13:55にゴールデンシックスの演奏が終了し、5分間で大急ぎで機材の入れ替えが行われる。
 
14:00。KARIONとトラベリングベルズのメンバーが出て行く。今日のサポートはグロッケンがスターキッズの月丘、ヴァイオリンが長尾泰華、キーボードが千里である。泰華と千里はゴールデンシックスと続けて2時間の演奏になるが、ふたりとも「平気、平気」と言ってやってくれた。
 
千里はレッドインパルスがプレイオフの決勝まで勝ち残ったら来られないと言っていたのだが、今年は準々決勝で敗れてしまったので、時間が取れたと言って来てくれた。千里が使えない場合は、昨日歌った川崎ゆりこに頼めないか打診していた。ゆりこは「社長の方がキーボードは上手いですよ」と言っていたが、さすがに多忙なコスモスに伴奏をお願いする訳にはいかない。コスモスは今日もアクアのステージがあったので会場に来ているのだが、なにやら忙しそうであった。
 
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この日のKARIONのステージでは前半は先日発売した『エーゲ海の夕日』の中の曲と、制作中のアルバムから『青銅の愛人』『アクア人魚』を演奏した。後半は過去の曲の中から『アメノウズメ』『海を渡りて君の元へ』『魔法の鏡』、『雪うさぎたち』『Crystal Tunes』と演奏して14:54くらいにステージを終えた。
 

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KARIONのステージが終わった後は、汗を掻いた服を着替えてから仮眠させてもらう。30分ほど寝てから起きて、政子・風花とスターキッズを入れて打合せをする。
 
15:55。XANFUSの演奏が終わり、急いで機材の入れ替えをする。16:00。最初にスターキッズが出て行き、その後私とマリが出て行く。いつものように私は赤いドレス、マリは白いドレスである。昨年は高校の制服など使ったりしたのだが、今年は全費用を最初から出演者自身で負担しているのと、★★レコードが絡んでいないので過去のライブで使用した衣装を使わない限り権利上の問題が生じないため、実はしまむら!で買ってきた服を使用している。
 
そのことを冒頭のMCで言うと、会場に笑いが起きていた。
 
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「マリちゃんのドレスが1480円、私のが1280円だったね」
「こんなに安い衣装を着たのは有料イベントでは多分初めてだよね」
「うん。メジャーデビュー前に、デパートの屋上とかでやってた時以来かもね」
 

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最初は千里の龍笛をフィーチャーして『夜ノ始まり』を演奏する。ギャラを払えないという制約があり、限られた人数で演奏しなければならないので今日はストリングセクションを省略し、ヴァイオリンソロは私自身が入れ、風花にピアノを弾いてもらった(この曲では月丘さんはマリンバを弾く)。
 
結局千里は今日4時間の内3時間稼働である。しかし千里は「バスケでは40分走り回るから、それに比べたら楽」と言っていた。
 
私はXANFUSの演奏中仮眠を取っていたが、千里はずっとアクアとおしゃべりしていたらしいので本当に凄い体力である。
 

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次に演奏した『灯海』も元のアレンジは多彩な楽器を使用しているのだが、今日は風花のフルートと千里の龍笛以外はスターキッズ・アコスティックバージョンの標準構成である。それから千里と風花も下がってスターキッズのみで『雪虫』を演奏した後、そのままの構成で『神様お願い』を演奏した。
 
ここは追悼の歌が2つ続いた感じである。もっとも『神様お願い』は実は追悼の歌ではなく、危篤状態になった沖縄の麻美さんの回復を祈って作った歌である。彼女はあの時、向こうに行ってしまいたい気がしたけど、ローズ+リリーの歌が聞こえたので、そちらに戻ったと言っていた。
 
この後、トラベリングベルズの児玉さんにトランペットを吹いてもらい、また風花にピアノを弾いてもらって『あけぼの』を演奏した。
 
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前半を終えた所で、長めのMCをする。この間にスターキッズは楽器を電気楽器に持ち替えてチューニングの確認などもしている。マリは午前中にアクアのステージを見て凄く興奮したことを楽しそうに語っていた。
 
「アクアの声って完璧にソプラノなんだよね〜。あの高さの声が出るのは実際女性のソプラノ歌手でも、かなりレアらしいです。実は音域の最高音はケイの実声の最高音より高いんだよね。やはりあの声の高さが失われないように、アクアは早急に去勢すべきだと思うけどなあ」
 
とマリが言うと、何だか物凄い拍手が起きていた!
 

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アクア本人は、ステージが終わった後、影武者を務める西湖(今井葉月)がアクアと同じ衣装を着て、鱒渕さんの運転する車で会場を脱出したのを見送り、実は会場の(女性用!)控え室で、小風・マリ・光帆・梨乃などとおしゃべりしながらモニターで午後のステージを見ていた。ローズ+リリーのライブ中も、小風たちと一緒に観覧していたらしいのだが、このマリの発言と観客の反応に
 
「やはりアクアちゃん、高校入学前に去勢しない?黙ってれば分からないじゃん。どうしても必要ならダミーのシリコンボールを入れておいてもいいしさ。そういうの、こっそり手術してくれるお医者さん、紹介できるよ」
と光帆から言われて
 
「そんなこと言われても困っちゃう」
などと言っていたらしい。
 
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ちなみに例によってアクアが女性用控え室にいてもみんな気にせず着替えたりしているし、アクアはそういうのを見ても何も感じない。
 

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「困っちゃうというのは、ご両親から去勢の許可が出ないということか、契約上去勢が禁止されているのか、それとも、実はもう去勢済みということか」
などと由妃から突っ込みが入る。
 
「両親は去勢してもいいよとは言ってるし、契約上も禁止する条項は入ってないけど、ぼくが去勢したくないです」
とアクア。
 
「両親はいいと言ってるんだ!?」
「いや、ふつう去勢するななんてことまで契約書には書かないでしょ」
「性転換は30歳まで禁止と契約書に書かれています」
「ほほぉ!」
「そういう契約書は珍しい」
 
「でもアクア自身はいづれ女の子になりたいんだよね?30歳すぎてから手術するの?」
 
「別に女の子になりたくないですー」
と本人は言っているが、どうもそういうことを言われて嬉しがっている雰囲気がある。
 
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