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■娘たち、男と女の間には(13)

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(C) Eriki Kawaguchi 2019-10-20
 
龍虎は4月19-20日も普通に学校に行ったが、19日はズボン、20日はスカートだった。クラスメイトたちは、きっとその日の気分で好きな方を穿いているのだろうと思ったようである。20日の授業が終わってから羽田に移動し、コスモス、鱒渕、葉月と一緒に4人でタイに渡った(和泉や写真家は先行してプーケットに行っている)。
 
《わっちゃん》は転送や人体位置交換の“鍵”を《くうちゃん》から預かり、千里に擬態して千里のパスポート(M3)を持って、龍虎たちより一足先にタイに渡航し、龍虎たちと同じホテルの別の部屋に入った。
 
撮影は21-22日に“佐斗志”の撮影、23-24日に“友利恵”の撮影をする。それで、龍虎たちはこのように担当する計画を立てていた。
 
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4.20(学校)龍虎F (渡航M)
4.21 AM 龍虎N PM 龍虎M
4.22 AM 龍虎N PM 龍虎M
4.23 AM 龍虎F PM 龍虎N
4.24 AM 龍虎F PM 龍虎N (帰国M)
4.25(学校)龍虎M
 
実際には撮影がかなりヘビーなので、午前と午後で分けるのではなく2時間交替くらいで入れ替わって撮影に応じていた。
 
ここで予定外のことが起きる。それは撮影に同行した鱒渕が「疲れたみたいだから少し休みます」と言って部屋に戻ったのだが、《くうちゃん》の見立てでは「帰国するまでに死亡する。既に瀕死の状態」というのである。
 
そこで鱒渕を千里の“エネルギーの海”の中に放り込み、治療することにした。ここに数日放り込んでおけば、蓄積した疲労の解消による体力・免疫力の回復で取り敢えず数ヶ月は持ちそうということだった。その先は《くうちゃん》も「分からない。本人の体力と運次第」と言った。
 
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そして治療中の鱒渕に代わって、《わっちゃん》が彼女の振りをして撮影に立ち会い、龍虎の位置交換を積極的に行ったのである。
 

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22日までに佐斗志の撮影が終わったことから龍虎Mは一足先に帰すことにした。彼には女子水着は着けられない(タックしても、そもそも男性器の存在しないFとはお股の形が変わってしまう。Nは男性器を取り外して!おけば問題無い)。
 
ここでMに千里のパスポートを持たせて帰国させることにした。
 
《わっちゃん》はタイに来る時千里のパスポート(M3)を使っているのだが、帰りは鱒渕のパスポートを使うことにしたので、誰かが千里のパスポートで日本に帰国する必要があった。その役をMに頼んだのである。
 
それで結果的にMは女装して千里のふりをして帰国するはめになった。
 

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龍虎Mは22日深夜の便で日本に戻り、23日朝にパスポート(M3)を千里(千里3)に返した。そして23日は撮影の疲れから赤羽のマンションでひたすら眠っていた。
 
パスポートを受け取った千里3は23-24日の午前中深川アリーナに行って練習していたのだが、24日、“風田コーチ”(に扮した《えっちゃん》)と“坂口代表”(に扮した《つーちゃん》)が来て、今回のアジア選手権は若手中心で臨みたいので、その上の世代の千里や玲央美は海外に出て別メニューで能力の向上を図ってほしいということになったと告げる。それで千里には明日にもフランスに飛んでLFBのマルセイユというチームに練習生として参加して欲しいと言った。玲央美はスペインのLFBバルセロナに行くという話だった。
 
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実は千里の3分裂以来、3人の千里がかち合わないように必死に調整をしていた《きーちゃん》に、千里2が声を掛け「私が3つに分裂したみたいね」と言って、自分が分裂を知っていることを打ち明け、千里2・きーちゃん・京平の3人で協力して調整していこうと言って、その3人による《△プロジェクト》が発足していた。京平が入ったのは、“千里”は毎日京平に会いに来るからである。
 
(京平は実は、お母ちゃんと今までの3倍一緒に居られて嬉しいが、話題にも気をつける必要がある。1歳児がここまで気遣いするのは全くお疲れ様である。
 
なお3分裂に気付いた順序は、くうちゃん→丸山アイ→千里3→わっちゃん→京平→千里2→きーちゃん、の順序である。
 
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きーちゃんと千里2は4月20日から22日まで3人が同じ場所に現れないよう気をつけて調整作業をしていたのだが、23日の国香の結婚式などでは、かなりヒヤッとする事態もあり、3人が同じ日本国内に居たら、いづれ破綻は避けられないとして、3人の内2人は外国に出そうということになった。
 

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それで千里2は自分はアメリカに行くから3番をヨーロッパに行かせて欲しいと言い、ヨーロッパにコネがある《えっちゃん》が心当たりを当たったところ、フランスのマルセイユが受け入れてくれることになった。それでこういう話を持って来たのである。
 
ところで千里1が近々日本代表の遠征でアメリカに渡る予定だった。1番が持っているパスポート(M1)と3番が持っているパスポート(M3)は千里分裂の際にできたクローンなので、記録も連動するしそもそも同じ番号である。それで《きーちゃん》は千里3が持っていたパスポート(前日龍虎Mから受け取った物)を別のパスポート (F) にすり替えてしまった。
 
もし鱒渕が倒れていなくて、予定通り25日朝に千里のパスポートを持って帰国していたら、ここでパスポート交換ができなったので、結果的には綱渡りだった。
 
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しかし実は千里3にもこれが好都合だった。(F)のパスポートにはスペインでの就労ビザがセットされているので、ヨーロッパに居やすいのである。
 
一方、千里2自身は自分で調べて、アメリカのWBCBLのスワローズというチームがシーズン開幕直前に中心選手が怪我して困っていることを知り、そこに自分を売り込みに行って採用してもらった。WBCBLのいい所は選手は無給なので、就労ビザ無しでも参加できることである。これは外国の選手が気軽に参加して“武者修行”できるように、あえて無給にしているのである。
 
(WBCBL自体、ほぼ個人経営に近いので、お金が無いし、参加しているチームも経営規模の小さな所が多いという事情もあるにはある)
 
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《つーちゃん》と《えっちゃん》は《きーちゃん》の友人だが、工作活動に自分ひとりでは手が足りないので、日本に呼び寄せた。ヨーロッパに長年住んでいる《えっちゃん》が取り敢えず千里3に付いていき、《つーちゃん》が千里2に付いて回ってサポートすることになった。
 
(他の眷属は全員千里1に付いている)
 

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ところで“本物の”玲央美の方は、《すーちゃん》の友人からフランスLFBに所属するオルレアン・ピューセル・バスケット (Orleans Pucelles Basket) OPB というチームを紹介してもらった。
 
(La Pucelle d'Orleans “オルレアンの乙女”といえばジャンヌ・ダルク (Jeanne d'Arc) の異称)
 
それで「どうせ日本代表も海外に出るし」と思い、風田コーチに許可を取って4月25日、実は千里3と同じ便でフランスに渡った。
 
NRT 11:00(AF275 B77W)16:30 CDG
 
2人はお互いに同じ便に乗っていることに気付かず、成田でもパリでも遭遇しなかった。千里3はシャルル・ド・ゴール空港(CDG)から国内便に乗り継いでマルセイユに行き、玲央美は鉄道でオルレアンに向かった。
 
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それで玲央美は翌26日に“テスト”を受ける。ドリブルやシュートを見たり、何人かの選手とマッチングした。その結果
 
「身長もまあまあだし、スリーも上手いし、素質はあるけどプロのレベルではない。でもわざわざ日本から来たし、しばらく練習生になってみる?その間は無給で。就労ビザが必要なら書類は書くよ」
 
と言われた。
 
でも男と疑われなかったのは初めてだ!と玲央美は思った。身長の高い子がゴロゴロ居るのである。
 
それで玲央美は取り敢えずオルレアンに練習生として入団。秋のシーズン開始までロースター入りを目指して練習に励むことになった。選手登録名は Leo である。
 
練習生の間は給与も無いが《すーちゃん》がオルレアン市内にアパートを借りてくれた。
 
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「ここの家賃は?」
「千里が払うから大丈夫。あの子、お金持ちだし、自分が何に幾ら使っているかとか全く把握してないから、オルレアンのアパート代金とか引き落とされていても全然気付かないよ」
「まあ千里ならいいか」
 
玲央美は《すーちゃん》の友人でパリ在住の《コアちゃん》という子に頼んで就労ビザの申請をすることにした。玲央美は28日までオルレアンの育成チーム練習に参加させてもらい「日本代表の活動があるので」と断って、29日夕方の便でアメリカのダラスに移動した。
 
CDG 4/29(Sat) 17:10 (AA48 787-9) 4/30 9:35 DFW
 
そして成田からの便(4.30 11:10 - 8:55 DFW)でダラスに来ていた代表チームに合流した。
 

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一方マルセイユに渡った千里3だが、チームに行き、こちらも玲央美同様テストを受けさせられる。合格点はもらったものの、現時点ではフランスでの就労ビザが無いので、取り敢えず無報酬の練習生ということになった。ビザに関しては運営会社が書類を書いてくれるということで、それを使って千里3に付いてきた《えっちゃん》が申請作業をすることになった。なお、住む場所は事前に市内のアパルトマンが借りてあった。家賃は自分で払ってと言われたのでカード払いにしておいた。
 
千里3はこちらでしばらく暮らすなら車が欲しいなと思い、グラナダに置いているイビサを取ってくることにした。これに《えっちゃん》に付き合ってもらうのだが、この時、どさくさ紛れに千里3は《えっちゃん》を自分の直接の眷属にしてしまった。現在は主はおらず千里2が仮の主になっていたので、横取りが可能だったのである。
 
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これからしばらく、千里3はマルセイユでチーム練習に励みながら、週に2〜3回グラナダに行き、翻訳の仕事をするということになる。自分の手に負えない言語については《きーちゃん》に頼んで、分かる子に翻訳してもらっていた。
 
なお、千里3はグラナダのレオパルダの運営会社に、マルセイユに移籍したことを連絡し、マルセイユで書いてもらった在籍証明書を送ったら、グラナダからマルセイユへの引越代金として 22000 eur もらえることになった。昨年 15000 eur 既にもらっているので差額の 7000 eur (84万円) を受け取った。
 

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ちなみに、千里の眷属の中で《くうちゃん》管理ではない子たちはこのようになった。
 
市川ドラゴンズ(播磨工務店)のメンバーに関しては、取り敢えず2番が、バレンシア・ハルコンズのメンバーに関してはフランスに行くことになった3番が管理することにして《きーちゃん》がその調整をしたのだが、7月以降2番の方が海外に行くことになったため《きーちゃん》の誘導で管理を交換した(ドラゴンズやハルコンズのメンバーの多くはこの交換に気付かなかった)。
 
仙台コシネルズのメンバーについては取り敢えず1番の担当にしていたのだが、7月以降1番が管理できない状態になってしまったので、国内にいる3番がそちらも面倒を見ることになった。
 
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小春は1番に付いていたのだが、7月4日の事件で千里1の身代わりになって死亡する。
 
《きーちゃん》がお手上げだったのが《わっちゃん》である。彼女は《きーちゃん》たちとは別のチャンネルで千里とつながっていたので、4月の落雷の後、《わっちゃん》の居場所を知るすべが無かった。眷属たちの間でも議論があったのだが、千里とのコネクションが切れて、フリーになってしまったか、或いは落雷の際に死亡したのかもと他の眷属たちには思われていた。知っていたのは《くうちゃん》だけだが、彼は基本的に何も語らない。《わっちゃん》は他の眷属から発見されないように巧みに行動して、千里3をサポートした。
 
《ほしちゃん》は千里2の眷属だが、4月の時点で千里3のことが純粋に心配だったので3番に付けて影からサポートして欲しいと言っておいた。しかし《えっちゃん》が千里3の傍には付くようになったので、呼び戻して自分の日常のサポートをしてもらうようにした。当時2番にはそういう雑務を任せられる眷属が他に居なかった。
 
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《つーちゃん》は4月の段階では千里2が仮の主になっていたが、夏頃正式に千里2の眷属となった。彼女は《きーちゃん》の依頼により、4月から7月途中まで《わっちゃん》の代わりに千葉玉依姫神社のメンテをしたほか、千里2の楽譜入力係をすることにもなる。なお千里1の楽譜入力は《たいちゃん》がしている。
 
《えっちゃん》も同様に千里2は夏の段階で彼女を自分の直接の眷属にしたつもりでいたのだが、実は彼女はその前に千里3が自分の眷属にしていたのでこの眷属化は無効だった。結果的に彼女は本人も気付かないまま二重スパイ状態になっていた。千里2は彼女を千里3のそばに置いておくことで千里3の動向を完全キャッチしているつもりだったのだが、実は千里3に都合のいい情報だけを流していたのである。これは千里2と千里3が“手打ち”する(2019.6)まで続く。それ以降は千里2・千里3の話し合いで千里3専属になる。
 
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《えっちゃん》は7月中旬以降千里3に付いて日本国内に居たので《つーちゃん》から千葉の玉依姫神社のお世話を引き継いだ。彼女は長年ヨーロッパに住んでいたのでクリスチャンらしいが「どこの神様も尊いもの」と言って、しっかりご奉仕し、《姫様》にも気に入られていた。(彼女の感覚では日本の“神様”はヨーロッパの天使のようなものだと思っているようだ)
 

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