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■娘たち、男と女の間には(9)

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(C) Eriki Kawaguchi 2019-10-19
 
(2017年)2月19日は龍虎が進学予定のC学園高校の制服採寸会だったのだが、龍虎は“女子制服”は必要ないしと思って、この日はたまたま仕事が無かったので、(熊谷の)自宅に居た。ところが彩佳から電話が掛かってきて
 
「制服採寸と一緒に生徒手帳の写真を撮るんだよ」
と注意され、結局、彩佳・桐絵と一緒に東京に出て、採寸会に行った。
 
龍虎は自分は男子なので女子制服は不要だから写真だけ撮って欲しいというのをきちんと説明できず、結局普通に“女子制服”の採寸をされて、サイズチェック用の女子制服ブレザーを着た状態で写真を撮られてしまった。
 
あらためて女子制服の制作は不要と連絡しようと思ったが、彩佳に唆されて、そのまま作ってもらうことにした!
 
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アクアの新しい写真集の企画が持ち上がった。
 
アクアの写真集は、デビュー前の2014年秋に撮影して2015年1月にテレビ番組でのお披露目直後に発売した“AQUA in Hawaii”、昨年(2016年)春に震災復興イベントの会場で発売した"Fukushima 2016"がある。他に『ねらわれた学園』のスティル写真集があり、これにも多数のアクアが写っている。
 
実はアクアの写真集の企画はしばしば立てられては多忙を理由にキャンセルになっていたのだが、今回は“高校生になった記念に”とΛΛテレビが強く推して制作が本決まりになった。
 
写真集の仮題は『佐斗志・友利恵 in セーシェル』である。つまり“佐斗志”の写真と“友利恵”の写真を半々くらいで構成しようという企画で、案の定アクアに提示すると
 
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「え〜?それって女装するんですか?」
とまるで嫌そうな言葉を発しながら、顔は嬉しそうにしていた!
 
本人はかなり乗り気だなと思ったので、コスモスとしても企画を受けることにした。
 
(最終的にはセーシェルではなくプーケットに変更された)
 

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コスモスは当然自分も付いていかなければならないだろうと考え、今年夏に期限切れになるパスポートの更新を申請した。今所持しているパスポートは2012年にハワイで自身の写真集を撮影した時に作ったものである。当時20歳を過ぎていたので10年有効のものも申請できたのだが、5年後までアイドルをやっているとは思えなかったこともあり(当時は給料も安かったし)、手数料節約で5年有効のものを申請していた。今回は10年有効のものを申請する。
 
アクアのパスポートはデビュー前にハワイに写真集を撮りに行った時に作ったもので2014年10月作成。2019年10月まで有効なので、そのまま使用できる。
 
西湖のパスポートは5歳の時、2007年11月に作ったのが最初で、2012年に更新しており、期限は2017年11月であった。残存期間が半年以上あるので今回は現在のパスポートで海外渡航することができる。
 
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鱒渕は初めての海外渡航となったので、企画が決まった2月の段階で申請し、初めてのパスポートを取得した。
 

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貴司は男子日本代表として、2月10-11日、札幌市でイランとの国際強化試合に出場した。しかし今回の試合では貴司は見せ場を作ることもできず、本人としても不満の残る出場となった。
 
そしてこれ以降、貴司は少なくとも2017年は1度も代表に呼ばれることが無かった。
 

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千里たちのレッドインパルスはプレイオフで2月18-20日に準々決勝・ビューティーマジック戦をしたのだが、1勝2敗で敗れてしまい、今年のレッドインパルスはBEST8(最終順位は5位)で終わってしまった。
 
千里は完璧に不完全燃焼の思いだった。
 

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2017年2月上旬。千城台新体育館の設計書・工事計画書の審査が通った。それで“播磨工務店”のメンバーは姫路市内に確保した80坪の土地に鉄筋コンクリートによる基礎工事(べた基礎)まで施したところで、そちらはいったん中断し(ブルーシートを掛けておく)、千葉市千城台で体育館の建設を始めた。
 
なお、元々千城台の体育館は↓の図の左側のように建っていた。
 

 
播磨工務店のメンバーはまず、旧宿舎と、体育館裏の旧プール跡(千里たちがここを借りた2010年の段階で既に廃止されて水が溜まると危険なので水抜き用に堤が一部破壊されていた)を1晩で撤去し、同時に旧体育館を「よいしょ」と持ち上げて、敷地の端に“あまり”崩れないように、そっと置いた。
 
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それで翌日練習に来た原口姉妹がびっくりして千里に電話して来たので「夜間に曳き家したみたいね」と答えておいた!この移動した旧体育館はさすがに移動の衝撃であちこち雨漏りしたが、すぐ雨漏り箇所は修繕してくれた(こういう“水回り”は清川が得意らしい)。
 
それから2ヶ月かけて3月末まで杭打ちなどの基礎工事をして、4月中に鉄骨を組み上げ、その間に“空いている土地”(どこだ?)に作業用の工場を建てて鋭意プレキャスト・コンクリート(PC)を製造していく。そして5月になってからそれを鉄骨に留めて行き、屋根も取り付けてしまう。6月中に壁材を貼り付け、床材も敷いて、その一方各種配管・配線もしていく。
 
このあたりは力仕事が得意なメンバーと、細かい作業が得意なメンバーが分担して作業を進めた。主導しているのは播磨工務店の8人のメンバーではあるが、実際に働いているのは彼らの知り合いの多数の精霊たちで、その総数はのべ50人ほどに及ぶ。実は工事に必要な、様々な法的資格を持っている人を集めたらその人数になった。
 
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みんな物凄い腕力を持っているので杭打ちマシンもクレーンも必要ない。杭はギュッと地面・岩盤に押し込んでしまうし、鉄骨やコンクリートの板を手(?)で持って登っていき(飛んで行くのと投げて渡すのは禁止した)、1人が支えている間に別の1人がボルトで留めてしまう。熔接などしなくても腕力で圧力を掛けて金属同士を繋いでしまうし、鉄骨や水道管などを自在な形に曲げたりする。
 
結果的には騒音が少ない、とても静かな工事になったし、工作機械を動かすための電気や燃料もとても少なくて済んだ。
 
そして(2017年)7月には必要な検査も受け、消防署にも確認してもらって竣工となった。
 
新体育館が利用できるようになったら、翌日!の朝までに旧体育館は姿を消していて、またもや原口姉妹が仰天することになる。
 
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この建設作業をする期間、姫路の住宅の方は作業がストップしており、作りかけで放置?されているので、近所の人たちは「夜逃げだろうか?工務店の倒産だろうか?」などと噂をしていたらしい。
 
姫路の家を8-10月の3ヶ月掛けて完成させてから、千城台新体育館の宿舎は鉄骨構造で11月に組み上げてしまった。基礎工事は最初に体育館と一緒に済ませておいたので、わずか一週間で建物ができあがり、内装工事も1週間で完了して検査を受け、12月中旬には使えるようになった。これもローキューツのメンバーは驚いていた。
 
この体育館の建築経験が、小浜のミューズ・シアターの建築(2018秋-2019夏)に役立つことになる。千里もどういう行為を禁止したら少しでも人間っぽくなるかを学習した。最初に禁止したのは、待ち時間に200kg程度の鉄骨でチャンバラごっこする行為である!
 
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この体育館建築のために実際に千里が支払ったのは材料費(主として鉄骨・屋根材・コンクリート・配管配線具・防音材)1億円、本体工事をした4-7月の労賃(約100人月)1億円、山と製材所に掛けた8千万円、その他諸経費2千万円の合計3億円である。冬子には銀行から一時的に7億円借りたけど半年で返した、などと言っておいたものの、実は無借金で建築してしまった。
 
「鉄骨に結構お金が掛かった。千里、どこかの鉱山と製鉄会社買わない?」
「さすがにそこまでの資金は無い」
「仮想通貨で10兆円くらい儲けさせてあげようか?」
などと青池さんが言っている。
 
「仮想通貨?何か若葉が言ってたね。よく分からないから《たいちゃん》に任せているけど、こないだ『ごめーん。10億円分すった』とか言ってた」
「まあ、物凄く儲かるけど、そうやって大損失出すこともある」
「たいへんネ!」
と千里は他人事(ひとごと)のように言った。
 
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なお、姫路の住宅だが、所有者が住む住宅として建設しているので、実際に居住する必要があった(住まない場合は税金などが変わる)。
 
それで千里は“旭川戸籍”の村山一家全員をここに転居させてしまった。それまではこの戸籍に対応する住民票は江戸川区葛西に置いていたのだが、これで村山一家は東京都の住民から姫路市の住人となった。むろん千里以外の3人はそのことを全く知らない!
 

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2017年3月3日(金).
 
フェイの帝王切開による出産が行われた。フェイの膣は人工的に作ったもの(と本人は言っている)なので、赤ちゃんはそこを通過することができず、帝王切開しか選択肢が無いのである。妊娠自体が不安定なので8ヶ月目に入ったところでの帝王切開になった。
 
赤ちゃんは無事生まれ、女の子だったので、“父親たちの合議”により、歌那(かな)と名付けられた。フェイは「明天那蔵宇高妃寿」という名前を付けたいと言ったが無視された! (Αθηνα Γλαυκωπισ, Athena Glaukopis −“輝く目のアテナ”の音写。アテナは男性神であるゼウスが産んだことから、男の子である自分が産んだ子供というのでアテナと付けたかったらしい)
 
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(フェイは出産前に戸籍の性別を(渋々)女性に修正したので、法的には普通に女性が出産したことになっている)
 
青葉と千里は出産の1週間くらい前から交替でフェイのそばに付いていて、最後は帝王切開の現場にも立ち会い、サポートをした。
 

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3月3日は千里の誕生日でもあった。千里は青葉から「誕生日おめでとう」と言われてお花をもらったので、深川アリーナに飾っておいた。
 
フェイの出産が終わり、様子を見ていて大丈夫なようなので《いんちゃん》を念のため残して病院を出る。新幹線で移動して新横浜駅のAホテルに行くと24階まであがり、電話を鳴らす。ドアが開けられ貴司が笑顔で「入って入って」と言うので、千里は抱きついてキスをした。
 
普段は22日前後にデートするのだが、今回は3月3日が誕生日だったので、2月22日をパスして、この日にすることにしていたのである。
 
昨年秋の大浮気以来、性的な接触を拒否していたのだが(だから結婚記念日の2016.12.22に会った時もセックスしていない)、この日で解禁としたら、貴司が物凄く喜んでいるので「まるで貴司の誕生日みたい」と千里は言った。
 
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「でも射精ってそんなに気持ちいいの?」
「気持ちいいよー。特に千里の中で出すのが気持ちいい」
「オナニーの方が気持ちいいのかと思った」
「僕はオナニーできないから」
「アクアみたいなこと言ってる」
 
「あの子、おちんちん無いんだからオナニーできる訳ない」
「まあ世間的にはそう思われているかもね。そうだ、貴司のちんちん取り外して私が持ってて、毎日射精させてあげようか?」
「それでは僕自身が気持ちよくない」
 
ああ、やはり取り外すの自体は構わないのね?と千里は思った。後ろで《こうちゃん》が医療用のハサミ(剪刀)を見せているが、無視する。
 

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一息ついてから10階まで降りてロイヤルホストで予約していたディナーを食べ、その後部屋に戻って、朝までゆっくりとして時間を過ごした。貴司は
 
「ここ最近、毎年、バレンタインと合わせてで申し訳無いんだけど」
などと言って、今年はセリーヌの財布をプレゼントしてくれた。
 
■貴司が千里にくれたもの(抜粋)
2007(高1)誕生日 LizLisaのハート柄のお財布
2008(高2)結婚1周年 Suntoの腕時計
2008(高2)誕生日 ミッキーマウスのトートバッグ
2009(大1)11月 アクアマリンのプラチナリング
2010(大2)XMAS アクアマリンの18金イヤリング
2011(大2)誕生日 ミュウミュウのピンクの財布
2012(大3)婚約 ダイヤ(1.2ct)の18金リング
2013(大4)誕生日 アクアマリンのペンダントの付いたプラチナのネックレス
2014誕生日 ゴールデンパールのネックレス
2015誕生日 ロンシャンの大型バッグ
2016誕生日 スターリングシルバーのブレスレット
2017誕生日 セリーヌの財布
 
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「それで阿倍子さんとの離婚届けは?私これ提出したいんだけど」
と言って2012年の結納式の時に書いた婚姻届を見せる。
 
「その件はまた今度」
と貴司は言っているが、千里はその“今度”というのが、あまり遠くない時期のように貴司の雰囲気からは感じた。
 

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娘たち、男と女の間には(9)

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