広告:ここはグリーン・ウッド (第2巻) (白泉社文庫)
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■東風(2)

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三つ葉が主役?の『3×3大作戦』であるか、7月から恋珠ルビーに代わって花貝パールがレギュラーになった。恋珠ルビーは
「短期間で降板して申し訳ありません」
という短いメッセージを番組内で公開していた。
 
この花貝パールの動きが非常に良いので、それに目を留めた別のテレビ局から声が掛かり、パールは7月中旬から、その局のクイズ番組にレギュラー出演することが決まった。ちょうど、妊娠の月数が進んで休養に入る女優さんの交替要員であった。
 
しかしパールはこれでレギュラーが2本となったことから、契約をA契約に切り替えることになった。これで今年はA契約をした人が7人にも及ぶことになる。
 
七尾ロマン・恋珠ルビー・常滑真音・甲斐絵代子・中村昭恵・水森ビーナ・花貝パール
 
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パールのマネージングは、当面恋珠ルビーを担当している城沼咲子(弘田ルキアの初代マネージャー)が兼任することになった。
 
(スタッフも全然足りてない)
 
この後、水谷姉妹もA契約に移行する予定である。また甲斐波津子も、絵代子とセットで露出する機会が多い(歌番組で波津子が伴奏して絵代子が歌うというのも多い)ことから、妹と同様A契約に切り替えようかという話も出ている。実際ギャラをもらった時に2人でシェアする場合に契約が違うことから、姉は妹の半額になるのが気の毒という意見もあったのである。
 
コスモスはどうも甲斐絵代子が今のマネージャー・秋田有花と相性が悪いようだというのも感じていたので、甲斐姉妹のマネージングも再考する必要があると考え始めていたが、水谷姉妹のマネージャーについても、出来る人を探し始めた。
 
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§§ミュージックが自主制作してΛΛテレビが放送する(西部警察方式)大型時代劇は、今年は『南総里見八犬伝』と決まった。
 
原作が長大な物語なので、今回のドラマでは八犬士が集結していく所までを4時間ドラマにまとめる。主として下記のエピソードが語られることになる。
 
・玉梓の呪い
・八房との約束・伏姫と8つの玉の離散
・犬塚信乃と村雨丸(犬川荘助も出る)/浜路と犬山道節
・芳流閣の決闘(信乃vs犬飼現八)
・古那屋の出会い(犬田小文吾・犬江親兵衛)
・対牛楼の仇討ち(小文吾と犬坂毛野の婚約?)
・庚申山の妖猫退治(現八と犬村大角)
・甲斐物語(信乃と浜路姫の婚約)
 
今回は妖猫退治をクライマックスとし、美しい甲斐物語で締めくくることになる。
 
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船虫は暗躍するが、船虫が退場した後の、物語後半の悪役・妙椿は登場しない。
 
今回は明確な“主役”は居ない。群雄割拠になりつつある今の§§ミュージックにふさわしいテーマだったかも、とケイは言っていた。
 
企画が立てられた春の段階では犬塚信乃がアクアというのだけ決まっていた。その後、5月に犬坂毛野が変装名人?の常滑真音と固まり、犬山道節を町田朱美、浜路が東雲はること定まる。東雲はるこは浜路に、あまりにも適役すぎる、とゆりこは言っていた(コスモスは最初浜路にはスピカを考えていた)。
 
このドラマの出来を決めるとも言える船虫は、そのスピカがやりたいというので、やってもらうことにした。玉梓との1人2役になる。玉梓は美女という設定だから、やはり美人度の高いスピカが似合うのである。
 
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実はコスモスは最初白鳥リズムを船虫に考えていたのだが、あらためて考えてみるとリズムは船虫にしては“陽”の要素が強く、元気すぎるので、もっと“陰”の性質を持つスピカの方が適任と思い直した。
 
リズムは犬飼現八を演じることになる。実はリズムを犬村大角にする案もあったのだが、その場合、源八は西宮ネオンが想定される。しかし現八と信乃の格闘シーンがあるので、アクアと取っ組み合って格闘するのは女子でなければというのでリズムが現八で大角をネオンが演じることになった。ネオンも「“女の子であるアクア”と取っ組みあうのは抵抗があるから助かった」と言った。
 
一方、ゆりこは
 
「男子疑惑のあるリズムと女子疑惑が濃厚なアクアの格闘なら問題無い」
などと言っていた。
 
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「そういえば昨年はリズムがアクアをレイプして妊娠させたんだったね」
と花ちゃんが言うので
 
「それお芝居の中の話だと知らない人が聞いたら誤解します」
とアクアは抗議していた。
 
(リズム演じる権中納言がアクア演じる右大将をレイプして妊娠させた)
 
高崎ひろかが伏姫、品川ありさは丶大(ちゅだい)法師を演じる。
 

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※6月時点での(ほぼ)決まった配役
 
孝 犬塚信乃 アクア
智 犬坂毛野 常滑真音
忠 犬山道節 町田朱美
礼 犬村大角 西宮ネオン
仁 犬江親兵衛(未定)
義 犬川壮助 (未定)
信 犬飼現八 白鳥リズム
悌 犬田小文吾(未定)
 
親兵衛については古那屋の場面では、昨年も使用した赤ちゃんのリアルロボットを使用するが、神隠し明けの童子姿は、劇団色鉛筆の子役俳優を起用することも考えている(小学生の信濃町ガールズを抜擢する可能性もある)。
 
玉梓・船虫 姫路スピカ
伏姫 高崎ひろか
八房 (未定?)
丶大法師 品川ありさ
浜路・浜路姫 東雲はるこ
赤岩一角・化猫 山下ルンバ
蟇六と亀篠 ケイナ・マリナ
網乾左母二郎 大林亮平
語り手 明智ヒバリ
 
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八房は“撮影方法”が未定である。CG/よく慣らした犬/ロボットという3種類の案があがっている。舞音が「着ぐるみ着ます」と言ってきたのは却下した。舞音の八房は可愛いくなりそうだが、ドラマのテイストに合わない。山村が「俺に任せろ」と言ったのはコスモスが内容も聞かずに却下した!どう考えても撮影方法を合理的に説明できない映像になってしまいそうだ。
 
山村は“本物の妖怪”をたくさん呼び出してきかねないとコスモスは思った。
 

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この撮影のためのセットは3月頃から、郷愁村の空き地(昨年の“平安村”の西側の領域)に建設が始まった。建てられるのは、このような建物である。
 
滝田城
伏姫の庵
民家数種類
芳流閣
対牛楼
庚申山の洞窟
指月院
 
建設費の予算は、芳流閣が1億円、それ以外の建築物が合わせて1億円の合計2億円程度を見込んでいる。衣装代・大道具・小道具などは恐らく数千万円で済む。昨年の平安内裏のセット(大道具や衣装も入れると6億円)よりは遙かに安い。コスモスもさすがに昨年はセットにお金を掛けすぎたと考えていた。
 

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浦島太郎の撮影が終わった後の、7/10-11日に、アクアは関西に移動して、昨年も撮影をした、振袖のCM・広告を撮影した。昨年と同じ配役!で撮影する。
 
つまり、アクアFが振袖を着て、ローザ+リリンのケイナがお母さん役である。
 
「またこの暑い最中(さなか)に冬用訪問着を着るのか」
とケイナ。
「またこの暑い最中(さなか)に振袖を着るのか」
とアクアF。
 
Fは昨年このCM/広告の撮影をした時は1年後には自分はもう消滅しているだろうから今年真夏に振袖を着るのはMになるだろうと思ったのに、再び自分が着ることになったのは、参ったと思った。
 
「M、代わってよぉ」
と言ったものの
「着付けする時に男だったらやばいじゃん」
と言って押しつけられた。
 
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「アクアは男の子タレントだよ」
「いや、国民のほとんどが女の子だと思ってる」
 
そんなこと自分で言ってたらMが消滅しても知らないよ、などと思いながらFはHonda-JetRedでスタンドイン役の水森ビーナ(昨年はスピカが務めたが今回はスピカがビーナに押しつけた)、母親役のケイナとそのスタンドイン役の遠下美笑干、および緑川マネージャーの5人で小浜に飛び、そこから撮影場所に行った。
 
しかし緑川は確実に女だが、他の4人は着ている服は女物でも中身はどうも性別が微妙な4人である。
 
(前向きの席にアクアとビーナ、アクアの前にケイナ、ビーナの前に遠下と座り、緑川はトイレ席に座る。補助席もあるが、話がしやすいようにである)
 
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なお、ビーナは9日はシンドルバッドの撮影をして、12日は『青空高校の午後』に“女生徒5”役で出演、13-15日は松梨詩恩の長時間ドラマのスダンドインを務め16日はまたシンドルバッドの撮影、17日はドライヤーのCM撮影、18日からは舞音のアルバム制作の仮歌係、と日程が詰まっており、この土日空いていたのは実は奇跡に近かった。そのビーナのスケジュールを聞いてアクアが驚いていた。
 
「ビーナちゃん、ボクより忙しくない?」
「アクアちゃんより忙しい人はいないと思います」
 
「君たちのスケジュール聞いてると俺は暇なんだなと思うよ」
とケイナ。
「私毎年手帳を買う度に、今年は予定の入る月が複数あるといいなと思う」
と遠下美笑干。
 
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遠下美笑干は仕事の無い芸能人の典型だが、ケイナはかなり多忙なタレントの部類である。しかしアクアやビーナのスケジュールを聞くと「よくそれで身体がもつな」と心配になるレベルだった。
 
なお、ビーナはケイナや遠下美笑干の話すのを聞いていて、どちらも男っぽい話し方をする人だなあと思っていた!
 

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とにかく人が多い所には行きたくないという理由から、今回は撮影場所として、常神半島を使用した。小浜からメーカーさんが手配した2台のダイハツ・ロッキーに分乗して、撮影隊と出演者が常神半島の狭い道を北上していく。
 
「なんか物凄い道ですね」
とビーナ。
 
「日没後はここ走りたくないよね」
とケイナ。
 
やがて某神社の近くに車を駐める。この神社での撮影許可を予め取っている。(駐車場がないのでできるだけ邪魔にならないように道路の端ぎりぎりに路駐する)
 
「なんかこの神社凄くないですか?」
とビーナが言ったが、アクアは
「凄いよね。ここは醍醐先生によると“水のライン”の北端らしい」
と言っている。
 
「なんですか、その水のラインって」
「ここから“水送り”の地・鵜ノ瀬、“お水取り”の地・東大寺を経て奈良県の玉置神社に至る地下水脈があるらしいよ」
 
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「奈良県ですか?凄い長いんですね」
 
しかしケイナたちはこの神社には何も感じないようで
「何か感じる?」
などと話していた。
 

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それで早速、ビーナと遠下をスタンドインにして構図決めなどが行われるのだが、ここで振袖を着てねと言われたビーナが驚いたような声を挙げた。
 
「ボクがこの服を着るんですか?」
 
「君、何の仕事なのか聞いてなかったの?」
「アクアちゃんの代理をしてと言われただけで。ただ色々服を着てもらうから脱ぎやすい服をと言われてワンピースを着てきたのですが」
 
「ま、取り敢えず着てよ。君も4年後の成人式には着るんだし」
「ボク、成人式は振袖着るのかなあ」
「洋装とかの方が好き?」
 
(ここではビーナが男の子であることに誰も気付いていない:そもそもビーナはここまでワンピースを着てきているし!ビーナが男の子と知っているのは、長い付き合いであるアクアだけだが、アクアもこの子は女の子になりたいのだろうと思っている)
 
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ともかくもビーナは着付け師さんに振袖を着せてもらったが、なんか恥ずかしがっていたので
「その雰囲気いいよ」
などと言われながら、アクアの代理をしていた。
 
2時間ほどビーナと遠下を使って構図決め・リハーサルをしてからアクアFとケイナを使っての本番撮影になる。例によってアクアがノーミスで撮影される(ケイナは2回NGを出した)ので、ビーナは
「本当にアクアさんって凄い」
と思った。
 
1時間ほど掛けてアクアでの撮影をした後、道路終端に近い常神漁港でも少し撮影した。そしてこの日はいったん若狭町まで戻って旅館に宿泊した。
 

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