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■娘たちの振り返るといるよ(10)

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さて、龍虎自身のおちんちんであるが、3年生の12月に4.2cmと言われていたのが4年生の12月には4.1cm, 3月には4cm, そして8月には3.4cmと言われたものの、ここで誤って女性ホルモン剤が渡されていたことが判明し、それを中止したら9月には3.8cmといわれ、わずか1ヶ月で4mm伸びていた。
 
「やはりもうすぐ思春期が始まるから、睾丸の働きが活発化しているんですよ。それで女性ホルモンの服用中止で男性ホルモンがしっかり働くようになったんですね」
と先生は言っていた。
 
龍虎はそれを何か寂しく感じていた。男になりたくないわけではないし、女になる気は無いものの、このまま男になってしまうのには違和感あるいは不快感のようなものも感じていた。それに・・・
 
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ボクが男になってしまったら、彩佳たちとも今みたいに付き合えないかも知れないなあ。
 
小学1〜2年生では男女のへだてなく付き合っていても、5〜6年生になると男女それぞれ別れて遊ぶことが多くなる。しかし龍虎は“成長が遅い”こともあり、むしろ女の子の友人の方が多い状態で、ここまでは来ている。
 
むしろ男子でわりと気軽に話せるのは西山君くらいだ。
 
彼は男女両方の友人が多い。いわゆる女子に“警戒されない”タイプの子である。
 

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今回の入院検査でも、血液や尿を取られて様々な検査をされるし、MRIで全身をくまなく検査される。撮影した映像は目視だけでなく人工知能でも腫瘍っぽいものが無いかチェックするらしいが、今回も腫瘍再発の兆候は無いことが確認された。
 
「手術してから4年5ヶ月だからね。それで再発の兆候は全く無いから、もうほぼ治癒とみなしていいだろうね」
と主治医の加藤先生は言った上で
 
「念のため来年の今の時期にも徹底的な検査をしましょうか。それで大丈夫なら、後は年に1度の簡単な経過観察だけということで」
と言った。
 
「ありがとうございます。制癌剤ももう3年ほど飲んでないですしね」
と長野支香は言う。
 
「そうそう。それを止めて様子を見ていても全く問題ないようだから、ほんとに治ったんだと思いますよ」
 
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龍虎の身体の成長についても加藤先生は言った。
 
「やはり幼稚園から小学1年の掛けての時期に本当に身体が弱っていたから、身体が成長に使うはずだったエネルギーを病気と闘うために使っていたんだと思います。それで同じ年齢の他の子に比べたら2〜3年成長が遅れているけど、これから身長も伸びて、たぶん中学に入る頃には思春期も来ると思いますよ」
 
「この子、たぶん肉体的には小学3年生くらいですよね?」
 
「今身長と体重は・・・」
と言って加藤先生はカルテを画面で確認している。
 
「126cm, 26kgか。。。。これは小学2年生くらいかな」
「でも去年よりは増えているよね?」
「去年の12月は・・・123cm, 21kgだから、順調に伸びていますね」
「だったら問題無いですね」
「ええ。男の子は思春期に入って少ししたあたりで身長も体重も増えますから」
と言ってから加藤先生は
「おちんちんも長くなるよ」
と付け加えた。
 
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「そのおちんちんの長さも少し心配していたのですけど」
と支香は言う。龍虎はギクッとする。
 
「8月には3.4cmまで縮んでいたようですが、9月に3.8cm, 今回の計測では4.4cm。やはり急速に成長しはじめたようですね」
と加藤は言った。
「4ヶ月で1cm伸びてますから、この調子でいけば、来年の12月には6-7cmになるかもね」
「そのくらいあれば、結構普通ですよね?」
「だと思います。小学3年生くらいで平均6cmですよ」
 
龍虎はおちんちんが急速に大きくなると言われて不安になったものの、小学3年生程度なら、まだいいかと思った。
 
おちんちんが無くなったり、あまりにも短くなりすぎて全部皮膚の中に埋もれている(去年の夏はそれに近かった)とかいうのは困るけど、あまり大きくもなって欲しくない気分だ。また“あのお薬”少し飲んじゃおうかなあ、などと龍虎は考えていた。
 
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「お薬飲む手もあるけどね」
と青池さんは言った。
 
「どうやったら、もっと強くなれるんでしょうね」
と束の間の休憩時間に貴司は、青池さんに尋ねた時、彼女(彼?)は最初にそう言ったのである。
 
「お薬というと?」
「筋肉増強剤とか、覚醒剤とか、興奮剤とか」
「ドーピング違反ですよ!」
 
「覚醒剤って凄いよ。反射神経が20-30倍になるから」
「えっと・・・」
「それでベトコンのMig-17を駆ってアメリカのF4を6機まとめて撃墜したことある」
「あのぉ・・・青池さんっておいくつでしたっけ?」
 
「まあ副作用が辛いから、もう40年くらいやってないけど」
「しない方がいいと思いまーす」
 
ほんとにこの人何歳なんだ!?
 
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「他には女子選手には男性ホルモン飲む奴もいる」
「それ生理が乱れたりするのでは?それも女子の場合、ドーピングですよね?」
「うん。男性ホルモン濃度が高い場合は、女子としての出場を拒否されるから、ちんちん取り付ける手術して男子の方に出ないといけない」
 
「えーっと・・・」
 
なんかこの人の話はどこからがジョークでどこまでがマジか分からないなあと貴司は思う。
 
「細川さん、ちんちん欲しい?」
「あれば便利だと思いますが」
「うん。あれは便利らしいね」
 
便利らしいね、と言うということは、やはり青池さん、女性なのかな?
 
「ちんちん取り付ける場合は、ちんちん要らないという男からぶんどる。最近、要らないという男が増えてるから、供給源はたくさんある」
「確かにそれはたくさんあるかも知れませんが・・・」
 
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「まあでも女子のまま頑張りたいなら、ホルモンもちんちんもやめといた方がいい」
「取り敢えずやめときます」
 

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「お薬使わないのなら、その分を練習でカバーするしかないね」
と青池さんは言う。
 
「その方がいいですー」
「見た所、細川さんはやはり下半身の筋力不足なんだよね」
「下半身ですか?」
「女性アスリートは概して下半身の方が上半身より筋肉が付きやすいんだけど、細川さんの筋肉は上半身が凄く発達しているのに、それに比べて下半身が弱い」
 
それは・・・自分が男だからかもという気がした。
 
「だから下半身を鍛えることによって、細川さんは進化すると思う。それで南田は毎日5kmのジョギングを課したんだよ」
 
「あのぉ、あれ男子の選手はマジで30km走っているんですか?」
「ああ、だいたいみんなサボってる。30kmも走ったら、その後とても足が動かないよ。せいぜい10km程度だよ」
 
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「それ聞いて安心しました!」
と言いながら、10kmでもかなり凄いぞと貴司は思う。
 
「でも南田兄弟だけは別」
と青池さんが言うと、貴司も顔が引き締まる。
 
「あの2人は毎日40km走ってる」
「40〜〜〜!?」
 
それってマラソンの距離じゃんと思う。
 
「あいつらは足が速いから、40kmは2時間掛からない」
「ひぇ〜〜〜!」
「まあ、その後30分くらい休憩した後でふつうにバスケできるあいつらは化け物じゃないかという気がするね」
 
「いや、それは本当に凄いです」
 
なんかこの集団ってオリンピック上位レベルじゃないの?と貴司は思った。
 

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2013年1月20日(日).
 
貴司たちMM化学のバスケットチームは今季リーグ戦の最終戦で、AL電機と激突した。ここまで両者ともに6勝0敗で、この試合を制した方がリーグ優勝である。
 
試合はかなり競った状態で進行するが、貴司のプレイは相手チームだけでなく、味方の選手にも驚かれるほどであった。
 
貴司は10月8日以来、ずっと市川ラボで市川ドラゴンズのメンバーと練習をしており、“背番号”も10から9に昇格している。貴司自身、自分のプレイにかなり自信を持てるようになっていた。
 
むろん“お薬”は飲んでない!
 
最後は1点ビハインドの場面からシュートしようとした所を相手に止められたが、これが相手ファウルとなり、フリースローとなる。
 
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貴司はこれを2本ともきっちり決めて、逆転勝利。そしてMM化学の初優勝が決まった。
 

試合終了後の打ち上げの場で、キャプテンの藤元は今期限りで退部することを表明、次のキャプテンには年長の石原を指名した。本当は貴司を指名してもよかったところだが(実際次のキャプテンは貴司だろうと思っていたメンバーが多かったようである)、キャプテンになってしまうと辞めにくいだろうということから、敢えて回避したのである。
 
貴司自身もリーグ戦に区切りがついたので、藤元にも言われたように、プロチーム巡りをしようかなと思っていた。
 

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さて。。。。
 
貴司たちが今季リーグ最終戦をおこなった1月20日は友引であった。そしてこの日、貴司の従妹・布施美沙(23)が札幌市内のホテルで結婚式を挙げることになっていた。
 
祝賀会については発起人を頼まず、自分でコーディネイトしたいと美沙は宣言した。美沙は自分のことは自分でコントロールをしたい性格なので、発起人が色々勝手な段取りや演出をすることを好まない。
 
それで基本的には美沙と新郎の原田さんの2人で色々な手配をした。単純な作業だけは親友の佐津紀と、美沙の長兄で優しい暢彦が手伝ってくれた。
 
暢彦は人の気持ちを読むのがうまく、こちらの希望をそのまま活かして作業し、よけいな口を挟まない性格である。勝ち気な美沙とは小さい頃、よく男女逆ならよかったのにとも言われていた。美沙は実際問題として暢彦の性別に疑惑を感じている。暢彦が女の子になりたいと言い出しても美沙は驚かない。友人も女性の友人の方が多いみたいだし。でもそういう優しい性格なので美沙は暢彦を信頼していたし、また次兄の武彦より話しやすいと思っていた。
 
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結婚式・祝賀会の案内状については、少し悩んだものの、親戚は(多少の欠席者が出ることを想定した上で)いとこレベルまで送ることにし、母系統の親戚は母に、父系統の親戚は父に、リストアップと案内状発送を依頼した。
 

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美沙の母・晴子はリストを考えている内に美沙のいとこの中で、誰が結婚していて誰が結婚していないか、結婚している場合、配偶者の名前は?というのが分からなくなってしまったので、案内状は個別の名前までは書かずに、各々10枚印刷同封して次の単位でまとめて送った。
 
(礼文)芳朗とその子の和雄・朝司・梨菜
(網走)洋造とその子の英世・独歩・西紀
(留萌)淑子、望信とその子の貴司・理歌・美姫
(枝幸)麗子とその子の杏梨・桜花
 
そして「各配偶者さま共々ぜひおいで下さい」と書いておいたのである!
 
ちなみに従姪・従甥クラスで最年長はたぶん芳朗の長男・和雄の子供で2004年生だったはずなので、その子が8歳だから、案内状が必要な人はいないはずである。
 
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発送したのが11月上旬である。
 

案内状を受け取った(望信の妻)保志絵は悩んだ。自分と望信は出席でよい。淑子はその時点で体調が良ければ同伴することにする。美姫は受験生でセンター試験の当日なので欠席である。理歌は電話してみたら「美沙ちゃん?行く行く」と言っていたので問題無い。
 
問題が大いにあるのが貴司であった。保志絵としては貴司が結婚すると言っている篠田阿倍子は嫁として認めない方針なので、本来なら婚約者を連れて出席してもらってもいいのだが、貴司に
 
《1月20日に美沙ちゃんが結婚式をあげるけど貴司1人で出席する?》
 
とメールしてみた。すると意外にも
《その日は大阪実業団リーグ戦の最終戦があるから出られない》
 
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という返事が来たのである。結果的には阿倍子が貴司の嫁として美沙の結婚式に出席するという事態は無くなったので、それでよしとした。
 

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ところで千里と貴司は2012年12月22日の夜は朝まで一緒に大阪Nホテルで過ごすことになったのだが、この時貴司は「5月に借りた30万を返したい」と言った。
 
「なんだっけ?」
「理歌の振袖を作る時に借りた30万だよ」
「忘れてた!」
 
貴司は5月に母から「可愛い妹のために振袖代を寄付してあげて」と言われたものの、その時は千里に婚約指輪を贈ったばかりで全くお金が無かった。それで千里に相談すると、理歌ちゃんのためならというので千里は30万貸してくれたので、貴司はそれを母に送金しておいた。
 
貴司は、そのことがずっと気になっていたものの、千里と会う機会がなく、返せずにいた。それを今返したいというのである。
 
それで22日20時頃、遅めの夕食を食べに出た際、近くの三菱UFJ銀行のATMに寄り、30万円おろして銀行の封筒で千里に渡した。
 
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千里はATMの前まで同行したのだが、銀行の封筒をもうひとつ取り、渡された30万円の半分15万円を片方の封筒に入れ、
 
「理歌ちゃんは私にとっても妹だから半々負担にしようよ」
と提案して、貴司に渡した。
 
それで貴司もそれを了承してその封筒を受け取った。つまり理歌の振袖には結局、貴司と千里が15万ずつ出したことになる。
 

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娘たちの振り返るといるよ(10)

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